いつかを夢見て、私は騎士を目指す   作:怠惰ご都合

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久しぶりの投稿です。
お待たせして申し訳ないです。
前回から多少は投稿期間が伸びました・・と言っても、半年以上経過してますが、私は反省してません(改心する気0)


釈明という名の言い訳

 「・・・・・っと・・・・ねぇ!?・・・・起きな・・・・さいよ!」

 

 「・・・・んぅ・・・・う」

 

 自分に対して、かけられる声に、意識が引き戻される。

 目を開けると天井だった。

 

 「那澄、聞こえる!?」

 

 声のする方へ顔を向けると、そこには今にも泣き出しそうな紗奈が覗き込んでいた。

 

 「叔母・・・・さん」

 

 「良かった!・・・・・って、誰が叔母さんよ!」

 

 「ここは、何処よ?・・・・ん」

 

 那澄はゆっくりと身体を起こした。

 

 「病院よ。あなたが倒れた後、《解放軍(リベリオン)》の奴らなら一人を覗いて黒鉄・・・・あぁ、一輝さん達が無力化したわ」

 

 「・・・・一人って?」

 

 「あぁーっと、とんでもないクズでね、黒鉄・・・・珠雫さんの方ね、そいつが彼女に治療させようとしたんだけど。去年の七星剣舞祭代表の一人(・・・・・・・・・・・・・)が突然現れて無力化したの。・・・・・まぁそいつも嫌な奴だったんだけど」

 

 思い出したらイライラしてきたのか、紗奈の表情が段々変わってきた。

 

 「そう・・・・だったの」

 

 「でも安心したわ、どうにか『選抜戦』には間に合うわね」

 

 その言葉に、那澄は耳を疑った。

 

 「・・・・ひょっとして、日付け変わってるの?」

 

 「そうよ。でもおかしいのよ、あなたの生徒手帳には実行委員会からのメールが入ってないのよ。・・・・あ、勝手に見てごめんなさい」

 

 その一言を聞いて、那澄は身体が強張った。

 

 「別に怒ってないわよ。・・・・でも」

 

 「でも、何よ?」

 

 しまった。 

 そういえば、まだ伝えていなかった。

 てっきり『日曜に伝えればいいかな』でそのまま忘れていた。

 どうしよう。

 いや、今更どうしようもないけど・・・・・・どうしよう。

 

 「・・・・・ちょっと、気になるじゃないの」

 

 ・・・・仕方ない。

 こうなったら、もはや正直に言う他に手段はない。

 

 「・・・・・・不参加のメールを送った、わ」

 

 「・・・・ぇ?」

 

 「いやだから、ワタシ『選抜戦』サンカシマセン」

 

 「・・・・・・・・」

 

 恐くて、紗奈の目を見れない。

 それ以前に、この沈黙がただ恐い。

 今すぐにも逃げ出したい。

 

 「まったく那澄ったらぁ、少し眠ってる間に冗談が上手くなったわね!」

 

 「冗談・・・・じゃないの」

 

 「まったまたー」

 

 「そうだったら、良かったんだけどね」

 

 「・・・」

 

 「お姉・・・・ちゃん?」

 

 「・・・・・・・・・・・」

 

 沈黙が長くなっているのは気の所為、ただひたすらにそう信じたい。

 

 「・・・・もしもーし」

 

 「・・・・・ねぇ?」

 

 「ハイ、オネエサマ」

 

 「そういう事は、さ。もう少ーし早めに教えてくれても、さ。いいんじゃないかなーと私は思うんだけど」

 

 お姉様、大変怒っていらっしゃいますね、非常に怒っていらっしゃいますよ、とんでもなく怒っていらっしゃいますとも。

 

 「早めに教えて欲しいなぁって思うんだけど」

 

 「ハイ、オッシャルトオリデゴザイマス」

 

 「じゃあ、何を言うべきか解ってるわよねぇ?」

 

