アインズ様がNPCに感謝を伝えて慰労しようとする話(仮題)   作:冥咲梓

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副料理長の名前がわかったので書いてみました。フルネームかどうかはわかりませんがもうこれで。
もし今後フルネームが判明した場合は修正します。


アインズとの面談~クラヴゥの場合~

本日のアインズ番メイドが来訪者の名前を告げる。

 

「副料理長、クラヴゥ様でございます」

「そうか。入室を許可する」

 

「――副料理長クラヴゥ、お呼びとのこと。馳せ参じました、アインズ様」

「ふむ。よく来たな、副料理長クラヴゥよ。では面談を始める前に――これは面談を行う者全員に行っているのだが、私の許可無く私に触れたりしないと誓えるか?」

 

アインズが問いかけると、茸生物(マイコニド)の副料理長クラヴゥは触手のような手を胸(?)に添え、優雅に頭を下げ、応える。

 

「はい。アインズ様の許可無くアインズ様に触れたりしないと誓います」

「よろしい」

 

アインズは人払いをし、ソファ席に移動する。まずアインズが座り、向かいの席に座るように勧める。

 

「失礼いたします」

「うむ、まずはクラヴゥよ、改めてお前の働きに感謝する。そしてこのような時間を持てることを嬉しく思う」

「光栄です。また、このようにアインズ様とのお時間をいただけること、私にとりましても僥倖にございます」

「・・・今日は支配する者とされる者ではなく、できれば親子のような対話ができればと思う。よろしく頼む」

「はい」

 

「さて、お前のレポートによると、品種改良に成功したとき、そしてバーで客の相手をする時に幸せを感じる、ということだったな」

「はい。この世界の果物はアインズ様もご存じのとおり品種改良がされておりませんので、微々たるものでございましても、成功致しました際には無上の喜びを感じます」

「うむ、これもブルー・プラネットさんの想いがお前に生きているのだろうな」

「ブルー・プラネット様の、でございますか」

「そうだ。あの人は自然そのものを愛してはいたが品種改良を否定していたわけではない。より環境に強い植物を育てることに情熱を燃やしていたからな」

「さようでございましたか。私の中にブルー・プラネット様の想いが・・・ありがとうございます、アインズ様。いっそう励みたいと思います」

「それから、バーについては・・・あの時はすまなかったな」

「何をおっしゃいますか!」

「もちろん一度謝罪はしているが、改めて、な。今は静寂が戻っているか?」

「はい。今は常連の方のみとなっております。それからもう一つご報告が」

「ん?」

「以前アインズ様にもお出ししましたカクテル、『ナザリック』ですが、ついに飲むに値するものが完成致しました」

「おぉ、そうだったのか。それは是非見せてもらいたいな」

「はい、是非。むろん以前アインズ様にお見せしたもののレシピも残してはおります。そちらを所望されるお客様が多くいらっしゃるので」

「そ、そうなのか」

 

(なんで?)

 

「はい」

「そうか。あー、この後の流れとしては、まず品種改良の作業の見学と、少し私にできるもので手伝わせてもらって、その後バーに移動してそのカクテルを見せてもらう、というのでどうだ?」

「はい、畏まりました」

 

 

 

 

 


ナザリック地下大墳墓 第九階層

 

「おや」

「コレハデミウルゴス。久シイナ」

「久しぶりだね、コキュートス。君も戻っていたのだね」

「ソウダ」

「こういう時は少しゆっくり話したいところだがね」

「今日ハ確カ副料理長ハ面談ノ日ダナ」

「そうだね。さすがに今日は休みだろうね」

「ム?アソコ、バーノドアガ少シ開イテイルゾ」

「本当だね。ということは」

 

すたすたとドアに向かうコキュートス。

 

「コキュートス、待ちたまえ!今は・・・」

 

デミウルゴスの声はあと一歩遅かったようだ。すでにコキュートスはドアにたどり着き開けてしまっていた。

 

