はい、ということで第十七話です…言い訳になりますけど、昨日は結構早い時間に寝てしまったようで、目覚めたら本日の00:12とかでした…そこから書き始めたのでこんな時間に…
あ、それと暫く仁の鍛錬系続くかもです。
翌日。
日が落ち始めたころ、錦糸綺糸屋内の庭に仁と香の姿があった。
「…さて、約束どおり始めよっか。」
「あぁ…よろしく頼む…っていうか体は大丈夫なのか?」
「問題ないよ。あれくらいなら丸一日休めば治る…」
(…まぁ、無理矢理燼滅刃顕現させたのが祟ったみたいなところあるし…)
実際は香の自業自得だったりする。
「とりあえず、仁が何をできるのか教えて?」
「ん…あぁ…」
仁は斬糸を構え、そのまま開いた。
「まずは基本のこれか…」
「それは私が“
「扱いにくいか?」
「網式に比べたらだいぶ扱いやすいとは思うけどね…二本の糸っていう性質がね?」
「あぁ…なんとなく分かる」
「まぁ、それに関してはあとで教える…っていうかもうわかってるだろうからいいとして…次」
仁はその言葉に頷き、一度斬糸を接続させる。
「“
ぱきん
先程とは違い、銀色の網が出てきた。
「“網式”。範囲は広いが二糸式よりも扱いにくい。」
「だよな…」
「それも対応策はあるからいいか…次、ある?」
「あ…っと…」
そこで仁が言葉を濁した。
「どうしたの?」
「…実は、基本的に使えるのは二糸式と網式だけなんだ…」
「え?」
「白陽と戦ってた時に出た二つがあるんだが、あれ以降一度も使えてないんだ…」
「…なるほどね。つまり仁は、今まで二糸式と網式だけで戦ってきたってこと?」
「…そうなる。」
それを聞いて香が頭を押さえた。
「ん…多分属性変化形式はだまりさんやりんねが外れないと無理だろうから…まずは武器を変化させる方向かな…ちなみに、その白陽さんと戦ってた時に出たのって?」
「え?あぁ…なんか…強引に斬るって念じたら糸が牙みたいになったんだ。」
「あ~…“
「うっと…花が傷つけられてもう仲間を失いたくないって思いながら斬糸を突き出したらなんか貫いたんだよな…」
「あ~……」
香が納得したような表情をした。
「それは…うん…私でも無理だわ…」
「え?」
「できなくはないんですけどね?微妙に難しいんですよ、あれ。私“
「穿式…」
「うん…万全の状態だったらわかんないし、それこそ融合状態第二段階以上でもわかんないし…」
「融合状態第二段階?」
仁が首をかしげた。
「私がそう呼んでいるだけですけどね…りんねとほぼ完全に一体となった状態です」
「あ~…なるほど、だまりを俺の体の中に入れる状態か。」
「ですです」
つまり最終決戦前に使えるようになったあの姿である。
「さらに上に第三段階、第四段階が存在してるはずですが…まぁ、それはあとでいいでしょう。少し前に試したところ第一段階と第零段階しか使えませんからね」
「第零段階?」
「分離のこと。多分まだ仁は使えないよ。体質的な問題で。」
「そうか…ていうかなんで香は使えるんだ?」
「最初の方に言ったでしょ?私は生命力が異常に高いの。それでりんねが憑いていなくても1時間は生きてられたって。」
「…そんなこと言ってたな。にしても第二段階も使えないのか」
「うん…使えるとすごく助かるんだけど」
「まぁ確かに。」
仁と香が二人そろってため息をついた。
「…あ、そろそろ教えられそうなこと教えよっか。」
「…あ、そうだった。」
「…っていうか、私教えるの苦手なんだけど大丈夫?」
「問題ない。どうにか食らいついて覚えてやる。」
「そっか。」
そう言って香は斬想鬼を構えた。
「まずはこれかな?」
ぱきん
斬想鬼を開き、軽く振ると、一本の糸が伸びた。
「“一糸式”。特徴は二糸式より扱いやすくなったが手数が少ない。」
「扱いやすいのか?」
「意識を張る糸の数が二本から一本に減っただけでもだいぶ違うよ?しかも意識を張っておくのはたった一本だけだから精密な操作がしやすい。」
「なるほどな…しかし手数が少ないのは…」
「別にこれまで二本の糸を使って鬼二体とか斬ってたわけじゃないし、手数が少なくて気になるなら糸を増やせばいい。…まぁ、網式と二糸式の違いからも分かる通り、糸が増えれば増えるほど高度な操作要求されるからね?」
「…嘘だろ…」
「ほんと。手数と扱いやすさは反比例する。覚えておいて。」
「あぁ…」
「さ、とりあえずやってみて?まずはそこから。」
「一糸式…か…」
「イメージは縫い糸の一本使い。分かるんじゃない?」
「一本使い…」
仁がそう呟きながら斬糸を開くと、一本の糸が伸びていた。
「あ、できた…」
「…できるもんだな、これ。」
「うん…あ、そういえば。」
「ん?」
「仁はさ、なんで形態を変えるとき、一回一回武器を閉じるのか知ってる?」
香の言葉に、仁は考え込むような表情をした。
「そういえば、そうだな。今まで普通にやってたが、確かに謎だ。」
