しかしそこにあったのは瓦礫に埋もれた地下室への入口のみだった。
「これは…。なんてひどいのかしら…。」
「そのディアってやつは地下室へ行ったみたいだな。扉が開いてる。」
ヴォイスの言葉通り、地下室への扉が開いていた。全員は地下室へと降りていく。
中には巨大な魔力の結晶、【魔力塊】が浮いており、その前には一人の少女が祈りをささげている。
「大賢者様…。今日も私をお守りください。そしてお父様やお母様によろしくお伝えください。」
一通り祈りが終わると、彼女は立ち上がり振り返る。
「だ、誰!?私の家に何の用なの!…ってルリナさん!」
慌ただしく焦った彼女はルリナの存在に気づき、落ち着きを取り戻した。
ディアに事情を説明し、彼女の話を聞く。
彼女曰く、学校が終わり家に戻った時にはもうすでにこの惨状だったという。
「誰もアタシを助けてなんてくれなかった。クラウンさんも。みんな。」
彼女の眼には涙すら浮かんでいなかった。もうそれすらもできないのだろう。
「なぁ、俺様が魔法を教えてやるよ、お前強くなりたいだろ。」
「ハァ?なんでアンタみたいな得体のしれない半裸の男に魔法を教わらなきゃいけないのよ!」
「お、おいお前な!俺様は元国王だぞ!今はこいつらと同盟を組んで国ごと奪われたけどよ…。魔法はそれなりに得意なんだよ、それにリザやルリナもいる。」
リザとルリナは優しく微笑む。
「俺とゼオン、ムラマサとカスミはクラウンの調査に向かう。だから存分に鍛えてやり返してやるんだ。きっとディアの家族やこの国の人々はクラウンに殺されてる。」
ガクトの提案にディアは困惑しながらもなんとか納得し魔法の修行をはじめた。
クラウンの元へと戻ったガクト達は、彼の怪しい行動を目撃する。
彼は自ら魔物を生み出し、町の人々を襲わせ、自ら魔物を魔法で倒していた。
「やはりそうじゃったか。汚いやつじゃのぅ。のぉカスミ。」
「あぁ。我らの里だったら即追放だろう。」
クラウンの惨状を目撃した四人はオッソリア家へと戻る。そして魔法の修行をしていたディア達と合流した。
地下室は広く、全員がギリギリ泊まれるスペースになっていたため休息をとる。
朝が来て目が覚めたころ、魔術学校の校長がやってきた。
「はじめまして。僕はシルといいます。見た目は子供ですが、一応魔術学校の校長をやっています。久しぶりだね、ディア。」
全員は挨拶をすると、彼がやってきた目的を聞く。
「このオッソリア家の地下にある魔力塊。その正体を話に来たんだ。そして君たちの動きを見させてもらった。協力を約束するから、一緒にクラウンを倒させてくれ。クラウンを倒すための切り札がここにある。」
彼は魔力塊を指さした。