アインズ様がNPCに感謝を伝えて慰労しようとする話(仮題)   作:冥咲梓

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大変長らくお待たせいたしました。
前回の投稿からもう半年経つことにびっくりです。
毎週コツコツ書いているのでそんなに経っているとは思っておりませんでした。
今回は私が書きたいと思ったキャラです。
少しでも楽しんでいただければ幸いです。


アインズとの面談~ペストーニャの場合~

本日のアインズ番メイドが来訪者の名前を告げる。

 

「ペストーニャ様でございます」

「そうか。入室を許可する」

 

「――ペストーニャ・ショートケーキ・ワンコ、お呼びとのこと、参りましたわん、アインズ様」

「ふむ。よく来たな、ペストーニャよ。では面談を始める前に――これは面談を行う者全員に行っているのだが、私の許可無く私に触れたりしないと誓えるか?」

 

アインズが問いかけると、ペストーニャは優雅にカーテシーで応える。

 

「はい。アインズ様の許可無くアインズ様に触れたりしないと誓います、わん」

「よろしい」

 

アインズは人払いをし、ソファ席に移動する。まずアインズが座り、向かいの席に座るように勧める。

 

「失礼致します、わん」

「うむ。まずはペストーニャよ、改めてお前の働きに感謝する。そしてこのような時間を持てることを嬉しく思う」

「光栄にございます、わん。また、このようにアインズ様とのお時間をいただけること、私にとりましても僥倖にございます、わん」

「・・・今日は支配する者とされる者ではなく、できれば親子のような対話ができればと思う。よろしく頼む」

「はい。畏まりました、わん」

「さて、お前のレポートによると、最近菓子作りに凝っているそうだな」

「はい。子供たちに教えるために作っていましたが、最近は休日にも作っておりますわん」

「ふむ。私は残念ながら食べることができないが、餡ころもっちもちさんやぶくぶく茶釜さん、やまいこさんはよく一緒にお茶(フリだが)していたな」

「はいですわん。私もご一緒させていただいたことがあります、わん」

「ほう。そうなのか」

「はい。私だけでなく、エクレア、ユリ、アウラ様、マーレ様も一緒であることが多かったです、わん」

「ふむ。それは素晴らしい事だな」

 

冷静に考えるとすごい絵柄だろうが・・・

 

「今でも時折私たち5人で集まってお茶会をしております、わん。ユリは飲食できませんので香りと会話を楽しむのみですが、わん」

「ほう。それはますます素晴らしいな。邪魔でなければいつか参加してみたいものだ」

「邪魔だなんてありえませんわん!アインズ様がいらっしゃれば皆大喜びすること間違いなしです、わん」

「そうか、ありがとう。機会があればよろしく頼む。では私に菓子作りを教えてもらえるか?できることならこの部屋で出来ると良いのだが」

「それでは、スコーンはいかがでしょうか?わん」

「スコーンか」

「はいですわん。お茶会には付き物です、わん。よろしければ、アインズ様とのお茶会にお出しできればと思います、わん」

「私は料理をしたことがないのだが、それでもお茶会に出せるようなスコーンを作れるだろうか」

「料理が初めての子供たちも作れるのでアインズ様なら何の問題もないと思います、わん」

「そうか、ではそれを頼む。まずは何をすればいいのだ?」

「そうですね、今日のアインズ様のお召し物ですが、少々袖が長く、料理には向いておりませんので、まずお召替えをお願いいたします、わん」

「それはそうだな。ではドレスルームに移動するか」

「畏まりましたわん」

 

ドレスルームで相談した結果、スーツセットのジャケットを脱ぎ、袖をまくることにした。要するにワイシャツの袖をまくり、下はスラックスというスタイルだ。

 

「さすがはアインズ様、そのような恰好も素敵です、わん」

「そうか、ありがとう。これで菓子作りができるか?」

「そうですね。その服装ならば問題なくできると思います、わん」

「ふむ。ではいよいよだな」

 

