ハイスクールD×D 〜鏡花水月とともに〜 作:bad boy
最近前書きでいうネタが思いつかなくなってきました。次回までには考えておきます!
というわけで第十四話どうぞ!
夜が明け特訓二日目となった。
今、俺は黒歌と早朝鍛練を行なっていた。
グレモリー眷属は夜まで特訓をやっていたためいまだに寝ている。
「なあ、黒歌。今やっていることも終わりが見えてきたから転移魔法陣使えるようになりたいんだけど」
「にゃ? 前は教えようとしたら後回しにしたのに何かあったのかにゃ?」
俺は黒歌に転移魔法陣を使えるようになりたいと提案した。
やはり移動手段が自分の足だけだとどうにも移動範囲が狭くなりすぎる。
もし今日黒歌と白音ちゃんが和解できたとしたならば、白音ちゃんも俺が必ず守る対象になる。
だが白音ちゃんはほとんど一緒にいる黒歌とは違い、学校にも通うしグレモリー眷属としての活動もあるため常に俺がすぐに駆けつけられる訳ではない。
そのためにも俺は遠距離の移動手段を手に入れる必要があると考えた。
「いや、もし黒歌が今日白音ちゃんと仲直りできたら彼女も俺の必ず守る対象になるからさ。何かあった時にすぐに駆けつけられるようにしておきたいんだよ」
「惣右介……わかったにゃ。じゃあ今日から転移の方法を教え始めるにゃ」
「ああ、よろしく頼む」
そうして今日から俺は鍛練の時間を転移魔法陣を習得することにあてた。
結構難しいけど早めに身につけないとな。
そして俺たちは早朝鍛練を終え、グレモリー眷属がちょうど起きてきたので朝食をとり、特訓二日目が始まった。
「さて、塔城君。一晩考えて答えは出せたかい?」
特訓二日目では他のグレモリー眷属は昨日提示した特訓内容をこなしている。あまり俺が関わらずとも自分たちで強くなるために努力するだろう。
俺は白音ちゃんに昨日考えたことの結果を聞いていた。黒歌には近くに控えてもらっている。
「……私は弱いです。兵藤先輩よりはまだ強いですけど、神滅具の赤龍帝の籠手を宿している先輩にはきっとすぐに抜かれてしまうと思います。昨日藍染先輩が言ったように私には部長達のような魔力もなければ神器もありません。ですがそんな私が強くなれる方法が1つだけあります。ですが私はその力が怖いです、その力を扱える自信が私にはありません。藍染先輩は最大のサポートをしてくれると言ってくれましたね、それは本当ですか?」
どうやら彼女なりにしっかりと現実と向き合い、何が必要なのかを考えてきたようだ。
そして彼女はなぜかは語らないが仙術に対しての恐怖心も打ち明けてくれた。普段から交流を持っていたからかある程度信頼されているようだ。俺が最大限のサポートをするならば、挑戦しようと考えているのだろうか。ならば答えは1つだ。
「もちろんだよ。君が恐怖を抱いてる力に関しても心当たりがある。僕ができる最大のサポートを君にすることを約束するよ。もちろん暴走なんて絶対にさせない」
「……わかりました。このまま私だけ眷属の皆さんから置いていかれるのは嫌です。藍染先輩がそこまで言ってくれるのならば私も勇気を持って一歩踏み出したいです」
どうやら彼女は俺を信頼して仙術と向き合う勇気を持ってくれたようだ。俺は黒歌に合図を送る、視界の隅で体を強張らせるのが確認できた。
「ありがとう塔城君。僕を信頼してくれて、一歩踏み出す勇気を持ってくれて。全力でサポートするよ」
「……はい。先輩、まず私は何をすればいいですか?」
彼女は覚悟を決めたらすぐに特訓を開始しようとした。昨日の分で他の眷属と差が開いてしまっているから焦っているのかもしれない。
「いや、まずは何かをするのじゃなくてある人物と話をしてもらいたい。それが君の新しい力への近道になる」
「……誰ですかそれは?」
「すぐにわかるよ。もういいよ出ておいで」
「……姉……様……?」
彼女は目を見開いて驚愕した。
────黒歌side
「……姉……様……?」
白音は歩いてきた私に驚愕し、そして恐怖の視線を向けた。
「久しぶりにゃ……白音」
とりあえず私は挨拶をする。声が震えていたのがわかる。
「塔城君、黒歌は君が思ってるような人物じゃない。一度話を聞いてやってくれ。黒歌、しっかり話せばきっとわかってくれる。それじゃ僕は離れているよ、鏡花水月で周りには僕と塔城君が模擬戦をしているように見えているからゆっくり話すといい」
そう言って惣右介は離れていく。ありがとにゃ惣右介。
せっかく惣右介が作ってくれたこの場を台無しにしないために私は白音に話し始める。なぜ悪魔になったか、なぜ主人を殺したのか、なぜ置いていってしまったのか全て。
「そのせいで私は白音を置いていってしまったにゃ。白音、本当に、本当にごめんなさい。私がもっとしっかりしていれば白音にこんな悲しい思いも一人にさせてしまうこともなかったにゃ……」
私は話した、全てを。声が、腕が震えて涙が出そうになるのを我慢してゆっくり、ゆっくりと話した。
途中から白音の顔を見ていられなくなって俯いてしまっていた。白音は今どんな顔をしているのだろう。怒りや憎しみのこもった目をしているのだろうか、私のことを信じられないような目をしているのか。白音にどんなことを言われても私は受け止めるつもりでいる。
