「ワンピース」の世界に来たと思ったら『最悪の世代』にされたんですけど(半ギレ) 作:闇野サバス
他人からの評価は私のやる気になるのでコレからもよろしくお願いします。
あと・・・評価とかお気に入りとかもしてくれたらもっと嬉しいかなって・・・
じいちゃんが六式使いだった事が判明したあの後、俺は容赦ない修行を受ける事になった。
まずは肉体を極限まで鍛え上げる必要があるということで基礎作りから始まった。
最初のうちは腕立てとかランニングとかそこら辺からやったんだけど、慣れてきたと思ったら素手で薪割りをやらされたり断崖絶壁を登らされたりした。
もうこんな事できる時点で充分じゃね?
でもじいちゃんはこれでも若干足りないくらいだと言う。勘弁してくれ。これ以上増えたら早死にする。
こんな生活を5年間毎日欠かさず続けて、素手で薪割りどころかワンチャン岩も切れるんじゃないかと思い始めた頃、ついに六式そのものを覚える時が来た。
「まだ少し早い気もするが、お前はスジが良い。時間をかければ問題なく覚えられるじゃろう」
「まだ十歳にもならないうちから崖上りとかされてたら誰でも覚えられると思うんだけど」
「ハッ。それは途中で投げ出さず地道について来られたやつが言えることじゃ。だからお前にはスジがあると言える。その忍耐力、誇って良いぞ」
いや・・・なんか投げ出したりしたら半殺しにされる気がしたからずっとそうしてきただけって言うか・・・
そうしてじいちゃんから1つずつ六式を教わっていった。
六式とはその名の通り全部で六種類ある武術だ。
全身に力を入れて身体を固くする『鉄塊』、指を弾丸みたいに相手に打ち込む『指銃』、攻撃時の風圧を利用して紙一重でかわす『紙絵』、瞬間的に加速して超速移動する『剃』、空を蹴って空中に浮く『月歩』、そしてじいちゃんが見せてくれた蹴りと同時に斬撃を打つ『嵐脚』だ。
しかもこれらはあくまで基本らしく、技術を磨けば応用技も使えるようになるらしい。
実際やってみて分かったけど、こりゃ身体を極限まで鍛えないと無理だわ。幾つか試しただけで手足が森の中全力疾走したみたいにパンパンだもん。
ああ、六式使ってるモブとかも本当は凄かったんだなぁ。見直したよ。
『指銃』と『鉄塊』は割と早く覚えられた。特に『指銃』は簡単で、練習してる内に足からも打てるようになった。
『紙絵』は身体を脱力する感覚が中々掴めなくてちょっと苦戦した。だって相手の攻撃が眼前まで迫ってくるんだぜ?力入っちゃうよそりゃ。
で、だ。それよりも大きな問題がある。
『月歩』クソムズい。
大体何なんだよ空を蹴るって。人の身体で出来ることの範疇超えてるだろどう考えても!最初にこれ考え出したヤツ絶対変態だわ!
しかもそれだけじゃない。じいちゃん曰く『月歩』が出来ない理由の1つは脚力不足らしい。
つまりこれ以外にも足を使う『剃』や『嵐脚』も使えないということだ。
クソゲー!ふざけんじゃねぇよマジで!
