Justice Shield   作:田中おにぎり

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里長ケンゴクを襲う舞台のリーダーは、ムラマサの知り合いである男、コグモだった。彼は口を開き、語り始める。


第7話 義兄弟

「久しいな、ムラマサ。俺はとある妖刀が欲しい…。その妖刀には人を魅了する力があるんだろうなぁ、俺は忘れられない、あの力が…。里長を殺せばあの力を手に入れられる!そう言われたんでな、悪いが俺は国より力が欲しい。」

そういう彼の瞳は紫色に染まっていた。ガクト達にはすぐにわかる。これもグラムの結晶の影響だと。

怒りを覚えるムラマサに結晶の事を告げ、彼を正気に戻すため戦おうと決める。

「やはりあいつはおかしくなっちょるってわけじゃな、わかった。ならワシが切り伏せよう、義兄弟として。」

コグモは刀を構える。続けて話を始める。

「義兄弟か…。里長に育てられたのは何歳の時までだったか忘れたな、いつのまにか刀の才能があるお前が気に食わなくなっていた!俺は誰にも負けない力を手に入れるんだ…!そのためなら親さえも殺す!」

2人は息を呑み、その場にいる全員が静まる。

先に踏み込んだのはコグモの方だった。するとムラマサは彼の一撃をいなし、切り伏せる。その強力な一太刀は、彼の装甲がなかった腹部を綺麗に切り裂いた。

「リザ殿!止血を!話した通りだとできるんじゃろう!頼む!」

彼の言葉通り魔力を込め、回復魔法を詠唱する。すぐに血は止まり、傷は癒えた。

やがてコグモが目を覚ます頃には、すっかり朝日が昇っていた。

ケンゴクも合流し、皆で彼が口を開くのを待つ。

「俺は…何を…。」

ムラマサは大声で彼に言う。

「コグモ!戻ってきよったか!一体何があったんじゃ、お主の思い出せる限りで構わん、話してくれ。」

記憶を取り戻したコグモは戸惑いながらも話し始める。

「あれは確か10年ほど前だったか、いつものように1人で鍛錬に励んでいた時、突然見たこともない装いの男が目の前に現れたんだ。彼は一振りの刀を見せてきた。紫色に輝く刀。あれはまさしく妖刀だ。そしてその刀を俺に渡し、その力を使わせた。気がつくと俺はその刀が欲しくてたまらなくなっていたんだ。彼は刀を回収し、時間だ、その力が欲しくばこの国を、世界を滅ぼせ。と言ってきた。俺はそれから10年間、力を貯め襲撃の時を待った。それが今に至るまでの経緯だ。」

リザは頭を悩ませる。

「それって、10年前からあの結晶はこの世界に存在していたってことですよね…。一体誰が何のために作ったんでしょう。私にはとても分かりません。」

話の通りだと、ガクト達が見るよりも、メシア達が来るよりも前からこの世界には紫の結晶は存在していたらしい。彼の話を信じ、各々が考えを巡らせていると、ムラマサがまた喋る。

「里長、コグモ!ワシは旅に出ることにした、この国の力を貸して本土を取り戻すんじゃろう、ならワシは直接このお方達に同行して腕を振いたい。」

彼の言葉を聞いた2人は笑い合い、ただ頷く。

そして数時間が経ち、準備を終えた一行は船に乗る。

「此度はありがとうございました。助けが必要な時は、いつでも呼んでくだされ。この国総出で駆けつけます故。」

「気張れよ、義兄弟。」

2人の言葉を受け取り、船は次なる国へと出発した。

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