アインズ様がNPCに感謝を伝えて慰労しようとする話(仮題)   作:冥咲梓

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今回は一般メイド達のアイドル、シズです。
かわいく書けてるといいのですが。


アインズとの面談~シズ・デルタの場合~

本日のアインズ番メイドが来訪者の名前を告げる。

 

「シズ・デルタ様でございます」

「そうか。入室を許可する」

 

「・・・・・・・・・CZ2Ⅰ28(シーゼットニイチニハチ)・デルタ、お呼びとのこと。参りました、アインズ様」

「ふむ。よく来たな、シズ・デルタよ。では面談を始める前に――これは面談を行う者全員に行っているのだが、私の許可無く私に触れたりしないと誓えるか?」

 

アインズが問いかけると、自動人形(オートマトン)であるシズ・デルタは無表情のままペコリと頭を下げて応える。

 

「・・・・・・・・・はい。アインズ様の許可無くアインズ様に触れたりしないと誓います」

「よろしい」

 

アインズは人払いをし、ソファ席に移動する。まずアインズが座り、向かいの席に座るように勧める。

 

「・・・・・・・・・失礼します」

「うむ。まずはシズ・デルタよ、改めてお前の働きに感謝する。そしてこのような時間を持てることを嬉しく思う」

「・・・・・・・・・光栄です。また、このようにアインズ様とのお時間をいただけること、私にとっても幸せ・・・・・・です」

「・・・今日は支配する者とされる者ではなく、できれば親子のような対話ができればと思う。よろしく頼む」

「・・・・・・・・・はい」

 

「さて、お前のレポートによるとユリと一緒にエ・ランテルを散策したのが楽しかったとのことだが」

「・・・・・・・・・はい。外に出られるようになったらと約束してました」

「うむ、お前の記憶の件だな」

「・・・・・・・・・はい」

「あとはメイド悪魔の件、だな」

「・・・・・・・・・はい」

「エ・ランテルは良い町になっているか?」

「・・・・・・・・・アインズ様が支配される町・・・・・・です。良い町・・・・・・です」

(まぁそういう答えになるよな)

「もう一つ、ハムスケに触れるのが楽しい、だな」

「・・・・・・・・・はい。もこもこかわいい・・・・・・です」

「うむ、普段は柔らかい毛だからな。外に出られるようになってナザリック外でも触れられるようになったと思うがそれはどうだ?」

「・・・・・・・・・まだ、外では触ってない・・・・・・です」

「ふむ、では今からエ・ランテルに行ってハムスケに構ったあと、町を私と散策するか?」

「・・・・・・・・・それは、素晴らしい・・・・・・です」

 

 

まずエ・ランテルの元都市長の館に移動する。

ハムスケの小屋に向かうと、予想通り、仰向けでいびきをかいて寝ている。

まぁシズがもこもこを堪能するのに起こす必要はないだろう。

シズを見ると、無表情な中にも心なしか目が輝いて見える気がする。

 

「シズ」

「・・・・・・・・・はい、アインズ様」

「もこもこ、触ったりしないのか?」

「・・・・・・・・・しても、良いですか?」

「もちろんだとも。ハムスケは私のペットのようなものだからな。ダメージを与えなければ問題ないぞ」

「・・・・・・・・・ありがとうございます」

 

早速シズがハムスケのお腹にダイブしようとするのを見てアインズは慌てて止める。

 

「待て!!」

「・・・・・・・・・はい」

「シズよ、ハムスケはサイズはでかいがレベルが低い。お前がダイブしたらつぶれるかもしれん」

「・・・・・・・・・わかりました」

 

こくんと頷くとよじのぼっていき、お腹にぎゅっと張り付く。

 

「ぐえ~っ。な、なんでござるか!?」

「ハムスケよ、久しいな」

「これは殿ではござらぬか、って動けないでござるよ!?何が起こっているでござるか?」

「・・・・・・・・・もこもこ」

「お前の腹に乗っているのはシズだ」

「あ、ナーベラル殿の同僚の方でござるな。ナザリックでは時々ぎゅーっとされるのでござるが、こうやって寝ているときにされたのは初めてでござるよ」

「そうか。その体勢はつらいか?」

「正直を言うのであればちょっとしんどいでござる・・・」

 