「それね。納刀…って私普通に言ってるんだけど、武器を納めた状態の方が意志が通じやすいからなんだよ?」
「…?」
「えっと…斬糸と斬想鬼ってさ、同じ性質の武器なんだよね。生き物のような性質を持ち、使い手が斬りたいと思ったものだけを斬れる。確かに武器の刃を出している状態でも意志は通じるんだけど…
「…すまん、よくわからん」
「まぁふつうはそうだと思うよ?ん~…どう教えたらいいかなぁ…」
香が頭を押さえ、悩み始めた。
「抜刀状態の時ってさ。すごく強い意志を持たないと形を変えられないんだよね。でも、納刀状態の時だと結構小さな意志で変えられる。それこそ、形の名前を呼ぶだけでもね。それは網式とかからもわかるはず。」
「…あ~…」
「とはいえ、抜刀状態の時でも絶対に形を変えられないってわけじゃない。変えることはできるけど、そうするのにはすごく強い意志が必要になるの。だから、私たちはいつの間にか形を変えるときには納刀するっていう癖がついてるんだよ。」
「なるほどな…」
「もうひとつ言うと、形を変えるのって結構使い手と武器に負荷がかかるのね?その負荷を抑える役割をしてくれているのが、納刀状態なの。」
「そうなのか…」
「実際、昨日私が倒れてたのってそれが原因だし」
「おいおい…」
仁が頭を押さえた。
「…さてと、今度は違うやつを教えよっか。」
「違うやつ?」
仁が首をかしげると、香が頷いた。
「うん。一糸式とは違うやつ。私がよく使う形態かな。」
香はそう言うと、斬想鬼を閉じた。
「先に言っておくけど、この形態は結構扱うのが難しい。…というか、この形態に変えるのが結構難しいよ?」
「そうなのか…」
「うん。納刀状態でも結構負荷かかるから。」
「そんなにか!?」
「抜刀状態での形態変化はお勧めしないかな。私はもうこの形態に慣れちゃったけど、それでも抜刀状態での変化はきつい。」
「…」
「“
香がそう呟き、斬想鬼を開くと黒い刀の柄が現れた。
「それは?」
「“剣式”。私はいくつかの派生形式があるけど…仁はとりあえず形態変化と形状指定ができればいいかな」
「形状指定…?」
香が柄を引き抜くと、銀色の刃が現れた。
「“武器”っていうのはいくつか種類があってね。その中でも“剣”みたいな刃を使うようなのはすごく種類があるんだよ。“刀”、“細剣”、“長剣”、“短剣”…まあ今私が言ったのは剣系統武器の一例だけど、剣式はその剣系統武器を扱う形式なの。だから、
「え?」
「この形態、すごく強いイメージが必要なんだよね。この武器を使うっていう強いイメージ。
「えっと…?」
「剣式の特徴は扱いやすいが負荷が大きい。まぁ、結構具現化までが難しいんだけど、身に着けると強い力になると思うよ?」
「そうなのか…」
「うん…とりあえず、私が今持ってるこの刀を想像して斬糸を開いてみて?」
「あ、あぁ…」
仁は香の持つ刀を見たのち、目を瞑った。
「スー…」
仁が目を開き、斬糸を開いたが、ただただ二本の糸が出てきただけだった。
「失敗だね。」
「…そうだな」
「もっと強固に、もっと強く想像しないとだめだね。それと、私はもう慣れちゃったけど、実戦においては目を瞑ってるとそれが命取りになる可能性の方が多いからね?」
「分かってる…」
「まぁ、今は仕方ないか。」
その後、しばらく仁が試していたが、柄が現れることはなかった。
「…なんで出ないんだ?」
「ん~…仁は何を想像してる?」
唐突に香が質問した。
「え…何って、香が持ってる刀…」
「もしかして、刃だけを想像してない?」
「してるが…」
「あぁ、問題はそれか…」
香が納得したようにうなずいた。
「どういうことだ?」
「刃だけじゃだめ。柄も想像しないとだめなの。どういう柄があって、どういう鍔があって…そしてどんな刃があるのか。
「…そうなのか…」
「難しいって言ったでしょ?」
「あぁ…」
「それと、鬼みたいなこと言うかもだけど、戦闘中に時間をかけてイメージを練ってる暇なんてない。瞬時にそのイメージを引き出せるようにしないといけないからね。」
仁がそれを聞いて顔を青くした。
「そんなことをいつもやってるのか…?」
「ん…まぁね。いくつかのイメージを保持しておいてそこから瞬時に引き出す、これが私の基本だから。」
「そうなのか…」
「…まぁ、今回はこのへんかな?また明日、続きは教えよっか。」
いつの間にか日は落ち、完全に夜になっていた。
「すまんな、香。」
「ううん、私教えるの下手だし。」
「そうか?」
「うん。さ、鬼狩り行こ?」
「そうだな。」
その後、仁は剣式を使って戦った香を見て何かを思いついたそうな。
飲み込みは早い方なんじゃないかな?仁って。刀とかとは扱い方が違う武器を1ヵ月で使いこなしてるわけだし。戦闘経験0の状態から。
というかこの話書いてるとき、気まぐれみたいなので動画取ってたんですけど見たい人っています?(疑問)