グラムへと足を踏み入れた途端、周りから大量の兵士が取り囲む。元々は連合国の人間だった者達だ。
「いいか、全員殺すなよ、殺すのはグラムの人間だけだ。」
「「了解!」」
ガクトの命令に全員は返事をして戦いが始まる。
鈍い鉄の音が響き合う。大量の兵士を切り抜けたその先に待っていたのはグラムの幹部、侍風の男、カズマとくノ一のリンだった。
「拙者はカズマ。以前にもお見受けしたことがあると思うが、今回はこの刀でお命を頂戴しに参上した。」
「私はリン。右に同じ。」
二人の迫力に圧倒されていると、ムラマサが前に出る。
「のぅガクト。こいつら全員で叩くのも悪かないが、今のワシらなら余裕じゃろうて、ここは手分けして幹部達を倒すのはどうじゃ?」
幹部の二人はまだ攻撃を仕掛けてこない。きっとこちらの判断に任せるということなんだろう。
ガクトは決断した後、先へ進む。
「我も残ろう。死に場所は同じだ。ムラマサ。」
「ハッハッハ!こんなとこで死なんじゃろうて。」
「すまない…ここは任せた!」
「存分に暴れて来い!ガクト!」
ムラマサとカスミは一行を送り出し、カズマとリンに向かい合う。
「さてと…待たせて悪かったのぅ。いざ尋常に、勝負!」
ムラマサの合図でカズマは同時に飛び出し、互いの刀がぶつかり合う。
その頃カスミは
カスミはリンの苦無を避け、徐々に距離を詰めていく。
近くに森があるため、上手く木々に隠れながら、素早い身のこなしで自分のペースへと持っていく。
「我の間合い…届いた!霊刀・シズク!その記憶を呼び醒ませ!!」
カスミがそう叫ぶと、口に咥えていた刀から冷気が溢れ出し、氷を纏った。そのままリンへと突撃し、リンの体を引き裂く。
「…っ。」
リンは言葉を出す間もなく絶命し、体が凍る。それと同時に辺りは銀世界と化した。
「一瞬だったな。所詮こんなものか。」
ムラマサはカズマの動きを見切り、どんどん攻撃をいなしていく。
「そろそろ本気を出す頃かのぅ。向こうも片付いたようだし。」
ムラマサの持っている刀から妖気が溢れる。
「貴様!まさかそれは!!妖刀か!」
「本気を出すとはこういうことじゃ!魂刀・キリサメ!魂を啜れ!!」
カズマは急いで刀を使って攻撃を受け止めようとしたが、刀が折れ、攻撃をいなせなかった。
そのままカズマの体を貫き、やがてその体は朽ち、彼は息絶えた。
「妖刀の代償、安いもんじゃ。世界の平和に比べれば。」
ムラマサは妖刀の力を解放したことにより、代償を支払った。刀を鞘に収めた途端、左腕を失った。
戦いを終えた二人は城の階段を登って仲間の元へと走った。