Justice Shield   作:田中おにぎり

25 / 41
メシアによって作り変えられた新世界グラム。
そんな中支配が及んでいない端までワープしてきたリザは目の前に無人の小屋を見つける。


Justice Shield 第二部
第0話 目覚め


「お邪魔しまーす…。」

そこには誰も居なく、住んでいる形跡もなかった。

中にある机を見ると地図と計画図があった。

どうやらここはグラムのメンバーがもともとアジトに使っていた場所だった。

しかし世界は変わり、行く宛もないリザはここを拠点にすることに決めた。

するとすぐにルリナとヴォイスが目覚めてくる。

「どうなったんだ…この世界は。」

「変わってしまったみたい、新世界グラムに。」

ヴォイスは絶望した。

「弟は…カルナはどこに行ったのでしょう、陛下…。」

虚ろな目でリザに聞く。リザは目を閉じて魔法を唱える。

魔法で視た世界ではカルナが皇帝補佐になっていたのが見えた。

「残念ですけど…完全に敵の手に…。」

自分の弟を何もできずに失ったルリナは叫んだ。

「私が…私が団長もガクトもみんなを守れていたら…!!こんなことにはならなかった!」

「自分を責めるな…、俺だって国の仲間全てを失った。」

幹部や国民すべてを失ったヴォイスが慰める。

ガクトの傷が深かったのか、一向に目覚める気配がない。

「私、ガクトの治療を続ける。だからグラムを倒すために自分を鍛え上げよう?私達でみんなを取り戻すの。」

リザの提案に二人は乗り、新たな力を求めて修行を開始した。もちろんグラムに気づかれないように。

食料の調達は狩りをして。なんとか生活を続けながら、リザはガクトの治療に専念し、二人は修行をした。

 

そして一年が経った。

 

雪が終わったころの春の日、ガクトは目を覚ました。

「…っはっ!はぁ…はぁ…。俺は…どうなったんだ…!」

三人はすぐに集まってガクトを見る。

「よかった…!ガクト!!」

「ったくどんだけ寝てんだよ!」

「目覚めたか、ガクト。」

見慣れない天井。そこで自分が長いこと寝ていたことを悟る。

長いこと寝ていたのに健康な体を見て、リザのおかげとすぐにわかった。

「リザ、みんな、ありがとう。俺はどれだけ寝てた…?」

そしてここまでの経緯を説明した。

「すまない…俺が守れなかったばかりに…。こんなんじゃ騎士団長失格だな。」

落ち込んだガクトを抱きしめるリザ。

「んな弱気になってどうする!俺たちがミスったら俺たちが取り返さなきゃなんねぇんだ!国も、国民も、仲間も!」

ヴォイスの熱意に動かされすぐにここを出発することに決めた。

しかし、ガクトは魔力不足で武器召喚を行うことができなかった。

「そんな…俺はここまで弱ってるのか…!」

仕方なくヴォイスが調達してくれていた予備の市販の盾を持って四人は計画を立て始めた。

「まずどうやってグラムと戦う、正直今の俺達四人じゃ勝ち目ないぜ?」

当然だ。当たり前のように捻られたのにたった四人で勝てるわけがない。

するとルリナが口を開いた。

「私はしばらく騎士団を抜けて修行していたが、そのとき船で島に行ったんだ。この周辺の島は大きくてそれぞれが国規模になっている。そこならグラムの手も及んでないかもしれない…。」

そう、ハインスラシア王国とルーヴェティア帝国のある大陸の外周には三つの巨大な島、もとい国がある。

メシアの使った巨大魔法には効果範囲があった、現に自分たちが作り変えられていないように。つまり外周の島なら力になってくれるかもしれないと。

そして四人は船を探すために小屋を出発した。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定