キンッ!
「なァッ…!?」
「桜の技が一つ」
香がそう言うと同時に刀の色が桜色に変わる。
「“千本桜・巫剣”」
その技名宣言と同時に重い斬撃が不死川に放たれた。
「…ッ!」
吹き飛ばされ体制を崩したその隙。それを香は見逃さない。
「
「「「「「…ッ!?」」」」」
不死川のみならず、そこにいた鬼殺隊員全員が驚きの表情をした。
「“風の呼吸───」
「───壱ノ型 塵旋風・削ぎ”!!」
先程の
「…ふざけんな!!」
不死川も同じ技を使って香と衝突した。結果は…
「…っ」
香の方が、押し負け、後退させられた。
「…写した直後のはやっぱり使いにくいね…」
香はそう呟いた。
「後でこれは練習しておくしかないか……」
香はそう言いながら仁をちらりと見た。
「仁!」
「!?な、なんだ!」
「…もしも。貴方が私の技を継ぐというのなら。この後使う技達を目に焼き付けておいて。」
「は…?」
「…行くよ」
「ハッ!させるかよ!!」
また同じ技を使って香に突進してきたが、香は刀を赤く光らせた。
「“ヴォーパル・ストライク”!!」
大きい音と共に香は不死川に突撃し、吹き飛ばしてから跳びあがった。
「…」
香が少し目を瞑ると、刀の色が黄色に変わった。次いで刀に黄色い光が走る。
「なんだ…?」
「…属性特化一閃流」
香がそう呟いた時、黄色い光がより一層強くなった。バチバチという音が聞こえ灯純が口を開いた。
「……おい…おいおいおいおいおい!?あれまさか……雷か!!?」
「雷…?」
「…感じるわ。高出力の雷属性。香に限ってないだろうけれど……ここら一体、焼け野原になるかも…」
りんねの言葉に周囲がざわついた。
「……雷の型“
その声が聞こえた時、善逸が顔を上げた。
「───
その声が届くと同時に、香が地上に降り、同時に不死川を切り裂いた。その姿はまるで、天より空を裂く稲妻。
「なァッ…」
「スイッチ!」
香が一声叫ぶと、刀にまとっていた黄色い光が赤い炎に変わり、刀の色も赤に変わった。
「火の型“
今度は下から上への切り上げ。同時に刀を弾き、守りがない状態にした。
「スイッチ!!」
香がもう一度叫ぶと、今度は透明な水が刀にまとわれ、刀が青色に変わった。
「水の型“
「っ!?」
水が不死川を抉るが、やはり傷はない。
「スイッチ!!」
「また…!?」
「…香!!その次で限界よ!!それ以上は貴女の体がもたないわ!!」
りんねの言葉に香は小さく頷き、今度は刀に白い靄のようなものをまとい、刀の色が水色に変わる。
「氷の型“
香が刀を振り抜くと、周囲に氷の柱が突き立った。
「これは…!?」
「…さ、寒い…!?」
「…リリース!!」
香の言葉が変化した。同時に、刀が強く輝く。
「四の型“
黄、水色、赤、青の四連撃が不死川に向かって撃ち込まれ、不死川が大きく飛ばされた。
「……」
「……」
土煙が晴れると、そこには気を失った不死川がいた。
「………勝者、錦糸香…」
審判役をしていた隠が遠慮がちにそう言った。
「…ふぅ。」
香が刀を納め、斬想鬼を閉じると同時に、周囲にあった氷の柱が消滅した。
「…起こしましょうか」
香は不死川に近づいて手を不死川の頭に近づけた。
「“起床”」
香の手が光ると同時に不死川が目を開けた。
「…どうなりました。」
「実弥の負けだね。」
「…そうですか。」
香が不死川から少し離れたところで香の体に異変が起こった。
「…っ……っ!」
「なっ!?」
吐血、傷の発生、出血。今まで傷も何もなかった香に、いきなりそれが起こった。
「香!!ちょっと待ちなさい、融合!!」
りんねが香に近づき、香と同化した。
「はぁ……はぁ……」
「…無理しすぎよ。鈴が心配そうな表情で見てたわよ?」
「…ごめん。」
「……聞いていいかな?先程のかがみうつし、という技。あれはいったい何だい?」
耀哉が香にそう聞いた。
「…鏡写、ですか。あれは、武器の金属面を鏡に見立て、その鏡に写した技とそれと同じ系列の技達をそのまま使えるようにする私の“絶技”と呼ばれる技です。これだけはどれだけ教えても使うことはできません。」
「そうか…もし、もしもだけれど。」
「?」
「それが既にほぼ失われた技であっても。それを使うことはできるかな?」
耀哉はそう、聞いた。
「…それが技であるならば。例え継承が失われ技の動きすら分かる者はいなかろうと、“技の情報”がありさえすれば、そしてその“技の構造”が解析できるならば。私はどんな技でも使うことはできます。」
香はそこで一呼吸置いた。
「それが、私の“絶技”……正式名称“技の総てを写し取る鏡”ですから。」
「鏡…ね…」
「構造が解析できないものは流石に使用できませんが。大体の技は解析できますから。」
(逆に解析できないのってお姉ちゃん達の絶技とかだけなんだよね…)
香はそう思いながら言って苦笑した。
「…なぁ、香。」
耀哉が黙ったのを見計らい、仁が香に問いかけた。
「さっきの技…最後に使った技達ってなんだ?」
