Justice Shield   作:田中おにぎり

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ついにグラムとの決戦を迎えたガクトは、激昂してメシアを殺すと宣言した。
その時メシアの手から、紫色の光を放つ結晶が投げられた…。


第21話 堕ちた剣

「な、なんだ…!」

「ガクト!!危ない!!」

その瞬間、辺りは紫色のまばゆい光に包まれた。その場にいた全員がまぶしさに目を閉じ、数秒が経った。

ガクトの前に両手を広げて立っていたのは、副騎士団長のカルナだった。

「カルナ!!」

ガクトは急いでカルナの元へ駆け寄った。

周りにいた仲間たちも駆けつける。

するとカルナは目にも止まらぬ速さで剣を抜きガクトを切りつける。

「…うああっ!!」

激しく傷を負い弾かれた後、カルナの瞳は変わっていた。

「想定外ではあるが…ご苦労だったな、カルナ!」

そう言って笑いながらメシアがカルナの肩を叩く。

連合国が気を緩めた隙にメシアが仲間に向けて口を開いた。

「いいか、向こうの兵士達や市民は貴重なグラムの人材だ。殺すのは前に居るこいつらだけにしておけ。」

メシアが話し終わるとそこにいたグラムの一員アイザとカズマはすぐに兵士達や市民を気絶させに行った。

ルミナスとルリナは危険を察知し、その後を追う。

残されたヴォイス達は自然とグラムのメンバーと一体一状態だった。

ガクトは傷を負っているが立ち上がり、盾を召喚する。

目の前には当然のようにメシアがいた。

 

並行して、それぞれは散らばり、各々の戦いが始まっていた。

 

フェイカーとリコンの目の前にはアメーバに覆われた不思議な少女の前にいた。

「私達は国のためにも負けるわけにはいかないのです…いけますね?リコン。」

「うん…。もちろん!弱点は僕が見つける…!」

二人は顔を見合わせそう話したあと、相手の少女を見る。

「…お話は済みましたか。私はステラです、あなたたちを殺すために来ました。」

その顔には感情など一切なかった。まるで殺戮のために感情が抜き取られたかのように。

ステラは体を覆っていたアメーバを地面に広げると、巨大な円形のバリアのようになって二人を閉じ込める。

「…二体一なんですから。まぁ頑張ってくださいね。」

静かに一言呟くと両手を前に突き出し魔法陣を展開する。

「リコン!」

フェイカーの合図でリコンはすぐに動いた。

「わかってます!サーチ!」

目を閉じて手を突き出す。相手の状況を整理している。

サーチが終わってフェイカーにすぐ伝える。

「あれは光魔法です!光魔法の使い手は星魔法にも長けています、気を付けてください!」

リコンはステラの攻撃を分析してフェイカーに伝えた。

「…よそ見してると死にますよ。」

勢いよく魔法陣から光が放たれる。その光はリコンに直撃した。

「うわあああっ!!」

彼の軽い体は瞬時に吹き飛ばされ、アメーバの壁に激突し、地面に倒れこむ。

すぐに追い打ちの魔法を構えたが、負けじとフェイカーは分身した。

「私の幻術。とくとご覧あれ!!」

五人に分身した体から爆弾が投げられる。ステラは詠唱を中断せざるを得なかった。

すぐにその爆弾を避け、反撃を開始する。

リコンが起き上がると、壁になっていたアメーバから手が生え、アメーバに巻き込まれた。

「うわあ!!フェイカー!!」

リコンの声に反応してすぐに後ろを向く。

「リコン!待っていてください!今助けます!」

しかし甘かった。すぐにリコンを助け出し、安堵してステラの方を向くとそこに彼女はいなかった。

「いない…!?」

フェイカーは幻術を使われたのかと思ったが、気配は完全にない。

その時外から声がした。

「…なんかよそ見ばっかで飽きたので、さようなら。」

彼女が指を鳴らすとアメーバがどんどん縮んでいく。

二人は必至にもがくが、もちろん出ることはできなかった。

その圧倒的な力の差に絶望した時にはもう遅かった。

ステラはメシアの方へと戻っていく。

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