部屋にあるミニキッチンに移動する。ミニとついてはいるが、鈴木悟が暮らしていた家のキッチンとは雲泥の差だ。

 

「まずはバターを必要量計量し、冷凍致します、わん。1回に4個できますので、3回作っていただく事になります、わん」

 

そういってインベントリからバターを取り出す。秤はキッチンに備わっていた。

この秤はどういう仕組みなのか、デジタル秤に形状は似ている。

皿を乗せ、メモリを0に合わせてからバター30グラムを3回分切り分けた。

それを冷凍庫に入れる。

 

この冷凍庫もどういう仕組みなのか。以前帝国の市場で見かけたマジックアイテムはこういうのをモデルに作られたものなのだろうか。

 

「次に小麦粉、ベーキングパウダー、砂糖を計量致しまして、ふるいにかけます、わん」

 

おっと、思考が逸れていた。菓子作りに集中しなくては。

 

「これも3回行っていただきます、わん」

「わかった」

 

小麦粉は最初はどさどさと入れ、残りの調整は少しずつ行う。

 

「アインズ様、とても初めてとは思えません、わん。とても手馴れていらっしゃいます、わん」

「そのようなことはないぞ。ペストーニャ、お前の教え方が上手いからだろう」

「そのようなことは・・・いえ、ありがとうございます、わん」

 

娘に菓子の作り方を教えてもらう父親というのはこういう感じなのだろうか。

 

「砂糖はこの大さじという道具を使います、わん。大きくすくい、もう一つのさじで、そっとすりきったものが大さじ1となります、わん」

「ふむ、なるほど。こうして・・・こう、か?」

「その通りでございます、わん。ボール一杯の小麦粉に対して大さじ1を入れて下さい、わん。続いてベーキングパウダーはこの小さい小さじという道具を使い、小さじ1を入れます、わん」

「砂糖を大さじ1で3つ測って・・・ベーキングパウダーは小さじに持ち替えて1を3つ、だな」

「はいですわん」

 

こういう細かい作業は嫌いではない。難解な報告書を読み解くよりもよほどリラックスできる。

 

「次にふるいにかけていただきます。一回り大きいボールにこのふるいをセットして、そこに先ほど測った粉類を少しずつ入れてふるいます、わん」

 

その時、アインズの頭上にある空想上の豆電球に灯りがともった。

ここだ。ここで少し強めにふるって失敗するのだ。そうすればアインズも得意分野でなければ失敗もするのだと知らしめることができる。ここで大事なのは、得意分野でなければ、というところだ。本当はそれ以外も失敗だらけなのだが、いきなりそれだとがっかりされてしまう。少しずつハードルを下げていけるチャンスは今だ。

よし。

 

そうしていよいよ粉をふるおうとふるいに手を掛けたところでペストーニャから声がかかる。

 

「アインズ様。粉をふるわれる時ですが、できるだけ力を入れずにそっとふっていただけますでしょうか。あ、わん」

「・・・わかった。忠告感謝しよう」

 

計画は失敗だ。ここまで言われてなお失敗すればさすがにアインズの評価は地に落ちてしまう。

そもそも、NPC()に教わっている時にわざと失敗しようとする親がいるだろうか。

いくら自分のハードルを下げる為とはいえ、そのような事を思いつき、実行しようとした己に失望する。

これからは菓子作りに集中することを己に深く誓う。

 

「どうされましたか、わん?」

「あぁ、いや、すまない。力を抜くというのは難しいものだな」

「アインズ様ほどの方でもそうのなのですか、わん?」

「私もまだまだということだな」

 

そうして集中してふるいにかけ、その後の冷凍しておいたバターを小さく切って粉に入れ、さらさらになるまで切るように混ぜるというところまではうまくいったのだが。

 

グチャッ

 

