ハイスクールD×D 〜鏡花水月とともに〜 作:bad boy
ルーキーランキング16位に入っていた、、、!!
拙作を読んでくださった方、評価・感想をくださった方、ご指摘を下さった方ありがとうございます!非常にモチベーションに繋がります!
これからもよろしくお願いします!
それでは第三話どうぞ!
俺は14歳になった。
今日も父さんと母さんに挨拶をしてから家を出る。
「父さん、母さん、行ってきます。今日は二人の命日だね。今日は帰りに二人が好きだったものを買ってくるよ」
そう、今日は父さんと母さんがあの堕天使に殺された日だ。もうあれから7年経つ。月日の経つのは早いものだ。毎日似たような日々を送っているから月日の経つ感覚が狂ってくる。
でもこの生活を止めようとは思わない。まだまだ俺は弱い。このままだとまた守れないかもしれない。守りたいものなんて何1つないし作ろうとも思えないが。
いかんいかんどうしても毎年この日になると感傷に浸ってしまう。体を動かして忘れよう。
俺は今鍛錬を終えた後、近くのスーパーで父さんの好きだった銘柄の酒と母さんの好きだったスイーツを買って家へと向かっている。え? 未成年? 俺は周りからはヨン様に見えているから問題ない。レジの担当も知り合いの鈴木さんだったから問題なく購入できた。ヨン様スマイルで
「鈴木さん、いつもご苦労様です」
とねぎらえばイチコロだ。
夏から秋の転換点だからか、最近は日が暮れるのも早く空は紅に染まり、辺りは暗くなり始めていた。俺はスーパーからの帰り道のため普段歩かない道を歩いている。
この道は普段通らないようにしている。なぜならあの堕天使と遭遇し、殺し損ねた公園の前を通らなければならないからだ。あの日以来この公園を俺は避けていた。ここの自分の甘さを突きつけられているようで怖かったからだ。
しばらくするとあの公園が視線の先に移る。足早に通り過ぎようかとも考えたが公園の前で足を止める。
(いつまでも避けていても仕方ないよな。
7年経ってやっと気持ちの整理がついてきたのかおれはそう考え公園の中へと入っていく。7年ぶりに入るこの公園は以前とちっとも変わらない。
(ここで俺は父さんと母さんが死んだ原因を作ってしまったんだ)
もう日が暮れ、空も紅さを失いつつあるこの公園には今は誰もいない。俺はベンチに腰掛ける。
(ここで迷わず奴を貫いていれば……)
色々と考えてしまう。後悔しても仕切れない。だがそれでも表情には出さない。なぜなら仮面を被っているから。俺は今藍染惣右介であって藍染惣右介ではないからだ。だから頭の中で何を考えようともその仮面を外してはならない。
(母さんは最後に幸せになれって言ってくれた。しかし俺にそんな資格あるのだろうか)
そう、父さんと母さんを殺してしまったも同然なこのおれに。今でも時々夢にみることがある。二人が光の槍に貫かれ死んでいく様子、そして堕天使が俺のせいだと叫んでいたことを。
それが引っかかり未だに誰かと仲良くなろうとも思えない。家に人なんてあげられない。
しばらくベンチに腰掛けて物思いにふけっていると不意に近くの茂みからがさりと音がした。振り向いてみると。
「黒猫か」
一匹の黒猫がいた。キョロキョロと辺りを見回しまるで何かに怯えているかのようにも見える。しかし
「傷だらけじゃないか。他の猫と喧嘩でもしていたのか?」
黒猫は傷だらけだった。その様子は痛々しく足取りも非常に不安定だ。手当てをしてあげるべきだろうか。ヨン様モードの
「大丈夫だ。僕は君を傷つけたりはしない。安心してくれたまえ」
俺が近ずくと黒猫は毛を逆立てて威嚇してきたので俺は黒猫にヨン様スマイルでそう告げた。
するとヨン様スマイルは安心感抜群のようで黒猫は警戒を解いたと思ったらその場で倒れてしまった。
「疲れていたのだろう。安心して休むといい」
しかしどうしたものか。手当てをすると言ってもこの場ではできない。家に連れて帰るべきだろうか。家には誰一人いれたくはないが目の前にいるのは黒猫。一人ではなく一匹ならば平気か。
そう俺が自分に対して屁理屈をこねていると不意に違和感を感じた。これは……。
「結界、か?」
そう、いつの間にか公園に結界が張られていた。この魔力は悪魔か? しかし普段のはぐれ悪魔のような気配ではない。となると普通の悪魔か?
なんでこの公園ではこんなことばかり起きるのか。この公園は呪われているのか?
