ハイスクールD×D 〜鏡花水月とともに〜 作:bad boy
先日日間ランキング入りしてから多くの方に見てもらって非常に嬉しいです!
これからも頑張りますので応援よろしくお願いします!
それでは第十話どうぞ!
オカルト研究部の前で戦闘を行った日から数日が過ぎた。
俺はあの日から部に顔を出していない。なぜなら待っているのは質問攻めであるからだ。
前回の戦闘後もみんなから色々と質問をされて全部はぐらかして帰ってきたのだ。正直全部に答える気もないし、かと行ってそんなことのために鏡花水月を使うのもなんだかなあ。
もし部に行ったら確実にあれの続きが始まる。だから俺はほとぼりが冷めるか何か事件で上書きされるのを待っている。
そのためここ数日は黒歌と鍛錬をしたり、家でまったりしたりしていた。
「惣右介、変態が何かと戦闘してるっぽいにゃ」
「ああ、他の魔力を感じないということは相手は人間か、教会関係者か?」
黒歌の作った夕飯を食べようかというところで街の一角で兵藤一誠の魔力が上がるのを感じ取った。そして兵藤一誠以外の魔力は感じないため戦っているであろう相手は人間だろう。
「どうするにゃん? 助けに行くのかにゃ?」
「今から行ってもおそらく先にリアス・グレモリー達が駆けつけるだろう。俺は転移魔法陣は黒歌に頼りっきりで使えないからな、俺が急いで行ったところで向こうの方が先に到着すると思う」
俺は転移魔法陣はまだ使えない。今までは黒歌の転移魔法陣に頼っていた、なぜなら今すぐに覚える必要性がなかったからだ。
俺は強くなろうと鍛錬していたため魔力の制御も戦闘方面への応用を重点的にやっていた。しかし俺も使えるようになっておいたほうがいいかもな。
「私が送って行ってもいいのよ?」
「いや、奴らに俺に魔力を使える仲間が身近にいることを知られたくない。どこかの勢力に所属しているのかと疑われる可能性があるし、その場合は黒歌のことを明かさなければならないことになる可能性もある」
「わかったにゃ。私のことを考えてくれてありがと、惣右介」
「家族のことを第一に考えるのは当然のことだよ。明日学校に行ったら部に顔を出して何があったか聞いてみるよ」
事件が起こったっぽいから俺への質問はその事件で上書きされていることを願う。質問攻めはごめんだ。
「わかったにゃん」
「それじゃ夕飯を食べよう、冷めちゃったらせっかく黒歌が作ってくれたのに勿体ない」
「わかったにゃ、今日は初めて作ってみたメニューにゃ。口に合うかわからないけど食べてみてほしいにゃ」
「めっちゃ美味そうだ、いたただきます」
「……〜と言うことがあったんです」
「なるほど、教えくれてありがとう、小猫君」
そして今俺は部室で白音ちゃんから話を聞いている。ちなみに今日は黒歌は学校についてきていない。家で新しい料理の練習をするそうだ。
昨日のことを聞こうと部に顔を出してみれば雰囲気が暗い。そして兵藤一誠が学校に来ていなかった。
これは確実に何か起きたのだと確信し、白音ちゃんに何かあったのかと質問した。
どうやら昨日兵藤一誠が契約のために依頼主の部屋を訪れたところ依頼主は死んでいて
そしてその場には先日兵藤一誠が助けたシスターがおり兵藤一誠をかばってくれたのだという。
部員達が到着したことで戦闘は終了したが、転移魔法陣は眷属しか使用できなかったものでそのシスターは置いてきてしまったのだという。
そのことでおそらく兵藤一誠は落ち込み、今日学校を休んだのだろう。
なるほど、しかし教会の悪魔祓いがそんな簡単に人の命を奪うのだろうか。そしてこの街の教会からは堕天使の気配、そこにシスター。
これは絶対に何かある。堕天使と一緒にいるならばその悪魔祓いはおそらくはぐれ。しかしなぜシスターがそこにいるのだろうか、しかも話を聞く限りどのシスターは争いを好むような性格ではない。
目的はなんだ? もしやそのシスターは神器所有者? いやしかしそれならばなぜ無事でいるのだろうか。俺のように戦争で使うために本部にて訓練を受けるのではないのか? 如何せん情報が少なすぎるな。
思考の渦に沈んでいるといつの間にか兵藤一誠が部室に現れていた。そして
──パシンッ!