ハムスケのうるうるとしたつぶらな瞳がアインズを見つめる。

(うっ!心が痛む)

 

「シズよ」

「・・・・・・・・・はい、アインズ様」

「一度ハムスケから降りて、ハムスケが苦しくない状態で触るのだ」

「・・・・・・・・・わかりました」

 

ぽふん、とシズがハムスケの腹の上から降りる。

 

「助かったでござる。ありがとうでござるよ、殿」

「うむ。で、ナザリックではどういう体勢なのだ?」

「そうでござるな、座っている事が多いでござるよ」

「では座るのだ、ハムスケよ」

「畏まりましたでござる」

 

足を前に投げ出して座るハムスケ。お腹がもこもこしてやわらかそうだ。

 

「さぁ、シズ。待たせたな。触ってよいぞ」

「・・・・・・・・・ありがとうございます」

 

シズが目を輝かせてハムスケに抱きつく。うん、ほのぼのとしたいい絵だな。頬をすりすりしている。

見ていると俺も触りたくなってきたぞ。しかし、大の大人、しかも骸骨がでっかいハムスターをもふもふしてるなんて絵面が悪いよな。

 

「・・・・・・・・・アインズ様」

「どうした?シズよ」

「・・・・・・・・・アインズ様も触りますか?」

「そ、そうだな。シズがあまりに幸せそうだから私も少し興味があるな」

「・・・・・・・・・どうぞ。アインズ様も、もこもこ好き?」

「うん、まぁ、愛らしいな、とは思うぞ。お前も含めてな」

「と、殿~!!!」

「こ、こら。動くな」

「申し訳ないでござるよ」

 

意を決してハムスケのお腹にそっと触れる。

うん、やわらかい。この体の触覚は布1枚挟んでいるような感じで鈍いが、それでも毛の柔らかさは感じられる。

なでていると気持ちいい。

もう出かけなくてもいいかな、という気持ちになってくる。

いやいや、シズとの約束を破る訳ではないぞ。

ただまぁ、散策の時間は短くて良いかなぁと思う。

 

 

 


―――ナザリック地下大墳墓 アインズの私室

 

アインズは報告書を書いていた。

報告書といってもむろん誰かに見せる為のものではない。

面談はすれば終わりというものではない。

良かった点、悪かった点を洗い出し、次に生かさねばならないのだ。

アインズは今日のシズ・デルタとの面談を思い出す。

 

 

 

ハムスケのもこもこを充分に堪能した後(町の散策から戻ったらまたしたいと言われた)

町に予定通り出かけるわけだが、今回は以前の反省を生かし、お忍びで出かけることにした。

護衛の天使が取り囲んでいたら一発でばれる。

そもそも自分の支配する町だ。護衛なくてもいいんじゃないか?

何度か外にも護衛なしで出かけているしな。

まぁ今回は囮になる為じゃないが。

 

ということで護衛はなしだ。ただ、この姿だと護衛がなくてもすぐばれる。一目瞭然だからな。

かといってモモンの姿というのも色々と問題がある。

そこで以前よりこんなこともあろうかと考えていた、お忍び用の服装だ。

白い手袋、白いローブ、銀の仮面、白い帽子、白い杖。

おおよそアインズのイメージとはかけ離れたものだ。

といっても無論アインズ自身がコーディネートしたものではなく、セバスに相談して見繕ってもらったものだ。

帽子や杖に宝石が使用されていたり、ローブには黄金の刺繍があったりとやや派手だが上品にまとめてくれたはずだ。

一昔前のアインズであれば派手過ぎると思うところだったが、メイド達が選ぶ宝石のボタンがついた上着や、背中から羽根が飛び出しているものなどを着ている身からするとこれはおとなしい方だろう。

シズにも着替えてもらっている。動きやすい白系のワンピースだ。

 

「シズ、似合うぞ」

「・・・・・・・・・ありがとうございます。アインズ様も素敵・・・・・・です」

「では、行くか」

「・・・・・・・・・はい」

 

地下聖堂の王(クリプトロード)に別れを告げ門を出る。

さて、どこに向かうか。

 

「シズよ、見てみたいものはあるか?」

「・・・・・・・・・この街のことはあまり知らない・・・・・・です」

「それもそうだな。報告書には(一応)目を通しているが私もさほど詳しいわけではないな」

「・・・・・・・・・スズキ様と一緒なら、どこに行っても幸せ・・・・・・です」

 