まただ。また失敗してしまった。卵を割るという行為がここまで難しかったとは。はっきり言ってなめていた。

以前ダンスの練習の時に卵を用いた時には、アインズは卵を掌に載せるだけであった為、つぶれやすいのだなとは思っていたが実感には乏しかった。

まずは平らなところに卵をうちつけて殻にひびを入れるのだが、これが難しい。殻はある程度の硬さがあり、そっとうちつけたところ全くひびが入らなかったため、少し強めにたたいたところ、あっさりつぶれてしまった。

 

それはペストーニャがさっと小さなボウルに回収し、あっという間に片づけられた。

2回目は慎重に少しずつ同じ部位を当てていたところ、小さくひびを入れることに成功した。

次はそのひびに指を入れて割るわけだが、ひびに指を入れ割り開こうとしたところでつぶれてしまった。これが先ほどのグチャッというやつだ。

それもすぐにペストーニャに回収された。

あれはどこへいったんだろう。アイテムボックスか?アイテムボックスに入れてどうするんだ?

まあいい。コツを再びペストーニャに聞く。

 

「アインズ様。先ほどは少しひびが小さすぎました。あのくらいのひびでは私でも難しいです、わん。あの場合はもう一度軽くうちつけて少しひびを大きくすると割りやすくなります、わん」

「なるほどな。確かに少し小さいなとは思ったのだが、先ほどのようにつぶれてしまうのではないかと思ってな。ではもう一度やるか」

 

そうして慎重に殻にひびを入れ、それをさらにうちつけて少し大きくする。ペストーニャにひびの大きさを確認してもらい、お墨付きをもらったところでいよいよ割る。慎重にひびの両側に指をかけ、割り広げる。

できた!・・・殻が少し入ってしまった。

 

「アインズ様、これはこうして取り除けば問題ありません、わん。もう一つお願いします、わん」

「うむ、わかった」

 

次はうまくいった。これをときほぐし、4つにわける。

なぜ3つではないのかというと、1回あたり卵半分を使うからだそうだ。では使わない1つはどうするのだろうと思っていると先ほどと同じように、ペストーニャがさっと自分のインベントリに入れてしまった。

あれもどうするのだろう。まぁ考えても仕方がない。次の作業だ。

 

先ほどの粉に入れ、牛乳を加え、手で混ぜる。ある程度まとまったところでオレンジピールを入れ、混ぜる。

バターが溶けないようにとのことだったが、私が卵を割るのに苦戦している間に粉を一度冷蔵庫に入れてくれていたようだ。さすがだ。

 

打ち粉をしたところに置き、丸く広げ、3センチくらいの厚さにする。

どうしても骨の指なので表面がなめらかにとはいかない。

 

「ペストーニャよ」

「はい、どうなさいましたか、わん?」

「うむ、私のこの指では表面がどうしても滑らかにならないのだが、どうすれば良いのだ?」

「そのままで問題ありませんわん」

「そうか?」

「はい。それも味があってよろしいかと存じます、わん」

「なるほどな。次はどうするのだ?」

「はい。4つに切り、いよいよ焼きますわん」

「おぉ、いよいよか。楽しみだが少し怖くもあるな」

 

「こちらのフライパンにのせていただけますか、わん」

「油は引かなくてよいのか?」

「はいですわん。こちらは”ふっそこーてぃんぐ”されているので焦げ付かないそうです、わん」

 

自室のミニキッチンの調理道具については女性陣に任せたので何が用意されているのかまるでわからない。

もちろんリストをアインズが見たところで何が何やらわからないのは同じだが。

 

「なるほど。オーブンではなくフライパンなのだな」

「はい。オーブンでも良いのですが、フライパンの方が手軽なのと、手作り感が高くなると愚考致しました、わん」

「オーブンだとそのまま焼くだけで終わるからか?」

「その通りですわん」

 

フライパンに4つ並べ、ふたをする。

 

