幻術を応用した電気との組み合わせ。少しだけ技が使えるようになった。
気づけば朝になっていた。
レギウスが王国の外を見ると、そこには4人の影が。
「現れたか…。謎の男!!」
ヴォイスが声を荒げ鋭い目つきで詰め寄る。
その場が凍り付いたように静かになった後、周りにいた三人は静かにヴォイスとレギウスを囲んだ。
「どうした?仲間が二人ほど足りないな。怖気づいて逃げ出したか。」
冷静に奇抜な髪の男がそう言うと、レギウスは間髪入れず
「ああ!そうだ。あいつらは俺たちを見捨てて逃げたんだ。俺たちだけでお前たちを止める。」
そんな風にハッタリをかます。
しかし4人に怯む様子など一切なく、ただ笑われた。
「拙者たちを簡単に倒せるなど…笑止千万。拙者の名はカズマ。ここで死んで頂こう。」
同時に謎の4人は全員名前を名乗り始めた。
「僕はロウフォン…イヒヒ。」
「私はアイザ。殺し屋よ。」
そして奇抜な髪の男が大きく手を広げ、
「私の名はメシア。この世界を新世界へと導く神だ。不要な人間はここで消す。」
威勢のよかったヴォイスでさえ気圧され、レギウスと背中を合わせる。
「行くぞ…。レギウス。」
「あぁ、王様。」
地面を蹴り出し高く飛んだヴォイス。彼の手には強力な電撃が走っていた。
そしてその電撃は次第に形を変えていく。
まるで槍のように。
「雷帝の槍!!!」
ヴォイスがそう叫ぶと体中に電気を纏い、手には電気で出来た槍を持っていた。
想定外のパワーアップにカズマ、ロウフォン、アイザは驚き少し引き下がる。
「もらった!!」
レギウスの手から宝石のような魔法石が投げられ、呪文を唱える。
「紅玉弾!!」
魔法石が赤色に輝き、次第に炎を帯びていく。
そして辺りは一瞬で燃え盛り、4人を包んでいく。
しかしメシアは焦りの表情すら見せなかった。
静かに目を閉じ、指を鳴らす。
気が付くと炎はすべて消えていた。
「い、一体どういうことだ…。」
レギウスは驚き、唖然としていた。
彼にゆっくりと近づく殺し屋の女。
アイザは腰のホルスターに刺さっていた二丁拳銃を取り出し、レギウスの頭に突きつける。
「レギウス!!」
ヴォイスは叫び、全力で近づこうとするが、ロウフォンとカズマに刃を突き立てられ、動けなかった。
「私たちを倒すのは二人で十分ですってぇ?甘く見ないで欲しいわね。私たちだってプライドくらいあるから。それじゃ、おやすみ。一流ジェム使いさん!」
鈍い音が響く。
その瞬間、ヴォイスの目の前では帝国幹部であり、一流の魔導師である彼の首が飛んでいた。
「うあああああああああああああぁぁぁああああ!!!!!!!」
二度目の仲間の死に直面した彼は激昂した。
彼の思いはもう仲間を失いたくない、ただその一心だけになり、体中を電気が覆いつくす。
もう誰にも止められないくらい。そう、まさに今の彼こそが【雷帝】そのものだった。
「俺は…。お前たちを絶対に潰す!!雷帝の鉤爪!!」
槍だった電気がみるみる大きな爪へと変化し、彼の怒りを目にわかるほど表している。
「かかってこいよ…。俺の仲間の分まで…俺が戦ってやる!!」
メシアはロウフォンを置いてアイザとカズマを連れてアジトへと戻った。
「僕の力があればぁ…君を殺すことなんて簡単だよぉ!!アッハハハハ!!」
ロウフォンの腰に刺さっていた大量の注射器をすべて自分に打ち込み、彼は巨大な怪物へと姿を変える。
「ウグォォォオオオオオオオオ!!」
理性を失ったその瞳は、どこか悲しそうだった。