王国へと向かった二人は、王国の巨大障壁に悩まされていた。
「僕たちの完璧な変装があってもこれじゃ王国に近づくことすらできませんよ!!」
まるで子供のように駄々をこねるリコンにフェイカーは優しく、
「まぁまぁ、変装なんてしては逆に怪しまれてしまいますよ。大人しくお話を聞いていただけるまで、この門の前で待つとしましょう。」
と言い、二人は時が来るのを待った。
二人が王国の前で王国の人間に気づかれるまで待ち始めてから1時間。ようやく王国兵がやってきた。
「お前たちは…!!帝国の幹部!!急いで団長様に報告しなくては!!!」
もちろん障壁の向こうから声が届くはずなどなく、王国兵は離れて行ってしまった。
「おやおや、やはり駄目ですねぇ…。」
「うーん、どうしたもんか…。」
今思いつく最善策を考えていると、目の前には見たことのある顔が現れた。
「久しぶりだな、帝国の幹部さん達。」
彼はガクト。王国の騎士団長だ。その横には副団長のカルナ。そして目隠しの少女リザ。
フェイカーとリコンは信じていた。この人たちなら理想を叶えてくれると。
「今までの非礼をお詫び申し上げます…。どうか…どうか我々の帝国を救ってください…!」
未だかつて誰も見たことがないほど深く頭を下げたフェイカーに驚愕した王国の三人。
「ガクト。騙されるな。こいつらは奇襲をかけるチャンスを伺っているだけだ。」
頭を下げているフェイカーとリコンを切り捨てるようにカルナがそう言うと、
「責任は俺が持つ。城の中に入って状況を説明してくれ。」
まるで信じきったようにガクトは警戒もせずに城へと案内する。
「おい!」
カルナがガクトの腕を掴もうとすると、リザはカルナの服を掴み、首を振った。
彼は深いため息をついた後、先に向かったガクト達へとついていき、城へと向かった。
王室の扉を開け、エイリーンとモアが二人を座らせると、会議が始まった。
「それで、あなた方は本気で停戦協定を結びたいと?」
「今更言っても仕方ないことなのはわかります…。でも、僕たちの帝国は、そうせざるを得なくなってしまった。」
リコンはこれまでに起きた出来事の説明を始めた。
「帝国の民はすべて滅ぼされました。そして幹部だったダストでさえも一瞬で殺されたんです。」
カルナの目つきが変わり、
「一体誰がそんなことを…!!」
と、静かに怒りながらリコンへ尋ねると、
「正直僕たちにもわかりません、でもあれは第三勢力です。今まで誰も見たことが無かった。謎の男たちでした。」
フェイカーは椅子から立ち上がり、体から水晶のようなものを出し、机に乗せる。
すると水晶には過去のフェイカーが映し出された。
「これは過去の私です。先代帝国国王のガルファ様は、誰にも言えない秘密の力、未来視を持っていました。そして予言していたのです。先の未来、必ず世界を破滅に追いやる存在が現れる、と。」
そして次第に停戦協定会議は、終息へと向かっていった。