Justice Shield   作:田中おにぎり

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ガクトとシャドウはメシアの元へと辿り着き、各々盾と大剣を構えた。


最終話 民衆の盾

「よく来たな、新世界を拒む愚か者ども。」

「黙れ!そんなもの必要ない。」

「そうだ、取り戻してやるよ。」

ガクトが盾を使って距離を詰めると、メシアは椅子から降り、ガクトとシャドウを弾く。

2人は飛ばされて、入り口まで吹き飛んだ。

「ぐあっ!なんて力だ…!」

「さっさと死ね!」

メシアの闇魔法によって2人は体制を崩されたが、すぐに立て直した。

闇魔法は負荷が大きくかかるがその分強く、2人に何度もダメージを与えていく。その都度2人は立ち上がり、立ち向かうが彼の元へは辿り着けなかった。

「俺も本気を出そう…闇夜兵装・漆黒!」

シャドウの鎧はさらに黒さを増し、闇魔法で新たに鎧が形成されていく。

「さらにその向こうへ!闇夜兵装・白銀!!」

漆黒を超え、闇魔法は白く変わり、その鎧は銀色に輝いていた。

シャドウの大剣はそのままメシアの闇魔法を切り裂き、彼への道を作る。

「いけ!ガクト!このままトドメだ!」

ガクトがメシアの元へと走り、盾に魔力を込める。盾は輝き、メシアの体へ向けて突進する。

「これで終わりだ!!!」

そのままガクトの光輝いた盾でメシアの体を貫き、メシアはその場で雄叫びを上げる。

「うぁああああ!!こんな!こんなはずでは!」

倒れたメシアの貫通した体から大量の闇魔法が溢れ出す。

やがてその闇は辺りを覆った。

そんな時入口のドアが開く。仲間達が駆けつけたのだった。

「ガクト!シャドウ!大丈夫か!」

ヴォイスの声を皮切りに、仲間達が入ってくる。

しかしすでに当たりは闇に覆われ、メシアが口を開き始めた。

「これで…これで新世界は保たれる…。我が魔力で世界を覆い…貴様らを葬る!」

ゼオンが即座に分析する。

「こいつ!自爆する気か!逃げてもひとたまりもないぞ!」

「私の魔道障壁で抑えられますか!」

「無理よ!これほどの力!絶対に抑え込めないわ!!」

仲間達が焦る。そんな中ガクトは静かに喋り始めた。

「俺には唯一使える魔法がある。なるべくこれは使いたくなかった。でも、今こそこの力に頼る時なのかもしれない。」

シャドウだけは状況を察し、止めようとした。

「おい、まさかお前あれを使う気か!やめろ!そんなことをしたらお前は!!」

「大丈夫。あの程度の代償、たいしたことない。俺の唯一使える呪文。それは禁忌呪文アルター。自分の願いを一つ叶える代わりに、自分自身をランダムな別の世界線へ移動させる代償がある。場合によっては追加で何かしらの代償があるらしいが、今はこれしかない。みんな、この世界を頼むな!」

仲間達は涙ぐみ、リザは必死に止めようと走るがガクトの決意は決まっていた。ヴォイスはリザを抑え、ガクトの呪文に全てを託す。

「禁忌呪文アルター!メシアを滅ぼし、世界を元の世界へと再構築しろ!!」

ガクトが手をかざし、呪文を唱えると一瞬にして辺りは白く光り輝き、闇は消し去った。光が晴れる瞬間、一瞬だけガクトの顔が見えたが、彼はただ余裕そうに笑っていた。

 

そして世界は完全に作り変わったのだった。





時は経ち、ハインスラシア同盟王国の新たな幕開けを祝して、式典が行われた。
「では、続いてリザ王女のスピーチです。」
王室補佐になったヴォイスはマイクを渡し、リザは民衆へと声をかける。
「私たちは、1人の最強の騎士団長によって命と世界を救われました。彼の名前はガクト・アーデルシュラウド。今もこの世界のどこかにきっといます。そこで私は、彼を騎士団長兼国王に、任命したいと考えています!この同盟王国は、彼を探すための組織を結成し、必ず彼を見つけ出します!そしてこの世界を救った英雄として!皆さんの上に立っていただきたいのです!」
民衆は大きく歓声を上げる。
「彼は!民衆の盾です!皆さんを守り、安寧を約束してくれるでしょう!どうかこの世界に!光があらんことを!」
大きな歓声が鳴り響き、スピーチは終わった。
ガクトがいなくなってからの世界は、あらゆる島が協力するようになり、リザは国王代理に、カルナは副騎士団長に、ヴォイスは王室補佐に、ルリナは騎士団栄誉騎士に、ムラマサは戦闘指揮官に、カスミは戦闘指揮官補佐に、ディアは騎士団団員、シャドウはルミナスが経営していたバーを受け継ぐことになったのだった。
そして、リザの宣言通りガクトを探すことになった。
「こんなところか。必ず見つけ出して連れてくるさ。何年かかろうがな。」
「機械の体を持ってるとはいえ、世界線移動にはかなりの体力を消耗する。気をつけろよ、ゼオン。」
ゼオンはガクトを探すため、世界線移動装置を持ち、シャドウに忠告されながらも時空間を超えた旅へと出発したのだった。

一方その頃ガクトは一体どうしているのか…
それは誰にもわからなかった。

「ここは…一体…僕は…誰だ…?」
銀髪の青年がそう呟きながら目を覚したのは、監獄の中だった。
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