兵藤一誠はリアス・グレモリーに平手打ちをされていた。
兵藤一誠の話を聞くに、彼は今日そのシスターと再会したらしい。しかし二人で会話をしているときに堕天使が現れて、兵藤一誠はまともな抵抗もできずにそのシスターを奪われてしまった。
そのため兵藤一誠は彼女を助けにいかせてほしいとリアス・グレモリーに提案するが却下されなんども食い下がっていた。
「何度言ったらわかるのイッセー!? あのシスターを救出しに行くことは認められないわ!」
まあ、彼女の立場からしたら認められるわけないよな。戦争の火種になることかもしれないことだ。
でも俺からしてみれば兵藤一誠を応援してあげたい。彼は純粋に一人の人間を救いたいと考えている。
「なら俺一人でも行きます」
いつもの兵藤一誠の面影はない。そこにあるのは一人の少女を守りたいという漢の表情だ。
「あなたはバカなの!? 行けば確実に殺される、もう生き返ることはできないのよ。わかっているの!?」
確かに彼一人なら殺されるだろう。
「あなたの行動は他の眷属にも影響を及ぼすことになる! あなたはグレモリー眷属の悪魔なのよ! それを自覚してちょうだい!」
「だったら俺を眷属から外してください! 俺一人であの教会に乗り込みます!」
そこまでの覚悟か。こいつは普段はただの変態でも根っこではこんなに人を大切にできるやつなんだな。少し見直した。
大切な人を守りたい、その気持ちは俺にはよくわかる。
「そんなことができるわけないでしょう! どうしてわかってくれないの!?」
「俺はアーシア・アルジェントと友達になりました。アーシアは大切な友達です! 俺には友達を見捨てることなんてできません!」
友達、か。こいつは俺よりもより多くの人を守りたいと願うのだな。その弱い力でも。
今回は力を貸そう。彼の覚悟はよくわかった、守れる力がないのならば力を貸そう。
そういって声をかけようとしたタイミングで姫島朱乃がリアス・グレモリーに何か耳打ちをする。
「大事な用ができたわ。私と朱乃はこれから少し外に出るわね」
「部長! まだ話は終わって──!」
リアス・グレモリーが兵藤一誠の言葉を遮るように人差し指を立て、兵藤一誠の口元にやる。
「イッセー、あなたにはいくつか話しておくことがあるわ。まずあなたは《
どうやら風向きが変わったようだ。俺は今は声を掛けるのをやめ事態の行く末を見守る。
「は、はい」
「それは間違いよ。《兵士》には他の駒にはない特別な力があるわ、それが《
兵藤一誠はどうやらよくわかっていない様子だ。
「実物のチェス同様、《兵士》は相手陣地の最深部に到達した時、《王》以外の全ての駒に昇格することが可能なの。イッセー、あなたは私が《敵の陣地》と認めた場所の最も重要なところへ足を踏み入れた場合、《王》以外の駒の力を得ることができるの」
どうやら兵藤一誠は気付いたようだ。そうリアス・グレモリーは彼に戦える手段を教えている。
「あなたはまだ悪魔になって日が浅いわ、だから最強の駒である《女王》への昇格は負担が大きく現時点ではおそらく不可能よ。でもそれ以外の駒になら変化できるわ。心の中で強く《昇格》を願えばあなたの力は変化する」
リアス・グレモリーも本心では助けたいと思っているのだろう。
「それとあと1つ、神器についてよ。神器を使う際、これだけは覚えていてちょうだい」
そう言ってリアス・グレモリーは兵藤一誠の頰を撫でる。
流石の兵藤一誠も今はスイッチが入っている、いつものようなだらしない顔にはなっていない。
「想いなさい、神器は想いの力で動き出す。そしてその力も決定するわ。想いが強ければ強いほど神器はあなたの想いに応えて力を発揮してくれるわ」
「想いの力……」
「これで最後よイッセー。絶対にこれだけは忘れないで。《兵士》でも《王》を取ることができる。これはチェスの基本であり、あくまでも変わらない絶対的な事実なの。あなたは強くなれるわ」
そこまで言ってリアス・グレモリーと姫島朱乃は魔法陣で消える。そしてリアス・グレモリーは最後に俺に視線を向ける。言外に『イッセーを頼むわね、惣右介』と言われたように感じた。
ここまでお膳立てされてはいく以外の選択肢は見つからないな。
「さて、それでは行こうか兵藤君」
「っ! 藍染も来てくれるのか!?」
「ああ、僕はそもそも人間だ。悪魔の都合関係なしに動くことができる。君に守れる力が足りないのならば、僕の力を貸そう」
「そうか、ありがとうな」
「きっと僕だけじゃない、みんな協力してくれるはずだよ。そうだろう?」
そう言って俺が兵藤一誠の背後に視線をやるとつられて兵藤一誠は後ろを振り向く。そこには木場祐斗と白音ちゃんが立っていた。この二人も先ほどからやる気に満ちた目をしていた。
「もちろんだよ」
「木場っ!」
「僕たちを仲間外れにはしないでほしいね。同じオカルト研究部の仲間だろう?」
「……三人だけでは心配ですし、仲間を見捨てる気はありません」
「小猫ちゃんもっ! みんな……。ありがとう!」
どうやらグレモリー眷属は中々いい奴らの集まりらしい。一人のわがままにみんなで付き合ってあげるなんてな。
「さて、決まったのならば向かうとしよう。いつまでも彼らの好きにさせておくわけにはいかない」
「ああ!」
「うん!」
「……はい」
そうして俺たちは堕天使のいる教会へとシスターを救出しに向かった。
はい!次回からはいよいよ戦闘シーンです!
とは言っても主人公が全力を出すことはないと思いますが・・・
主人公がどう戦闘に関わっていくのかお楽しみに!
評価・感想待ってます!誤字訂正もやっていただけると非常に助かります!
それでは次回をお楽しみに!