ハイスクールD×D 〜鏡花水月とともに〜 作:bad boy
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それでは第五話どうぞ!
黒歌がうちに住みだしてから半年が経った。俺はいつものように鍛錬を行なっていた。もちろん黒歌に教わりながら。
黒歌は転移魔法陣が使えたため黒歌が来てからはいつもの山ではなく海外の誰もいない山奥で人目を気にすることなく鍛錬できていた。黒歌が結界を張ってくれることで鏡花水月を使うことなく鍛錬に集中できた。
そして黒歌に魔力の使い方を学んだおかげでとうとう……。
ド────ーン
「や、やっと出た!!」
「すごいにゃん惣右介! こんな魔法見たことないにゃ! 初めて聞いたときは何言ってんのこいつって思ってたけどほんとにできるとはにゃあ」
「ああ、ありがとう、これも黒歌が魔力制御について色々と教えてくれたおかげだよ。最後の方少しバカにされた気もするけどまあいいや」
「それにしても惣右介は色々と規格外すぎにゃ。身体能力お化けだし、膨大な魔力を持ってるし、神器の能力も使い勝手良すぎるし、ほんとに人間?」
「正真正銘人間だよ失礼な。人間、のはず。人間……だよな?」
最近俺も本当に俺が人間なのかと思い始めてきた。黒歌に教えてもらった話だとそもそも普通人間は魔力を持たないらしい。なんで俺が並の悪魔を余裕で超える魔力を有しているのか謎だ。
おそらくこれも転生特典なのだろうか。俺は潜在能力は鏡花水月の元の持ち主である
でもまだ本物には程遠い。彼は刀を使わせても一流だった。俺は剣術はからっきしだ、黒歌も剣は使わないので教わる相手もいない。しかしそこまで望むのは欲張りだろう。
「なんで自分で言っておいて自信なくしてるにゃん」
黒歌が呆れたように言ってくる。やかましい! こちとら慣れてきたがいまだに前世の常識引きずっとんのや!
「まあ多分人間よ惣右介は。他の種族の気配は感じないし、背中から羽が生えたりもしないでしょ?」
「ああ、そうだよな、俺人間だよな。サンキュー」
「そうそう安心していいにゃん。どうする? キリもいいしそろそろ切り上げて帰るかにゃん?」
「いや、あれが使えたなら他にも使えそうな魔法に心当たりがある。それを一通り試して今日は終わりにしよう」
「わかったにゃん。お腹すいたにゃあ」
「待ってろって、試すだけだからすぐ終わるから」
それから覚えているもを一通り試した後俺たちは家に帰った。
「またカ○リーメイト? ちゃんとした食事とったほうがいいにゃん」
「いや、でもこれバランス栄養食品だし、今までこれで生活できたし」
俺らは今夕飯を食べている。黒歌は鍛錬中に獲っていたのか家にはなかったはずの焼き魚を食べている。
「そういう問題じゃないにゃ! 美味しいもの食べるだけで心が豊かになるにゃ、体を休めるだけじゃなくて心も休めるべきにゃ」
「そうか? 別に黒歌が心配する必要なんかないのになあ、お前が食べたいものあったら買ってくるし」
「惣右介は一緒に住んでるんだし家族みたいなもんなんだから心配するのは当たり前にゃ。ただでさえ惣右介は修行バカで他のこと考えないんだから」
家族、か。そういえば俺のこと心配してくれる相手なんて今までいなかったもんな。そうか、黒歌は俺のことそんな風に思ってくれているんだな。最後の言葉に少し棘があったが。
「どうしたのかにゃ? ぼーっとして」
「いや、なんでもない。そうだなこれからは少しマシなものを食べるようにするよ」
「それでいいにゃん。ごちそうさま、私はお風呂に入ってくにゃ、覗いちゃダメよ?」
「バッ、そんなことしねーよ!」
「えー、別に覗きにきてもいいのににゃ〜」
「うっさい、俺は覗かないから早く風呂いけって」
「はいはい、じゃあ行ってくるにゃん」
そこまで話して黒歌は風呂場へ向かった。
そしてその後はお互いの部屋に入り、俺は日々の日課の鬼道の暗唱や黒歌に教えてもらった知識と原作知識のすり合わせをしてベッドに横になる。俺が主人公と同じ学年だとするならば原作開始まで後2年というところか。
「家族、か」
黒歌は俺のことを家族のように思ってくれているらしい。あの言葉は7年間一人で過ごしてきた俺に深く刺さった。
俺としても7年一人であった頃と比べて話し相手がいる今ははるかに心地がいい。誰かと「おはよう」挨拶をし、食事をし、「おやすみ」と言いあう。このような当たり前の日常を俺は望んでいたのかもしれない。
