ですので今日から新規投稿していきます。
この小説についてですが、
前回同様にワードで一話分を書いてから載せますので、
4500文字以上9000文字未満で一部構成。
9000文字以上13500文字未満で二部構成。
13500文字以上で三部構成とさせていただきます。
まだ書きたいこともありますが、
最初から前書きを長々書くのもなんなので、
この辺りでやめます。
それでは00話を投稿です。
平成25年4月10日7:30
「でか……」
それがアレを見た第一声だった。ソレはあまりにも巨大で素人目にもうまいと思う。だが、問題はそこではなく確かに昨日の放課後にはなかったというところだ。
それが今朝登校していきなりグラウンドの中央にあれば驚かない方が無理と言うものではないだろうか。つい二度見をして足を止めてしまった。
周りに人は少ないが全員が足を止めている。その中の多くは写メを取っていた。
とりあえず俺も写メをとるか。そう思いポケットの中から携帯を取りだしカメラを起動。
「カシャ……っと」
実際の音は「ピピッ」と言う音なのだが、気にしない。カメラの音と言えばこれなのは言うまでもないだろう。
それにしてもこの砂の城はでかすぎる。しかも、西洋の城ではなく日本の城だ。鯱までいる。石垣や瓦も見事に再現されていて、とても一日を使っても完成できないようなものに見える。
というか、この量の砂をどこから持ってきたんだ? 誰が何の目的で? 疑問は深まるばかりだ。その時、
「まーた
「あいつしかこんなことする奴いないだろ」
「それはそうだ。こんなことをするのがこの学校にそんなにいてたまるか」
「確かに。でも凄いよなー……いつもながら」
「そうだ……な。いつもながら」
そんな呆れと感心の混じった会話が右のほうから聞こえてきた。
その話からするに、この城は「吹田?」という人物が作ったらしい。これで誰が? というのは分かったが、どんな人間なんだ? 相も変わらず謎は深まる。
しかし、いつまでもそうしているわけにもいかないので俺は教室に向かうことにした。
……本当は無意味に立っているのが面倒になっただけだ。考えるだけなら椅子に座ってもできる。
平成25年4月10日7:36
まだ登校3日目の教室のドアを開ける。
「やっぱり誰もいないか」
その方が大して親しくも無い奴に無意味に挨拶をされなくていいから楽なのだが。
まぁそれはさておき、俺は別の角度から城を見ようと窓に向かう事にする。
「……っと。ここからでもはっきり見えるな」
下からは見えなかった部分もしっかりと作られていた。っていうか、本当にどうやって作ったんだアレ……。
そんなことを気にしながらも、とりあえず俺は椅子に座って寝ることにした。何故かというと眠いからだ。
……なにも本気で寝るつもりではない。ただ、考え事なら眠りながらでもできるだろう。
それから体感時間で数十分程度の間、城についての思考に2割、眠気の解消に8割程度を使いながら机に突っ伏していると……
「……きろって……」
……前方から声がした、気がする。だが眠い。メンドイ。
「起き……って……」
体が揺れている感覚に見舞われる。実際揺らされているのだろうが。
だが断る。それでも面倒なんだ。
「起きろって」
そろそろ反応しない事の方が面倒になってきた。まぁ、本当は眠気も大分とれているのだが。
「起きろって」
……仕方がない。さらに面倒なことになる前に起きるか。
俺がそのままの体勢で顔を上げると、声の主、と言うか幼馴染の友人は予想通り前にいた。
「朝っぱらから何だ……ムロッグ」
面倒くささからとりあえず気だるげ体を起こしてあだ名を呼んでやる。
「誰だよソレ……」
違ったようだ。わざとだが。
「気にするな。で、なんかあったのか? ムロ」
「何かっていうか、外のアレ見たか?」
そう言いながらムロは前の席の椅子の背もたれ部分に座る。
そのままひっくり返ればいいのに……あ、そうしたら俺に被害が出るか。それは面倒だな……やっぱりひっくり返らないでもらいたい。
まぁそんなことはいらぬ心配だろうから放っておいて。
「あぁ……来た時に見た。というか、見ない方が難しいだろ」
「だよなー。アレ作ったの、2年の吹田先輩らしいぜ」
