ハイスクールD×D 〜鏡花水月とともに〜   作:bad boy

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はい!bad boyです!

今回からいよいよ原作突入です!

主人公がどう原作に絡んでいくのか、お楽しみください!

それでは第七話どうぞ!


旧校舎のディアボロス
第七話 加速する日常


 とうとう俺も高校二年生になった。この1年間は特に大きな事件も起きず平和な日々だった。

 

 だが俺は数少ない原作知識で知っている。今年から大きな事件が多発すると。

 

 だから俺はこの1年間も鍛錬をサボることはなく、家族を守れるように強くなろうとした。

 

 その結果として魔力を一瞬一部分に集中させ、その部分の強度を上げることによって攻撃力、防御力を強化することができるようになった。

 

 これから先は事件が起こりまくるためまとまった鍛錬の時間を取れるかはわからない。今の強さでどこまで通用するのかわからないが今できることを精一杯やるしかない。

 

 正直これから起こる事件の詳細や時期などは覚えていない。その中で俺は家族を守りぬかねばならない。

 

 

 

 

 

 そして1つ驚いたことがある。多分黒歌が原作の登場人物であるということだ。

 

 それは俺が二年生になり、妹の白音ちゃんが高校一年生になったということで黒歌とともに鏡花水月で気配を消して様子を見に行った時の話だ。

 

 白音という名前は俺の原作知識に引っかからなかったので安心していたのだが、いざ蓋を開けてみれば原作の登場人物だった。

 

 白音ちゃんはその名を塔城小猫と変えており、その名前は俺の原作知識に引っかかった。その時はやってしまったと思った。

 

 まさか自分が気付かない間に原作改変をしていたとは。

 

 しかしよく考えてみればそれでもいいのかもしれないと考えた。

 

 おそらく黒歌は俺に会うことがなければあのまま一人で過ごしていたのだろう。ならばここで俺が原作を変えても本人にとってはプラスなのではないだろうか。あのまま一人でいるよりかは今の環境の方が黒歌にとっては幸せだと思いたい。

 

 そもそも黒歌が原作にどう関わっていたのかなんて覚えていないし、気にすることでもないかと考えた。

 

 しかし困った。黒歌と白音ちゃんを仲直りさせるためには原作に関わっていけないかもしれない。なぜなら彼女はオカルト研究部の部員であり、俺と接点が全くないからだ。

 

 さてどうしたものか。数日前から堕天使の気配がするがきっとこれが原作の始まりなのだろう。俺はどう動くべきか。

 

 

 

 

 

「なあ藍染!! 聞いてくれよ!! 俺に彼女ができたんだ!!」

 

「本当かい?」

 

 ある日、兵藤一誠に彼女ができたらしい。こんな変態がいいなんて物好きな女もいるのだなあ。

 

「マジなんだって! ほら! 写真見ろよ!」

 

「なるほど、綺麗で性格も良さそうじゃないか。おめでとう兵藤君」

 

「へへっ、ありがとな!」

 

 彼女の名前は天野夕麻というらしい。見た目も良く、兵藤一誠が好きそうな女だ。

 

「イッセー死すべし……」

 

「裏切り者め……」

 

 少し離れたところで兵藤一誠に恨みのこもった眼差しを向けているのは松田と元浜という生徒だ。彼らは兵藤一誠の変態仲間であり、よく女子更衣室などを一緒にのぞいている。

 

 そして俺はその二人とはあまり接点がない。あの二人はイケメンを嫌悪しており、『学園のお兄様』といつの間にか名付けられ、裏で『藍染様』と呼ばれているらしい俺にはあまり近寄ってこない。

 

 イッセー曰く今日はその彼女とデートがあるらしい。

 

「そうなのか、応援しているよ兵藤君」

 

「サンキュー! 絶対いい報告持って帰ってきてやるから待ってろよ!」

 

「ああ、楽しみにしているよ」

 

 そう言って彼はスキップをしながら離れていった。

 

 放課後にちらりと校門付近に見えた彼の彼女から堕天使の気配がした。

 

 数日前から感じている複数の堕天使の気配に、聞く限りでは初対面の女、それに堕天使からの告白からのデート。怪しいな。

 

 

 

 

 

 

「あの変態にできた彼女、多分堕天使にゃ」

 

「やっぱりそうだよな〜」

 

