そして病室ではカルナの治療がされていたのだった。
まずは王国に死者がいないか確認する。今のところ報告は0。
騎士団が捜索に出ているが、皆10年前に経験したため、即座に避難していた。
「ガクトとカルナが避難誘導してくれたのね…。ありがとう二人とも、どうか無事でいて下さい。」
窓から見える城下町へ向けて祈りを捧げる。
戦いを終えてボロボロになったガクトとリザは、二人の部屋へ戻っていた。
どうして盾が硬くなったのか、本当はわからなかった。もちろんリザにも。
ただ、盾と同時にリザが光っていたのが見えた。なぜリザが光ったのか、二人ともわからなかった。
「いくら魔力があるとはいえどうして…。」
ガクトが悩んでいると、リザが口を開く。
「ヴォイスって人、最後ガクトに何か言おうとしてた気がするの。」
確かに突然冷静になってから、何かおかしかった。障壁に弾かれてもなお、しばらく障壁を破ろうとしていた。いくらガクトを倒したかったからといってもおかしな話だ。
するとコンコン、と部屋がノックされる。
「団長様、副団長様の容体が安定しました。」
カルナが倒れたことを知らなかったガクトはすぐにリザを連れて病室へと向かった。
病室のドアをおもいきり開けると、そこには横になっているカルナがいた。
「おい…、大丈夫かよ!!」
ガクトがそう声をかけると、めんどくさそうに、
「心配しすぎだ。俺はこんなことじゃ死なないよ。」
とだけ言った。ガクトは安堵の気持ちを抑えられず、カルナに泣きつく。リザはそれをみて少し笑っていた。
一時休戦したからと言って気を抜いてはいけない。それは国民の誰しもが思っていた。
しかし今はとても戦える状況じゃない。大事をとって休養を始めた。
そして2週間後、エイリーンはカルナとガクトを招集し、緊急作戦会議をした。
エイリーンの思いは障壁でしばらく守り続けること。もちろんそれはエイリーンの魔力を持続的に使い続けることだった。
近くで飛んでいるモアが口をはさむ。
「俺の魔力を足しても1か月が限界だ!早めの戦いが必要になる!!あまりにも危険だ!」
そんな言葉を遮るように、
「しないよりはマシです!!ガクトとカルナはどう思いますか!!」
正直こうなったときの女王様ほど面倒くさいものはないが、二人同時に心配だけどそうするのがいいという旨を伝えた。
会議の結果1か月障壁を張り続けることに決まった。
しかしエイリーンの魔力はもう尽き始めている。たった一人で10年以上も国を守っているのだから。
カルナはガクトの部屋へ行き、リザとガクトにダストとの過去、戦った時に話したことを伝えた。
「俺の過去、あの時話せなかったな。ごめん。」
リザは首を振ってカルナの頭を背伸びして撫でる。
カルナの目には自然と涙が零れていた。
そして翌日、ガクトはリザの体が盾と連動して光った理由を突き止めるため、カルナと共にリザを連れて、王室へと向かった。