「里長!そろそろきりがないんじゃないかのぅ。裏切り者を見つけ出してとらえた方がいいんじゃなかろうか。」
男は困った顔でケンゴクの顔を見る。しかしケンゴクは返事をしない。きっと国に裏切り者がいることを信じたくないのだろう。そんな気持ちを見ただけで悟ることができた。
「ムラマサや、気持ちはわかるが私はこの里に裏切り者がいるなど考えておらん、皆子供だ。親であるワシが信じてやれなくてどうする。」
ムラマサはガクト達を見て少し考えた後、目配せして外に連れ出す。
「里長、ワシはこの客人に用が出来た!ちぃと話をしたいんでお暇してもいいかのぅ?」
少しの沈黙が続く。彼の言った言葉の意味を理解した上で送り出すのは自分の信念と矛盾しているとわかっていたが、これも里のためと心に決め、ケンゴクは彼を送り出した。
家から出た一行は、ムラマサに話を聞く。
「あんた、ムラマサって言ったか?俺達を外に連れ出したってことは協力しろ、てことだよな。」
「おぉ!話が早いではないか、感心するぞ、隻眼の男よ。」
「別に俺は片目を隠しているだけで隻眼ではないんだが…。」
その後はゼオンの時と同じく、国の力を借りるためにも問題を解決するため彼と協力することにした。作戦は今夜、毎晩里長の家に暗殺をしにやってくる部隊の中に親分がいるというのはムラマサの調べによってわかっていたため、そこを一気に叩くといった作戦だった。
そして、瞬く間に夜がやってきた。
ムラマサの相棒のドラゴンが集合場所に案内してくれた。
「我はカスミ。ムラマサの相棒だ、しばしの間よろしく頼む。」
「喋れんのかよコイツ!!」
彼女は人語を喋ることができるドラゴンらしい。ヴォイスが驚いて固まっているところをルリナとゼオンが引っ張っていく。
やがて集合した一行は作戦を確認し、ケンゴクの家へと向かう。
予想通り、彼の家には無数の忍者や侍が待ち構えていた。
奥の方で指揮を取る人物を見つけ、一行は茂みから飛び出す。
「貴様ら、今夜こそワシが成敗してくれよぅ!ワシの相棒、カスミは怖いぞぅ〜!」
「適当な事を言うな、ムラマサ!我は刀を扱う龍、カスミ。国のためにもお前達はここで仕留める!」
2人は名乗りを上げると一気に侍達と戦い始める。それに続きガクト達も続く。
相棒と言うだけあり、2人の息はすごくあっていた、お互いの足りないところを補い合って戦っている。
しばらく戦い、侍達を気絶させた。すると奥から親分が歩いてくる。
彼は顔に被っていた包みを取り、その姿を現す。
「貴様は…コグモ!やはりそうじゃったか。どうしてこんな事をする!」
ムラマサと知り合いの男は、口を開き語り始めた。