このSSは硬梨菜氏が小説家になろうにおいて連載している、「シャングリラ・フロンティア〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜」の二次創作です。
そんな雨の日もあったのだと思います。
本編時間軸オルケストラ後妄想。


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そんな雨の日もあったのだと思います。
本編時間軸オルケストラ後妄想。



そんな雨の日もあったのでしょう。

「急だけど明日は休校にします」

 

帰りのホームルームで、担任の先生がいう。

降って湧いた休みにクラスメートは湧いているけれど、はいそこ騒がない。と先生はぷんすか怒っている。

そういえば季節外れの台風が接近していると、家政婦さんが言ってたっけ。

秋もそろそろ更けいってくる頃合い、冬も近いというのに、本当に季節外れだ。

 

「天気予報じゃ、明日の朝から降り出すっていうことだから、帰宅時に雨は降らないでしょう。だからと言って寄り道せずにまっすぐ帰りなさい」

 

はーい。という返事がまばらに聞こえて、それで今日は、終わり。

まばらに散っていくクラスメイトを見送りつつ、自分もその流れに乗っていく。

昼過ぎに携帯を見れば、迎えは必要かというメッセージが既に入っていたけれど、天気が持ちそうだから不要と返事をしておいた。

クラスメイトにからかわれることも少し増えたけど、時間があえば楽郎君と帰りも一緒になったりする。

といっても、学校からまるまる一緒というわけではなくて、大体はロックロールで一緒になることが多いのだけれど。

 

 

ふわっと、開け放した窓から流れいって来た風は、もうすでに幾分かの湿り気を帯びていた。

迎えはいらないといったけど、もしかしたら、雨降るかもしれないな。

 

この時は、その程度に考えていた。

 

 

 

 

下駄箱で靴を履き替えて、空を見上げる。

風の流れは速くなって、雲がするすると流れていく。

 

楽郎くんと、一日会えないのは、少し憂鬱だ。

とはいえ、会うといっても、たまに一緒に登校して、顔を見かけて、たまに一緒に帰って、たまに一緒にシャンフロをプレイする。それくらいだけど。

 

「はぁ」「ふぅ」

 

と、ため息と吐息が重なった。

 

「おっ?玲さん?」

「んひっ… ら。……楽郎くん…も。今…帰り、ですか?」

 

当人が隣にいた。

教室からここまでの間では視界にいなかった気がするのだけれど。

というか、隣のクラスはまだしばらくガヤガヤと騒々しい気配がしてたような。

 

「あー。休みの間に出す課題のことであれこれ騒いでたらぼちぼち時間食っちゃってさ」

 

と、歩き出すその後ろに、自然と足は付いて行って。

 

「おそらく、休校になるのは、明日だけです、よね?」

 

「天気予報をそのまま信じるならね」

 

すたすた、ぽてぽて。

 

もしかしたら楽郎くんのクラスメートが後ろから来てるかもしれない。

ということはその時は頭の片隅からすら消え去っていて。

 

「そういえば、いつも通りロックロールによってから帰るつもりだけど、玲さんはどうする?」

 

楽郎くんが、なんでもないことのように問いかけてくる。

担任はまっすぐ帰れと行っていたけど、これは必要なことだ。

人の恋路を邪魔するものは馬に蹴られた後、突っ込んできたトラックに轢かれて乙女ゲームの世界に異世界転生しちゃえばいいのよ。と言っていたのは、ゲームショップを運営する某協力者だったか。

 

「じ…じゃあ私もごっっ........ご一緒します」

 

と、少し薄暗くなって来た空に急かされながら共に帰路を歩く。

 

「また帰ったらシャンフロですか?」

 

それとも、また別のゲームを見つけたり?

と、話を促すと、「シャンフロ かなぁ…どうしようかなぁ」という楽郎くんは、苦笑い混じりで。

 

それはきっと、先日オルケストラのボス戦がパブリック配信されて、引退というわけではないけど、隠居していることが原因だと知っている。

 

というかなんとかアーカイブは見ることができたけれど、見ていたなら教えてくれてもいいじゃないか。と自分の姉に対して他ならぬ感情を抱いたりもしたのだけれど。

 

と、気がつけばロックロールはすぐそこで、頼もう。と元気よく入っていく彼の後ろに続いたのだった。

 

 

 

 

 

一日潰せるぐらいの程いいのなんかないですか?

