鬼ヲ狩ル者達之交差【休載中】   作:Luly

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この話が終わっていないのに続編を書きたくなってしまった私です。早めに終わらせられるように頑張ります。
それでは第四十五話。どうぞ。

…あ、そうそう。Happy Halloween!!

追記:一瞬ですが本日02:43頃に第四十九話を投稿してしまいました。申し訳ありません。


第肆拾伍話 異世界の鬼と鬼殺隊

 

「危険です!!」

 

最初に反論の声を上げたのはやはり不死川だった。

 

「例え今無害であるとはいえ、いつ牙をむいてくるかわかりませぬ!竈門禰豆子も同様……いえ、竈門禰豆子よりも危険です!!」

 

不死川の言うことはもっともである。そもそもの話、異世界の住人を簡単に信じる方がおかしい、というのもあるのだが…

 

「…私も反対です。私達はこの世界の人間ではないのです。いつどこで自分たちの元居た世界に戻るかが分からない、そんな不安定な者を招き、自分の組織に組み込むなどと。それでは私達がそれを承諾し、すぐにこの世界から去ってしまったらどうなさるおつもりですか。」

 

そう。言うなれば妹紅たちを除く錦糸綺糸屋勢は不確定要素の強いものだ。それ故に、もしも組織の力の多くをその者達に委ねていたら。その者達が消えると、その組織は一気に瓦解するだろう。

 

「…例えば。」

 

香がそう呟き、仁をちらりと見ると、仁は小さく頷いて、姿を消した。

 

「……このような状況になったとき、どうするおつもりですか。」

 

香がそう言ったときには、仁が真っ黒な刀を耀哉に突き付けていた。仁の姿から強めの威圧感を感じる。

 

「……」

 

「仁、だまりさん、少し威圧弱めて。」

 

「ん、あぁ。」

 

ふん。

 

仁の持つ刀からだまりの声が聞こえると同時に、威圧感が薄まった。

 

「…心配しなくても、最初から私の子供たちはそこらの鬼にやられるほど弱くはないはずだよ。」

 

「……それにしては、俺の速度にすらついていけてなかったみたいだが。」

 

「仁の今の最高速度は先程の私より遥かに遅いです。その程度捉えられなければ、私と同等の技術を持つなど夢のまた夢ですよ。」

 

「まぁ香の速度…というか香は相当化け物だがな。…本当に人間だよな?」

 

「お父様、余計なことは言わないでいい。あと人間なのは合ってる。」

 

そんな会話をしているとき、耀哉が口を開いた。

 

「…ならば、香が鬼殺隊の隊員に教えたらどうかな?」

 

「…何故?」

 

「なに、先程香は澄に師匠と呼ばれていたからね。教えることもできるのではないだろうか…」

 

「不可能です。」

 

即答だった。

 

「…私の使う技は“属性”があって初めて完全に成立するものが多いです。今のこの世界の人たちには属性の気配を感じられません。技は属性なしで使うことも可能といえば可能ですが、そんなものは中身が存在しない、ただの抜け殻に過ぎません。」

 

「属性…ね。」

 

耀哉が少し考えこむような表情をした。

 

「……なるほど。属性、か。」

 

「…属性がどうかしましたか?」

 

「…いや。あの子たちが本当に受け継げなかったのはそれが理由なのかもしれない、とおもってね。」

 

「???」

 

香がわけがわからない、というような表情をしていた。

 

「その話はあとにでもしよう。とりあえず香達をどうするか……」

 

「……はぁ……ならば。」

 

「うん?」

 

「ならば、情報の交換と保障を。私達はこの世界のことを知らなさすぎます。対してあなた達は私達のこと、及び悪鬼のことを知りません。情報の交換が成るのなら……そして、私達全員の安全の保障、ある程度の自由行動。これらが承諾されるのでしたら、私はあなた達を手伝いましょう。」

 

「……ふむ。」

 

