ということで第二十八話。そろそろ30話…そしてこの小説を投稿し始めてから1ヵ月です。
最近ネタ切れ感強めなので時間がかかります。
香と仁、そして鈴と花は蔵の前へと来ていた。
「四ノ蔵から六ノ蔵…そういえば、開けてなかったな。」
「すっかり忘れてたけど…でも、仁のところにも無かったんでしょ?」
「あぁ…三ノ蔵までが元の世界と同じだってことはわかったんだが…四ノ蔵から六ノ蔵はまだ見てなかったんだ。」
「とりあえず、見てみよっか。」
香がそう言うと、仁が四ノ蔵の錠に近づき、鍵を開けた。
「…花、灯り頼めるか?」
「は、はい!───」
花が何かを唱えると、花の体自体が発光した。
「…いや、花。それ、なんだ?」
「あ、香さんに教えてもらった妖術です…」
「…香、お前、妖術まで教えられたのか?」
「ん~…まぁ、一応ね。」
「…俺は香のことがよくわかんなくなってきたんだが。」
「まぁ、まだ仁達には話してないことあるからね。いずれ話すけど。」
香がそう呟いてから仁達は四ノ蔵の中に入った。
「…これは…服、か?見たことないが…」
「これは…洋服だね。」
香がそこにあった服を手に持って言った。
「洋服?」
「うん。私たちの着物とかは和服っていう部類なんだけど…そうじゃなくて、西洋から伝来した服のこと。違いは和服は一枚布に対して洋服は立体的に組まれてる…かな?」
よくわからないけど、と香は続けた。
「洋服…」
「多分売ることはできると思うよ?伝来したのは明治時代で、今は大正時代だから。」
「えっと…?なんでそんなこと知ってるんだ?」
「少し前に新聞見かけてその年号覚えて、今まで何が起こったのかとか聞いたから」
「いろいろやってるな…ん?」
仁が一つの服を手に取った。
「なぁ、香。」
「うん?」
「これ、前の…」
仁が手に取っていたのは赤いスカートだった。
「…あぁ、なるほど。…似てるね。」
「だよな…」
前の、というのは香と仁が出会った鬼斬り様のことを言っている。
「…あ、あったあった。」
香が手に取ったのは白いシャツだった。
「これ、髪が白だったら普通に鬼斬り様になるよね?」
「そうだな…」
「…で、これ、売り出すの?」
「…俺が決めるのか?」
香は静かに頷いた。
「…まぁ、売らなくていいんじゃないか?」
「そっか。じゃ、ここはもういいかな?」
香がそう言うと、全員が蔵の外へと出た。
「…で、次は五ノ蔵か。」
「うん…」
カタッ
「…ん?」
香が六ノ蔵の方に視線を向けた。
「どうした?」
「…今、物音がした気がするんだけど…」
「…分からん」
仁はそう言いながら五ノ蔵の鍵を開けた。
「む…」
「う…」
りんねとだまりが嫌そうな声を上げた。
「どうした、だまり」
「…わっしゃの気分が悪くなった」
「…ここ、私たち鬼にとっては嫌な場所ね。」
「…鈴、灯りある?」
「はい、若女将…」
香が鈴から灯りを受け取り、五ノ蔵の中を照らした。
「…なんだ、これ?」
中に張り巡らされた札と大量の文字を見て仁がそう呟いた。
「これは…鬼導術?それも、ほとんど滅鬼術だ…」
「滅鬼術…か…」
「鬼導術じゃないのも中に含まれてるけど…でも、鬼導術での滅鬼術の方が多いね。ほかは…」
香が蔵の中に入り、近くにあった巻物を手に取った。
「…これは…呪術?古いけど…」
「分かるのか?」
いつの間にか背後にいた仁が聞いた。
「何かを封じるような術なんだと思うけど…使い方が書いてあるだけでこれに封じられてるわけじゃないから安心して大丈夫だよ。」
「分かるのか…」
「うん…封印されているもの特有の気配がないからね。」
香はその巻物を元の場所に戻し、仁とともに蔵を後にした。
「さて、あとは六ノ蔵だが…」
「…」
香はじっと蔵を見つめていた。
「…行ってみるか。」
「…そうだね。」
仁達は少し歩き、六ノ蔵前に立った。
「……若女将…」
「うん?」
「…ここ…なんか…開けてはいけないような…」
「…開けてはいけない、か…」
