青年の異世界珍道中〜僕のヒーローアカデミア〜   作:クロイツヴァルト

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第七話

 

 「この!」

 

 「甘い!」

 

 開始早々に氷の個性を使う轟に対して戒翔は風の超能力を使い迫る氷を瞬時に解体する。

 

 「せっかくの二つある個性なのに片側だけの個性のみでは今のお前じゃ俺には勝てんぞ?」

 

 「俺は(こっち)は使わねえ!それにお前にも負けねえ!」

 

 余裕綽綽の戒翔の言葉に対して轟は憎悪と言う激情のままに言葉を返す

 

 「あ、そう。なんかその個性に思うことがあるんだろうが使えるもん使わんで勝てるほど敵は甘かあないぞ!」

 

 「ちぃ」

 

 「能力は使い方次第…風塵衝!!!

 

 「ぐぁ!」

 

 「能力は使い方次第…お前のはただの大火力のゴリ押しに過ぎない。能力がわからない中でビルの全体凍結は頂けなかったな。」

 

 「ぐっ…この!」

 

 一瞬で轟の懐に移動した戒翔は風を纏わせた掌打を轟の水月に打ち込み、轟に膝を着かせる。

 

 「本来の威力なら人一人簡単に吹っ飛ぶ威力なんだよ。…この意味は分かるな?」

 

 戒翔は暗に本気を出すほどもなく手加減しても十分な位だと轟に告げる。

 

 「クソが!」

 

 「はい、捕虜のいっちょ上がり……相手が誰であれ自身が強いって思っていても相棒がいるのに最初の攻撃で連携してこない時点で既にお前達の負けだよ……さて、響香の方はどうかな」

 

 戒翔はそう言って確保証明テープで縛った轟を残して瞬間移動をする。

 

 ーーーーーーーーーーーー

 

 「おら、イヤホン女これならどうだ!」

 

 「やっぱキツイな…入試二位は伊達じゃ無いね」

 

 分断された爆豪は現在三階のフロアから下の階層に落とされてそこで待ち構えていた耳郎と戦っていた。

 

 「おらぁ!爆殺!!!

 

 「一々言動が物騒なんだよ!」

 

 急接近する爆豪に対して耳郎は自身のブーツに装備されているスピーカーにジャックを差し込み音で攻撃する。

 

 「だぁッ!?五月蝿えッ」

 

 「向こうは大丈夫だろうけど時間稼ぎはそんなに出来そうに無いかも」

 

 音と衝撃に転がされてもすぐに起き上がりその凶暴性を増す爆豪に引き気味な耳郎は弱気な発言を溢す。

 

 「ならさっさとくたばれやぁ!」

 

 「だから言い方ァァァァァ!?」

 

 爆破を叩き込んでくる爆豪の攻撃を辛うじて躱しながらも耳郎はそんな爆豪の言葉にツッコミをいれる。

 

 「あぁもう(打開策は一応あるけど正直な所、博打なんだけど……ここで決めなきゃ)ロックじゃ無いでしょ!!!

 

 そう言って耳郎は先程と同じ様に爆音を爆豪に叩きつける。しかし違うのはここから

 

 「(あの女…距離を取らねえで)」

 

 そう先程まで時間稼ぎの為に距離を取った戦い方をしていた耳郎がここで距離を詰めてきた事に驚く爆豪。しかしこと戦闘センスに関しては才能の塊の彼が隙を見せる筈もなく

 

 「テメエから来てくれるなんてなぁ!」

 

 「(来た!)あたしだってヒーロー志望でここに来てるんだ!」

 

 「なにッ!?」

 

 爆豪の繰り出した右の大振りの攻撃を見越していたかの様な耳郎に爆豪は驚くも咄嗟に勢いを殺せる訳もなくそのまま一本背負いの様に爆豪は床に叩き付けられる。

 

 「やるじゃねえか…あぁ!」

 

 「やばっ!」

 

 すぐさま起き上がった爆豪はテンションが上がり爆破で耳郎に接近して中段蹴りを放つ。咄嗟に耳郎は腕でガードしたものの勢いは殺せずに床を転がる。

 

 「どうした!今のはマグレか?もっと掛かってこいや!!!」

 

 「やっぱ近接じゃ分が悪いね……戦略的撤退!」

 

