Justice Shield   作:田中おにぎり

27 / 41
船を調達し、本島を脱出したガクト一行は一番近くの島であるハイ島へと向かっていた。


第2話 機械の国

別の島に唯一行ったことがあるルリナは自分で書き起こした地図を見ながら3人に提案した。

「最初に向かうのは…ハイ島だな。ここから一番近い。まぁ私は行ったことがないが…というより行けなかった、という感じだがな。」

ハイ島は別名「機械の国」。しばらく鎖国しており、軍事開発をし続けていることでルリナ以外の3人でもすぐにわかるほど有名な島だった。

軍事兵器や武器、あらゆる武力を所持していて、王国騎士団よりも格段に強い軍隊を組織している国。そんな国に力を貸してくださいと頼むなんてどれだけ愚かな行為かわからないものはいない。それでも4人は行くしかなかった。

 

しばらく船を漕いでいると島が見えてきた。巨大な灯台が常に光っており、密入国者を徹底的に監視していることが容易に想像できた。

「心なしか少しビビってきたな…。」

あのヴォイスですら怖気づいてしまう雰囲気を醸し出している。まるで監獄だ。

なんとか見つからないように島へ船をつけ、4人は上陸した。

恐る恐る島の中心街へ入ろうとすると、ボロボロのローブを着た男がリザの首を抑え3人の背後に回った。

「お前ら、密入国者だな。死にたくなかったら俺の言うことを聞け。」

リザを人質に取られ思うように動けない3人。その場から一歩も動けず静かに男の話を聞いた。その男のローブの下に見える体は機械でできており、軍事開発で生まれたサイボーグ戦士だとすぐにわかった。

「まずリザを離せ!話はそれからだ。」

声を大きくしてガクトが言うと男は笑いながら近寄ってくる。

「そんなに大きな声出したらすぐにバレるぞ。俺はお前らの身柄を国に引き渡してもいいんだ。お前らに選択肢はない、黙って俺についてこい。」

3人はリザのためにも男についていくことにした。

中心街に入り、男は自分の自宅のような場所へと4人を連れて行った。

ドアを開けた途端、大きな音で

「お帰りなさいゼオン!!今日は大丈夫でしたか!!」

という合成音声を発するロボットが出迎えてくれた。

ゼオンと呼ばれた男はローブを脱ぎ、リザの首から手を離した。

ため息とともにタバコを吸い始めると、男は口を開いた。

「手荒な真似して悪かったな。俺はゼオン。元はこの国の軍隊にいた。それでこの機械はお手伝いロボットの000(トリプルオー)だ。」

000はお辞儀をしながら「おーちゃんと呼んでよ!」と言って家事に戻っていった。

ガクト達は密入国を手助けした理由を聞いた。するとゼオンはあっさりと語り始める。

「俺はこの国の支配者であり総帥、ギアに妻を殺された。だから復讐するために人手が必要でな。お前ら見たところ強そうだったし、あいつらに先越される前に助けてやったんだよ。逆にお前らはどうして鎖国中のうちなんかに来たんだ?」

ガクト達はこれまでの経緯を話した。ゼオンの目的がわかり、総帥ギアの復讐を手伝う代わりにこの国の軍隊を貸すという提案をされた。

復讐に手を貸したくないという気持ちと、自分たちが今しているのも復讐だと思う気持ちが葛藤し、密入国を助けてくれたお礼に4人は彼の復讐に協力することにした。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定