「ふーん……」
2年っていうのは初耳だったな。人が増えたから情報量も増えたのか。
「実際どんな人なんだろうなっ?」
ムロは興味があるようだ。
俺も興味がないと言えば嘘になるが……とりあえずは。
「きっと変な人だろ。じゃなきゃあんなことしないだろうに」
「だよなー」
普通の人はあんなことしないし。
「……でも、どんな人かっていうのは確かに気になるな」
俺は突っ伏すのをやめて肘をつく。
「だろ?」
「まぁこの学校の有名人だろうし、そのうち分かるんじゃないか?」
「だな。そういえば、今日は部活紹介が1限から体育館であるらしいぜ」
「体育館か? それはそれは面倒な……」
それほど遠くはないが動くのが面倒。それにこれから進級するとともにさらに遠ざかると思うと非常に億劫だ。
「まぁそう言うなって。どうせ部活決めてないんだろ? だったら見といた方が良いだろ」
そう。本当は部活なんて面倒なもの入りたくないが、部活は強制なのだ。この学校。なんと面倒な……
「まぁ……入るからにはちゃんとやりたいし、面白そうなところでも探さないとな……お前はどうせバスケ部だろ?」
「もちろん! だから俺にとってはこれからの時間はただの休み時間ってこと。嬉しい限りだぜ」
ガッツポーズしてるよ、コイツまじだ。
「確かに決まってるなら関係ないな」
「あぁ。寝たい放題だぜ」
「……周りに迷惑かけないようにな」
「大丈夫だって」
「まぁ、いいけど」
俺に飛び火が来なければ別にいいか。
「モリツネは何か目ぼし付けてる部活ないのか?」
「メジャーなもの以外は何部があるかすら分からないし」
「そういえば俺もメジャー以外は知らないな。なんか面白そうなところがあるといいな?」
「そうだな……」
あるといいんだけど。はぁ……とりあえずこれから探すしかないか。
「まだ期間はあるし。確か2週間くらいだっけ? ゆっくり探せばいいと思うぜ」
「こういうのは後になるほど選びにくくなるものなんだよ。そんな状態で決めるよりは早めに決めちまいたいところだ」
こういうのは早めに決めた方が後々面倒事にならなくて済むと相場が決まっている。
「じゃぁ、なおさら今日のはよく見ておかないとな」
「元からちゃんと見るつもりだったから問題ないが、寝る事確定のお前にそれを言われるのは微妙な感じなんだが」
「気にしない気にしない」
面倒だから別にこれ以上何も言わないけどさ。それにしても部活動紹介は良いとして、なにより移動が面倒だ……ホントに面倒。それでも行くんだけどさ。
家が近いからとは言え、この学校を選んだのは自分。その時点で俺には選んだ責任がある。
だからやる事はしっかりとやらなくてはいけない。たとえ面倒くさがりでも無責任な人間にだけはなりたくないから。
平成25年4月10日9:29
部活動紹介が始まってそれなりの時間が経った。
ようやくスポーツ系が終わったか……もとよりスポーツ系に入るつもりはさらさらなかったわけだし、無駄な時間と言っても過言ではなかった。
そして、こっからそれ以外なわけだ。面白そうなところがあればいいんだが……。
『ここで、10分間の休憩を取ります』
そんな放送が流れた。
とりあえず休憩か。眠……。
それから休憩時間も終わって文科系とかの紹介が始まったのだが……いまいち良いところがないな。文科系はパフォーマンスも少ないし短くてその辺は良いんだけど。
『それでは、次の部活の人は紹介をお願いします』
しかし案外部活の数が多いな。強制だからか? だがそうすると変な部活やら幽霊部員も多いんじゃないかと思うんだけど。
そんなことを考えている間にも次の人が出た。
……なんだかかったるそうだな。
『調査解決部部長の吹田だ』
マイクを通して部活名と名前が告げられる。
さっそく変な部活が来たな……それにしても吹田? どこかで聞いたことがある気がするんだが。
『この部活では調査及び解決して欲しい事件、出来事を募集してる』
……あぁ、城を作ったらしい人だ。予想通りだけど男だったんだな。
『ただし興味の出ないものは相手にしない』
いいのかそれで……。
『成功報酬は取らない。が、自発的に持ってくるのは自由だ』
それは持ってこいと言っているんじゃないか?