 両肩をガッシリ掴まれたのが解る。

 これはもう、どうしようあるまい。

 

 「自由参加って、言ってた訳ですしぃ」

 

 「ん?」

 

 「確かに権利は平等だけどね、それは断っても良いって訳ですからぁ」

 

 「だから?」

 

 返事が速い。

 怖い。

 ただただ怖い。

 圧が・・・・圧がぁ。

 

 「・・・・ゴメンナサイ」

 

 「確かに辞退するのも認められているから、責めるのは筋違いなんでしょう。でも・・・・・」

 

 「・・・・・」

 

 「私、“あなたと戦いたいって、あの時の続きを”って思ってたんだけど・・・・・まぁ仕方ないかぁ」

 

 気付いたら、さっきまでのは圧がなくなっていた。

 

 意外にも好戦的というか素直じゃないというか。

 

 「あと、戦闘シーン下手過ぎて読んでる方々に申し訳ないなぁ・・・・・・とか」

 

 あ、それは無理だわ。

 この作者に戦闘シーンとか・・・・・・・書ける訳ないわ。

 

 「・・・・・じゃなくて!そんなどうでもいい話じゃなくて!」

 

 「・・・・あぇ?じゃあ何の話だったっけ?」

 

 何故、突然今までの話を忘れたのだ。

 まさか作者の・・・・いや、今は話題がズレた事を喜ぶべきだ。

 とにかく、これで怒られる理由はなくなったのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どうやら退院してもいいらしかったので、私は素直に従った。

 と言っても、部屋についた頃には夕方になっていた。

 

 「うぁー・・・・・疲れたぁ。あぁもうダメ、何がダメってそれはもう・・・・・何かダメ」

 

 「部屋に入るなり倒れ込んでるんじゃないわよ、あと何がダメなのか、いっその事ハッキリ言いなさいよ」

 

 「ということで、あとはよろしくー・・・・・ぐぅ」

 

 「あっ、ちょっと!?こら、寝るんじゃないっての!」

 

 紗奈の制止よりも先に、私は意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ねぇ、今更だけど。なんで旅してるのよ?」

 

 休憩中、青空を見上げながら最近気になっていた事を聞いた。

 

 「・・・・なんていうのかなぁ。色々と疲れてさぁ、自分探しってやつ?」

 

 隣で横になっている“父親”からそんな事が返ってきた。

 

 「その若さで?」

 

 「いやぁ、自分探しに若さとか関係ないと思うけどな」

 

 「・・・・・ふーん」

 

 「あれ、ひょっとして拗ねてる?」

 

 「別に?正直に質問に答えてくれないのが、悔しいとかじゃないし?ホントにそんなんじゃないし!?」

 

 「やっぱ拗ねてんじゃん」

 

 「だから、違うって!」

 

 「まぁ、そのうち話すよ。ほら休憩は終わり。今日は日没までやるんだろ?」

 

 「・・・・・うん」

 

 初めて訓練の相手をしてもらってから、未だに一度も勝てていない。

 あれからまだ一週間も経っていない今日も、やはり変わらないのだろうか。

 

 「なんだ、まだ勝てないからってそんなに落ち込む事はないんだぞ?というか、たった一週間で勝たれたら、俺の自信ボロッボロなんだから、それに比べたら、悩んでる方がまだ可愛げがあるってもんだ。気にすんな!」

 

 まるでこっちの気持ちが解るような口振りに、どう答えたらいいのだろう。

 

 「まぁこれでも父親なんでね、一応娘の心情も解るつもりさ。それに、かつて自分も通った道だ。焦る気持ちは痛いほどわかる」

 

 「・・・・ホントに?」

 

 「そうだね、ならここで話を一つしよっか。ちょっと待ってよ」

 

 そう言ってお父さんはお湯を沸かし始めた。

 

 

 

 




今回は文字数が少なくて、すいません。
えっ、次回までの投稿期間ですか?
・・・・・・それではまた。

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