ちなみにこの「スズキ」というのはこの格好の時の偽名だ。

こちらではわからないが、日本ではありふれた名前なのでこのくらいは問題ないだろうと思っている。

 

「ふふ、ありがとう。そうだな。藍蛆(ゼルン)がいる区画にでもいくか?」

「・・・・・・・・・藍蛆(ゼルン)ですか?」

「ほら、ネイア・バラハと一緒に救出に行ったのだろう?王子を」

 

面談に当たって過去のシズからの報告書を読み返したから間違ってはいないはずだが。

 

「・・・・・・・・・ネイア。お気に入り」

「そうだろう。まぁ藍蛆(ゼルン)に用はないだろうが、仲良くなったきっかけでも有るだろう?一応様子を見るのはどうだ?」

「・・・・・・・・・わかりました」

 

藍蛆(ゼルン)たちの住んでいる区画にやってきた。

彼らは穴蔵に住んでいる種族のため、それに合わせた住居となっている。

地下に住まう者たちの住居、木の上に住まう者たちの住居など、この亜人地区は様々な種族のニーズに合わせた区画が存在する。

そのうちの一つにやってきたわけだが、どれが王子が住んでいる場所かわからん。

普通に考えれば一番立派なところだと思うのだが、外から見ると全く一緒に見える。

 

「ふむ、王子の住居はどこだろうな?」

 

藍蛆(ゼルン)がいたら聞いてみてもよいのだが一人も見当たらない。

その時、シズがアインズの服の裾を引きつつ後ろを向き、指を指した。

 

「スズキ様・・・・・・あちらに」

「どうした?シズ」

 

そう言いながらシズの指す方を見ると、大きく手を振る人影が見えた。

 

「ん?」

「シズせんぱーーーい!!」

 

噂をすればなんとやらか。ネイア・バラハだ。彼女がここに来る予定はあっただろうか。

少なくとも今日は謁見の予定はないはずだが。

 

「・・・・・・・・・ネイア」

 

走ってきたネイアと迎えるシズが、再会を喜び合い抱き合う・・・

ということはなく、向かい合ってネイアが息を整えているのをシズは静かに見守っている。

 

「はぁはぁ。お久しぶりです!シズ先輩!!!」

「・・・・・・・・・久しぶり」

「あぁ!この反応!懐かしい!!」

 

そうして二人はしっかり握手した。良い光景だ。私は景色に溶け込もう。

 

「今日はシズ先輩はお休みですか?」

「・・・・・・・・・そう。ネイアは?」

「私は、、あれ?シズ先輩、一緒にいるのはどなたですか?」

 

あぁ、見つかってしまった。まぁ不可視化も使ってないからな。気配を消すスキルは持っていないし。

 

「・・・・・・・・・こちらはスズキ様。スズキ様。ネイア・バラハです」

「初めまして、バラハ嬢。シズと親しくしてくれてると聞いてるよ。ありがとう」

「は、初めまして、スズキ様。シズ先輩・・・シズさんにはお世話になっています」

「積もる話もあるでしょう。私の事は石とでも思ってください」

「石、ですか」

「あぁ、なんでしたら離れていましょうか?」

「・・・・・・・・・だめ・・・・・・です」

 

シズに服の裾をしっかり掴まれた。最初の誓いがあるからか、直接触れては来ない。

 

「バラハ嬢、ちょっといいですか?」

「はい」

 

ネイアは耳が良いのでだいぶ離れた場所に移動する。聞き耳を立てたりはマナーとしてしないだろうが、念のためだ。

 

「シズ。せっかくの機会だ。ネイア・バラハと話すといい」

「・・・・・・・・・今はスズキ様との時間です」

「うむ、そうか。ではこうしよう。ネイア・バラハに時間があるようなら明日会うというのはどうだ?休みの都合もこちらでつけよう」

「・・・・・・・・・ありがとうございます。さすがはスズキ様・・・・・・です」

 

「待たせて済まないね、バラハ嬢。シズも君と話したいところだが、今日は私と予定があってね。もし君さえ良かったら明日時間をもらえるかな?」

「はい!喜んで!」

「それでバラハ嬢。明日はいつ頃が都合がいいのかな?」

「そうですね。お昼以降なら空いてます」

「そうか。ではシズ」

「・・・・・・・・・はい、スズキ様」

「うん、お昼頃に魔導王陛下の居城前に来てもらえるかな?門番に話は通しておくからね」

「ありがとうございます、スズキ様」

「・・・・・・・・・ネイア」

「シズ先輩!また、明日」

 

こくんとシズが頷き、ネイアは手を振りながら去って行った。

うん、友情、という感じがして良いな。

それでこれからどうするか、だが。もうここには用がない、か?

