青年の異世界珍道中〜僕のヒーローアカデミア〜 作:クロイツヴァルト
翌日、戒翔は朝早くに雄英高の職員室に来ていた。
「なんだ御坂、話があるって」
職員室にある応接用の席にイレイザーヘッドこと担任の相澤とオールマイトそして仕切り越しにその他のヒーロー科の教師や他の科の教師までその様子を見ていた。
「少し相談なのですが、土日や祝日で学校は開いていますか?」
「まぁ、開いているっちゃ開いているがそれがどうした。」
「いえ、出久や爆豪と一緒に個性の訓練をしようと思ったらクラスの殆どが一緒にやると言いまして」
「…なに?」
戒翔の口からでた言葉に相澤は驚き、オールマイトは
「まだ入学して数日しか経ってないのに早すぎやしないか?もう少しゆっくりと」
「している暇はあまり無いかと俺は思います。」
「……どういうことだ?」
「確かに今の世の中ヒーロー社会はオールマイトのお陰で他の国よりも犯罪は少ないです。少ないのですがもし……もしですよ?その少ない犯罪の中を隠蓑にする敵がいた場合の事を考えれば出来るだけ早い方が良いと俺は考えます。勿論、日常生活や学業に支障が出る様なことをする気はありません。指導の方はどなたか教師がいてくれれば助かりますが」
相澤の疑問に戒翔は淡々と答える。その言葉にこの場にいたヒーロー達は驚く。
「驚いたな…御坂少年。君はそこまで考えがつくのかい?」
「考えれば分かりますよ。敵の心情を考えれば小さい騒ぎを起こしてソレを陽動にして大きい組織ほどより綿密に緻密に計画を立てる物…勿論ですが小さくとも事件は事件。ヒーロー達はそれを解決しなければなりませんが烏合の衆を影にして組織というのは徐々に大きく成長してしまいます。そうなった時に対処出来る者が増えればそれだけ住民に世間が安心できると言うものです。」
オールマイトの言葉に戒翔は自身の考えをこの場にいる教師に告げる。
「……御坂、お前教師になる気あるか?」
「ちょ、イレイザーマジで言ってんのかYO」
「山田、ちょっと黙ってろ\山田はダメェ!/」
「ん、でだ正直な話だが俺達にもそこまでの余裕は無いんだが実際には新人のオールマイトに補佐役がいないのは正直言って不味いんだ。だからクラスの中で実力があり頭の切れるお前が補佐役としちゃ合理的なんだ。」
「それで俺にですか?正直ヒーローとしての資格も教員資格も持ってないのに?」
「そこはほれ、ここは雄英で自由が売り文句。教師の自由であり学校の自由でもあるが…そこは強制じゃねえ。一応だが今度の職員会議に校長とも話をしておくから一応だが頭の隅に置いておいてくれ。それと訓練に使う体育館だがセメントスが担当している所を借りると良い。お前の個性に関しては俺からアイツに言っておく。」
「ありがとうございます。それでは俺はこれで失礼します。」
そう告げて戒翔は職員室を後にする。それを見送ってから職員室にいた教師達は顔を見合わせ
「今回の入試1位の子はとんでもないわね。」
ボンテージ風のヒーロースーツに身を包んだ女性は身悶えしながら笑って言う。
「ってか十代であそこまで考えて実行に移しに来るとかアグレッシブだなYA」
入試の説明会にいたプレゼント・マイク
「あれは大成して名を残すタイプなんだろうな」
トレンチコートに怪人風の風貌の教師も続く。
「あの子はその場にいるだけで人を惹きつけるカリスマを持っているよ。(お師匠とは違い太陽とは違う…まるで月の様な印象を私は彼に見た。)」
そうオールマイトは溢す。
「まぁ、後でアイツが言っていた訓練場の使用申請書を用意しておくか。」
そう言って相澤が席から立ち上がるのを皮切りにして他の教師も各々の仕事に戻る。その中でもB組の教師は口惜しげな表情をしていた。
「彼がうちのクラスに来てくれれば良いまとめ役になっただろうに」
そう哀愁を漂わせる程であった。B組もまたA組に負けず劣らずの個性派揃いなのだろう。