「あぁ、あれね…あれは“属性特化一閃流 魔の派”って言って、簡単に言えば“
「属性を極めた?」
「そ。あの流派の…最上位技のどれか一つを使うにはその属性を極めないといけないの。仁だったら火属性が一番近いかな。」
「…その最上位の火属性の技ってなんだ?」
「私がさっき使った“燼滅一閃”。あれが使えるようになると“火属性を極めし者”っていう称号、というかなんというか…まぁそんな感じになるんだけど…」
香の言葉にその場にいた全員が耳を傾けていた。
「属性特化一閃流の大きな特徴は“派生の派”─── 一番最後に使った“四流撃”のことね───以外の全ての技において定められた動きが存在しないこと。ただただ属性を纏った一撃にのみ特化した流派だから会得自体は簡単。でも、完全会得には属性を極めないといけない。それは、さっきの私の技を見ていて分かったと思うけど属性の出力が凄まじいから。その凄まじい属性出力を自由に扱えて初めて、“属性を極めし者”って呼ばれるの。」
「……ちなみに、香はなんて呼ばれてるんだ?色々属性を使っていたようだが。」
「確か…雷、炎、氷、水を使っていましたよね…」
花が香の使っていた技を思い出しながら言った。
「私?“
「あらゆる?」
「んと…総ての、って言った方が分かりやすかった?」
「総て……総て?…って…まさか…」
仁の声が少し震えていた。香はその様子に少し苦笑した。
「ん~…その様子は多分気がついたのかな。仁に話した14属性……ううん、仁には話してないけど
その香の言葉に仁が頭を抱えた。
「…今、香がとんでもない化け物だって再確認した…」
「あはは、今更?」
「今更?って……」
「でも、属性は“属性”というものに対しての適性さえあればどんな属性でも使えるようになる。確かに各属性への適性とかで習得難易度は変わるけど…それでも、絶対にその属性だけが使えない、っていうことはほぼほぼ起こらない。まずは自分の得意な属性から極めていくこと。それが属性特化一閃流への近道だよ。」
「…そうか。分かった。」
仁はそう言ったのち、耀哉の方を見た。
「耀哉さん、でしたね。私も鬼殺隊に入れてもらっても?」
「えっ…仁!?」
香が驚愕の声を上げた。
「…理由を聞いてもいいかな?」
「私はまだ香に比べれば弱いです。ですが、私は自分の大切な人くらい自分の力で守りたい。自分は何もせず、他の人に守ってもらうだけというのは、嫌なんです。」
「…仁。」
「お願い、できませんか。」
仁のその言葉に耀哉は考え込んでいた。
「……香。」
「はい。」
「仁の力は、どれくらいなのかな?」
「……現在の瞬間最高出力でも恐らく柱の皆さんには及ばないでしょう。ですが彼は今もどんどん伸び続けています。もしも、現在の伸び方が今後しばらく続くと考えれば……」
香はそこで少し言葉を切った。
「……恐らく、3ヵ月後には。持続最高出力が柱の皆さんと同等になっているでしょう。」
その言葉に鬼殺隊員たちがざわついた。
「…ですが、これはただの予測に過ぎません。最終的に成長速度を決めるのは才能、努力、意志。……そして、恐らくですが。」
香はそこで仁をちらりと見た。
「今、仁は強く自分の意志で大切な人を守るために、強くなると定めた。人は大切な人を守ろうとするときほど強くなる。この先、成長が加速するでしょう。」
「…分かった。条件は、香と同じでいいね?」
「え…」
「同じ屋敷に住む者同士だ。その方が気楽だろう。」
耀哉はそう言った。
「皆、反論はあるかな?」
耀哉がそう聞くが、反論の声は上がらなかった。
「…ふむ。なら香達は鬼殺隊に入隊決定だね。」
「…」
「隊服はあとで作るから採寸はあとでしてもらうとして……あぁ、そうだ。」
耀哉は思い出したように呟いた。
「そういえば、香達にもう一人会わせたい人がいるんだったよ。」
「会わせたい人…ですか。」
「そう。香達の存在を私に教えてくれた人だ。」
耀哉はかなりの爆弾(?)を落とした。
…ちなみに屋敷の方に退避していた全員は元居た位置へと戻っている。
香が使う“鏡写”の正体は写したものを正確に写し取り自分のものとする、いわばカービィさんのコピー能力のようなものです。何故そんな技を香が使えるのかは後々分かる予定です。…というか気がついている人はいるかもしれませんね。
香の秘密を話す時期はいつがいいですか?
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無限列車直後
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遊郭前
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刀鍛冶の里前
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刀鍛冶の里直後