6話 別世界の彼女は
『ミーンミーン』
入道雲とセミの鳴き声。
照り出す太陽が夏を迎えたことを知らせてくれる。
人だかりのせいか汗によって肌に服がへばりつく。
さて、今俺が何処にいるかというと。
「……こんなに人がいるんだな」
沢山の人に囲まれながら埼玉スー〇ーアリーナにいます。
……なんで?
♦
きっかけは夏休みも中盤に差し掛かった頃。
田村に誘われて遊んだ時だ。
「ライブ?」
「ああ、一枚余ってな」
一通り遊び終わった後に立ち寄ったファミレスでその話は持ちかけられた。
……いや誰のライブ?早く食べないとパスタ冷めるんだが。
怪しい取引みたいに田村からチケットを渡される。
えっと、『シンデレラサマーフェス』……ってまじか!?
『シンデレラサマーフェス』とは346プロが毎年夏に開催しているコンサートだ。
オールスター感謝祭と言ったら分かりやすいと思う。
当然チケットの倍率も高くて中々手に入らない代物なんだけど。
「……良く手に入ったな」
「まあな。応募したら偶々手に入ってさ」
本当にこいつの運は凄いな。
ちょっと前にもゲーセンでPS0ゲットしたし……
「なんで俺に渡すんだ?そこまで興味ないし、自分で行けばいいだろ?」
「いやあ、丁度その日に家族旅行が入ってな。売ろうとしたんだが最近のは跡が付きやすいし……」
最近のチケットは転売防止にシリアルコードとか付いているものが増えてきている。
流石に転売目的で購入されるのは迷惑だしな。
「と言う訳でお前にこれをあげよう」
「……まあ貰えるなら貰っとくわ」
改めてチケットを貰う。
そういえば、飛鳥もこれに出演するのか?
何かあれば俺を誘うくせに仕事関係だと全く言わないからなあいつ。
……内緒で勇士を見に行くか。
「それじゃあさっさと飯食べようZE!冷めちゃうYO!」
「うざいから止めろ」
机に残ったのは冷めて伸びたパスタ。
殴った俺は悪くない。
♦
「それにしてもこんなに大勢のファンがいるんだな」
並んでいたのは後ろだったが席が結構前の方だったから比較的早く入ることができた。
後ろを振り向くと二階席までびっしりと人がいた。
全員が全員熱狂的なファンではないとは思うが凄い光景だな。
……俺の隣とか法被まで着てるし。
此処に居る皆がアイドルの出番を待っている。
その彼女らの中にあいつがいるのか……
「……もうそろそろか」
腕に付けている時計を確認する。
予定では始まる時間だけど……
『―――ヒュン』
鈍い音と同時に辺りが暗くなる。
他の観客も驚いているのかザワザワしていた。
すると突然。
『バァン!』
スポットライトと同時にステージからアイドル達が現れる。
他のアイドルはあまり詳しくはないが唯一分かったのが。
「―――いた」
右側の所に彼女はいた。
派手なエクステに橙色の髪。
いつもと違うのはその身に包まれている衣装だけではなくステージでの生き様。
あれが
「……綺麗だな」
他のどのアイドルよりも俺には彼女が一番に輝いていた。
♦
「……凄かったなあいつ」
帰りの電車に乗りながら今日の事を思い出す。
あまりアイドルに興味がない俺でも今日のコンサートはとても凄かった。
飛鳥とあともう一人ツインテールの子が天井から降りてきた時はびっくりしたが。
ポケットからスマホを取り出す。
フォルダには田村の為にいくつか写真を残しておいた。
まあ、飛鳥の写真を送るのは何か癪だからそれ以外を送るけど。
「折角だから飛鳥にも送ってやるか」
そのままRAINを開き飛鳥に写真を送る。
どんな反応するか楽しみだな。
『何でキミがあの場所にいたんだ!!!』
「いやごめんて」
何故か怒られましたとさ。
―――あとがき
まずは謝罪から。本当に遅れました!!
私生活が忙しかったのも理由の一つですがそれ以前に一区切りついてしまった為作者特有の燃え尽き症候群にかかっていました。
いやー本当に申し訳ない。
今回はリハビリという事で少し短めに。
休業期間中に他の作品を見て書き方を勉強してみました。
小説は奥が深い……
次も多分というかほぼ確定で送れるとは思いますが気長に待ってて下さい。
感想くれたら意欲がましましになるかも|д゚)
夏休み編は……
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王道を往く海ですかね
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じゃけん夏祭り行きましょうね~
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ライブに(いいよ)こいよ!