 「あ……待てコラァ!!!」

 

 威嚇する爆豪に対して耳郎が取った行動は通路の奥に逃げる事であった。突然の逃げに一瞬だが唖然とした爆豪だが次の瞬間には激昂して耳郎を追い始める。

 

 「やっぱ、あの爆豪って奴は文句なしで強い…時間稼ぎもそろそろキツいし向こうはどうなってんのさ」

 

 走りながらそう愚痴る耳郎だったが次の瞬間にはすぐ横の部屋に引き込まれる。その際に驚くが相手が今、コンビを組んでいる相手である戒翔だと言うことに気付いて安堵する。

 

 「心臓に悪いから急に引っ張らないで欲しいね」

 

 「済まない…が、爆豪に感づかれない様にするにはこうする他ない」

 

 「分かったよ。で、その様子を見ると」

 

 「あぁ、轟の方はカタが着いた。残りは爆豪を捕えれば俺達の勝ちだ。」

 

 「オッケー。で次はどうするの?」

 

 「耳郎は引き続き爆豪の気を引いてくれ。おれは奴の背後から奇襲を掛けて確保する。」

 

 「了解。ならわたしが捕まる前に頼むよ。」

 

 「任せておけ。」

 

 耳郎と戒翔はやりとりが終わるのと同時に耳郎はそのまま部屋を出て、戒翔はまた瞬間移動をして姿を消す。

 

 「そこにいたか!」

 

 「見つかるのはやッ!?」

 

 部屋を出て慎重に進んでいた筈の耳郎だが爆破で速度を上げて周囲を探し回っていた爆豪は凶悪な顔で耳郎に突貫する。

 

 「食らえやァ!」

 

 「緊急回避!!!」

 

 「ちぃッ!まぁだだァッ!」

 

 「きゃぁッ!?」

 

 爆豪の飛び蹴りを身を屈めながら転がる事により直撃を避けたものの爆豪の立ち上がりの方が速く追撃が耳郎を襲う。

 

 「鬼ごっこは終いだぁ。テメエを捕まえて戒翔をぶっ倒して俺の勝ちだ」

 

 「いたた……どっちが敵か分かったもんじゃ無いセリフだね」

 

 ゆっくりと距離をつめてくる爆豪に対してふらつきながらも立ち上がる耳郎はそう溢す。

 

 「だけど…油断するからこうなる!」

 

 「チッ、また馬鹿のひとつ覚えみてえな音の攻撃かよ!!!」

 

 耳郎の個性に耐えながらも吠える爆豪は両の手から爆破をして音の衝撃に負けないほどの推進力を持って耳郎の所に飛ぶ。

 

 「待ってましたってね!今だよ!」

 

 「何ッ!?」

 

 耳郎の言葉に驚く暇も無く爆豪の体に電撃が飛ぶ。

 

 「がァァァァァッ!?」

 

 「スタンガン程度の出力だから少しすれば動ける様になるさ。」

 

 「てめ……か…いと」

 

 「各個撃破をする為に轟と分断して正解だったな。」

 

 「おれは…まだ……まけて…ねえ」

 

 後ろから悠々と歩いて来る戒翔に爆豪は崩れ落ちそうになる体に鞭打って戒翔の方を睨み付ける。

 

 「確かにお前のタフネスは素晴らしいが…今回の授業はチームでどこまで出来るかって事なんだよ。」

 

 そう言いながら戒翔は個性を使って爆豪の両足をいとも容易く封じる。

 

 「下手に動けない様に拘束させてもらったよ。後は耳郎の持つ確保テープを巻いて終了だ。」

 

 「くそが……また…負け……かよ」

 

 「いや、爆豪の作戦は良かったと思うがいかんせん相手が悪かったな。特に相棒が協調性無いのが一番痛い所だったね」

 

 足を封じられては流石の爆豪も動けない…が既に戒翔の個性を食らって疲労困憊に近い状態だったため耳郎にも簡単に確保テープを巻かれてしまうのであった。

 

 「次は……負けねえ」

 

 「うん、次に戦う事が有れば楽しみにしているよ」

 

 「敵チームWIN」

 

 確保された為、個性を解除した戒翔にいまだ絶えない挑戦的な目であったが次第に意識が朦朧としており戒翔の言葉を聞くのと同時に爆豪は気を失うのであった。

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