まるで力そのもの、という例えが当てはまるほどの強さを持つ槍使いダスト。
そしてカルナは鋭い目つきでこう言う。
「同郷のお前と、まさかこんな形で戦うことになるとは思わなかったよ。」
そう、カルナとダストは同じ村の生まれであり、かつての幼馴染であった。
―10年前―
ハインスラシア王国の端にある大きな街ディフォールで生まれた少年。彼の名はカルナ・ドラゴアイ。
「おーいカルナ!!稽古遅れるぞ~!」
カルナを呼ぶ彼の親友、彼はダスト・ロウウェル。幼いながらも槍の名手として称えられ、共に王国騎士団を目指していた。
いつものように二人が稽古に向かっている途中、悲劇は起こった。
突如街一面が炎に包まれた。そう、ルーヴェティア帝国の襲撃が始まったのである。
二人は急いで家へと引き返し、家族の元へ向かうが、手遅れだった。駆け付けた王国騎士団により二人は保護され、ハインスラシア城の城下町へと連れて行かれることになった。
しかしダストは悔しかった。自分に何もできずに家族が死んでしまったことがなによりも辛かった。
その日の夜、こっそりシェルターから抜け出したダストはたった一人、帝国へと走った。
しかしその道中には、ヘルメットをつけたピエロのような男が待ち構えていた。
「おやおやこんな時間に子供が一人とは、危ないですねぇ…。」
その細身の男は瞬時にダストへと近づく。
「うんうん…、良い目をしています。そんなに正義に満ち溢れた瞳、奪いたい。君からすべてを…。」
彼はフェイカー。一流の幻術士だ。ダストはまんまとマインドコントロールされてしまった。
そしてそれから数年、フェイカーはもうすでに立派な帝国の幹部となっていたダストの暗示を解いた。
「さぁ、選びなさい。帝国のために生きるか。王国へと戻るか。」
両方の思い出を持っていたダスト。彼が選んだ道は、帝国のために生きることだった。
そして現在…。
「どうして王国を捨てたんだ!」
カルナの問いかけを無視してダストは落ち着いて言った。
「俺はお前と戦いたかっただけだ。共に過ごしたお前に殺されるなら未練はない。」
まるで死ぬことにためらいがないように答えた。しかしカルナは涙を浮かべていたのだった。
「王国を守りたい…、そのためならどんな者でも切るつもりだった。でも俺は進んで死にたがるやつを殺したりしない。」
そう言って剣を構えた。ダストは少し笑ってから槍を構えた。
「行くぞ!!」
ダストの槍がカルナの顔の真横を通る。カルナは同じように剣を振るうが、こっちも空を切った。
お互いの心にまだ後悔がある。心を鬼にしてダストへと剣を突き刺すが、容易く槍を回転させ剣を弾いた。
「まだまだ甘いな。訓練が足りていないんじゃないか?」
そういってダストはカルナの肩に槍を突き刺す。
カルナは体勢を崩し、膝をついた。
「ぐっ…!!お前は本気なんだな…。クソ、俺だって!!」
真っ直ぐに伸びた剣が槍を真っ二つにした。
そしてそのまま防ぎきれなかった彼は体に傷が入る。
「お互いそろそろ限界だな…。俺はお前に勝つ、昔からそう決めてたんだ!!」
ダストは折れた槍の先を持ってカルナの元に突き刺すが、カルナは避けきれなかった。
そしてそのままカルナの鎧を貫通し、カルナの体に槍が刺さった…。
一方その頃、ガクトとリザは、ヴォイスと激しい戦いを繰り広げていた。
同じ頃、フェイカーは帝国へと帰っていた。
そしてエイリーンは…。