鬼ヲ狩ル者達之交差【休載中】   作:Luly

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何とかなったかな?
明日は誤字修正関係頑張ります。…多分。


第弐拾玖話 鬼斬り様の真実

 

ぱきん

 

そんな音とともに仁が二糸式の斬糸を振るい、鬼の体を縛った。

 

「…一つ聞かせろ。お前は歪みを使う鬼を知っているか?」

 

「し、しら…ない…」

 

解答を聞くと、一気に引き絞って鬼を切断した。

 

「…いや~…」

 

「…どうした、楽。」

 

「なんか、仁の戦闘見るの久々じゃね?」

 

「…確かにそうだな」

 

仁がそう呟いた。

 

「なんか、見ないうちに仁の攻撃鋭くなったっつうか…なんつうか……なんつっていいかわからん。」

 

「まぁ、確かに仁の動きがよくなっていることは認める。わっしゃあまり力使っとらんしな。」

 

「まだ香ほどはいけてないんだがな…」

 

「香か…」

 

楽が香の方を見た。

 

「“五糸式・咲(さき)”」

 

ぱきん

 

香は桜色の五本の糸になった斬想鬼を自由自在に操り、五体の鬼を縛った。

 

「一つ答えて。あなたは歪みを使う鬼を知っている?」

 

「しらん…」

 

「知るか!」

 

「知ら…ぬ」

 

「知らんな」

 

「そう。」

 

香は呟いたと同時に斬想鬼を引き絞って鬼を斬った。

 

「…いや、あんなんと比べちゃダメだろ。」

 

「俺もまだ両手刀しか教えてもらってないからな…」

 

「どうかした?」

 

仁達が話しているところに香が話しかけてきた。

 

「いや、何でもない…それよりこれで終わるのか?」

 

「ん~……そうだね、終わろっか。鬼斬り様の子達が気になるし。」

 

「そうか…じゃ、帰るか。」

 

そう言って仁達は錦糸綺糸屋の方へと進路を向けた。

 

「…仁。」/「香?」

 

「ん?」/「うん?」

 

「浮気はダメだぞ?」/「浮気はダメよ?」

 

「するか馬鹿」/「しないよ?」

 

「「どうだか…」」

 

「俺、花一筋だっつの。」/「私、鈴一筋だもん。」

 

「「あんたら末永く爆発しろ。」」

 

「「断る!」」

 

やはりどこか似ている若旦那と若女将なのである。

 

 

 

───しばらく時間は経って。

 

 

 

仁達は錦糸綺糸屋の門の前に来ていた。

 

「…そういや、なんで鬼斬り様って言われてたやつらはこの錦糸綺糸屋にいたんだろうな。」

 

「…そういえば…なんでなんだろう。」

 

楽と涼が呟いた。

 

「…私たちが数日前に出会ったあの子が縛り付けられていたあの壁に描かれていたのは、確かに封印の呪式陣だった。ということはあの子は六ノ蔵に封印されてたってことなんだけど…」

 

「…けど?」

 

「…悪鬼みたいな悪い気配は感じなかったからなぁ…」

 

「…なら、起きた後に聞いてみたらどうだ」

 

「そうする…」

 

そう言って仁達は錦糸綺糸屋の敷地に入った。

 

「あ、おかえり、若旦那。…と、楽。」

 

「あ、おかえりなさい、若女将と涼。」

 

「「…」」

 

出迎えた咲と奏の姿を見て仁と香が固まった。

 

「…咲」/「奏」

 

「「うん?」」

 

「「なんでどてら?」」

 

咲と奏はその問いを向けられて目を逸らした。

 

「…はぁ。また今度選んでおけ。」

 

「奏も選んでおいてね。」

 

「「…はい。」」

 

見習い鬼導隊士達はもの凄く凹んだ様子で屋敷内へと戻っていった。

 

「…仁、私の部屋に行っておいて。先に赤い子から話を聞こう。」

 

「あぁ、分かった…」

 

仁は香の部屋の方に向かい、香は三ノ蔵に向かった。

 

「……この蔵は本当に陰気が強いね…」

 

「そうねぇ…私たちは落ち着くのだけど。」

 

香は三ノ蔵の錠を開け、中に入った。

 

「えっと…この辺でいっか。」

 

香が手に持っていた刀を近くに置いた。

 

「じゃ、いこっか」

 

香はそう言って三ノ蔵を後にし、自分の部屋へと向かった。

 

「…そういえば、なんで自分の部屋にあの子を?」

 

「だって、私あまり見られても困るようなものないし。」

 

「日記はどうなのよ」

 

「あれ記録付けてるだけなんだよね…」

 

香がそう答えた時、ちょうど部屋の前に着いた。

 

「仁、今大丈夫?」

 

「あぁ。」

 

返事を聞いてから香は部屋に入った。

 

「…起きてないの?」

 

「だな…」

 

仁と香がそんなことを言った直後、寝ていた少女が体を動かした。

 

「う…」

 

「あ、起きる?」

 

少女が声に反応したのか、目を開けた。

 

「ここ…は?」

 

「ここは錦糸綺糸屋…呉服屋です。」

 

「呉服…?」

 

少女が体を起こした。

 

「…藤原さん、でよろしいのでしょうか?」

 

「…何故、わたしの名前を?」

 

少女の問いに対し、香は机の上にあった木札を見せた。

 

「これ、先日あなたが私たちの前に現れた時に。」

 

「…」

 

少女は木札を手に取り、その木札を大切そうに持った。

 

「…ありがとうございます…わたしの、大切なものなんです…」

 

「いえ…改めて聞きますが、貴女のお名前は?」

 

「…わたしは…」

 

少女は木札を持ったまま正座に体勢を変えた。

 

「わたしは、“藤原妹紅(ふじわらのもこう)”…生まれたのは天武9年です。」

 

「…天武?」

 

「…はい。」

 

「嘘…」

 

「…どうした?」

 

「天武9年は西暦680年…今(・)か(・)ら(・)1(・),(・)0(・)0(・)0(・)年(・)以(・)上(・)前(・)だよ」

 

「な…」

 

香の言葉に仁が驚いていた。

 

「…もう、それほどの月日が流れていたのですか…」

 

「…あなたは、一体?」

 

「…不(・)老(・)不(・)死(・)者(・)です。…怪しげな力を使う忌み子とされ、この地に封じられた者…それが、わたしと地下にいた5人です。」

 

香と仁はその妹紅と名乗った少女の言葉に自身の言葉を失っていた。

 

「…不老不死となったきっかけは?」

 

「…橘」

 

「「橘?」」

 

妹紅は聞き返されたことに頷いた。

 

「正確には、“非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)”、でしょうか。永遠の命をもたらすという、伝説の霊薬です。」

 

「…」

 

「…わたしたちが橘の実を食べた時、偶然にもそれが永遠の命をもたらすものだったそうで…以来、わたしたちの存在は本来の歴史から消え去っています。」

 

「偶然…ですか。」

 

「…はい。わたしがお父様に老いないことに気がつかれたのが持統9年です。そこからのお父様の行動は早くて…同じく不老不死者になってしまった5人の友人たちとともにこの地へと封印されました。…それが、文武4年のことです。」

 

「…香。年代分かるか?」

 

「持統9年は695年。文武4年は700年…1,000年前なことは変わりないよ。」

 

「…そうか…」

 

その後、香達が様々なことを聞いたところ、六ノ蔵にあった属性武器はいつの間にかあったものであり、妹紅の属性は火。それ以外の鬼斬りの少年少女たちの属性は少女たちの方が花と闇。少年たちの方は風、土、光とのことだった。




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