カルナがいつものように呼びに来たが、いつもと様子が違った。
「ガクト!!急げ!帝国の襲撃だ!!」
ガクトとリザは急いで城下町へと走った。
この城下町だけで数百人はいるだろうか、帝国兵の大群が来ていた。そしてその前を歩く五人。ルーヴェティア帝国の国王とその側近四人だ。
まず、ルーヴェティア帝国の国王ヴォイス。電気を操ることができ、その力は単体でも召喚獣に匹敵するほどのもの。
そしてその側近、ダスト、フェイカー、リコン、レギウス。
全員腕利きの戦士で、一人で百人単位を相手にできることは間違いない。
「国王自ら出向いてやったんだ。戦争と行こうじゃないか…!そしてこの国を俺たちが頂く。」
ヴォイスが高らかに叫ぶ。それに続いて帝国軍がうぉー!!!と声を上げる。
「安心しろ、俺がこの国を守る。」
ガクトの目つきがこれまでとは変わった。
それに応じるように王国騎士団も身構える。
ヴォイスの合図で一斉に戦いが始まった。
「俺はそんな盾じゃ倒せないぜ!!」
体中に電気を纏ったヴォイスが電光石火のごとく近づく。速すぎる、訓練とは比べ物にならない強さだ。
それもヴォイスが戦いに出たのは今回が初めてだったため、王国はヴォイスの強さを想定していなかった。
「思ってたより強いな、お前…。」
焦りから思わず本音が出てしまったガクト。
即座に攻撃をやめ、大笑いするヴォイス。
「おいおいまじかよ…!!敵国の王様目の前にして思ってたより強いだって?笑っちゃうぜ!当たり前だろ、俺は強い。お前なんかよりも何倍もな。」
完全に嘲笑われたガクト。それはそうだ。相手の国をなめてました、と口で言ってしまったようなもの、馬鹿にされて当然。
「あぁ、そうみたいだな。でも俺はまだ限界じゃない。ついてこれるよな?」
相手のやる気を煽るかのようにガクトが聞く。
「へぇ…。言ってくれるじゃんか、気に入った。お前だけはこの俺様が思う存分叩きのめす!!」
ガクトは注意を引き付けるために、バイクを召喚し急いで王国を出る。
まんまと挑発に乗ったヴォイスは体に電気を纏い高速で後を追いかけた。
王国から少し離れた荒れ地にて、ガクトは盾を構える。
ヴォイスが電気を腕から飛ばし攻撃する。
間一髪盾で防いだが、電気が盾を通じ体に少し流れた。
そしてガクトは悟る。今の自分では勝てないと。
「ちっ…ここまでか。」
ガクトがそう言った瞬間、ヴォイスに風で出来た弾丸のような弾が飛んできた。
リザによる風魔法、エアーバレット。密かにリザが習得していた魔法だった。
「やっぱりこの国にも魔法使いが他にいたか。」
ヴォイスは即座に体勢を変え、リザの方へと走る。
危険だと思ったガクトは咄嗟にナイフを召喚し、ヴォイスの方へ二本投げた。
もちろんヴォイスが気づかないはずもなく、ナイフを掴み、
「まだやれるんだな、騎士団長。」
口を大きく開きながら笑い、ガクトの元へと走り出した。
一方王国で指揮を執り、エイリーンと共に幹部を相手するカルナ。
国の命運を懸けた戦いが今、始まる。