「ワンピース」の世界に来たと思ったら『最悪の世代』にされたんですけど(半ギレ)   作:闇野サバス

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3話 街と喧嘩ととある謎

「東の海」(イーストブルー)のとある島、アウトラ。

 

その島は特に大きな危険があるわけではない、全体的に見ても普通寄りの島だ。何か特徴を挙げるなら、人々が住む街と獣達が潜む山の2つに分かれているくらいだ。

 

そんな中、1人の男がある調査をしていた。

 

「ああ、まただ。また割られている(・・・・・・・・)

 

その男の名はアッシュ。島で何でも屋『ワイルドカード』を開いている。

 

昔から裕福ではない暮らしをしてきた彼は、学校にはあまり行けず子供でも出来る労働をして家計を手伝っていた。

 

数年間その様な暮らしをしてきたが、ある日父親が事故で亡くなってしまう。

 

父親がいなくなった分も稼がなければならなくなったが、まだ若いとはいえ教育をまともに受けていない身ではできる労働など限られていた。

 

しかし今まで通りでは金が足りない。

 

そこで彼は、何でも屋を開いたのだ。

 

使われなくなった家屋を再利用しそこに店を構え、文字通りどんな事でも引き受けた。

 

ネズミ退治、掃除、店の手伝い、重労働、捜索など、やっていない事はもはや数えるほどしかないと思えるほどだ。

島の人たちも次第に彼を信頼するようになっていき、また彼の元で働く人も現れ始めた。

 

こうして安定した収入と仲間をアッシュは作ることが出来た。そんな時、森の方で奇妙な物を見かけるようになった。

 

真っ二つに割られた岩である。

 

それは断面からして明らかに意図してやられたものである。それも精巧な技術が無くてはできない。一体誰が何の為にやったのか。しかし島の人間はある目星がついていた。

 

山の奥に住むジョンという老人。やったとしたら彼くらいだ。

 

しかしそうだとしても、何故こんな事をしているのか。意図が読めなかった。

 

こうしてこの謎を解くために白羽の矢がたったのがアッシュだ。だがそれでも捜査は難航した。

 

「まったく、本当に誰がやったんだ?イタズラにしては凝り過ぎだろ」

 

手掛かりが無いのでどうしようもないが、ジョンという老人がやったことではないだろう、と彼は推察していた。

 

結局この日も収穫なし。アッシュは街に引き返していった。

 

「今日は仕事の量が多くてくたくただ。帰る前に一杯やっていくか」

 

そう思っていた矢先、何やら騒ぎが聞こえてきた。

 

 


 

 

「おいガキ。今明らかに俺にぶつかってきたよなぁ?」

 

「は?」

 

こっそり街に降りてきたは良いけど、柄の悪い男に絡まれちまった。

 

ぶつかった程度でキレるとは器の小さいヤツだな。俺なら笑って許すぞ。

 

「で、今俺はひじょ〜〜〜に痛いわけだ。主に全身がな」

 

「その割にはペラペラ喋るんだな」

 

「うるせえ!今何で俺が怒ってるのか分かってるのか!」

 

「お前が怒ってる理由を俺が理解できてないから、とか?」

 

「ハア!?ふざけてんじゃねえぞ!!」

 

「アハハハハハ!悪い悪い冗談だって!まあ許してくれよわざとじゃないしさ」

 

「〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッッッッッッ!!!」

 

コイツおもしれーなぁ!顔真っ赤にしてやがる。

 

こんな小さいやつに言いくるめられてバカみたい。

 

というかよく見たらコイツ薄毛じゃんwwwwwwww

 

やべえwwwスカスカwww

 

「テメエ!どこ見て笑ってやがるんだよ!」

 

「ゴメンwwwだってwww頭wwwスカスカwww」

 

「コイツぅぅぅぅぅ!!!ブッ殺す!!!」

 

ガシィ!

 

ッ!

ついに掴みかかってきた。流石に笑い過ぎたか?

 

「グゥッ!何でだ!?何でこんなチビ1人動かせない!?」

 

おっとチビはNGワードだぞ?転生する前からずっと気にしてるんだからな、ソレ。

 

「そりゃあ鍛え方が違うからな。つーかチビって言うな。それ言われると腹が立つ」

「はーん?人の頭バカにしといてぬかすなよこのチビ女!」

 

「あ?言ったなこのヒジキ頭!」

 

さっきから何なんだコイツ!人が笑って許してやってるのにその態度は!

 

人の短所をバカにするなんて最低だぞ!どんな教育を受けたんだ!許さん!

 

「人が無抵抗だからって良い気になりやがって!お前なんてこうしてやる!」

 

ギュッ

 

「痛でででででででで!!コイツ耳握りやがった!!」

 

ざまあみろ。

 

「おい見ろよ!喧嘩が始まってるぜ!」

 

「あいつはブライトじゃねえか。もう1人は・・・鹿を背負った女の子?」

 

「大変よ!あんなに掴み合ってるわ!あの子が怪我しちゃう!」

 

人が集まってきたな。面倒なことになると厄介だ。

 

まあ良いや。このまま投げ飛ばして・・・

 

 

 

「おい!何の騒ぎだ!こっちにまで聞こえてきたぞ!」

 

 


 

 

「全く何やってるんだお前は。相手は子供でしかも女の子だぞ?怪我を負わせたら責任取れるのか?」

 

「いやだって・・・ぶつかってきたのはアイツだぞ・・・」

 

街に戻ってきたらブライトが女の子と喧嘩していた。良い歳こいて何やってるんだ全く。

 

「大丈夫だった?怖かったでしょう」

 

「いや全然怖くなかったし。アイツより熊の方がまだ怖いわ」

 

「まあ。そんな強がりを言って」

 

だがあの子もあの子だ。売られた喧嘩に食ってかかるなんて身の程知らずにも程がある。自分がどうなるかぐらい分かるだろう?

 

しかし何というか、妙な見た目だな。

 

黒い髪は女子にしては短めに切り揃えてあり、服は動きやすさを重視したような見た目でどちらかと言うと男物っぽい。

 

そして1番目を引くのは背中の鹿だ。自分で仕留めたのか?

 

「とにかく、喧嘩はこれでおしまいだ。もう夕方が近いんだし揉め事なんて起こすな」

 

「ああ、分かったよ・・・」

 

渋々ブライトは帰っていった。本当に世話が焼ける。

 

ん?待てよ?

 

 

 

俺は今までアイツを見かけたことがあるか?(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

 

 

 

この街で店を開いてからアイツを見かけた覚えがない。特に俺は色んな住民から依頼を受けてきたんだ。見た覚えが無いなんて絶対におかしい。

 

「ところで、お家は大丈夫なの?もうすぐ日が沈むわよ?」

 

「あっ。それはその、大丈夫というか・・・」

 

きっとそうだ。

 

あの子には会った事がない。

 

それなら、割れたあの岩についても何か知っているかも知れないな。

 

「なあ。君、名前は?」

 

俺は彼女に後ろから訪ねた。

 

「ん?えっと、ケイトだけど」

 

「ケイトか。初めて聞く名前だ」

 

「・・・あははーそうだよねー珍しい名前だからねーそうだよねー」

 

反応があからさまだ。やはりそうなのか。

 

「君に少し聞きたい事があるんだ。酒場で何かドリンクでも飲ませてやるからついて来てくれないか」

 

「酒場?!!はいはい行きます付いてきます!!」

 

よし。話が聞けそうだ。

 

というか返事が食い気味だったな・・・




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