「あぁ・・・」

「ム?ドウシタノダ、デミウルゴス」

「ん?コキュートスか。それにデミウルゴスも。奇遇だな」

「いらっしゃいませ」

「申しわけございません!!すぐに退出致します!!」

「ん?別に構わないぞ」

「ですが・・・」

「せっかくですからどうぞ」

「アインズ様モコウオッシャッテイルノダ。何モ問題ハナイノデハナイノカ?」

「はぁ・・・わかりました。お邪魔致します」

「ふふ」

「何かおかしかったでしょうか?」

「振り回されるお前が少し珍しくてな」

「ここではこういうこともままありますよ」

「そうなのか?」

「はい。詳細はいかなアインズ様といえどお伝えできませんが」

「それはそうだな。プライベートだからな」

「はい」

「ではせっかくだからな、お前たちに、私が今教えてもらったカクテルを出すとしよう」

「なんと、アインズ様お手ずから?」

「オォ!ナント素晴ラシイ!」

「まぁ初歩的なものだがな。それにバフ食材は私には使えない。ノンアルコールだぞ?」

「先ほど第六階層で収穫しました、改良中の現地食材を使用したものですので、いささか酸味と甘みが足りないかもしれません」

「先ほど第六階層で収穫、それはまさかアインズ様も?」

「あぁ、一緒に収穫したぞ。ちょっと楽しかったな」

「アインズ様に楽しんでいただけて私もとても嬉しいです」

「アインズ様が収穫された果物で作ったノンアルコールカクテル・・・それはまさに至高では」

「ソノ通リダナ。是非イタダキタイ」

「まぁあまり期待しないでくれよ」

 

アインズはリンゴを取り出し、芯を取ると、おろし金ですりおろし始める。皮ごとだ。

アインズならば握りつぶすことも可能だが、美しくない。

それにクラヴゥはもちろんそのようなことはしていなかった。

だから当然アインズも同じやり方をする。

 

シャリシャリシャリ。

 

3人の視線が突き刺さる。さすがに緊張――はしない。が、少し気恥ずかしさは残る。

 

 

「お前たち、まだ時間がかかるから、私のことは気にせず会話を楽しんでくれ」

「アインズ様をさしおいてそのような」

「あぁそうだ、お前たちは既に知っているかもしれないが、あのオリジナルカクテル『ナザリック』が飲むに値するものになったそうだ」

「そうでしたか。しかし、今はアインズ様がいらっしゃるのですから、まずアインズ様を優先するべきかと。それにアインズ様がなさる事を拝見するのは喜びですから」

「アインズ様ノナサル事ヲ拝見スルノハ私ニトッテモ至福ノ時間デス」

「そうなのか?まぁ、お前たちがそれでいいのなら構わないぞ」

 

次にアインズはレモンを取り出す。半分に切り、スクイーザーでやさしく回転させながら押すと果汁がジュワーッと出る。

それを先ほどすりおろしたリンゴに入れる。これでリンゴの変色が防げるらしい。酸味も足せて一石二鳥だ。

 

さらにミカンを取り出し、半分に切る。飾り用に薄く2枚とりおき、残りの皮をむく。それをハンドジューサーに入れる。力を入れ、いや、アインズが本気で力を入れるとハンドジューサーが壊れてしまう可能性があるので、慎重に軽く力を入れると果汁がドバッと出てきた。

 

それぞれ計量してシェイカーに入れ、甘みを足す為にシロップも足し、軽くシェイクする。

 

取り出したグラスに入れ、先ほど取り置いた飾り用のミカンに切れ目を入れ、グラスの縁につけて完成だ。

 

「待たせたな」

「おぉ、これは!」

「素晴ラシイ!」

「どう思う?」

「はい、問題ないと思います」

「だ、そうだ。あとは味だが、あまり期待はするなよ?まだ改良中だからな」

「ハッ」

「いただきます」

「イタダキマス」

「うむ」

 

「!!素晴らしく、美味しいです」

「アァ、酸味モ甘ミモ丁度イイデス」

「そうか?お世辞はいらんぞ。正直に言ってくれ」

「いえ、コキュートスも言っているように、さわやかな酸味と控えめな甘さでとても美味しゅうございます」

「まぁ、私は味がわからんからな。クラヴゥのレシピが良かったのだろう」

「いえ、ミカンやレモンを絞られる際に、苦みが出ないようにと慎重になさっておられました。その努力の賜物でございましょう」

「いや、それはお前の教え方が上手かったということではないか」

「いえいえ、アインズ様のセンスが良いのでございます」

 