だが、俺たちにはまだ壁がある。お互いに踏み込んだ話はしないようにしている。俺は黒歌にこの街に来た理由やはぐれ悪魔になった理由を聞こうとはしてこなかった。それに黒歌は鍛錬が休みの日はどこかへ出かけている。帰ってきても手ぶらなので買い物というわけでもない。それについても問い詰めようとは思わなかった。
黒歌にしても俺がなんで一人だったのか、なぜ外で自分の姿をごまかしているのか、なぜ強くなろうとするのか関して聞いてこない。俺が毎日仏壇の両親に挨拶しているのを見ているにも関わらず。
そろそろお互い腹を割って話すべきなのかもしれない。俺たちが本当の意味で家族のようになるためには今のままではいけない、今はただの家族ごっこだ。ただお互い自分にメリットがあるから一緒にいるに過ぎない。
俺としてはようやく俺自身を見てくれてる相手ができたこの生活を失いたくはない。今のままでは何か起きればこの日常は簡単に崩れてしまうのだろう。
「明日にでも話すべき、かな」
家族になろうとするならばお互いの汚い部分も見せ合う必要がある。
ならば明日の鍛錬は中止してゆっくりとお互いの話をするべきだ。
そう明日の予定を頭の中で書き換えながら目を閉じる。
「最近寝る前に考え事をするのが習慣になってやしないか?」
────黒歌side
私は今日自然と目が覚めた。
私は基本朝に弱いからいつもは朝「鍛錬行くぞ! 早く起きろ!」と惣右介が起こしに来てくれるのだが今日はなぜか起こしに来なかったようだ。
惣右介も寝坊することがあるのか? とふと思う。あの修行オタクが寝坊なんかするのだろうか。
惣右介の家に居候するようになってからもう半年が経つ。正直こんなに長くここにいることになるとは思っていなかった。
どうせすぐに追手の悪魔に見つかって惣右介を巻き込まないためにここを出るものだと思っていた。
だが、惣右介の神器鏡花水月の能力は凄まじく知ってても確実にかかってしまう。聞いたことのない神器だがそのおかげで今だに追手に見つかる気配はない。
それにここでの生活は心地いい。追手の心配をすることなく普通に食事をして普通に誰かと話して安心して夜眠れるここでの生活は。
それに惣右介は信頼できるいい人だ。修行のことしか頭にないばかな人だが、私のことを助けてくれて、こんな私を気にかけてくれてここにいていいと言ってくれる優しい人だ。
そして家の中と外で人が変わりすぎるのが面白い。戦闘中になるとさらに人が変わるから最初は「三重人格?」と笑ってしまった。だが本人に聞いてみたらあの姿は数年後の自分の姿だと言う。確かに今の彼にあの姿の面影がある最初は兄弟だと間違えたくらいには。数年すればあんなカッコ良い男になるのか。おっと思考がそれてしまった。
惣右介は場所を提供する代わりに魔力の使い方を教えてもらうから俺たちは対等だと言っていたがそれも疑問だ。
惣右介はものすごく強い。魔力量も膨大だし身体能力も高い。それに昨日成功させた見たことのない魔法の数々に加え神器まである。最上級悪魔と戦っても勝てると思う。本人は俺なんて弱いとよく言うがそんなことはないと思う。
正直私がいなくても平気な気がする。以前欲に溺れたはぐれ悪魔と戦いのを見たが、普段のバカさはどこに行ったのかとても冷静で容赦がなかった。
でも、私はこの生活を失いたくないと思っている。そんなのダメに決まっているのに。
惣右介に迷惑がかかる前に出ていかなければならないのに。
「黒歌〜、起きてるか〜?」
部屋のドアの前から惣右介の声が聞こえた。
「起きてるにゃん」
「そうか、今日は鍛錬は中止だ。朝飯を食べたら買い物に行くぞ。昨日マシな食事をするって約束したしな」
なるほど、だから今日は朝早くに起こしに来なかったのか。休みなら白音の様子でも見に行こうかな。
「わかったにゃん、今からリビングに行くから待っててにゃ」
そうして私たちは必要なものを買いに行った。食料だけではなく、パンを焼くためのトースターやキッチン用品なども買いに行った。
買い物から帰ってきたらとりあえず買ってきた惣菜で昼食をすませる。この後はどうするのだろうか、午後からはまた修行でもするのか。
「ねえ惣右介、買い物はもう終わったけどこの後はどうするにゃ? やっぱり修行?」
「いや、今日の鍛錬は無し。今日はお前としっかり話さなきゃなと思ってな」
「話す? わざわざ何話すのにゃ?」
「その、昨日お前俺のことを家族みたいなもんだって言ってたよな?」
なんの話をするのだろうか。確かに昨日は会話の流れでそのようなことを言った気がする。
「確かに言った気がするけど、それがどうかしたのかにゃ?」