 黒歌も気付いていたようだ。

 

「どうするつもりにゃん?」

 

「うーん、とりあえずは様子見かな。まだ何もしてないわけだし。前の俺ならすぐに消しにいってただろうけど、黒歌みたいな例もあるし、堕天使も全員が全員あの堕天使みたいなクズじゃないと俺は思いたいよ」

 

 あの堕天使のことは今でも思い出すたびに声が震える。そう簡単に過去なんて断ち切れるもんじゃないな。

 

「わかったにゃ、惣右介がそう言うなら私も気にかけるだけにしとくにゃ」

 

 そういって黒歌は俺を後ろから抱きしめてくれる。優しいな黒歌は。

 

「ありがとうな、黒歌」

 

 それに比べて俺は情けない。甘さを捨てようと思ったのに、まだこんなに甘い。

 

 そんなことを考えていると、

 

「っ!!」

 

 これは、堕天使の力の気配? 他の気配を感じないと言うことは人間を襲っているのか!? 

 

「惣右介、この気配……」

 

「ああ、堕天使だ。しかもおそらく人間を襲ってる。黒歌、ちょっと行ってくる」

 

「わかったにゃ、惣右介なら大丈夫だと思うけど気を付けてね? 

 

「ああ、家族を残して死ぬ気はないさ」

 

 そう言って俺は伊達眼鏡を外して家を出た。

 

 

 

 

 

 堕天使の気配がしたのはとある公園。またこの公園かよ! 

 

 この公園人外を引き寄せる魔法でもかかってるのか!? 

 

 そんなことを考えながら公園に入ると堕天使とその光の槍に貫かれた兵藤一誠がいた。結界が張られていたがそんなの俺に通用しない。

 

「あら? 人払いの結界を張っていたのだけれどなぜここに人間が入ってきたのかしら?」

 

 そう言ってきた堕天使は見せてもらった写真とは別人のようだが彼の彼女のはずの天野夕麻だった。

 

「堕天使の気配を感じたからね、様子を見にきたのさ」

 

「ふ〜ん、そう言うってことはあなたも神器持ちなのかしら?」

 

 なるほど彼に近付いた理由は神器が狙いだったのか。まるっきり俺の時と同じだな。やっぱり堕天使ってこんな奴らばかりなのか? 

 

 兵藤一誠の様子をちらりと確認する。どうやら死にかけてはいるがまだ息はあるようだ。なるほど、これで悪魔に転生して原作が始まるのか。彼がどうやって悪魔になったのか覚えてなかったがこういうことか。

 

「そうだよ。私は神器を有しており、そこで死んでいる男の知り合いでもある」

 

「あら一誠君の知り合いだったんだあ。まああなたもここで死ぬから関係ないけどね!」

 

 そう言って堕天使が光の槍を構えたため俺も鏡花水月を構えたタイミングで背後に魔法陣が浮かび上がった。

 

「っ! ここは一旦引くべきね。当初の目的は達成したわけだし。あなたはまた今度殺してあげるわ」

 

 そう言って堕天使は去っていった。ここで消しても良かったのだが兵藤一誠を見捨てるわけにもいかないだろう。俺は戦闘が終わったので伊達眼鏡をつける。

 

 

 

 

 

 

「貴方が私を呼んだのかしら?」

 

 魔法陣のあった場所から声が聞こえた。

 

 そこにいたのはリアス・グレモリー。原作の重要人物であり、駒王学園の2大お姉様の片翼であり、悪魔である。

 

「いや、僕は呼んでいませんよ。おそらくそこの兵藤君が呼んだのでしょう」

 

「っ!! これはっ!! 貴方がやったの?」

 

 あれ? なぜかリアス・グレモリーがこちらを睨んでいる。

 

 状況を整理しよう。兵藤一誠は体を貫かれ瀕死、俺は鏡花水月(刀)を手に持っている。それをリアス・グレモリーが目撃。

 

 なるほど俺が兵藤一誠を殺したと思っているわけか。まずは誤解を解くべきだな。

 

「いえ、違います。彼をその状態にしたのは堕天使ですよ。僕がこの場に駆けつけたときはすでにその状態でした」

 

「堕天使の存在を知ってるの? それにその刀おそらく神器ね」

 

「そうです。彼が光の槍に貫かれ、僕も堕天使に殺されそうになったので神器を構えたタイミングで貴方が現れたというわけです」

 