『活動内容は、依頼に対しての調査解決』
物凄い大雑把だな。
『以上で終わりだ』
え、終わり?
辺りがざわつく中、「吹田」と名乗った人はマイクを置いて待機場所に戻った。
……まぁ、正直今までの中で一番インパクトはあったな。というか紹介と言うか説明文をそのまま読んだような見事な棒読みだった。これは紹介という枠組みで良いのだろうか。
『……はい。それでは次の部活の人は紹介をお願いします』
でも、なんていうか……正直に言うと面白そうではあるよな。興味を引かれる。あんな人が部長を務める部活っていうのも気になるし。
……一応見に行こうか。
平成25年4月10日10:32
集会が終わりようやく解放された俺はムロと共に人ごみの中、教室に戻っている。
「ようやく終わった……何で部活動紹介の後に普通に集会やるんだよ。本当に長かった……」
「そーかー?」
「お前は寝てたから関係なかっただろうよ」
「いゃいゃ、ちゃんと起きてたぜ?」
「起立と礼だけな」
「他にも起きてたぜ。休憩時間とか」
「普通は逆なんだよ」
呆れる。よく起立とかの時だけ起きられたな。こいつ実は寝たまま立ったりしてたんじゃないか? だとしたら大した危機回避能力だ。それとも習性か。
「まぁまぁ、特に重要なことはなかったんだから良いじゃないか」
「寝てたお前がそれを言うのか?」
「はっはっはっ」
笑われてもな。特に重要なことがなかったのは事実だけど。
「……まぁいいや」
「気にしないのが一番だぜ。そういやどこかあったか?」
「んー、ま、気になるとこは1つ」
「そっか、それは良かった。ちなみにどこ?」
「まだ入るか分からんし、入ったら言う」
「そっか。じゃ、入ったら教えてくれよ」
「分かってる」
と言うより教えなかったらおかしくないか? 秘密にする意味が分からん。
「それにしても、次から授業かー……」
またわかりやすくガックリとしてるな。理由は察するが。
「まだ最初のも多いし教科書をやるとは限らないんじゃないか? それなら頭の悪いお前でも大丈夫だとと思うが」
「だったらいいんだけどなー」
「きっとまだこれからの流れとか自己紹介とかそんなんだろ」
「かねぇ」
「寝ても大丈夫な先生だったら良いな?」
「それは最高だな!」
目を輝かせてる所悪いが、大丈夫な先生は少ないと思うけどな。そのくらい昨日で分かっているはずなのだが。
まあ今ぐらいは夢を見させておいても良いだろう。見るだけならタダだし。
そんなどうでもいい事より今は早く椅子に座りたい。移動が面倒なのもそうだが、人ごみというのはどうにも落ち着かないからな……。
平成25年4月10日15:15
放課後か。だるいな。
俺の気持ちとは対照的に周りの人間は楽しそうに騒がしくゾロゾロと教室から出ていく。
「おー、モリツネ」
「何か用か?」
向こうの席のムロがこっちに声をかけながら歩いてくる。
「モリツネはこれからどうするんだ?」
「とりあえずは気になった部活を見てくるかな。お前はバスケ部に入部届を出しに行くんだろ」
「ああ、もちろん」
「じゃ、帰る時間になったらメールくれ。時間が同じくらいだったら一緒に帰るぞ」
俺からメールをしないのなんてわかってるムロは気にする様子も無い。さすがに長い付き合いだからな。
「りょーかい。じゃあ、とりあえずまたな」
「おう」
俺も動くかな。部活棟はどっちだったけか?