「弱火で7分ですわん。弱火と申しますのは、炎の先がフライパンの底に当たらないくらいですわん」

「この炎のマークが1つなのがだいたい弱火ということか?」

「さようでございます、わん。さすがはアインズ様ですわん」

 

点火し、つまみで炎の大きさを調整し、タイマーを7分にセットする。

 

「7分経ちましたら裏返して7分焼きます、わん。もう一度ひっくり返してさらに2分焼けば完成です、わん」

「おぉ、待ち遠しいな。完成品を食べられないのが残念だ」

 

 

 


―――ナザリック地下大墳墓 アインズの私室

 

アインズは報告書を書いていた。

報告書といってもむろん誰かに見せる為のものではない。

面談はすれば終わりというものではない。

良かった点、悪かった点を洗い出し、次に生かさねばならないのだ。

アインズは今日のペストーニャとの面談を思い出す。

 

結果的に焼くというアインズがメインだと思っていた工程はさほどでもなく、何の問題もなく終了した。

上手くできていたか味見はしないのかと思ったが、ペストーニャによると、菓子類は計量を間違えたりしない限り失敗するほうが難しいのだそうだ。

卵を割る工程でアインズも失敗するのだということを偶然にも知らしめることができたのは幸運だった。

あとは本番だ。慰労も兼ねることができれば良いのだが、あまり欲張りすぎないほうが良いだろう。

 

 


お茶会当日。

第六階層に設けられたお茶会の会場へペストーニャの案内で向かう。

邪魔をさせてもらう者が最後に到着するというのが、鈴木悟の感覚では落ち着かないのだが、アインズとしては仕方がないと受け入れてもいる。

 

やがて湖のほとりの広いスペースに設けられたお茶会の会場に到着する。

そして皆口々に歓迎の言葉をかけてくれた。

 

「ようこそ、あたし達のお茶会へ、アインズ様」

「ぼ、ぼく達のお茶会にようこそ、アインズ様」

「次期支配者たるこの私、エクレアが歓迎いたします、アインズ様」

「ボク、おほん、私も歓迎致します、アインズ様」

「うむ、ありがとう。私もこの日を心待ちにしていたぞ」

「「「「「ありがとうございます」」」」」

 

種々の茶菓子が並べられている中に、アインズが作ったスコーンも入っている。

皆が口にするまで、アインズが作ったことは内緒だ。

最初からアインズが作ったとわかっていれば、たとえまずくてもそうとは言えないだろう。

ペストーニャには皆を驚かせたいからと言って口止めした。

正直に理由を言うことはできなかった。

スコーンは一人2つずつだ。

他に様々なケーキやシュークリーム、クッキーなどの菓子がある。

香りのいい紅茶やジュース類が皆に配られ、いよいよお茶会の開始だ。

 

・・・誰も口をつけようとしないぞ。これはどうしたらいいんだ?

このままではせっかくの紅茶が冷めてしまうだろう。

 

「ペストーニャよ」

「はい、どうされましたか、アインズ様。あ、わん」

「皆、口をつけないが・・・何か開始の合図が必要なのか?」

「そういうわけではありませんが・・・皆、普段通りに振る舞いましょう、わん」

「あ、そうだね、ペス。ついアインズ様がいらっしゃると思って」

「し、失礼しました。いただきます」

「「「「いただきます」」」」

「うむ、私も香りだけだがいただこう」

 

皆が一つ目のスコーンに口をつけたところを見計らい、ペストーニャに合図を送る。

アインズが聞いては普通に答えてもらえないかもしれないからだ。

 