「なるほど、本当かどうかはわからないけれどそういうことにしておくわ。貴方に敵意はないようだし」

 

 良かった。誤解はすぐに解けたようだ。

 

「後で話を聞く必要がありそうだけど、それよりもまずはこの子ね」

 

 そう言うとリアス・グレモリーはチェスの駒のようなものを取り出し彼の胸に置いた。するとその駒は彼の胸に溶け込んでいき傷が塞がっていく。なるほど、これが悪魔の駒(イーヴィル・ピース)か。

 

「あら? 1つじゃ足りないようね」

 

 どうやら足りないらしく1つ、さらに1つと駒を置いていく。

 

「ま、まさか兵士(ポーン)を全て使い切るなんて……」

 

「彼を悪魔に転生させたのですか?」

 

「ええ、そうよ。それにしても貴方悪魔の駒(イーヴィル・ピース)のことも知ってるなんて、やはり話を聞く必要があるわね。貴方確か駒王学園の生徒よね、『学園のお兄様』だったかしら?」

 

 その呼び名はやめろ!! 

 

「はい、そこの兵藤君と同じ教室ですよ」

 

「そう、それなら後日貴方たちの教室に迎えの者を送るからその人の指示に従ってちょうだい」

 

「はい、わかりました」

 

「それじゃあ私はいくわ。貴方ももう遅いのだから早く帰りなさい」

 

 そう言ってリアス・グレモリーは兵藤一誠を連れて魔法陣で去っていった。

 

 

 

 

 

 

「〜ということがあった」

 

 俺は家に帰ると夕飯を作って待っていてくれた黒歌に夕飯を食べながら先ほどあった出来事を報告していた。

 

「あの変態が悪魔ににゃあ、それで惣右介はどうするのかにゃ?」

 

「とりあえず当たり障りのないように話をするよ。それに本当の目的はその場にいるであろう白音ちゃんと知り合いになることだからね」

 

 そう、あの場で俺が鏡花水月を使って俺のことを忘れさせなかったのは、白音ちゃんと知り合いになるチャンスだと考えたからだ。

 

 正直彼女は学年も違うし、普段はオカルト研究部の悪魔たちとよく一緒にいるため話しかけづらかった。

 

 ここでオカルト研究部の面々と顔見知りになっておくのは黒歌のためにもプラスだと俺は考えた。

 

「私なんかのためにありがとにゃ、惣右介」

 

「何度も言ってんだろ、家族なんだから遠慮なんていらねーって。好意は素直に受け取っとけよ」

 

「うん、ありがとにゃ。明日も惣右介のために頑張ってご飯作るにゃ!」

 

 そう言って黒歌は笑顔を作る。不覚にも俺はその笑顔に一瞬見惚れてしまった。そういえば黒歌ってかなりの美人だよな、俺が黒歌と同居してるなんて兵藤一誠が知ったらきっと発狂するんだろうな。

 

 こんな美人に毎日飯作ってもらえてるなんて俺は幸せ者なのかもしれないな。

 

 って、俺は何考えてるんだか。黒歌は家族だぞ、家族に何やましいこと考えてんだよ俺。

 

「ああっ、ありがとな黒歌」

 

 若干どもってしまった、恥ずかしい。

 

「あれ〜、惣右介顔が赤いにゃ〜♪」

 

「っ!! うっせーな! 風呂入ってくる!!」

 

「背中流してあげようかにゃ〜?」

 

「か、からかうなよ! じゃあ行ってくる!」

 

 そう言って俺は逃げるように風呂場へ向かう。

 

 ったくからかいやがって。黒歌みたいな美人にそんなこと言われると本気にしちまうだろうがっ。

 

 

 

 

 

 そうして風呂に入りなんとか冷静さを取り戻したところで就寝の時間になり、俺はベッドに横になる。

 

 明日は悪魔たちとご対面か、これからどう立ち回るかな。

 

 

 

 

 

 

 そして翌日……。

 

「おい、藍染!お前天野夕麻って子のこと覚えているか!?」

 

 




はい!ということで原作開始です。

これから彼はどのように立ち回っていくのかをお楽しみください!

感想・評価待ってます!誤字訂正してくださった方はありがとうございました!

それでは次回もよろしくお願いします!

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