それぞれの国の国民をハインスラシア王国の安全な場所に避難させ、重役たちは次の第三勢力襲撃に備えて作戦会議をしていた。
一方その頃数日間モアを探しているリコンとフェイカーは…。
「おかしい…王国はもうすべて見たはず。どうしてどこにもいないんだろう…。」
王国の召喚獣であるモアには大切なときに居てほしいものだが、気まぐれなのか一向に姿を見せない。
エイリーンが二人を呼び出し、二人は王室へと向かった。
王室に着くと、もう会議は終わっていて解散しているところだった。
「すみません。何日も探させてしまって…。私なりに心当たりがあるところをお伝えし忘れていたのでそこだけでも伝えておこうと思って…。」
同盟国の女王に深々と頭を下げられ、二人は謙遜する。
「いえいえ。これくらいどうってことありませんよ。ねぇ、リコン?」
「は、はい!そんな頭なんて下げないでください!!」
エイリーンは謝った後、二人にモアが好きな場所を伝え始めた。
すると王室の中に巨大な赤色の魔法陣が浮かび上がる。
三人は驚いたが、フェイカーとリコンはすぐにエイリーンを守るように様子を伺う。
すると三人の目の前は一瞬で炎の海になった。
「この炎は…まさか!!」
エイリーンが口を開くと三人の背後に翼と尻尾が生えたまるで悪魔のような装いをした男が立っていた。
「そう、そのまさかだよ…。エイリーン。」
男はそう言った後、三人を背中から刺し魔法陣に立ち、そのまま消えていった。
「モア…どうして…。」
三人はその場に崩れ落ちた。
一方ガクト達は。
「作戦前には腹ごしらえだな!」
とすっかり元気になったヴォイスと共に、ガクト、カルナとリザは食事をしていた。
ガクト達はそこでヴォイスが受けた被害や、第三勢力の話を聞いた。
「なんて自分勝手なやつらなんだ…。みんなは俺が絶対に守る。約束だ。」
ガクトが鋭い眼差しで三人にそう言うと、無言で三人は頷いた。
「が、ガクト騎士団長!!」
兵士が走ってくる。
一体なんだと聞いてみると衝撃の言葉が返ってくる。
「女王様と…帝国の幹部様が…。」
兵士の言葉を遮るようにガクトとカルナ、ヴォイスは走って王室に向かう。
リザはその後を追いかけながら不安がよぎっていた。
王室に到着した四人は救命処置を施されている三人を発見する。
「王妃…!!一体誰が…誰がこんなことを!!」
声を荒げるガクトに手を添え、エイリーンが呟く。
「モアが…裏切りました…。」
これまで国に召喚されてから守り神のように守護していたモアが第三勢力の仲間だったことに驚きを隠せない。
「あいつの…ロウフォンの言っていた通りだ…。」
ヴォイスが聞いた王国の裏切り者はモアだった。
仲間や王妃、親友までも手を出されたカルナは激昂し、静かに言う。
「あいつらを、殺す…!!」
「同意見だ…。黙ってられるかよ…!こんなことされて!!」
「新世界なんて作らせねぇ…俺様が必ずぶっ潰す!!」
ガクト、カルナ、ヴォイスは第三勢力へと復讐心が燃えた。
それから数時間。リザはエイリーンの寝ているベッドへと呼び出された。
「お母様!!もう具合は大丈夫なの…?」
心配そうにリザはエイリーンの手を握る。
エイリーンは優しくリザの頭を撫で、抱きしめた。
「私は…もう長くありません…。だから、あなたに私の力の全てを…受け継いでほしいの。」
エイリーンの目を見て、リザは決意した。
王位を継ぐことを。