「ワンピース」の世界に来たと思ったら『最悪の世代』にされたんですけど(半ギレ)   作:闇野サバス

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プロローグ お酒を飲んだだけなのに

せっかく書いた文が何度も消えやがったので初投稿です(半ギレ)


 

うん・・・

 

ここは何処だ・・・

 

見たところ森の中っぽいけど・・・

 

あー頭痛い・・・

 

えーと、昨日何があったっけ・・・

 

確か友達と居酒屋で飲み会したんだっけ・・・

 

それで文字通り吐くまで飲んで・・・

 

松田に担いでもらって・・・

 

そのままタクシーに乗せてもらって・・・

 

あーーー。思い出してきたぞ。そういやそうだったわ。

いやー久々の飲み会とはいえハメ外しすぎたな。

やっぱ大量に飲んだ後の二次会で大五郎チャレンジしたのが不味かった。

 

それでその後記憶がぶっ飛んだまま森に突入して今に至ると。はいはい。

 

 

 

これヤバくないか?電波通じなかったら真面目に詰むぞ。

 

うわ最悪だわ。松田のやつ何やってんだよ。

 

こないだだって大学のレポート提出手伝ってやるって言ったくせに真っ先にベッドの上に逃げやがったし。

 

アイツだけは許さん。アイツのせいだ。単にレポートサボったり自制心ゼロで飲み続けた俺の自業自得な気もするけど。ともかく後でアイアンクロー確定だ。

 

さて先ずは電話が通じるか試さないと。何処にやったかな・・・

 

 

 

ん?

 

今腕の感覚が変だったぞ?

 

まだアルコールが抜けてないのか?

 

というか何か・・・

 

腕縮んでね?

 

いや腕だけじゃない。足も。頭も。全部そんな感じだ。

 

オイオイまだ夢見てるのか?これだから二日酔いは嫌なん、

 

 

 

「あぅー」

 

 

 

・・・・・今のは俺の声か?

 

呂律が回らないとかそういうレベルじゃなかったぞ。

 

というか待ってくれ。口の中に歯がないんですけど。

 

オイオイオイ勘弁してくれ何が起きてるんだ。昏睡してる間に猿がもぎ取ったのか?それとも山姥?それともビッグフット?まさかのバイキンマン!?

 

落ち着け。冷静になるんだ。落ち着いて状況判断を・・・

 

 

 

・・・取れるかアホ!どうなってんだよいきなり!こんなん笑い話にもなりゃしねーぞ!あーもう!松田のバカ!ウカツ!頭無惨!

 

いやそれよりも。大事なのは今の声が本当に俺の声なのかだ。流石に歯がないだけであんな赤ん坊みたいな声は出ないはずだ。

 

よし。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・スゥーハァー

 

 

 

では元気よく!「こーんにーちわー!」

 

 

 

「あーうあーうあー!」

 

 

 

はい。俺の声です。確定しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワッツァファァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッッッッッッッッッッックっ!!!!!!

 

 

 

何が起きてんだよォォォォォ!!これじゃあ俺がまるで赤ちゃんになったみたいじゃねえかァァァァァァァァ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちょっと待ってマジで何が起きてんだよ。目が覚めたら赤ちゃんになってて森の中に1人とか。

 

どうなってんだよ本当に・・・出来の悪いクソ映画でも観てる気分だ・・・

 

しかも心の中で叫んだおかげでまた頭痛くなってきたし。最悪。

 

 

 

どうするよコレ。ロクに動けないし。

 

もうやだ。何も考えたくない。眠いし。

 

身体が赤ちゃんになったせいだろうか。いくらでも眠れる気がする。

 

うん。寝よう。寝てしまおう。コレは全部悪い夢だ。

 

目が覚めたらきっと何もかも元通りだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうだ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

元に戻るんだ・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

何時も通りに山を歩く。

 

歩き慣れた道。通り慣れた木々の壁。そして見慣れた獣たち。

 

その老人は何時も通りに狩りを終えた後だった。

 

あの組織(・・・・)を裏切ってこの辺境の島に逃げ延びてから何十年経つだろう。奴らは未だに儂を探しているのだろうか。

 

素手で仕留めた(・・・・・・・)獲物を担ぎながらふと、思った。

 

その腕は血に濡れており、鹿の喉には釘を刺したような穴が開いていた。

 

武器らしい武器は見えない。狩りの最中に紛失したか。あるいは初めから必要なかったのか。

 

少なくとも、この山一帯に置いて、この老人に敵う獣はいない。

 

(とりあえず早く戻るか。もうすぐ日が沈む頃合いじゃ。)

 

老人は脚を急ぐことにした。

 

 

 

 

 

 

 

しばらく歩いて、それに気づいた。

 

「捨て子か・・・」

 

道の端。木々が立ち並ぶすぐそこに、1人の赤子が捨てられていた。

 

今は眠っているようだ。

 

「はっ。お前も1人みたいじゃな」

 

老人はつい言葉を漏らした。

 

この島に来たは良いものの、決して住人たちに受けいれられている訳ではない。むしろ敬遠している節さえある。

 

己の出す気配が。仕草が。目つきが。

 

なんとも言えない近寄り難さを出していたのだ。

 

しかし、それはむしろ都合が良い。自分の居場所がバレる可能性が減るからだ。だからこそ、こうして山奥で自給自足の生活に甘んじれているのである。

 

そんな中出会ったもう1人の孤独。

 

誰に捨てられたのかも分からないその赤子は、しかし可愛らしい顔をしていた。

 

「・・・・・・・・・・」

 

老人はしばらく黙り、少し考えたような素振りをすると、

 

 

 

「なに。生まれたばかりの命を、熊に喰わせてやることもあるまいて」

 

 

 

空いた片腕で、揺り籠を持ち上げた

 

 

 

 


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