 

「シズ。これからどうしよう?」

「・・・・・・・・・ハムスケのところに行きたいです」

「そうだな、ハムスケで癒やされるとするか」

「・・・・・・・・・はい!」

 

ハムスケの所に戻ると、予想通り再び惰眠をむさぼっていた。

 

「シズ」

「・・・・・・・・・はい、アインズ様」

 

シズがぎゅーとしがみつき、ハムスケが飛び起きる。

 

「ぐえ~!?今日はまたなんでござるか??と、殿!?お早いお帰りでござるな?」

「うむ、色々あってな、戻ってきたのだ。すまないがまたシズに触れさせてもらえるか?」

「畏まったでござる。シズ殿、少し待ってほしいでござる」

「・・・・・・・・・わかった」

 

しぶしぶシズが離れると、ハムスケは起き上がり、先だってと同じように足を投げ出すように座った。

 

「シズ殿、お待たせしたでござる」

「・・・・・・・・・ん」

 

再びシズがハムスケにひっつく。

 

「・・・・・・・・・アインズ様も」

「うむ、そうだな」

 

アインズも先ほどと同じようにもこもこを堪能した。

 

「さて、シズ、そろそろ」

 

シズは無言で首を振り、ハムスケにしがみつく。

まぁ、せっかくの休みだ。ハムスケには悪いがシズには堪能してもらうとするか。

 

それからしばらくアインズは側で眺めたり、時々もふもふしたりした。

 

シズの慰労に充分になった、ような気がするな。一緒にもこもこを堪能したのでアインズ像の修正も出来ているとよいな。

さぁ、次の面談も頑張ろう。

 

 

 

 

―――翌日、魔導王の居城の門前にて

 

「シズ先輩!!!」

「・・・・・・・・・ネイア」

 

二人の様子をそっと見守るアインズがいた。

さすがについてはいかない。子供の友人関係に親が頭をつっこむのは良くない。

良い時間を過ごすのだぞ、シズよ。

 

 

 

「シズ先輩、一つ質問があるんですけど」

「・・・・・・・・・何?」

「昨日のスズキ様ってアインズ様のご親戚ですか?」

「・・・・・・・・・どうしてそう思う?」

 

(ジョークのセンスがアインズ様と一緒だから、っていうのはさすがに失礼だよね)

 

「なんとなく、雰囲気で?」

「・・・・・・・・・ふーん」

「あの、先輩、答えは?」

「・・・・・・・・・ネイアもちゃんと答えないから私も答えない」

「ずるいですよ、先輩」

「ふふん」

 

 

「・・・・・・・・・アインズ様。ネイアが、スズキ様はアインズ様のご親戚ですかって」

「何!?それで、シズはなんと答えたんだ?」

「・・・・・・・・・どうしてそう思うのか聞きました」

「うむ、理由を聞くのは大事だな。今後の対策になる。それで?」

「・・・・・・・・・なんとなく、と答えました」

「なんとなくか。それでは対策の仕様がないな。それでシズはどうしたんだ?」

「・・・・・・・・・ちゃんと理由を言わないなら答えないと」

「おぉ、それは良いな。また答えが聞けたら教えてくれ」

「・・・・・・・・・畏まりました」




亜人地区についてはもちろん独自設定です。
だいたい藍蛆(ゼルン)が実際どんなとこでどんな風に住んでるのかわらかなかったので出せませんでした。
今後彼らが原作に出てくることはあるのかしら?

タイトルはどうしたらいいでしょうか

  • 今のタイトルの(仮題)を外す
  • 一瞬だけ使用した「感謝と慰労」にする
  • まだ(仮題)のままにしておく
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