ハイスクールD×D 〜鏡花水月とともに〜   作:bad boy

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はい!bad boyです!

UA数が5万を超えました!見てくださった方本当にありがとうございます!

今回から原作2巻に入ります!

それでは第十二話どうぞ!


戦闘校舎のフェニックス
第十二話 フェニックス襲来


 アーシア・アルジェントは悪魔になった。

 

 彼女は聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)という悪魔をも回復できる神器を所有しており、今まで回復役がいなかったグレモリー眷属にとっては貴重な存在となった。

 

 彼女は兵藤一誠に救われたことで彼に友情以上の感情を抱いたらしく、兵藤一誠と同じクラスに転入し彼の家にホームステイすることになったらしい。

 

 それを転入初日に暴露したからクラスの男子たちは彼に憤怒の視線を向けたが、おれはそのことについて疑問を持たなかった。

 

 彼が覚悟を決めて最後まで戦ったのだから、そうなっても不思議ではなかった。彼はその感情を向けられていいほどには頑張ったのだから。

 

 

 

 

 

 あれからおれはしばらく部活動には顔を出していなかった。アーシア・アルジェントが悪魔になってからは数回しか顔を出していない。大きな事件もないし言っても白音ちゃんとの交流を深めるくらいしかやることがなかったからだ。

 

 使い魔を捕まえにいくと言って誘われたこともあったが、正直おれは悪魔ではなく人間だし使い魔が必要であるとも思えなかったのでその誘いは断ることにした。

 

 兵藤一誠は次の日に結局使い魔を自分だけ捕まえられなかったと言って落ち込んでいたが、適当な言葉で慰めておいた。

 

 

 

 

 

 

「最近、部長の様子がおかしいと思わないか?」

 

 それからしばらく経ったある日兵藤一誠が急におれにそう言ってきた。

 

「部長がかい? 僕は最近あまり会っていないから気付かなかったよ」

 

 どうやら彼曰くリアス・グレモリーの元気がないらしい。これはまた事件が起きる前触れなのだろうか。

 

 正直何が起きたかの詳しいことは全く覚えていない。

 

「ああ、なんていうか時々部長らしくもなくぼーっとしてるときが多いんだよ」

 

「ふむ、僕には心当たりがないな。力になれなくてごめんよ」

 

 だからおれはリアス・グレモリーがなぜ様子がおかしいのかもわからない。

 

「いや、いいんだ。気のせいかもしれないしさ」

 

 兵藤一誠は曇った笑顔でそう言った。

 

 

 

 

 

 

 その日は部活に顔を出す気はなくそのまま家に帰ろうとしていた。

 

 だが部室から記憶にない魔力を感じた。しかも魔力を抑えているように感じる。かなりの強者かもしれない。

 

「はあ、これは見て見ぬふりはできないね」

 

 そう呟いておれは黒歌に帰りが遅くなると連絡を入れた。前回連絡なしで帰りが遅れて怒られたためだ。

 

 つま先を校門から旧校舎へと向け、おれは部室に向かって歩き出した。

 

 部室に向かう途中で新しい魔力が現れた。今度は魔力を隠す気もなく垂れ流している。魔力量はリアス・グレモリー達より優れているが魔力を抑えているものには敵わないだろう。

 

 部室の前に着くと結界が張られていた。だがそんなのは御構い無しにおれは部室のドアを開けた。

 

 ガチャ

 

「どういう状況かなこれは」

 

 

 

 

 

 中に入って見た光景におれは困惑した。

 

 中央のソファでは知らない悪魔がリアス・グレモリーにベタベタしていた。リアス・グレモリーは心底嫌そうな顔を浮かべている。

 

 傍らには銀髪メイド服の女性が無表情で佇んでいた。おれが感じた強者の気配はこの人だな。

 

 そしてグレモリー眷属は少し下がった位置で苦虫を噛み潰したような顔をしている。

 