途中まで順調だったのにここに来てどん詰まりだ。じいちゃんは焦ることはないって言ってくれたけど、割とかなり落ち込んでしまった。
もうヤダもう。憂さ晴らしに今日も岩を真っ二つにしていこう。
なーんで手では出来て足じゃ出来ないんだよ・・・
1日分の修行終わったある日の夜。俺は布団に入りながらじいちゃんに聞いた。
「ねえじいちゃん」
「何だ、ケイト」
「そもそもじいちゃんってさ、何で六式を俺に教えようと思ったの?普通なら身体鍛えただけで充分だと思うんだけど」
「・・・何故今さらそれを聞く」
「いや、別に疑ったりしてる訳じゃなくて、単に気になっただけだよ。まあどこで六式覚えたのか、みたいなのはあるけどさ」
六式使えるってことは多分海兵かなんかだと思ってるけどさ。もしくは武術家。
「・・・お前にも、言っておかなければならんか」
「?」
「儂は数十年前、ある組織に入っていた。」
うん。何となく知ってる。
「昔の儂は向こう見ずな馬鹿じゃった。どんな苦難があろうとも自分なら蹴散らせる。乗り越えて行ける。そう信じ切っておった。実際儂には、そう思えるほどの力があったからな」
「でも、そうじゃなかったって事?」
「ああ。信じていた仲間に、裏切られたのじゃ。そして組織を追われた。奴らの追手を振り切る内に、この島に流れ着いた。それからはずっと1人じゃ。」
オイオイ。思ってた以上に深刻だぞ。
「もう儂には何も信じられなかった。信じたくなかった。そうして山に篭り、狩りをして暮らすようになった。幸い山には獣が多いし、街の奴らも寄り付かない。偶に会ったとしても、不気味がって逃げていく」
「・・・・・・・・」
「だから、1人捨てられているお前を見た時は見て見ぬふりが出来んかった。儂が味わった苦痛をお前が受ける必要は無い。お前には儂のようになって欲しくはないのじゃ。だから強くすると決めた。ただ強いだけではない。儂が超えられなかった苦難を超えて、幸せに暮らせるように。それさえも、儂の思い上がりかも知れんがな」
何て言ったら良いか、浮かばなかった。
ジョンじいちゃん、そんな事俺に想ってたのかよ。
別に悪くねぇよじいちゃんは。そんなの裏切った奴らが悪いんだ。自分を責める必要なんて、全く無いんだ。
少なくとも俺はそう思う。
「・・・俺にはよく分かんないけど、じいちゃんは間違ってなかったと思うよ」
だから、悪くない、きっと。
「・・・・・・・・拾ってくれて、ありがとう」
「・・・ああ」
結局、これくらいの事しか言ってやれなかった。
ちなみに『月歩』の習得には8ヶ月掛かった。
どうも。今年でついに15歳になるケイトちゃんです。
やっとこさ六式コンプリートして、現在は狩りの手伝いをしたり実際に組み手をしたりしています。
そしてじいちゃんにボコボコにされるまでがワンパターン。
もう存分に六式使えるようになったのにまだ敵わないとか強すぎっしょ。今でコレとか昔はどんなんだったんだ。
まああんまり考えすぎてもダメだ。そのうち勝てるようになればオッケーなんだよこういうのは。
さて、さっさと狩り終わらせて帰るぞ。
「ケェェェーン!」
変な鳴き方する鹿をひたすら追いかける。もうこの森一帯は俺の庭みたいなもんだ。目を瞑っても走り回れる。
「ほーら、大人しく捕まっとけ!」
舐めプをやめて『剃』で至近距離まで近づき、首に『指銃』を突き刺してやる。死ねオラァ!!
ドスゥッ
ブシャァァァァァ・・・・・・
鹿は血を流しながら数回跳ねた後、動かなくなった。
やっぱ指で肉を刺す感覚がたまんねえ。じいちゃんはいつもこんな狩りしてたのか。
・・・ん?
後ろから熊が来てるな。獲物を横取りする気か。
とりあえず『嵐脚』。
ズバァッ!!
「グガァァァァァァァァァッッッ!?」
ドスゥン
あー、やっぱそうか。威力抑えて打ったから周りの木々を倒さずに済んだ。
さあーて、狩りも終わったし、家に帰って飯に、
お?
音が聞こえると思ったらここ街のすぐ近くか。じいちゃんにはいつも行くなって言われてるけど。
いくら自分が良い思いしてないからってそこまで強制することないよなー。良いじゃん行ってみたって。
・・・まだ夕暮れまで時間あるな。
よし。
行くか。