「ワンピース」の世界に来たと思ったら『最悪の世代』にされたんですけど(半ギレ)   作:闇野サバス

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最近忙しい・・・忙しい・・・

投稿遅れ許して・・・許して・・・


7話 責任は負わなきゃいけないけど払いきれなかったらどうするべきなんだろうな?

俺は姉さんを海賊達から助けた。

だがその余波で店の壁をヒビだらけにしてしまった。

だからアッシュからもの凄い剣幕でキレられたよ。

 

「知り合いの店をボコボコに壊すバカがどこにいるんだ!」

 

「待てアッシュ!アレはただ壊した訳じゃないんだ!俺は姉さんを救出するために頑張って戦ったんだよ!つまりわざとじゃない!名誉の負傷だ!」

 

「そういう問題かぁ!名誉の負傷とか言って誤魔化そうとするな!」

 

「落ち着いてアッシュ!店が壊れちゃったのは残念だけど、ケイトちゃんが助けてくれなかったらもっと悲惨な事になってたわ!」

 

姉さんの助け舟だ!ありがとう!

 

「そうだぞアッシュ!俺が助けたからこの程度で済んだんだ!もっと感謝しろ!」

 

「だったら少しは申し訳無さそうにしろ!」

 

アッシュはますます怒った。

 

「・・・まあミリーを助けてくれたのは感謝する。それにしても、本当に強かったんだな、お前」

 

「ええ。凄かったのよ。足で船員を次々に蹴飛ばして・・・」

 

へへっ。姉さんに褒められると嬉しいな。

 

というか、初めてじゃないか?人に対してガチの戦闘したのは。

今まではじいちゃんとの手合わせだけだったから実戦でも通じるか正直不安だった。

けどこの感じなら、割と通じるな。

うん、いける。これなら大抵の奴には負けない。

 

「でも、この壁、どうしましょう・・・」

 

「コイツに弁償させれば良いだろう」

 

やっぱり?そりゃそうよな。

あ、でも金がないわ。

 

「でも俺、弁償出来るだけの金持ってないぞ。今までは狩った動物の毛皮売ったりして飲み代稼いでたけど、これは流石に・・・」

 

「・・・そうか。なら、考えがある」

 

え、何?代わりに払ってくれるの?

 

「お前、俺の所で働け」

 

「・・・はい?」

 

今、何て?

 

「俺の下で働いて金を貯めるんだよ。その方がお前にとっても良いだろう。この街のために、その力を使うんだよ」

 

そういう事か。確かにそれが1番楽だろうな。

ただお前の下かぁ。ヤダなあ。

何か屈辱的なんだよ。

 

「確かにそうだかどさ・・・うーん・・・」

 

「どうするんだ?お前次第だ」

 

・・・・・・

 

「分かった。ちゃんと働いて返すよ」

 

俺はアッシュの元で働く事にした。

 

ちょっと悔しいけどコレが1番良いな。反省もかねてしっかりやるか。

 

帰ってじいちゃんにも報告した。

 

「お前という奴は、何故いつもそうなんだ・・・」

 

そして、呆れたようにそう言われた。

 

 

 


 

 

 

こうしてアッシュの店「ワイルドカード」で働くようになった。

どういう店なのか一言で言えば何でも屋だ。

街の人からの依頼を受けて様々な事をやる。シンプルで分かり易い所だ。

 

「ここでは俺がリーダーみたいなもんだ。態度には気を付けろよ」

 

いきなりこんな事言ってくるからちょっと腹が立ったね。

まあ、文句言った所でしょうがないけど。

 

俺は戦闘能力が高いから、護衛や海賊の撃退なんかをメインに仕事させてもらっている。

まさに適材適所ってやつだな。

 

泥棒とっ捕まえるのは鬼ごっこ感覚でこなせるし、家屋の解体も『嵐脚』で一発。

 

だから意外と楽にやれる。こりゃ良いや。弁償のお金払い終わってもここで働こうかな。

 

「この島の近くに海賊船が接近しているという連絡が見張り台の方からやってきた。俺たちにも来て欲しいらしい」

 

という連絡があった時は街中大騒ぎした。市長みたいな人が街の強そうな人たちを集めて色々対策を話し合ってた。よく見たらブライトもいる。

 

俺たちの役目は偵察だった。

港まで行って相手がどんな行動に出るか見てほしい、ていう感じだ。

 

「まあ見た感じまだ行動には移してないな。向こうも様子見なんだろ」

 

「お前、双眼鏡ないのに分かるのかよ」

 

アッシュから驚いたように言われた。

 

「山育ちだからな。目には自信ありだ。何ならお前も山に住んで見るか?楽しいぞ〜」

 

「遠慮する。お前と暮らすとか想像したくない」

 

「はーっ、冷たいなぁ。何がやなんだよ」

 

何て雑談してたら変化が見えた。皆は気づいてないみたいだが、そろそろ動き出しそうだった。

 

こうなったら有無を言わさず先手必勝だ。

 

「アッシュ。ちょっと行ってくる」

 

そう言って『月歩』で飛んでいく。

アイツらの近くまで行ったら上から『花火螺茸』をばら撒いた。

 

「なっ!なんだこりゃ!」

 

そのまま破裂して周り奴らを吹っ飛ばす。同時に毒胞子も散布してやる。

 

「うわああああ!」

 

「か、身体が動かない!」

 

そして撒いた毒胞子の一部が船に根付いてキノコを生やす。

そこからまた毒胞子を出す。

そしてキノコが生えるの無限ループだ。

これで船上は大混乱だ。

 

よし、そろそろ仕留めてやるか。

船の上に降りる。

 

スタッ

 

「だ、誰だアンタ!」

 

切りかかってくる相手を受け止め、適当に吹っ飛ばす。

 

銃弾は『鉄塊』で全ガードして『嵐脚』で一網打尽だ。

 

そうこうしてる内に毒胞子とキノコは拡大していく。

これぞ真のキノコ地獄よ!ははは!