「なんだ貴様は? 下等な人間がなぜここにいる?」

 

 だらしない金髪ホストのような悪魔がおれを見下した発言をする。うんこいつはおれの嫌いなタイプだ。

 

「ライザー! 彼はこの部の部員よ! 手を出すことは許さないわ!」

 

 リアス・グレモリーがライザーと呼ばれた悪魔に怒鳴る。

 

「それにいい加減にしてちょうだい! 前にも言ったでしょう、私はあなたと結婚する気はないわ。結婚相手は自分で決める」

 

 結婚、ね。なるほどこれは貴族の政略結婚のような話か。

 

 あの金髪ホストが婚約者でリアス・グレモリーはそれが嫌であると主張しているということか。

 

「それは前にも聞いたが、君のところのお家事情は切羽詰まってるんだろ? おれもフェニックスの看板を背負ってここにきてるんだ。はい、そうですかと帰るわけにはいかないんだよ」

 

 まあ、婚約がすでに決まっているのならば一人の意思で覆すのなんて難しい話だろう。

 

 だが個人的な気持ちではそんなんで家族を決めるだなんて嫌だなとは思う。家族にはされるのではなくて望んでなる方がいいに決まっている。生まれる親を選べない子供なら別であるが。

 

 そしてこいつはそれを政治の道具のように見ている。政略結婚自体は否定しないがせめて愛を持って家族に迎え入れてやれよと思う。

 

「おい! 貴族だかなんだか知らないけどそれが婚約者のする態度かよ!」

 

 兵藤一誠が金髪ホストに噛み付く。その意見にはおれも同意だ。それに貴族ならば貴族らしい態度をとるべきだ。

 

「兵藤君、君は彼が貴族に見えているのかい? 僕にはそうは見えない、貴族とは物心ついた頃から礼儀などを教育されるのだろう? そこの彼はそのようなものを持っているように見えない」

 

「な、なんだと!? 下等な人間ごときが誇り高きフェニックスを愚弄する気か!?」

 

「うるせえ焼き鳥野郎が!!」

 

「その誇り高きフェニックスとやらを愚弄しているのは君自身だというのがわからないのかい? 貴族ならば貴族らしい振る舞いをするべきだよ」

 

「き、貴様らあああ!! よっぽどおれをコケにしたいようだな! この場でリアス以外焼き殺してくれる!」

 

 金髪ホストは魔力を高める。

 

「そんなことはさせないわ! 可愛い下僕や部員に手を出すなら私があなたを消しとばす!」

 

 そう言ってリアス・グレモリーも魔力を高める。

 

 やれやれ、少し煽っただけでこれか。それにリアス・グレモリーも相手の力量がわかっていないようだ。

 

「お納めくださいませ」

 

 今まで傍観していた銀髪メイドが口を開いた。なるほどなかなかの圧力だ。

 

「お嬢様、ライザー様、私はサーゼクス様の命によりここにおります。双方手をお引きください」

 

 そう圧力を収めることなく続ける。

 

「最強の《女王》と言われるあなたを相手するほどおれは愚かじゃないよ」

 

 どうやらこちらは少しは相手の力量がわかるらしいな。さすがに学生とは経験が違うか。

 

「旦那様もこうなることは予想しておられました。よって決裂した際の最終手段を仰せつかっています」

 

「最終手段?」

 

 この平行線の議論を収めるにはどちらかを屈服させる必要がある。ならばその最終手段は……。

 

「お嬢様、あくまでもご自身の意思を貫くおつもりならばレーティングゲームで決着をおつけください」

 

「っ!!」

 

 やはりレーティングゲームか。敗者は勝者の言うことに従う。実力主義の悪魔社会にとってはこれしかないだろう。

 

 だが正直先ほどの魔力を比べても実力差が大きすぎる気がするな。

 

「そう言うことか。おれはなんども公式戦で戦ってるし勝ち星も多い。対して君はゲームへの参加資格すらない。結果は見えていると思うがそれでもおれと戦うのか?」

 