「このスコーンのお味はいかがですか、わん?」

「ん?いつも通り美味しいよ。今日はオレンジピールが入ってるんだね」

「ぼくもとっても美味しいです」

「ふむ、いつも通りの美味しさですとも。それが何か?」

「そうか。それは何よりだ」

「え?」

「実はそのスコーンは私が作ったのだ」

「「「え、ええ~~~っ!?」」」

「驚かせて済まないな。ペストーニャに教わって私が初めて作ったものなのだが、少しサプライズをと思ってな。口止めしていたのだ」

「いえ、それはいいんですけど・・・」

「どうかしたか、アウラ」

「アインズ様のだってわかってたらもっとしっかり味わいたかったなって思いました」

「そうか、それは済まなかったな。・・・ふむ。私はどうせ食べることはできない。私のを一つやろう」

「え、いいんですか?」

「もちろんだ。存分に味わってくれ。少し照れるがな」

「あ、あの、アインズ様。ぼくも・・・」

「マーレにももちろん私のをやろう」

「あ、ありがとうございます!!!」

「やはり、アインズ様はやまいこ様と同じくらいお優しい」

 

そこへエクレアがおずおずとフリッパーをあげる。彼にしては珍しい態度だ。

 

「どうした、エクレア」

「あの、私も」

「ふむ、困ったな。私のスコーンはもうなくなってしまったぞ」

「ボクのをあげるよ。ボクも食べられないしね」

「ユリ!このお礼は私がいずれ支配者になった時に」

「はいはい」

「ユリは優しいなぁ」

「良かったな、エクレアよ」

「はい」

 

アインズは気づいていなかったが、エクレアの方を向いている間に、アウラとマーレはアインズから受け取ったスコーンをさっと己のインベントリにしまっていた。

ちなみにペストーニャも1つ保管済みであった。これらをどうするのかについてはご想像にお任せしよう。

 

「えへへ。アインズ様のスコーン、美味しいです」

「ぼくも、とっても幸せな気持ちになります」

「私ももちろん美味しいですとも」

「ふふ、よかった。また機会があれば作りたいものだな」

「アインズ様、今度はあたし達とも一緒に作りましょう」

「そうだな、それも良いかもしれぬな」

 

そうしてお茶会は成功の裡に終了した。

 

その後アウラの提案もあって、「アインズ様と一緒にスコーンを作る会」が催された。

会場はアインズの私室のミニキッチン。

それゆえ少人数で行われ、希望者多数の為、アインズの空き時間はすべてこの会で埋められたと言っても過言ではない。

ただアインズの空き時間はもともとたくさんあるために何の問題もなかった。

共にスコーンを作り、一緒に味わう(むろんアインズはふりだ)ところまでがセットだ。

全員が全員アインズに卵を割ってほしいと遠回しに願い、そして卵の殻と、ときほぐした卵の半分をインベントリに入れた。

アインズには理解できなかったが全員が幸せそうなのでよしとした。慰労になっているようだしな。

 

会にはエクレアも来ていた。無論フリッパーでは何もできないも同然なのでほとんどの作業をアインズがした為顰蹙を買っていた。

 

「デミウルゴス、お前がこのような会に参加するとはな」

「何をおっしゃるのですか。アインズ様とのせっかくの機会を逃すシモベなどいませんよ」

デミウルゴスは器用にこなし、珍しく満面の笑みを見せていた。

 

「セバス、お前も参加するのだな」

「いけませんでしたでしょうか」

「いや、そのようなことはないぞ。お前とこのような時間を持てて私は嬉しいぞ」

セバスは感動に打ち震えていた。

 

ちなみにスコーンは一度に4つできるので、うち2つがアインズ、もう2つが一緒に作った相手のものとなるのだが、当然のことながらアインズは食することができないためにアインズの分を毎回相手に渡していたのだが、アインズにもらった分をインベントリに入れる派と、アインズにもらった分を食べ自分の分をインベントリに入れる派に分かれた。

アインズからすればどっちも同じものだと思うのだが。

 

