Justice Shield   作:田中おにぎり

28 / 41
ゼオンと共にハイ島の軍隊と戦い武力を手に入れる決意をした一行は、作戦決行前夜、彼の過去について聞くことになった。


第3話 ゼオンの過去

「あれはもう10年以上前か…俺には恋人がいたんだ。お前らにも言ったが後の妻だな。」

ゼオンには妻がいた。しかしこの国の総帥『ギア』によって彼女は殺害された。その復讐のために戦っている。

「彼女は変わっててな、当時軍隊に所属していた俺に差し入れを持ってきたんだ。当然一度も話したことなんてなかったからな、俺は警戒して手はつけなかった。そしたらそれから毎日弁当作って持って来やがったんだ。」

 

--12年前--

「もう!せっかく毎日作ってるんだからそろそろ食べてください!!」

元気そうな女は警備中の俺に毎日差し入れを持ってくる。

「うるせぇなぁ!怪しすぎんだろ!なんで見ず知らずのやつからもらったもの食わなきゃいけないんだよ!」

俺は強く言い返すと女は泣き始めた、それも大声で。当然周りの人間からも見られる。ため息交じりに俺は弁当を受け取った。

「はぁ…わかったよ、食えばいいんだろ食えば。」

女は目を見開いた後、涙を拭きながら満面の笑みを浮かべる。

「私、過去にあなたに助けてもらったんですよ!覚えてないんですか?それから私あなたに一目惚れしたから…ずっと食べてもらおうと思って持ってきたんです!」

正直なところ覚えてはいない。助けた人間も殺した人間も顔を覚えてられないほど俺は物覚えが悪かった。しかしこの弁当は美味い。それだけは忘れないと思った俺はすぐに彼女の手を取る。

「美味い!!やるな!お前!!名前は?」

胃袋を掴まれた俺は彼女と何度か出掛け、その後付き合い、結婚した。

そして結婚して3年の時が過ぎた。

 

--1年前--

仕事を終え家に帰ると、そこには少し浮ついてる彼女の姿があった。

「どうした?大丈夫か?」

彼女に駆け寄ると、彼女は途端に大声で言った。

「子供ができたみたい!!あなた!」

人生で一番嬉しい瞬間だった。すぐに名前を考えたり色々なことを考えてしまう。

しかしそんな時間は一瞬にして過ぎ去った。

二人で喜んでいると家に俺の部下がやって来た。

「ゼオン分隊長!敵襲です!!すぐに出動をお願いします!」

心配そうにする彼女に微笑み、俺は家を出た。

敵襲の正体は軍隊の反乱者だった。すでに十数名は死亡し重傷者も多数出ていた。

「何をしている!お前ら!!」

俺は一人で立ち向かう。半数は壊滅させたが、とても勝てる人数ではなかった。

大きな爆発音が耳に響く。

 

目が覚めると病室だった。体がおかしい。すると扉を開けて総帥が入ってくる。

「おはよう。わが親愛なる部下よ。勇敢な君はわが軍の強化戦士に選ばれたのだ。コードネームウルフ、それが今日から君の名だ。」

そう言われ体を見ると、自分の体がサイボーグになっていた。動けるようになった俺はすぐに家に戻った。しかしそこに彼女の姿はない。

どこだと焦って基地に戻ると、同じ強化戦士のフォックス、ライノ、オウルの三人がいた。

「お前ら!俺の妻は…あいつはどこに行ったんだ!それに俺はどれくらいの時間ここにいた!!」

三人が口を開こうとすると、基地の指令室から総帥が降りてくる。

「私が殺した。君のこれからの活動の邪魔になると思ったからな!」

動揺と怒りが抑えられなかった。それからの記憶は曖昧だが、気が付いた時には自宅にいた。家のお手伝いロボットによるとボロボロになり廃棄されそうな自分を隙を見て助けに行ったらしい。

俺はその日から総帥への復讐を誓った。こんな体にされた、妻と子供を殺された恨みを倍にして返すと。

 

--現在--

「ま、俺が復讐するに至った経緯はこんなところだ。せっかくだからお前らの旅の話も聞かせてくれよ。」

彼の話を聞いたガクトはすぐに口を開き、自分たちのしてきた旅を語った。

 

そんな話をしていると夜は更け、作戦を決行する時が来た。

五人は家を出て基地へと向かう。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定