 それに加えて経験の差もあるのか。

 

「そう……そこまでして私の人生を弄びたいのね! いいわ、ゲームでライザー、あなたを倒してみせるわ!」

 

 リアス・グレモリーも戦力差はわかっているようだが引くに引けないようだ。

 

 そして金髪ホストは部屋を一瞥する。

 

「リアス、確認だがここにいる全員で君の眷属は全てかい?」

 

「だったらなんだと言うの?」

 

「それでは勝負の行方は見えているようなものだ。そこの人間を参加させてもいいぞ!」

 

「なっ!」

 

「おれをコケにしたんだ、ゲームで後悔させてやる! それに君との戦力差は歴然だ、ハンデも必要だろう」

 

 どうやらおれにゲームに参加してほしそうだ。

 

 はっきり言って不可能だろう。あくまでもこれは悪魔内での問題だ。人間のおれが参加は不可能だろう。

 

 だがこいつはおれとの実力差がわかっていないらしい。もしかしたら例外で出ることになってしまうかもしれない。

 

 おれとしてはゲームには出たくない。悪魔のいざこざに巻き込まれたくはないし、出しゃばって貴族に睨まれることも避けたい。もしかしたら無理やり眷属にしに来ようとする貴族もいるかもしれない。

 

 そのためにこいつには少し理解してもらう必要がありそうだ。

 

 おれはこっそり鏡花水月を発動させた

 

 金髪ホスト以外全員におれと金髪ホストが口論してるように見えるようにした。

 

「君は僕との実力差もわからないのかい? 本当に貴族なのかい?」

 

「なっなんだと貴様!」

 

「どうやら少し教訓が必要そうだね」

 

 

 

 

 

 そう言うとおれは眼鏡を外しながら金髪ホストの背後に回る。そして鏡花水月を首元に当てる。

 

「なっ!」

 

「私はすぐにでも君の首を取ることが可能だ。それに……」

 

 おれは金髪ホストの首元に鏡花水月を当てた状態でさらに鏡花水月を発動させる。この街のライザー以外におれの魔力を認識できないようにして魔力を解放する。

 

 街規模の大きな催眠は一人だけを例外にしたりなどは難しい。そのため予め金髪ホストには鏡花水月に触れていてもらった。

 

「君のその魔力量では私にダメージを与えることもできない」

 

「き、貴様は何者だ。本当に人間か?」

 

 彼はものすごい量の冷や汗を流し、呼吸が乱れている。やっとおれとの実力差を理解したようだ。

 

「人間だよ。それよりも本当に私がゲームに参加してもいいのかい? 君ごとき倒すのなど容易いのだが」

 

「わ、わかった。貴様は出るな! これでいいんだろう!?」

 

「賢明な判断だよ、このことは他のみんなには聞こえていない。もし言ったら、わかるね?」

 

「あ、ああ。」

 

 そうしておれは矛を収め鏡花水月を解いた。伊達眼鏡も掛け直した。

 

 

 

 

 

「それで、僕はゲームに出たほうがいいのかい?」

 

 おれは元の位置で金髪ホストに聞き直した。

 

「い、いや、やはりこれは悪魔同士の問題だ。人間が入ってくるべきではない」

 

「ら、ライザー!?」

 

 彼は前言を撤回した。リアス・グレモリー達はぽかんとした表情を浮かべている。それもそうだろう、彼女達はおれの魔力を感じていなかったし本当の会話も聞こえていなかったはずだ。

 

 ただおれと金髪ホストが口論していたように見えていたはずだ。

 

「なんだお前! 怖気付いたのか!?」

 

 兵藤一誠が噛み付く。

 

「黙れ! 下級悪魔の分際で! これは悪魔の問題だ。人間を巻き込むのはそもそもお門違いだと思い直しただけだ!」

 

「話は纏まったようですね。ではレーティングゲームで決着をつけることとします。異存はありませんか?」

 