「家族になるためにはさ、もっとお互いのことを話さなきゃなと思ったんだ。黒歌はなんで俺がここまで強くなろうとするのか知らないだろ? 俺も黒歌がはぐれ悪魔になった理由だったり色々と知らない。俺らはお互い無意識に壁を作っていると思うんだ」
「っ!!」
私は息を飲んだ。そうだ、確かに私は惣右介のことを何も知らない。なぜあそこまで修行にこだわるのか、きっとあそこの仏壇の写真の人たちも関係するのだろう。
それは今まで避けてきたことだ。それを聞くにはきっと私も色々と話さねばならないから。彼に話して嫌われたくなかったから、この心地いい場所が壊れてしまう気がしたから。
でもここまで言われたら私も覚悟を決めなければならない。きっと惣右介も話したくないことを話そうと覚悟を決めてこの話を持ちかけてきたのだろうから。
全て話そう。それで嫌われてしまったらここを出て行くしかない。
「わかったにゃ。全部話すにゃ、私も惣右介がなんでそんなに強くなることにこだわってるのか知りたいし」
「ああ、じゃあ俺も全部話すよ。俺がここまで強くなることにこだわる理由、それは〜」
惣右介は話し始めた。
「〜以上が俺が強くなろうと思ったきっかけ、そして半年前までずっと一人だった理由だ」
ひどい話だった。こんなの7歳の子供がしていい経験じゃない。目の前で両親が殺され、さらにその原因は自分にあると言われたのだ。そんなはずはないのに。
そしてその後7年も誰にも認識されずに生きてきたなんて私には絶対耐えられそうもない。私は惣右介の話を聞いて涙が止まらなかった。
「なんで、なんで惣右介がそんな目に合わないといけないんだにゃ? 何も悪いことなんてしてないのに」
「いや、俺が甘いのがいけなかったんだ。それ以降俺はまた守れなかった時壊れてしまいそうだったから誰もこの家に入れず、誰にも認識されずに一人で生きてきた」
「そんなことないにゃ! 惣右介は甘いんじゃない、優しいんだにゃ! そんなに苦しむ必要なんてないにゃ!」
惣右介が悪いわけない! だってこんなに優しいんだから。こんな人を一人になんてしておけない。
「それに今は一人じゃないにゃ! 私がいるにゃ! 一人で背負いこむ必要なんてないにゃ!」
「ありがとう黒歌、お前は優しいな。よければ今度は俺に聞かせてくれないか? 黒歌のこと」
「わかったにゃ」
私は全部話した。私が元々は猫魈という妖怪だったということ、妹を守るために眷属悪魔になり、主人を殺したということ。そして妹がグレモリー家の眷属となり、この街にある駒王学園の中等部へ通っておりそのためにこの街に訪れ今でも時々様子を見に行っていること。
「そしてあの時追手の悪魔に追われていて惣右介に助けられて、今ここにいるってわけにゃ」
「そうか……。黒歌みたいな優しい奴がどうしてはぐれ悪魔なんかにとは思っていたがなるほどな」
「やっぱり私のこと嫌いになったかにゃ? 主人を殺したなんて……」
嫌だな、惣右介に嫌われるの。この生活も終わりなのかな。
「は? 嫌いになんてなるわけないだろ?」
「えっ?」
「だってお前は何も悪いことしていないじゃないか。主人を殺したのだって妹のためなんだろ? それでお前は自分を犠牲に妹を守り切ったんだ。すごいよ、嫌うどころかむしろ尊敬する」
え? 嫌いにならないの? そんなこと言ってくれるの?
「でも、結局妹を最後まで守れなかったし……」
「でも妹さんはまだ生きているんだろ? ちゃんと守れているじゃないか」
こんなに優しい言葉をかけてもらえるとは思ってなかった。また泣いてしまいそうになる。
「そう、かにゃ? 私、本当に白音を、守れた、のかにゃ?」
「大丈夫だ、泣きそうな顔すんなって。お前は妹さんを守れたんだ。現に今も遠くから見守ってるだろ? 俺なんかよりよっぽど立派だよ黒歌は」
そういって惣右介は私の頭を優しく撫でてくれる。
「安心してくれ、お互い腹の内見せ合ったんだ。俺たちはもう家族だ、
そう彼は綺麗な笑みをこちらに向けて言った。普段外で浮かべる仮面の笑顔ではなく、彼本来の微笑み。綺麗で優しい笑顔だった、誰かに守るなんて言われたのは生まれて初めてだった。
不意に顔が熱くなる。あれ、おかしいな私年下は好みじゃなかったはずなのに。きっと照れているだけだ。
「ん? どうしたんだ? さっきから下を向いて黙って」
「な、なんでもないにゃ! その、守るなんて言われたの生まれて初めてだったからなんて言えばいいのかわからなかっただけにゃ!」
まずい、惣右介の顔をまともに見れない。私ってこんな簡単な女だったか? 落ち着け私!