「……姉様、顔をあげてください」
そう白音に言われて私は顔を上げる。白音は、泣いていた。
「……姉様、私は姉様のことを誤解していました。姉様は仙術の力に飲まれて暴走し私を巻き込み勝手に置いていったのだと思っていました」
白音はそう言った。
「白音……。私のことを疑わないのかにゃ? 私が言ったことを信じてくれるのかにゃ?」
「……正直、まだ少し混乱してます。今まで私は姉様にいい感情を持ってませんでしたから。ですがものすごく辛そうに話す姉様が全て嘘を言っているとは思えませんし、藍染先輩も姉様を信じているようですので私は姉様のことを信じたいと思います」
白音は私を信じてくれると言ってくれた。一度見捨ててしまった私を。私は涙が止まらなくなり、思わず白音を抱きしめた。
「ありがとう、ありがとうにゃ。こんな姉のことを信じようと思ってくれて」
「……姉様、こちらこそごめんなさい。助けようとしてくれた姉様を憎んでしまって」
白音もどうやら泣いているようだ。肩が震えている。
「いいんだにゃ。それだけのことをしてしまったんだから」
私たちは落ち着くまでしばらくそのままでいた。
「……ところで姉様、藍染先輩とはなんで知り合いなのですか? それにさっき言っていた私と先輩が模擬戦をしているように見えてるとはどういうことですか?」
落ち着いた私たちはたわいもない話をしていた。お互い離れていた時にあったことなど離れていた溝を埋めるように話をしていた。
そんな時にふと白音が惣右介のことを聞いてきた。
「惣右介には一度助けてもらったんだにゃ。そしてその後色々あって今は家に住まわせてもらってるにゃ」
「……え? 一緒に住んでるんですか!?」
白音はかなり驚いているようだ。確かに行方不明だった自分の姉がこんな身近にいてしかも知り合いの家にいると言ったら驚くか。
そして惣右介の能力については私が話していいのか判断しかねる。
だから私は惣右介をこの会話に混ぜることにした。
「後のことについては本人を交えて話した方がいいにゃ」
「……そうですね」
そうして私は離れたところにいる惣右介を呼びに言った。
「そういうことがあって僕たちは今一緒に暮らしているんだ」
惣右介を呼んできて白音が先ほどの質問をすると惣右介はほとんど全てを白音に話した。話してないのは詳しい過去の話くらいだろうか。
「……そういうことでしたか、姉様を助けてくださってありがとうございます。それに姉様と話す場を設けてくれて」
白音は惣右介にお礼をいう。私も惣右介には感謝してもしきれないほどだ。ますます好きになってしまう。
「いや、礼には及ばないよ。誤解が解けてよかったよ」
「……それに完全催眠とはものすごい能力ですね」
「使い勝手がいいから重宝しているよ。でもできれば鏡花水月の能力に関しては他の人には黙っていてほしい、あまり目立ちたくないからね」
「……わかりました姉様の恩人のお願いです。断るわけありません」
「それよりも惣右介、いつもの調子で話してほしいにゃん。その話し方あんまり好きじゃないにゃん」
私は唐突にそう言った。先ほどから気になっていたことだ。仮面の惣右介じゃなくて自然体の惣右介で接してほしいというわがままでもある。
「……いつもの調子?」
白音ははてなマークを浮かべている。
「え? いやしかし……」
惣右介は困っている。
「白音は私の妹にゃ、家族の妹くらいいいんじゃない?」
私はそういう。惣右介は家族という言葉にこだわっているのは知っている。
「はあ、仕方ねえなあまったく」
「……っ!!??」
白音が驚いている。私は笑いが止まらない。
「そんなに笑うなよ黒歌。ごめんな白音ちゃん、驚かせちゃったな」
「……先輩は三重人格だったんですね」
「ちっが──────う!!」
私の予想通りの白音の反応に惣右介は全力で否定する。
あのあと話していたら夕方になったので白音の特訓は明日からということになった。
白音は私と話して仙術への恐怖心はある程度和らいだようで、あの様子ならば遅れをとった二日間は簡単に取り戻せそうだ。
惣右介は明日以降も今日みたいに鏡花水月を発動しておいてくれるらしく存分に教えてやってくれと言ってくれた。惣右介には本当に感謝している。惣右介に出会っていなければきっと私は今だに白音と仲直りすることはできていなかっただろう。
その惣右介は別荘に帰ってきた後はリビングで夕食を食べ今はお風呂に入っている。私はみんなが夕食を食べている間に一足先にこっそりお風呂を使わせてもらって今は惣右介の部屋で彼を待っている。
そしてしばらくすると惣右介が部屋に帰ってきた。まだ私は彼に感謝の言葉を告げていない。
だから私は部屋に入ってきた惣右介に抱きついた。いきなりのことに困惑している惣右介に私は
「白音と仲直りさせてくれて本当にありがとにゃ。惣右介、大好きにゃ」
抱きしめる手に力を入れてそう
はい!ということで猫又姉妹は無事に和解できました!
黒歌の告白に関しては次回どうなるのか楽しみに待っていてください!
評価・感想ぜひともよろしくお願いします!
それでは次回をお楽しみに!