「この先に、奴がいる!!」
ガクトは勢いよく扉を開け、中へ入ろうとするが、その後ろから声がした。
「まだ1人、忘れてないか!一番大事な俺をさ!」
指先から炎を飛ばした男はモアだった。
かつて王国の守護獣のフリをして、王国を破滅に追いやった煉獄の悪魔。リザは睨みつけ、ガクトとシャドウを先へと進ませる。
「私が仇を打つ!だから2人はメシアを!」
「エイリーン様の仇は俺だって!でも…リザの気持ちもわかる。ここは任せたぞ。」
ガクトとシャドウは先へ進み、リザとモアがその場に残る。
「さぁて、どれくらい成長できたか見せてもらおうか!」
モアの両手が青く燃え、辺りを焼き尽くす。リザはすぐに魔法で自身にバリアを作った。
「そんなので守り切れるかなぁ!!お前の母親はそれでも死んでいったぜ!」
「黙れ!!エアーバレット!!」
リザがガクトとの修行で最初に覚えた魔法をぶつける。
「ハハハ!そんな弱い魔法じゃ傷一つつかねぇぞ?」
「風刃!!」
リザが叫ぶとモアの体に当たった風の弾が高速で回転し、周りに刃を纏い始める。
「なに!?魔法を改変させただと!」
モアの体を斬りつけ、弾は消える。
「お望み通り、傷、付けてあげたわ。」
「馬鹿にしやがって!!お前も殺してやるよ!」
モアが腕を上に掲げると手の上には巨大な火球が出来上がっていく。
その火球はどんどん辺りを灼熱にし、焦がしていく。
「燃え盛れ!紅き煉獄!!」
ルリナが使っていた魔法と同じ魔法だが、遥かに力の差があり、リザは水魔法で対抗する。
「全てを包み込め!オーシャンウェーブ!!」
巨大な波で火球を包んで、押さえ込む。
しかしどんどんと火球は力を増していき、止まる様子はない。
「ダメみたいだな!ここで死ね!」
モアが指を鳴らすとさらに勢いを増し、水が抱えきれなくなってくる。
「ディープマリン!!」
駆けつけたディアが魔法で手助けする。
「ディア!」
「復讐したいのかもしれないけど!死んだら元も子もないでしょ!」
ヴォイスの氷魔法とカスミの霊刀・シズクで氷の力も増強され、火球は消え去った。
リザはすぐにモアの元へと近づき、光魔法を詠唱する。
「世界に存在する数多の光よ。彼に罰をお与えください。サルベーション!!」
「やめろ!見逃してくれ!助けてくれ!!」
命乞いするモアに光の柱が降り注ぐ。柱に呑まれ、彼は消滅した。
「お母様。助けてあげられなくてごめんなさい。」
リザは涙を流すが、駆けつけて来た皆が励ます。
「私には、仲間がいるものね。お母様から受け継いだ国を守る使命もあるし、すぐにこの部屋に入りましょう!」
立ち直ったリザを見て、一行は部屋へと入った。