これ以上続けても無駄のようだ。アインズは話題を変えることにした。

 

「さ、さぁ、私の話はもう良い。さっそく飲むに値するものが完成したというオリジナルカクテル『ナザリック』を披露してもらえるか?」

「我々としてはアインズ様のお話はいくらしても尽きることはないのですが」

「そうですね」

「ソノ通リデゴザイマス」

「アインズ様のご希望とあらば仕方ありません。早速『ナザリック』をお披露目すると致しましょう」

 

アインズは少しワクワクする。以前に見せてもらったのはエクレアとここに来た時だった。

その時は見た目は良いが味は今一つということだったが、飲むに値するようになって見た目や香りに変化はあるのだろうか。

心なしかクラヴゥも張り切っているようだ。

これが完成したあと、珍しく領域守護者たち数名で集まった時にお披露目しようとしたが、誰にも注文してもらえなかったと先ほどこぼしていた。

どういう集まりでどんな話をしたのか興味があるが、部下のプライベートに上司が首を突っ込むのも良くないだろう。

 

「こちらがオリジナルカクテル『ナザリック』です」

「ほぉ」

「アマリ見タ目ハ変ワラナイノダナ」

「そのようだね」

「そうですね。見た目をあまり変えてしまうとそれはもはや『ナザリック』とは言えませんから」

 

「ではアインズ様、失礼していただきます」

「イタダキマス」

 

「ほぉ、これは確かに以前よりもすっきりして後味もいいね」

「コレナラモウ一杯飲メル」

「ありがとうございます」

「そうか、良かったな、クラヴゥよ」

「はい、ありがとうございます、アインズ様」

 

 

 

 


―――ナザリック地下大墳墓 アインズの私室

 

アインズは報告書を書いていた。

報告書といってもむろん誰かに見せる為のものではない。

面談はすれば終わりというものではない。

良かった点、悪かった点を洗い出し、次に生かさねばならないのだ。

アインズは今日のクラヴゥとの面談を思い出す。

 

 

まずは品種改良作業の見学ということで、第六階層に移動した。

無論、階層守護者のアウラとマーレの許可を取ることは忘れない。

「許可なんて」と二人は言うが、これはけじめだ。

 

品種改良を行っている果樹園に移動する。

慌てて跪こうとするトレントやドライアード達に、そのまま作業を続けさせるのに苦労した。

まぁ確かにアインズも急に社長が現場に現れたら作業を中断するだろう。

さすがに跪いたりはしないが、頭は下げる。仕方ないことだ。

 

通常だと雑草を取り除いたりするようだが、それはここでは必要ない。

というよりも、日々皆が頑張っているため、クラヴゥもその作業をすることはないそうだ。

良い形質同士を掛け合わせるため、人工授粉というのを見学させてもらう。

受粉にも風の力を借りて行われる風媒受粉、ミツバチなど昆虫が蜜を吸いに来た時に受粉する虫媒受粉などがあるそうだ。

本来は8時から10時の早朝に行うそうだが、今回は特別にこの時間にしてもらった。

やわらかい毛先のブラシのようなもので、おしべに触れ、花粉をつけ、その花粉をめしべにつける。

一見簡単そうだが、繊細な作業なのだろう。自分にできるだろうか。力加減も難しそうだ。

 

「さぁ、アインズ様」

「うむ」

 

ブラシをクラヴゥから受け取る。

 

「まずはこちらのおしべから花粉を採取していただけますか?」

 

そっとやさしく慎重に。おしべからブラシに花粉が移るように触れる。

 

「アインズ様、さすがです。では次にこちらのめしべに花粉をつけていただけますか?」

「ああ」

 

おしべよりはめしべの方が丈夫に見える。とはいえ力加減は大事だ。

アインズは慎重にブラシでめしべに花粉をつける。

 

「アインズ様、素晴らしい!受粉の成功は約束されたも同然でございます」

「見ただけでわかるのか?さすがだな」

「アインズ様が作業をなされたのですから、当然のことです」

(え?)