「そういう時は、ありがとうって言えばいいんだよ。もう俺たちは家族なんだから家族を守るのは当たり前だ」
「あ、ありがと、にゃ。私も家族だから惣右介が危ない時があったら守るにゃ!」
家族、この言葉の重さは彼が誰よりもわかっているはずだ。ってことは惣右介は私を大事に思ってくれてる? 流石に飛躍しすぎか。
「ああ、ありがとな黒歌!」
そう彼は満面の笑みを浮かべた。思わず見とれてしまった。その笑顔は反則にゃ。
そのあとはお互いの昔のことなどの話題で談笑していたら夜になっていた。
そして夕食を食べているときに惣右介がふと提案をしてきた。
「俺、高校生の年になったら駒王学園に入学することにする」
「え、急にどうしたんだにゃ?」
「いや、お前いつまでも妹と離れ離れなんて嫌だろ? だから俺が駒王学園に入って接点作ればお前らが話し合える機会を作れるかもしれないだろ? それに俺が近くにいれば何かあった時守ってやれる、黒歌の家族は俺の家族でもあるからな!」
やっぱり惣右介は優しい、普通はここまでしてくれない。学校に通うということは修行の時間が減るということだ。自分の大切な時間を削ってまで私たちの姉妹のためにそこまでしてくれるなんて。
そしてそこまで私のことを考えてくれていることを嬉しく思う。あれ? でも学校に行くってことは二人でいる時間が減るていうこと? それはそれで寂しいな。
「惣右介、ありがとにゃ。私たちのためにそこまで考えてくれて」
「何言ってんだ、さっきも言っただろ俺たちは家族だ。家族が笑顔でいられるようにするのは当然のことなんだよ」
「うん、ありがとう、惣右介。その時は白音のことよろしく頼むにゃ」
「おう! 任せろ!それとこれ、常に持っておくようにしてくれ。」
そう言って惣右介は私にお守りを渡してきた。
「これは、お守りかにゃ?」
「ああ、そしてその中には鏡花水月の欠片が入っている。それを常に持っていれば俺の完全催眠にかかることはない。家族である黒歌にはありのままの俺を見ていて欲しいからな。」
そう言って惣右介は微笑む。嬉しい、ありのままを見ていて欲しいだなんて。私は顔がにやけないようにするのに必死だった。
「ありがとうにゃ、ずっと持っておくようにするにゃ。」
「ああ、よろしく頼む。」
そして夕食を食べ終え、しばらく談笑したあと就寝の時間の迎える。
「おやすみ黒歌。明日は今まで通り鍛錬やるからな」
「了解にゃ。おやすみにゃん、惣右介」
お互いにおやすみを言い、自分の部屋に入りベッドに横になる。
今日は色々ありすぎて心なしか疲れた。
でもお互い隠し事なしで具べて話せたおかげで私たちは本当の家族のようになれたと思う。
惣右介が私のことを嫌いにならないでくれてよかった。守るって言ってくれて嬉しかった、白音のために学校に通うと言ってくれて感謝した。
そして、もう1つ。こっちの方が重大な問題。私が惣右介を好きになってしまった。
最初は守るって言ってくれたことに対しての照れかも知れないと思ったが時間が経ってもドキドキしっぱなしだった。
今まで言い寄られることはあっても、こんな経験は初めてなためどうしていいかわからない。
そう言えばどこかで好きな人の心を掴むためにはまず胃袋を掴むって聞いたことがある。
これは今の彼には非常に有効な作戦ではなかろうか。惣右介は今まで決して良いとは言えない食生活を送ってきた。
私が料理をしてあげることがアピールにつながるかも知れない。正直料理なんてしたことがないがそこは練習していけばいいだろう。
それに彼は家の中でしか本来の自分でいられないと話していた。つまり彼の本当の姿を見れるのは私だけということ。それだけ私を信頼してかれてるのだと思うととても嬉しい、そしてライバルがいないのはありがたい。
とりあえずの作戦を頭の中で完成させ、私は目を閉じる。
明日からの生活がすごく楽しみだ。こんなに安らかな気持ちになれたのは本当に久しぶりだ。
それと、家族なんだからスキンシップ増やしても大丈夫だよね?
私を好きにさせたんだから責任とってよね、惣右介。
はい!ここで二人は本当の意味で家族のような存在になれました!
そして、黒歌が墜ちました!笑
次回以降も是非お楽しみください!
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