「仁達はこの契約には関係ない。これはあくまで私とあなた達の契約だ。情報の交換、安全の保障、自由行動許可。この三つが守られるのなら、私はあなた達鬼殺隊に協力する。仁達の参加は仁達の自由意志だ。」

 

香は強い視線でそう言い放った。

 

「……いいよ。」

 

「お館様!?」

 

「多少の行動には目を瞑ろう。それだけの条件で香の力が借りられるのなら、こちらに利益があるだろう。」

 

「ですが!!」

 

「それに、言ってなかったけれど、鬼の入隊については過去に前例があるんだ。」

 

耀哉の言葉に周囲がざわめいた。

 

「この件については、しのぶは知っているはずだ。」

 

「…はい。今から150年ほど前まで、鬼殺隊には鬼の隊員がいたと。記録にある限りではその隊員が鬼となったのは永仁元年葉月6日(新暦1293年9月14日)…。入隊はその10年後。兄と姉がおり、その兄と姉を倒すために戦っていたようですが自身が鬼であるために自害したとのことですが……」

 

「私もこの記述がある文献を見た時、正直目を疑った。だけどこの記述があったのは私達が代々記し続けてきた記録の中なんだ。…今。鬼舞辻と戦おうとする鬼がいるという状況の中、この記述の真偽を知る絶好の機会なのではないかな?」

 

「……」

 

「その鬼の血鬼術は記述によれば“属性”。もしもそれが香が言った“属性”と同じものならば。香は、その鬼を深く知ることができるのかもしれない。」

 

「…その根拠は、なんですか?」

 

「その鬼の記述の下に、こう書かれていたんだ。“私を真に知ることができるのは私と同じ力を持つ者のみ。その力とはすなわち属性。世界と自らより更なる力を得る神秘。今は喪われたこの神秘を操る者。”───その先も何か書いてあったけれど、読めなかった。」

 

「……相手を倒すのならまず相手を知ること。その鍵になる、とでも?」

 

「そうは思わないけれど、彼女が遺した技を知れば、何かが起こるかもしれない。」

 

「…そうですか。」

 

香は少しため息をついた。

 

「それでは、契約は成立ということでよろしいのですか?」

 

「私はいいよ。皆はどうだい?」

 

耀哉が隊員達に聞くと少し不安げな顔をした。

 

「…これに関しては、皆の承認が欲しい。何か不満があるのなら、遠慮なく言ってくれないか。」

 

「……それでは。胡蝶は錦糸香の力をその目で見たそうですが、私達は見ていません。もしもその力が虚偽で、錦糸香そのものは何の力もない、ただの女子だった場合は?どうするのですか。」

 

「…ふむ」

 

「……要は、力を示せ、ということですか」

 

香が言うと不死川がじろりと見た。

 

「力が分からないからその力を示せ。力が不十分だと感じればそんなものは要らない。…そういうことですね?」

 

「……」

 

「……お言葉ですが、私は弱いです。ですが。ここにいる誰よりも、強いという自信はありますよ。」

 

「……ハッ、それが虚勢じゃないといいけどなァ。」

 

「……別にここにいる人全員相手にしてもいいですけど。」

 

「「「「「!!?」」」」」

 

香が言葉を放った途端、その周囲が仁の時よりも強い威圧感に飲まれた。香の威圧感に耐性を持つ錦糸綺糸屋勢も、その威圧感に圧倒された。

 

「…この程度の威圧、耐えて言葉も発せないようじゃ、まだまだです。」

 

香がそう言うと、威圧感が消えた。

 

「…だが、実力は分からねェだろうが。」

 

「……では、模擬戦でもしますか?」

 

「…上等だァ!!その首かっ切ってやる!!」

 

「……はぁ。」

 

香は呆れたようにため息をついた。

 




次話と次々話は模擬戦回です。

香の秘密を話す時期はいつがいいですか?

  • 無限列車直後
  • 遊郭前
  • 刀鍛冶の里前
  • 刀鍛冶の里直後
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