 

失敗していたらどうするんだ。俺は素人だぞ。成功していることを祈るしかない。

いや、クラヴゥは専門家だ。きっと大丈夫だ。そう信じるぞ。

 

アインズはあずかり知らないことだが、その後受粉は成功し、実をつける。その実は「アインズ様が人工授粉された実」として永久保存され、品種改良に使われることはなかった。

もしアインズがそれを知ったら、品種改良を手伝ったつもりがかえって邪魔してしまったと落ち込んだことだろう。

知らぬが仏とはこのことだ。むろんアインズに内緒だったわけではなく、報告はあげられていたが、アインズが見落としていただけのことなのだが。

 

「さ、さぁ、気を取り直して。バーに移動するか?」

「アインズ様、もしよろしければ少し収穫もなさいませんか?こちらで収穫した果物でノンアルコールカクテルを作ることもできますが」

「おお、それは興味深いな。良い提案だ。教えてもらえるか?」

「畏まりました。どうぞ、こちらです」

「うむ」

 

果樹園の中を少し移動する。

 

「こちらはリンゴでございます。まだまだ甘みと酸味が足りませんが、シロップを足したり、他の酸味のある果物を足すことでカクテルとして飲める状態にはできます」

「ふむ、どういうリンゴを選べば良いのだ?」

「はい。まず色つやが良いものでございます」

「なるほど。色は赤みが強いものだな?」

「はい。中には黄色のものもございますが、こちらは赤い品種ですので赤が鮮やかなものをお選びください。また、尻の部分の窪みが深いものを選ぶと良いとされております」

「たとえばこういうのか?」

「さようでございます。さすがはアインズ様」

「いや、お前の説明が的確だからだろう」

「何をおっしゃいます」

「んんっ、まぁ、二人の共同作業でうまく見つかったということでどうだ?」

「アインズ様がそうおっしゃるならば」

「で、何個とればよい?」

「そうですね、私が説明する分とアインズ様が練習する分と」

「2個か?」

「いえ、念のため4個に致しましょう」

「わかった、ではあと3個だな。ふむ、あとはこれと、これと、これでどうだ?」

「はい、どれも良いリンゴです」

 

次にレモンを収穫する。

 

「レモンの収穫でございますが、皮がつるんとしていて張りや艶があり、色むらがないもの、弾力があり、重みがあるものです」

「ふむ。では・・・これはどうだ?」

「そうですね、これは良いレモンです」

「レモンは何個収穫するのだ?」

「そうですね。こちらは3個に致しましょう」

「3個か。ではこれと、これでどうだ?」

「さすがはアインズ様。どれも良いレモンです」

 

最後にミカンだ。

 

「最後にミカンですね。皮のキメが細かく、ヘタが黄色からオレンジで、この軸の部分が細く、形がやや平らで色が鮮やか、小さめのものを選ぶと良いとされています」

「キメが細かい?」

「はい。表面をよく見ていただくと、半透明のつぶつぶが見て取れるかと」

「あぁ、これか」

「はい。油胞と申しまして、これがきめ細かいほど良い花が健全に育ったということで、粗いものに比べて甘いとされております」

「なるほど。そうすると、これはどうだ?」

「そうですね。良いミカンだと思います」

「ミカンは何個だ?」

「こちらも3個ですね」

「3個か。では、これとこれだな」

「どれも良いミカンです。さすがはアインズ様です」

「これでカクテルの材料はそろったのか?」

「はい。シロップはバーにありますのでこれで問題ありません」

「では今度こそバーに移動するか」

「はい」

「カクテルを作るのも楽しみだな」

「ご期待に添えるよう精進いたします」

 

そうして第九階層にあるバーに行き、カクテルの作り方を教わっているところへコキュートスが現れたのだ。

あれは楽しかったな。欲を言えば一緒にカクテルを飲みたいところだったが仕方がない。

3人には内緒にしてもらったから以前のようにバーを騒がせることもないだろう。

 




なんか終わり方がわからなくなってきました。

ブルー・プラネットさんが品種改良うんぬんはもちろんねつ造です。
人工授粉とか果物の選び方もにわかなので間違っていたらすみません。

タイトルはどうしたらいいでしょうか

  • 今のタイトルの(仮題)を外す
  • 一瞬だけ使用した「感謝と慰労」にする
  • まだ(仮題)のままにしておく
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