「まさか、ホントに起きないつもり!?」
「・・・・最初からそう言ってるじゃない。全く、話の通じない人・・・・・叔母さんね」
「ちょっと待てなんで今言い直したの。態々言い直す必要なかったんじゃないの顔を逸らすなこっち向きなさい!」
「はい隙ありー、ふふん、私から友達を引き剥がすなんて10年早いのよっ!」
同居人の両手が私の顔に触れたのを確認し、すぐさま友を回収。これで勝ったも同然よ。
「あっ!ちょっと頭から毛布被るなって何回言わせれば気が済むの!?」
「それはこっちのセリフよ。何回私から友達を取り上げれば気が済むのかしら?」
「さっきから友達友達って、たまには外に出て人間の友達を作りなさいよボッt・・・・」
「1人じゃないし友達いるし、っていうか仮にいなかったとしても寂しくないしだから別に平気だしっ!
「傷つくくらいなら最初から大人しく出てきなさいよ!」
誰にも私の幸せを邪魔させるものですか!例え口撃してこようとも私の平和は私自身の力で護ってみせる!
「・・・・・そう、どうあっても出てこないつもりなのね。そういうことなら私にだって考えがあるわよ」
そう言って叔母さんはゴソゴソと何かを探すような動きをし始めた。
ふん、どう考えたところで毛布に包まれた私を屋外に出すことなんて・・・・・ぅん、包まれた?被ったじゃなくて?そして妙な窮屈感に襲われる。いつもより毛布を密に感じるというかそんな感じがしてる。
「ちょっと、一体何してくれてるんですかね!?」
そして気づいた時には、既に毛布越しに縛られていた。
「ふふん、いい気味よ今日1日その格好で過ごすがいいわ!」
「巫山戯ないでよ、こんなんじゃ立つどころか寝返りすら不可能じゃないの!」
「あーら顔と足だけ出ててまるでロールキャベツ、いいえベーコン巻が何か言ってるわね!?」
「なんで食べ物に例えてんのよ。第1そんなに大きくない・・・・・・って何担いでんのっ!?」
「寝間着を晒さないように配慮してあげたじゃないの!それにさっき立つとか言ってたじゃない?だから手伝ってあげようと思ってね」
「外に出るって意味じゃないんですけどぉ!勝手に決めつけないでくれます!?ほら早く降ろしなさいよ。ちょっと話聞きなさいってドア開けようとしないでよ恥ずかしいじゃない!あーもう解ったってば着替えるわよ準備するわよ外に出てやるわよ!」
なんでこんな目に遭うのよ。参加は任意で良いって学園側が説明してたから関わるつもりはなかったってのに。こんな事になるなんて。
「日頃ぐうたらしてるアナタが自分から進んで外に出るようになるなんて、お姉ちゃん感動したわ!」
「あんだけのことをしておいてそんなこと言えるとかおかしいんj・・・・っ!?」
隣を満足気に歩く同居人に文句言ったら、普段からは想像もつかない速度で頬をつままれた。
「可愛くないことを口にするなんて、まだ寝惚けているのかしらね?」
しかしここまで出てきてしまった以上、この自称保護者を引き剥がすのは困難だろうし、大人しく従うしかないのである。
「一輝さん、おはようございます!」
「やぁ、紗奈さんに・・・・那澄さん、おはよう?」
「ねぇなんで私だけ意外そうに思われてるのよ、おはよ」
大人しく従い着くと校門を過ぎたあたりで一輝に出会う。何故私が外にいるだけで不思議そうな顔をされるのだろう全くもって理解に苦しむところではあるが、日頃から拒否し続けているので流石に今日も騒げば同居人が黙っていないだろうから一旦その話は置いておく。
なるべく人にバレない位置でこっそりと観戦を始めるも、やはりと言うべきだろうか、その試合には殺伐とした雰囲気は感じられない。学院の管理下にあるのだから安全を考慮した上ではおかしくはないどころか寧ろ正常なハズなのだが、『降参』が認められている闘い故に興味を失わせていく。別に彼らが悪い訳ではないが、どうしても見ていられなかった。
気を紛らわせる為に買い物に出かける。どうせ今日は座学はないので構いやしない。
「退屈だったようだね?」
「・・・・・なんでいるのよ」
休憩としてベンチに座って5分くらい経った頃だろうか、隣に座った男が話しかけてきた。聞きたくない声だった。
「おいおい、俺は『また』って伝えたんだぜ?それとも何か、反抗期か?そんな態度、お父さん悲しいじゃn・・」
「なんでいるのって聞いてるの!」
コイツの口からは聞きたくない。私の父はあの人だけで、それを汚されたくないから遮った。だけど、その反応はコイツを喜ばせるだけだった。
「まぁまぁそんなに怒鳴ることないだろう?まずは相手の話を聞くくらいの大きな器を用意することから始めてみないか?」
「アンタの話なんて聞く価値ないのよ!第一アンタどの面してここに・・・・・」
「見返りに、空戸春澄について知ってる限りを教えてやる」
そのたった1言に言葉が詰まる。
「俺の能力の弊害で、知りたくもない情報まで入ってくる。まぁ伝えなくてもいい話なんだが、折角だから提供してやろうと思ってな」
「なんで・・・・・」
「ずっと気になっていることがあってさ、なんで
隣で喋り続けるコイツの顔なんて見る気はない。だけど、コイツの声が今まで聞いたことない程に暗いのは伝わってくる。
「捨てたって、どういうことよ?」
「見返りだって言っただろう?それはこっちの話を受け入れるってことでいいんだな?」
正直《
「私は《
「そこは心配しなくていい。俺としても勧誘してる訳じゃない。コレは個人的な頼みさ。別に急かす気はないから、じっくり考えるといい。どっちを選んだとしても、お前に損はない筈だ。答えが決まったらまたココに来いよ」
隣の気配がなくなった。ゆっくり顔を動かしてもアイツはいない。周りの喧騒も変わりはない。まるで最初から自分だけしかいなかったかのような雰囲気すら覚える。ただ、すぐに帰ろうとは思えない。今はただ、言葉の意味を考えることしか出来なかった。
久しぶりなのでキャラが安定してない気もしますが、気の所為であったと思い込みたい作者です。次回の投稿もいつになるか不明ですが、実は特に考えてなかったりそうでなかったり・・・・なんとかなると信じてます。
それではまた次回。