 

と、楽郎くんが岩巻さんと話しているのを横目に、そういえば楽郎くんはいろんなゲームをプレイしていることを思い出して、比較的価格の安い、ワゴンに並んだゲームパッケージをいろいろと手に取ってみる。

 

特段惹かれるものがあるわけじゃないけれど、こういったウィンドウショッピングも楽郎くんは楽しんでいるのだろうか。

 

あっ、ギャラクシートラベラー。この前JGEで楽郎くんが立ち寄ってたブースのゲームだ。

 

辻切・狂想曲・オンライン。

どうも従姉妹が熱狂していたような。

 

あれこれ、あれこれ。

 

シャンフロ という最大の共通の話題ができたのは、何よりも嬉しいことだ。

それ以上を望むのは贅沢かもしれない。けど。

他にも何か共通の話題があると嬉しいのは間違いない。

 

とはいえ、ネフィリムホロウの操作を教えてもらうのはまだできていないし、他のあれこれは難易度的に挫折したものばかりだ。

楽郎くんがプレイしているのはそんな高難易度なゲームばかりだから、紹介してもらっても、追いつけるかどうかはまた別の話になってしまうけれど。

 

 

そういえば、外が、騒がしいような?

 

と、奥で話す二人をそのままに、入り口の方へと足を向ける。

 

ざぁっと、天気予報が予報を当て損なった結果が、目の前にあった。

 

 

そういえば、初めて楽郎くんの笑顔を見たのもいつかの台風前の日だったっけ。

 

自分だけが覚えているあの日の記憶が、帰りどうしようという現実逃避気味の自分の脳内にやってくる。

 

思えば、憂鬱な雨の日なのに、どうして笑顔でいられるんだろう。と、そんな疑問から楽郎くんの後ろ姿を追いかけるようになった。

 

今の自分を振り返ると、確かに、いろんな些末事こそあるけれど、いろんな楽しみがあるから、帰り道の自分も、笑顔は、浮かべられているのだろう。

 

そう思うと、不思議な嬉しさがこみ上げてくる。

あの日憧れた彼の後ろ姿を、確かに自分は追いかけられているはずだから。

 

 

と、ざぁっとひときわ強い雨音が自分を現実に引き戻す。

 

あの日の楽郎くんは、これくらいの雨でも、もしかしたら走って帰ったのかもしれない。

とはいえ、今では家までの距離もわかっている。

 

走って帰ったとして、確実にずぶ濡れになる距離。

そして、あの時はまだ夏だったけど、今は季節外れの秋で、濡れて帰れば風邪をひくことになりかねない。

 

「らっ…! 楽郎くん!!」

 

と、気持ち強めに声を張り上げると、そこにはきょとんとした岩巻さんと楽郎くん。

 

「て、っ天気がですね」

と二人を促すと、のそのそとやってきた二人の表情が、あちゃぁという困り顔に変わる。

 

 

「えー…降らないと踏んでたんだけどなぁ」

 

「キミ傘は?」

 

「見ての通り持ってきてないんですよね」

 

これどうしようかな…と頬をかく彼に、ふと、天啓が降りてくる。

 

「あっ…あのっ!」

 

「ん?どうしたの?玲さん」

 

勇気を振り絞れ私。

 

「む…迎えを呼ぶのでっ!!! いっ、一緒に帰りませんか!?」

 

岩巻さんがこっそり後ろで親指を立てている。

 

「えっ?」

 

なんか悪いような…いいの?

 

と、キョトンとした彼をよそに、肯定の返事を受け取った勢いで、家に電話をかける。

 

家の人の目の前で(というか後部座席で)彼と相席することになるということは、その時は自分の頭からすっかり失われていて、というか、正気に戻ると顔から火が出そうになったけど、現実感のなさに呆けていたらいつの間にか、家の車が店の前についていて。

 

というかこの車はおじいさま????????

 

「乗るといい」

 

とにこやかに微笑むのはお爺様で、ちょっとぎこちなく笑う楽郎くんと一緒に、後部座席へと乗り込んだ。

 

 

(不続

 




この後斎賀グランパと仙次さんの話になったり、高級車つながりでスポーツカー祖父の方に話が飛んだり、シャンフロ 一緒にプレイする話をしたり別ゲーをプレイする約束をしたり、一緒に車に乗ってる姿を車で目撃されたりしたのかもしれないし、しなかったのかもしれない。

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