一応ここまでの総まとめを簡単に。それと本文中に私の時間考察書いてあるのですがあまり気にしないでください。
次回は7日目からです。
拝啓。
この記録。貴女達に届くことを願います。
七ノ月 十五日
錦糸屋事件が終息して、早いことに七ヵ月が過ぎました。私は今日も錦糸屋の三代目として、お昼にはお店を開き、夜には鬼を狩る日々です。
鈴との関係も良好です。特に何かが起こっているわけではありませんが、幸せな日常を過ごしています。
…ふと、思ってしまう事があります。もしも、私がいなかったら、この世界はどうなっていたのでしょう。
もう、一年前になりますか。私がお母様とお父様に迎え入れられたのは。そこから私は絶望から救われました。
あの場でお母様とお父様に迎え入れられなかったら。私は、絶望の中にいたままだったでしょう。
お父様はもういませんが、お母様に時間の許す限り恩を返したい。そう、思います。
一日目
大変なことが起こりました。
暁さんが情報を持ってきた“歪みを使う鬼”。それによって私たちは世界を越えてしまいました。
さらに、また私はお母様を失ってしまった。歪みを使う鬼に、連れ去られてしまったのです。
しかし、それと同時に新たな出会いと、嬉しい再会もありました。
その越えた先で新しく出会ったのはこれまた別の世界の住人。綺糸屋三代目の仁(本人から呼び捨てでと頼まれました)、影の鬼導師の子孫であった楽さん、鬼神族であった花さん、鬼導隊士の見習いである咲さん、鬼導隊元六番隊隊長の柊さん。聞いたところ、私たちがいた世界と同じ歴史を辿っていたらしいです。
並行可能性の世界。もしも、私が男性だったら。もしも、鈴の恋愛対象が男性だったら。もしも、涼が男性であったなら。そんな可能性。…綺糸屋、という名に記憶の中で何かが引っかかるのは何故でしょう。
…それは、いいとして。
嬉しかった再会。それは、またりんねとお父様と一緒にいられることです。
かつて、私と行動を共にした鬼喰いの鬼。そして、私のこととお母様のことを守ってくれたお父様。今度は、どんな話が待っているのでしょう。
二日目
錦糸綺糸屋。それが私たちが降り立った屋敷の名前でした。
今日から錦糸綺糸屋も正常営業でした。でも、気になるお客様が二人。
月衣 黒百合さんと胡蝶 しのぶさん。どちらも女性です。
片方の方は早い攻撃を放ち、私の首元を正確に狙ってきました。
もう片方の方は濃度の高い憎悪の心意と微かな血の匂いを感じました。
もしかしたら、私たちのこれからの運命に干渉するかもしれません。
一九一五年九月二八日 9/8(選抜試験)+16=9/24(日輪刀受取)+1=9/25(少女消失町到着)+2=9/27(浅草到着)+1=9/28(麹町寄り道)+2=9/30(鼓屋敷戦)+21=1915/10/18(骨折治癒)
早朝。謎の鬼と戦いました。
鬼門を介さずに出現する、人型の鬼。鬼神族とも、悪鬼とも、顔の無い鬼とも…また別の感じがします。
りんねとの融合状態を第零段階まで下げて、少しだけ本気を出して戦いましたが、予想以上に時間がかかり、その場から立ち去った後に出血しました。
りんねに怒られ、鈴にも怒られました…ということで今日は私はお店に出るなとのこと。
仁に軽く結界の説明をした後、鈴と一緒に外出しました。
鬼斬り様、というのが気になったけど…どうにでもなってほしい。
一九一五年九月二九日
お昼、胡蝶しのぶさんが来店しました。
内容は昨日の早朝のこと。勘で話してはいけない気がして、表情を変えないまま応対しました。
ただ、しのぶさんが帰るとき、なんとなく嫌な予感がしたので護符のついた短剣を渡しておきました。
…何もないといいのですが。
一九一五年九月三〇日
死にかけました。
唐突すぎると思いますが、結構死にかけでした。
黒死牟と名乗ったその存在。
無理矢理“全てを滅ぼし焼き尽くす刃”、“燼滅刃”を顕現させて撃退しました。
その代償として、今日一日は動けない状況に。
結構暇でした。
そういえば。
仁に鍛錬をお願いされたので明日からはそれを書くかもしれません。
一九一五年一〇月一日
仁の鍛錬一日目です。
とりあえずは仁のできることの確認。
二糸式と網式は使えるそう。
ただし剣式を含む武器式がない。
とりあえず一糸式は教えましたが、まずは武器式を扱えるようにさせないと危ない気がします。
一九一五年一〇月二日
鍛錬二日目。
楽さんと模擬戦しました。
相手は双剣、こちらも双剣で対応しました。
狩技使ったのはダメだったかな…
仁の方は剣式は形になりました。
ただし、脆すぎる。これでは実戦で使い物になりません。
暫くは心意強度を上げることが最優先ですかね。
一九一五年一〇月三日
鍛錬三日目。
仁の心意強度は上がっていっています。
ただし、まだ脆い。強めの振りには何とか対応できるようになってきましたがソードスキルには対応できません。
それでも、あともう少しのところまで来ている。仁には頑張ってほしいです。
一九一五年一〇月四日
鍛錬四日目。
夢を見ました。
黒死牟さんと私がどこかで戦っている夢です。
あの夢で使っていた刀。そして、最後に使った技。
あれらに、私は見覚えがありました。
…あの夢は、一体何だったのでしょう。
仁の方は、ソードスキルに刀が耐えられるまで強度が上がったので、技の鍛錬に切り替えました。
…初日で四速。早いよ。
一九一五年一〇月五日
鍛錬五日目。
仁の速度は上がり続けています。
心意強度も上がったので、今度は具現化させる武器を普通の両手刀へと変更。そろそろ並列思考を教えるべきでしょうか。
…柊さんが刀を持っていて助かりました。顕現媒体になったので。
一九一五年一〇月六日
鍛錬六日目。
仁の速さが七速に到達しました。まだ基本の反射閃々なので簡単な方ですけども。
そろそろ重音一閃教えられるかな?
仁の両手刀の具現化も安定してきています。模擬戦教導もそろそろ始めた方がいいのかな。
…最近、考えることがあるのです。
もし、この世界にいたのが私ではなく、お姉ちゃん達だったら。
もし、私やお姉ちゃん達でもなく、親戚の方たちだったら。
そしたら、何か歴史は変わっていたのかな。
…私……
…お姉ちゃんたちに、会いたいです。
お姉ちゃんたちと……
お話ししたいです。
…ごめんなさい。心配かけてしまって。
望むなら……
もう一度……
みんなで……
(文字が滲んでいて読めない)
敬具
時間考察に関してはまた今度。用事ができたもので。