とりあえず俺は万が一戦闘になってもいいように倒れている黒猫を出てきた茂みの方に隠し、公園の反対側へ歩く。また俺に巻き込まれて誰かが死ぬのはごめんだ。
そうすると複数の悪魔が俺の目の前に現れた。見た目は人間のようだ。やはりはぐれ悪魔とは全く違うな。そう悪魔たちを観察しているとリーダー格らしい悪魔が声をかけてきた。
「なんで人間がおれらの張った結界の中にいるんだあ? 気配は感じなかったが」
それはこの街にかけてある鏡花水月の催眠のせいだろう。俺の垂れ流しているはずの霊圧(魔力)を認識されないようにしてあるからな。そうしなければすぐに悪魔や堕天使に襲われてしまう。
「いえ、僕はたまたまこの公園を散歩していただけですよ」
とりあえず穏便に済ませようと当たり障りのないように質問に答える。
「そうか、ならいい。人間なんかに構っている暇はないからな。そうだ貴様、ここらで女を見かけなかったか?」
女? そんなの見ていない。そもそもこの公園には前から俺以外いなかったはずだ。こいつらはその女性を探しているようだ。
「いえ、見ていませんね。その女性に何か用事でもあるのでしょうか?」
その女性は仲間なのだろうか? そう考え軽く質問を返してみる。
「うるせえな、人間がおれに質問なんかすんじゃねえよ。殺すんだよ」
「殺す?」
「ああそうだよ。俺たちのために殺すんだ」
リーダー格の悪魔は汚い笑みを浮かべてそう答える。
何を言ってんだこいつ。もしかしてあの時のように自分勝手な理由で人を殺すつもりなのか? また俺の両親のような罪のない人を陥れようとするのか?
「どうだ、満足したか? そして記憶を消すのも面倒だからそんなことを聞いたてめえも殺してやるよ! さっき質問に答えたのを冥土の土産になあ!」
目の前の悪魔たちを俺を見てゲラゲラ笑っている。非の打ち所のないクズどもだ。おれは腹が立った、なんでこんなクズどもが生きているんだ。ここで殺そう。さらに被害が出る前に。こいつらは俺の地雷を踏んだ。
そう思って俺はメガネを取り髪をかきあげる。
「ちょっとは抵抗してみろよ! おれらが気配を感知できなかったんだ。もし見込みがあったら俺様の眷属にしてやるかもなあ!」
「君たちは有害すぎる。ここで歩みを止めてもらおうか」
「何余裕ぶってんだ人間風情が! てめえら! やれ」
判断するやいなや俺は鏡花水月を発動させる。本来一対多の状況では鬼道を使うのが効率的なのだが俺にはまだ鬼道は使えない。だからこうする。
「なっ! てめえらなんの真似だ!」
「死にやがれ! 人間!」
「一人でこの人数に勝てるわけないだろうが!」
俺は鏡花水月で下っ端たちに催眠をかけた。リーダー格が俺に見えるように。すると下っ端たちはリーダー格の方に攻撃を始めた。リーダー格は驚きながらも部下たちを相手取る。やはり下っ端たちよりは腕が立つようだ。
「てめえ、神器持ちだったのか! これか催眠か!?」
奴は俺がいたはず方向を向き怒鳴る。だが奴の視線の先にもう俺はいない。
「君が知る必要はない」
そう言いつつ俺はリーダー格の背後から奴の首を落とす。下っ端たちの相手をしている合間におれはすでに背後に回り込んでいた。奴の落ちていく顔が最後に驚愕していた。
「ははは! 所詮人間なんてザコだったなあ!」
「俺たち悪魔相手に一人でなんて勝てるわけないに決まってらあ!」
リーダーが殺されて下っ端どもは笑う。そんな馬鹿どもを見て俺は鏡花水月を解除する。
「砕けろ、鏡花水月」
「なん……だと……?」
「なんで死んでるのがあの人間じゃねえんだよ!」
口々に驚愕の言葉を口にする。隙だらけだ。
「あの人間はどk」
一人の悪魔の首を落とす。一斉に他の悪魔どもはこちらを振り向き驚愕する。そしてその隙に隣にいた悪魔の首も落とす。
「ヒッ! ば、バケモノめ!」
残り少なくなった下っ端の一人の顔が恐怖に染まる。
「バケモノは君たちの方だろう」
恐怖に足がすくんでいる間に残りの悪魔の首を全て落とす。やはり相手が複数の際は心臓を貫くよりも首を落とす方が効率的だ。
そうして悪魔たちと俺の戦闘は俺の蹂躙という結果で幕を閉じた。やはり鏡花水月は便利である。刀を振る回数も一人一振りと効率が良かった。スムーズな戦闘だった。もちろんこんなクズどもは死ぬ時は必ず驚愕か恐怖の中で殺す。笑顔でなんて逝かせてやるものか。