恐怖公も参加を希望した為、協議の結果、当日は恐怖公とコキュートス、マーレのみが参加、会終了後に念入りに掃除することで参加が認められることになった。

確かにゴ・・・と一緒に料理というのは考えられないというのもわかる。

キッチンにゴ・・・が出たら即抹殺というのもわからなくはない。

だが恐怖公はただのゴ・・・ではない。彼も大切なNPC(子供)の一人なのだ。

問題は3人とも身長差が激しいため下手すると恐怖公が踏みつぶされかねない。

そのため一人ずつ作ることとした。オーブンはまとめてだが。

恐怖公は身長が小さいために、ボールの横に立ってゴムベラを使うのだがまるでゴムベラがオールのように大きく見えるのだった。

こねるのも大変そうだ。小さいものを作ればよかったのだが、アインズはこの量の作り方しか知らない。

ペストーニャに聞くか確認すると皆と同じものが作りたいとのことでこうなったわけだが。

キッチンの横からはマーレとコキュートスがうらやましそうに見ている。

鈴木悟の精神では見られながら慣れない菓子作りはできなかっただろうが、アインズはそうではない。

こね、丸く広げ、4つに切る。ここで交代だ。焼くまで少し時間があるので一度インベントリにしまう。

次はマーレ。娘から教わった菓子作りを息子に教える。なんと幸せなことか。マーレはその幼い容姿からいってもまさに子に教えるという感じがする。

それはもちろんアウラにも言えることだが。

一生懸命こねている様子は微笑ましく、自然と笑顔が浮かぶ。無論アインズの顔は動かないが。

「えへへ。こんな感じでどうですか?」

「うむうむ。良いのではないか?」

そうしている間にマーレの番も終了だ。

「イヨイヨ私ノ番デスナ」

「待たせたな、コキュートス」

「イエ、コチラデ見学ヲスルノモ勉強ニナリマシタ」

「そうか、では始めよう」

「ハッ」

コキュートスは6本の腕で器用に粉をはかり、ふるい、こねる。

アインズの出番はもはや卵を割ることだけになっている。あっという間に終了した為コキュートスは少し名残惜しそうだった。

「では焼きあがるまで皆ソファで待つか」

向かいのソファにコキュートス、マーレ、恐怖公と並んで座っている様はかなりシュールだ。

だが、人のことは言えまい。

「ふふ」

「ドウカサレマシタカ?」

「いや、恐らく餡ころもっちもちさん達のお茶会もこのような感じだったのだろうなと思ってな」

「は、はい。そうですね。種族もサイズも様々でしたから」

「さぁ、そろそろ焼けただろう。お茶会の開催だ」

「「「はい!!!」」」

 

さて、問題がありそうな彼女たちはどうだったかというと、やはりお目付け役をアウラにし、アルベド、シャルティアの3人がセットにされていた。

この采配はどうやらペストーニャのようだ。

「アウラ、感謝するわ」

「アウラ、感謝しんす」

「何?二人とも。なんか気持ち悪いんだけど」

「だって、この会はあなたが提案してくれたんでしょう?」

「ま、まぁそうだけどさ」

「そういうわけだから、3人仲良く、少しでも長くモモンガ様と過ごせるようにしましょうね」

「アルベドに言われるのはしゃくでありんすが、わらわもそれには賛成でありんす」

「ま、あんたたちが暴走しないでいてくれるなら私もアインズ様との時間が増えるから嬉しいけどね」

などというやり取りがあったようで、アインズは最初は警戒していたが驚くほど穏やかにできた。




いかがでしたでしょうか。
もちろんミニキッチンの設定やら、ペストーニャ達のお茶会は捏造です。
仲がいいとあったので。

ペストーニャの趣味は悩みましたが。オバマスでお菓子作ってたのでそれで。
もちろんこのスコーンの材料はレア度0のノーマルな食材なので、アインズ様も取り扱い可能です。

それからお詫び。
実は恐怖公の後書き部分に書いてあったこぼれ話を本文にあげました。
なぜならこの話で、こぼれ話でのエピソードに触れていたから。

タイトルはどうしたらいいでしょうか

  • 今のタイトルの(仮題)を外す
  • 一瞬だけ使用した「感謝と慰労」にする
  • まだ(仮題)のままにしておく
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