鈴の言葉を聞いて香が考えこんだ。
「そういえば、楽も三ノ蔵を初めて見た時にそんなこと思ったらしい…」
「三ノ蔵の時と同じ反応…か……仁、開けてみて。」
「…いいのか?」
「…さっきから、気になる反応があるの。この蔵の中から。」
「気になる反応?」
仁が香に問いかけた。
「…生者の魂反応…つまり
「生命反応…生きてる人が閉じ込められてるってことか?」
「…多分」
香が答えると、仁が錠を開けた。
「…開けるぞ」
仁が全員に聞くと、全員が頷いた。
「…誰もいませんね」
蔵の中を見て花が呟いた。
「…なぁ、香。本当に人がいるんだよな。」
香はその言葉に目を瞑り、少ししてから頷いた。
「…確かに生命反応はある。人かどうかは分からないけど、確かにこの蔵の敷地内にある。」
「…にしては見つからないが。あるのは武器ばかりだ。」
仁の言う通り、六ノ蔵にあったのは全て武器。それも様々な色の武器である。
「……」
香は蔵の奥へと進み、奥の壁に触れた。
「…ここだ」
「ここ…ですか?何にもないように見えますが…」
「…この奥から、生命反応を感じる。それと、この下からも。」
「下…地下ってことか?」
「…うん。地下に…
香がりんねの名を呼ぶと、りんねが香から離れた。
「みんな、ちょっと離れてて。」
香がそう言うと、全員が香から離れた。
「…ふー…“ブレイクインパクト”」
香が呟きながら自分の拳を壁に叩き付けると、その
「…おま…どうやって…」
「秘密、かな?ヒントは心意」
仁の質問に答えている間に、崩壊した時の土煙が収まっていった。
「…な」
「え…」
「…うそ」
「そんな…」
上から仁、花、香、鈴である。
「「女の子…?」」
「「鬼斬り様の……少女…!?」」
崩壊した壁のさらに奥。
その壁にて。
白いシャツに赤いスカートを履いた、白い髪の少女が、そこにいた。
「これ…どういうことだ?」
「分かんない…けど…」
香の目線の先には少女の腕があった。
正確には、腕についている鉄の輪。
壁と腕を縫い付けている枷。
「前に言ってた助けては、この状態から助けてほしいってことなのかな…」
「…言ってたか?」
「声はなかったけど…多分…」
香は近くにあった青色の短刀を手に取った。
「…これ、属性刀…それも水属性か」
「…ここにあるのって全部?」
「属性武器だね…鬼斬り様は全員ここから武器を持っていっていたのかな…」
香はそう呟きながら抜刀し、少女の体を壁に縫い付けている枷に狙いを定めた。
「“
一度の振り抜き音で少女の右腕、左腕、右脚、左脚、そして胸の部分と腰の部分に取り付けられている6つの枷を破壊した。
支えがなくなった少女は、重力に沿ってそのまま地面へと落ちた。
「…ふぅ。なんとかなったけど…」
香と仁は少女のもとへ行き、少女の顔を覗き込んだ。
「…生命活動は正常…だけど、なんだろ…この違和感は…」
「違和感…」
「…う」
仁と香が話していると、少女が目を開けた。
「あ、起きました?」
「…あなたは……」
「意識は…はっきりしてますか?」
「……」
少女は答えなかった。
「…おね…がい…」
「?」
「みんなを…たすけて…ほしい…」
「みんな?」
「この蔵の…地下に…みんなが…いるの……」
「…仁」
「見てこよう。」
「地下…の…入り…口は…そこ…」
少女が震える手で指さしたのは、先程壁があった場所だった。
「…」
香が頷くと、仁はその場所にあった地下への隠し扉を開き、地下へと降りて行った。
「…あの、貴女の名前は?」
「…」
香が地下への扉を見つめながら問いかけたが、返事はなかった。
「?」
不審に思った香が少女の方を見ると、少女は気を失っていた。
「…ごめん、鈴。お父様と暁さんを呼んできてもらえる?」
「は、はい…」
鈴は灯りをその場に置いて、六ノ蔵の外へと出て行った。
その後、仁から地下で5人の人間が見つかったという報告があった。
鬼斬り様の設定が思い浮かばない…