 

「こ、このクソアマがぁっ!!」

 

お、ちょっと強そうなの来た。多分船長か?

 

「そんな情けねえツラして、ゴボッ!、とんでもねえ事しやがって!女は女らしく俺達に股開いていれば、ガッハッ!、いいんだァ!!」

 

あ、あのヤロウ。

俺の事バカにしやがった。

 

俺はどうやら相当美形らしく、皆可愛いだの憧れるだの言ってくる。

それは別に良いんだ。むしろチヤホヤされると機嫌が良い。

 

だが舐められるのだけはどうしても我慢ならん!!

俺は昔から舐められるのが大嫌いなんだよ!!

 

「言ったなこのヒゲ!俺の顔がリカちゃん人形みてぇだとぉ!」

 

『月歩』で飛び上がり、再び船の上に。

 

もう許さん。この船は沈める。

 

胞子を噴出して両手の上に巨大キノコを作り出す。

これぞ『大砲雷茸(おおほうらいたけ)』だ。

この技は言わば超巨大ミサイル。

大きな相手との戦闘を想定して作った技だ。

 

船に狙いを定めて、後ろから勢いよく胞子を噴出。

着弾して大爆発した。

 

ドカアァァァァァァァァァァァン!!!

 

「「「うわああああああああああ!!!」」」

 

船に大穴が空いて、奴らは沈んで行った。

 

良いザマだぜ。さっさと戻ろ。

 

「よっ。ざっと片付けてきたぞ」

 

「「「・・・・・・・・・・・・・・」」」

 

皆ポカーンとしてる。

 

「すげえ・・・」「どうなってんだよ・・・」

 

あ、アッシュも近づいてきた。

 

「お前、そんな事まで・・・」

 

ああ、そうか。

まだ『月歩』見せてなかったっけ。

 

「山で修行すればアッシュや皆も出来るぜ」

 

「俺はともかく、皆アイツの元に行きたがらないさ」

 

アイツ?じいちゃんのことか?

なーんで皆じいちゃんの事避けるんだよ。

俺の事はすんなり受け入れてくれたのに。

 

「じゃあアッシュは行っても平気なのか?」

 

「そうだ。俺とジョンは何度か会ってる」

 

「マジ!?初耳なんだけど!!」

 

そうだったのか!じいちゃんもアッシュも言わないから気づかんかったわ。

 

なんで言わなかったんだよ2人ともさあ。皆俺に隠し事をしてる気がするぜ。

 

 


 

 

「・・・ていう話を聞いたんだけどさ、本当?」

 

「そうだ。偶にアイツとは話をする」

 

やっぱりー!

じいちゃんも知ってて黙ってたのかー!

 

夕飯の熊鍋を2人でつつきながら今日の事を話してみた。

脂が大分クセ強い感じだけど、俺は普通にイケる。美味い。

 

「あのさ、一応聴くけど、なんで黙ってたの?」

 

「・・・別に。お前に話すような内容じゃあないからだ」

 

ふーん。なら良いけど。

 

「あ、それより聞いてくれよ!今日はなんと海賊団丸々1つぶっ倒したぜ!」

 

そして今日の戦果を聞かせてやる。凄かったんだぜー?

じいちゃんも来れば良かったのに。せっかく孫の成長が見られる良い機会なのにさ。

 

いつもアッシュの所であった事とか話してるのに、一向に大した反応見せた事がない。というかじいちゃんの笑顔を殆ど見ない。

 

「そうかそうか。お前も成長したようじゃな」

 

あっ褒めてくれたわ。いつも変わらない仏頂面だけど。

 

「えへっ。もっと褒めてよ」

 

「ところでお前、大分人との闘いに慣れたようじゃな」

 

「おう、じいちゃんのおかげで連戦連勝よ!」

 

じいちゃんがいなかったら今頃死んでただろうしな。

感謝してるよ。肉美味しい。モゴモゴ

 

「なら、気を付けろ」

 

ん?

 

「今のお前の眼には、影が見える。油断。そして、

 

 

 

 

 

 

 

 

鬼神が」

 

 

 

はえ?鬼神?

何言ってんのじいちゃん?

 

「お前は儂の教えを、良く学んでくれた。そして強くなった。この儂自身の想像さえ、遙かに超えるほど。お前のような奴は儂が現役だった時さえ、そう会わなかった」

 

普段余り多く喋らないじいちゃんが、つらつらと話し出した。

 

「だからこそ、お前には力に溺れてほしくない。この儂と同じ苦しみを、味わせたくない。何かのきっかけで、お前が修羅に落ちるのは見たくないんじゃ。」

 

色々と言ってくる。

じいちゃんもイケイケだった時代があったという事か。

 

・・・ちゃんと心配してくれてたんだな、俺の事。

 

「だから、忘れるな。どんな時であっても、優しさだけは捨てないでくれ。」

 

・・・うん。

 

 

 

なんか良くわかんね。

 

突然そんな事言われて正直ポカンだけど、良い事言ってくれたのはわかる。

 

「ありがとう、じいちゃん。心配するなよ。俺が優しさ捨てるなんてあり得ない。何せミリー姉さんと美味い酒があるからな!」

 

そうだよじいちゃん。俺はしっかりやるから大丈夫だ。

 

「・・・そうか。それが聞けて安心したわい」

 

じいちゃんは納得したような顔をして呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「絶対に、わすれてくれるなよ」ボソッ

 

「ん?何か言った?」

 

「・・・・・・何も」


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