「ええ」

 

「ああ、もちろんだ」

 

 銀髪メイドが話をまとめ、確認を取る。金髪ホストも落ち着いたらしい。

 

「それではゲームは十日後に行うこととします。先ほどライザー様も言った通りある程度のハンデはあってもよろしいと考えますので、ライザー様はこの十日間訓練は控えてもらうようにお願いいたします」

 

 どうやらハンデとして十日間訓練できるらしい。

 

「もちろんですよ。そこまで大人気ないことはしませんよ」

 

 ライザーはそう答える。

 

「余裕そうね。その余裕ゲームが始まっていつまでもつのかしら?」

 

「じゃあなリアス。十日後のゲームで会おう」

 

 そう言い残して彼は転移魔法陣で帰っていった。

 

 最後におれの方をちらりと見たがその瞳には恐怖が浮かんでいた。

 

 

 

 

 

 

「私と朱乃はグレイフィアと詳細を詰めるから解散していいわよみんな。追って連絡するわ」

 

 そうして解散となり部員が部室から出ていく中おれは残った。

 

「あら惣右介? 何か用かしら?」

 

「部長達はこの十日間特訓をするつもりでしょう? 僕も手伝いますよ、参加はできませんけど部員としてそれくらいは協力させてください」

 

 おれはリアス・グレモリーに特訓の協力を提案した。

 

 悪魔達に目をつけられるのを避けるために参加することは避けたが、この政略結婚は個人的に好かない、それにこの特訓で1つやりたいことがあった。だからおれは彼女に協力を申し出た。

 

 きっとこれも原作の出来事なのだろうが、すでにおれが部室にいた時点でどこまで変わってしまっているのかわからない。なのでおれはこの特訓に介入することにした。

 

「え、でも……」

 

「模擬戦相手がいたほうが捗るでしょう? この十日間で少しでも強くなる必要があるはずです」

 

「そこまで言うなら……。わかったわ、その好意ありがたく受け取らせてもらうわ」

 

 最初は難色を示していたが、最終的には受け入れられた。

 

「ありがとうございます。それでは詳細が決まったら僕にも連絡をお願いします」

 

「ええ、わかったわ」

 

「それでは失礼します」

 

 そうしておれは部室から出た。

 

 

 

 

 

 

「〜ってことで明日から十日間訓練を手伝うことになった」

 

「え〜、なんで惣右介がそこまでしてあげる必要があるにゃ」

 

 おれはいつものように学校で起きたことに関しての報告を黒歌にしていた。

 

「家族を政治の一部として不本意ながら作る。せめてお互いが同意してならまだしも無理やり望んでもいない家族になる。それが個人的に気に食わなかったからだよ」

 

「そこまで言うなら止めようとはしないけど……。じゃあ私は十日間留守番かにゃ?」

 

 黒歌が少し寂しそうな表情を浮かべる。

 

「いや、黒歌も一緒に来てもらうつもりだよ」

 

 そう、おれは特訓でやりたいことがある。そのためには黒歌についてきてもらわなければならない。

 

「え? 私も行っていいのかにゃ?」

 

 黒歌は一転嬉しそうな顔をする。家族と十日間離れて家でひとりぼっちって寂しいもんな。

 

「ああ、早朝の日課の鍛錬は向こうでも並行してやりたいしな。黒歌のことは鏡花水月で隠しておくから心配はない」

 

「なるほどにゃ〜、楽しみにゃん♪」

 

「おいおい、特訓に行くんだぞ?」

 

「それでも楽しみにゃん」

 

 なぜだか一瞬黒歌が少し悪い顔をしたように見えた。

 

 

 

 

 




はい!と言うことで主人公はレーティングゲームには出ません!

出すと仮の鏡花水月の能力でも無双してしまいそうなため、特訓の協力のみにしました!

評価・感想励みになるので是非お願いします!

それでは次回をお楽しみに!
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