鬼ヲ狩ル者達之交差【休載中】   作:Luly

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第二十三話。戦闘中も書こうと思いましたがやめました。
作品内時間は前回と同じ。明日の戦闘本編はどうしましょう。
追記:総UAが3,000超えてて結構驚きを隠せない私です。


第弐拾参話 実戦稽古・その弐 前

 

「これで五体…か。」

 

仁が刀を納めてそう呟いた。

 

「うむ、味に深みはないがきっちり五体だぞ。」

 

「じゃ、そろそろ帰る?」

 

「もう少しやりたいが…」

 

「ん~…近くに鬼門あったかなぁ…」

 

香がそう呟いて持ってきていた地図を広げた。

 

「…ん?」

 

香が何かに気がついたようで地図から顔を上げた。

 

「…何か変わった」

 

「は?」

 

仁が香の言葉に疑問の表情を浮かべた。

 

「…仁、いつでも動けるようにしておいて。何か、様子がおかしい。」

 

「おかしい気はしないのだが…分かった。」

 

(仁はまだこれが分からないのか…教えてないし仕方ないか)

 

香はそう思いつつ、周囲を警戒しながら歩き始めた。

 

「…りんね、離れられる?」

 

「えぇ。ちょっと待ちなさい。」

 

香からりんねが離れた。香はそれを確認すると、斬想鬼を立てた。

 

「…spell act:system.id stand up search…」

 

斬想鬼と香を中心にして光が四方八方へと飛んだ。

 

「…いた」

 

そう呟いたと思うと、香は仁の手を引いた。

 

「お、おい!?」

 

「…spell act:system.id stand up …fly & downward gravity interference rate 0.5!」

 

香は仁の手を引いたまま高く飛んだ。

 

「おわぁ!?」

 

「落ちないでね?」

 

「いや!落ちないでってか…怖いんだが!?」

 

「これでも低いんだけど…」

 

そう答え、上空から町を見下ろした。

 

「…あそこっ!spell act:system.id stand up additional gravity reduction 50%!」

 

町の中に何かを見つけた香は仁の手を引いたまま、そこへと飛んだ。

 

「おわっ…」

 

仁が自身にかかる重力で戸惑っている間に、香は地面へと到着していた。

 

「ふぅ…」

 

「う…」

 

仁は顔色が悪かった。軽く酔ったらしい。

 

「spell act:system.id stand up downward gravity interference rete 1.0 & additional gravity reduction 100%…」

 

仁と手を繋いだまま香がそう唱えると、仁の顔色が戻った。

 

「どう?」

 

「問題ない…すまん、香。」

 

「大丈夫…さてと。」

 

香はりんねを憑けた後に何もない空間に向き合った。

 

「出てきなさいな。そこに隠れてる人?」

 

香がそう言うと、二人の男女が現れた。

 

「ふん、ばれるとはな。ただの町娘じゃないっていうのは本当だったか。」

 

「いいじゃん、そんなの。そんなことより早く殺ろうよ、お兄ちゃん!」

 

「そうだな。無駄な奴が一人いるがまぁ不運だったと思えばいいだろう。」

 

(恐らく空間支配系。そして、多分妹の方が強い。仁の相手は兄の方かな…)

 

香はそう分析し、斬想鬼を構えた。

 

「仁、多分だけど兄の方が弱い。仁はそっちを。私が妹の方をやる。」

 

「あ、あぁ…」

 

「要領は模擬戦の時とほとんど同じ。…大丈夫、今の仁なら勝てるよ。」

 

香はそう言って妹の方と向き合った。

 

「アタシのお相手は貴女?男の子の方がよかったな~美味しそうだし。」

 

「…無駄話はいいから早く構えなよ」

 

冷ややかな声を発すると、相手は鼻で笑った。

 

「へぇ?そんなこと言っちゃっていいんだ?仮にも十二鬼月に内定してるこのアタシに?ただの呉服屋の小娘風情が?」

 

「…十二鬼月が何か知らないけど、私を簡単に超えられると思わないでね。」

 

「…調子に乗らないでよね、たかが呉服屋の小娘が。鬼のアタシに勝てるわけないでしょ?」

 

「そっちこそ、私をただの小娘だと思って侮ってると痛い目見るよ?」

 

「…殺す」

 

「やってみたら?」

 

その香の態度に相手は癪に障ったのか強めに構えた。

 

「香、干渉を低くするわよ?」

 

「分かった」

 

りんねの干渉が緩くなった瞬間、香の体から重さが消える。

 

「嬲り殺してやるっ!!」

 

「“剣式・太刀・変在・贋作”、“純正抜閃(じゅんせいばっせん)”」

 

ばきん

 

がきんっ!

 

高速の具現化からの抜刀と鬼の爪が交差した。

 

 

─── 一方、仁はというと

 

 

「ふん…君が相手か。まぁいいだろう。」

 

(香はこいつが弱いって言ってたが…俺が…勝てるのか?)

 

仁は斬糸を構えながら不安を覚えていた。

 

「まぁ、君の犠牲は普通に考えれば無駄だが…僕らの力のため、死んでもらおう。」

 

「…無駄、か。」

 

(…決めた。こいつ、どんなに強かろうが絶対にぶっ飛ばす。)

 

「他人に人生を決められたくはないな。…吹っ飛ばすか。」

 

「ふん、ただの小僧風情が。やってみろ。」

 

「“剣式・両手刀”」

 

ぱきん

 

斬糸の断面から黒い柄が現れていた。

 

「“純正抜翔(じゅんせいばっしょう)”」

 

仁はそう呟き、抜(・)刀(・)し(・)た(・)と(・)同(・)時(・)に(・)相(・)手(・)の(・)裏(・)へ(・)と(・)翔(・)け(・)抜(・)け(・)た(・)。

 

「ふん…っ!?」

 

相手は余裕の表情を見せていたが、少し時間をおいて切り落とされた自分の左腕に気がついて顔色を変えた。

 

「次は、首だ。」

 

「小僧…!」

 

「フー……ッ!」

 

狙うような構えから仁が勢いよく飛び出し、それに遅れて相手の鬼が対応した。

 




仁はすでに抜刀術を会得しています。早い。
はてさて、相手の血鬼術をどうしたものか。
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