鏡花水月の弱点の1つである催眠無視の敵味方無差別の全体魔法などを使われていたらもう少し手こずっていただろう。やはりあの中でそれを使う可能性が最も高そうなリーダー格を最初に殺せたのは今回の戦いで最も評価する点だろう。
自己分析もほどほどに俺は髪を下ろしメガネをかけ直す。戦闘の時は前髪やメガネは邪魔なので外したりあげたりしているが、基本戦闘以外はヨン様モードだ。ヨン様モードの方が色々な人からウケが良く何かと都合がいい。
そして俺は最初の目的を思い出した。そうだ、あの黒猫は大丈夫か? 一応離れたところで戦闘していたから大丈夫だと信じたいが……。
黒猫の元に戻ってみると先ほどと変わらず気を失ったままだ。逃げ出してないということはあの戦闘の間も気を失ったままだったのだろう。よほど疲れていたのだろう、体のダメージもひどい。
「よかった。守ることができたようだね」
俺は心の中で安堵する。守れてよかったと。いくら猫とはいえ俺に関わったせいで死んでしまうのは辛い。そして猫とはいえ俺はこの世界で初めて何かを守れたのだと思う。
「もう少しの辛抱だ、すぐに手当てしよう」
黒猫を撫でながらそう呟く。せっかく守れたのだ、ここで見捨てるはずがない。一時的とはいえ守りたいと思えたのだからこの猫なら家にあげてもいい。最も人を入れるのはまだ先になりそうだが……。
そうして俺は片手に猫を抱き、片手にお供え物用のビールなどが入ったレジ袋を持ち公園を出る。そして公園の入り口で立ち止まり振り返る。
(父さんと母さんを守れなかったこの公園だけど、この公園で守れたものができたよ)
そう心の中で呟き、今度こそ家への帰路につく。空はすでに暗く、夜空には満月が輝いていた。
「ただいま、父さん、母さん。今日、俺は猫を守ることができたんだ。初めて何かを守れたんだ」
家に帰り仏壇にそう挨拶をする。
「もう少し待っててね、この猫の手当てが終わったら父さんが好きだったビールと母さんが好きだったケーキを持ってくるよ。今冷やしているからね」
そして俺はソファーに寝かせた猫の手当てを始める。正直猫の手当てなんて前世でもしたことがないため正しいのかはわからないが思いつく手当てをしていく。まず汚れた体を水に濡らした清潔なタオルで拭き、傷に軟膏を塗って包帯を巻いていく。そしてふと思った。
「あれ? 最初公園で見たときよりも傷が少ない気がするな? まあ、暗くなりかけてたし気のせいか」
なんだか先ほどより傷が浅くなっている気がする。しかしすぐに暗かったからだろうと忘れることにした。
なんとか黒猫の手当てを終えると生前の父さんの部屋に入る。部屋はまだ余っていたのだ。ちなみに今俺が使っている部屋は母さんと俺が一緒に寝ていた部屋だ。まだあの時は7歳だったから自分の部屋は持っていなかった。
父さんの部屋はこまめにおれが掃除しているので生前の雰囲気を崩すことなく清潔に保たれている。部屋のベッドにタオルを敷き、その上に猫を寝かせる。
「早く元気になるといいな」
俺は気持ちよさそうに寝ている黒猫を撫でる。
いかん、情が湧いてしまったか? でも一度守りたいと思えたんだ、このままここで飼ってもいいかもな。もう家に入れてしまったんだし。
そう考えつつ俺は父さんの部屋を出て仏壇に買ってきたものを供える。そして両親に今日会ったことを報告し、普段やらないことなどをしたため時間も遅いので日課の鬼道の暗唱と原作知識の確認はやらないことにする。
そして俺は軽く食事をし、シャワーを浴びてベッドに横になる。今日はなんだかよく眠れそうだ。あの猫を守って公園での嫌な思い出が少し払拭されたからかもしれないな。
そんなことを考えていると眠気が襲ってきた。
「どうしよう、猫に食べさせられるものがないわ。明日朝一で買いに行かなきゃ」
そう寝る直前に思いつき、明日は朝猫に食べさせるものを近くのコンビニにでも買いに行かなければならないと考える。
「明日は一日猫関連で忙しいかもな。何が必要なのかもわからないし、怪我の具合も見ないといけない。明日は鍛錬なしかなあ」
そこまで考えてもう眠気の限界がきたようで俺は目を閉じそのまま意識を手放した。
その日は両親の命日であり、悪魔を殺したにも関わらず、いつもの悪夢を見ることはなかった。
はい!オリ主は黒猫を拾いました!
ほとんどの方がもうお分かりだと思います。笑
ここからどう物語が進んでいくのでしょうか!
次回もお楽しみください!
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