「あと少しだ!行くぞ!」
ガクトが声をかけて扉を開けるとそこにはカルナが立っていた。
シャドウと同じように瞳は紫に染まっており、剣を構えこちらを睨む。
「久しぶりだな。ようやく来たか。」
「俺が必ず戻してやるからな、カルナ。」
「ガクト、私にやらせてくれ。気持ちはわかるがメシアを頼みたい。姉として、私がカルナを救いたいんだ。」
ガクトは考えたが、ルリナの思いを察してこの場を託すことにした。
3人は上へと進み、カルナとルリナを残す。
「姉さん。今の俺はメシア様に忠誠を誓った。姉さんだろうが容赦なく殺すぞ。」
「カルナ…。大丈夫よ、私が戻す。」
カルナが剣を振りかざす。ルリナはそれを受け止めて後ろに跳ぶ。
「紅蓮兵装・炎滅!!」
ルリナは炎を鎧に変え、纏った。炎で出来た鎧の熱気にカルナは攻撃を弱める。
2人の剣がぶつかり合い、大きな火花を散らす。
「闇魔法・充填!放出!!」
カルナの剣に闇魔法が込められ、放出しながら思い切り切り裂く。ルリナの鎧は砕けるが、すぐに炎魔法を纏い、再構築する。
「厄介なことを…。あのもう1人のガクトの仕業か!」
「あぁそうだ。ここに来るまでの間に彼から私の魔法を武器から鎧に応用する術を教えてもらったんだ。」
ルリナの紅き炎をで作られた剣はカルナの鎧を切り裂く。
瞬く間に鎧は砕け、カルナは倒れ込む。するとルリナはカルナの胸元に結晶のペンダントがあるのを見つけた。
「あれを壊せばきっと!!」
勢いよくペンダントを目掛けて炎魔法を飛ばすがカルナは剣で防ぐ。
「させるか!!俺は!この力で!!メシア様を救う!」
「目を覚まさせてみせる!」
2人はもう一度剣を構えぶつかり合う。ルリナはかなり魔力を消耗しており、最後の力を振り絞り、炎の剣に魔力を込める。
「これで決める!!炎獄剣・荊!!」
炎の剣を鞭のようにしならせ、カルナの剣を掴み、燃やし尽くす。
カルナは振り解こうとしたが、剣は強い力で拘束されており、解けなかった。そしてカルナの剣は消え去った。
「今だ!」
ルリナはカルナの胸元にある結晶のペンダントを握りつぶした。
瞬間、辺りに紫の光が放出され、やがてそれは消え去った。
「…姉さん?」
「カルナ!!」
ルリナに抱き抱えられたカルナは目を覚ます。ようやくメシアの呪縛から解放されたのだ。
「姉さん…俺は…仲間を殺してしまったのか?」
「大丈夫。みんな無事だ。この先でメシアと戦っている。」
「そうか…。やっぱりガクトは来てくれたんだな…助けに…。」
2人が話していると、扉を開けて後からやって来たゼオン達が入ってくる。
「ルリナ!大丈夫か!!」
「あぁ、弟は正気に戻った。」
カルナは初めて会う仲間達に挨拶を済ませ、元気を取り戻す。
「よし!ガクトを助けに行こう!」
カルナは意気込むが、ムラマサが首を傾げて問いかけた。
「じゃが、カルナは武器も鎧も砕けちっとる、どうやって戦うっちゅうんじゃ。」
「それなら心配いらないわ!さっきシル先生から受け取ったものがあるの!」
「これは…ハインスラシア王国騎士団の制服!どうして!」
「大賢者オーラ様がきっと必要になるだろうって2着渡してくださったのよ!アンタと、ガクトの分ね。まぁガクトは着替える時間なんてないけど、少しは気が引き締まるでしょ。」
「あぁ、ありがとう。ディア!」
今度はゼオンが宙に手を翳す。
「武器はこれを使うといい。少し特殊だがうちの軍で作った一級品だ。この戦いが終わったら再結成する騎士団のために作らせておいた。」
ゼオンがそう言うと、手元に武器が召喚された。
「お前も出来んのかよ!武器召喚!!ガクトの専売特許じゃねぇのか!」
「違うヴォイス。これはただの転送魔法だ。武器召喚とは勝手が違う。」
「そういうもんなのか!?」
「師匠、もしかしてあんまり魔法得意じゃない?」
「うるせぇ!さっさと行くぞ!!」
一行はガクト達の元へと向かった。