「んー……あぁ……」
あそこか。詳しい場所分からんし探すしかないか。聞くのは面倒だし。
平成25年4月10日15:22
「ここか?」
部室棟を捜し歩いてようやく。上を見れば調査解決部という札がある。なんでドアがスライドじゃない上に両開きで茶色なんだろうか。少なくともこの学校内でこんなドア見たことないんだが。
「しっかし……よりにもよって一番上の一番奥の部屋とか」
一番遠いところじゃないか。しかも近くに部室が入っている部屋がないし。怪しすぎるんだが……どことなく雰囲気も暗いし。
「とりあえずは……」
開けるしかないよな。ノックはするべきか? するべきだろう。
そしてノックをした俺はゆっくりとドアを開き……
「失礼し――」
きらずに、ドアを閉める。ちなみに俺はまだ入っていない。
「……」
いゃ、なんていうか。つい閉めてしまったというか。あまりにも非日常的な光景だったものだから自分の眼が信じられないというか、見間違いだと思うとそんな気もしてきて、きっと見間違いだったんだろう。そうに違いない。いゃ、でも、もし本当だったらどうするべきなんだ? 警察? 救急車か? いゃそのまえにこの状況だと俺が一番怪しまれるんじゃないか? いゃ、逃げた方が怪しまれるな。あぁ、今思うとそんな感じの臭いもしていた気がする。もしかしてこれは事実なのか? いゃまて。やっぱりもう一度確認するべきだ。そうするべきだろう。どちらにせよこの部室には用事があるんだし。何て事はない。もう一度ドアノブに手を置いて回して押すだけだ。大丈夫。気のせいで見間違いだから。迷うことはない。行くと決めたからには行かなければならないというものだろ? 行くか? 行くのか? 行くか。そう思いながらドアノブを回してみたり、しようと思うけど踏ん切りがつかないというか。ドアノブを掴んではいるんだけど……どうするよ。
頭の中がグルグル回り続けていたその時。
「さっきから何をしてるの?」
「――!」
吃驚したー……思わず振り向いたが何とか声は出さずに済んだな。うん。だが吃驚したことで血の気が引いて少し冷静に慣れた気がする。
ってかこいつは誰だ。女子だよな。いや、人は見かけによらないし男子でもスカートは履くかも。基本的に確信が無い限りは男だと思うようにしているんだ。いやまぁ、女子だろうけど。
そして内履きから察するに少なくとも同学年のようだ。
「で、何をしてたの? ずっとドアの前に立って」
尋問するかのように言われると答えづらい。まぁ、悪いことをしていたわけではないが。
けどこいつは「さっきから」と言っていた。つまりずっとドアの前に立っていた自分を見ていたんだよな。そっちの方が怪しくないか? 追求しないけど。
とりあえず面倒事にならないように状況説明しなくては。
「いゃ、扉の向こうに俺の日常とはあまりにもかけ離れた光景が見えたからつい扉を閉めてしまったんだ」
「はぁ……?」
そんな呆れるように言われてもな……俺は嘘は言ってない。
「で、良く考えたら見間違えの可能性もあるからもう一度確認しようとしたんだけど、本当だった時のことを考えると、どうするべきなのか? そんなことを考えたりしてたら開けるのが躊躇われるようで、迷っていたってとこだ」
冷静になりきれていないのかどうにも多弁になってしまってるな。自分でも何を言っているのか分からないと思う。
「結局何を見たの?」
「それを今再確認しようとしていたところだな」
「そう。それで開けないの?」
「いゃ……まあ。開けるんだが」
これは開けるしかない状況だよな。逃げても疑われるだけだし。開けるしかないか。けどこれ逃げるも進むも地獄じゃね? ……そういう時は進んだ方が良いよな。
躊躇いながらもドアをゆっくりと開けて一歩、足を踏み入れた。
「……やっぱり
本当は分かっていたことだ。でもそんな現実を認められなくてそのことを否定し続けた。でももうそういうわけにはいかない。
だが……どうすればいい? 分からない。実際に目の前にすると考えがまとまらない。焦ってるな、俺。
「で、結局何があったの?」
「あ、あぁ……」
後ろから確認する声が聞こえてくる。
……まずは落ち着くべきだ。冷静にならなければ。とにかく深呼吸を、
「スー……――」
「大変!」
「――ハブッ」
何で横腹に衝撃が……てか苦しいんだが! 痛いんだが!?
「とにかく呼吸と脈の確認をしないと!」
……どうやら女子生徒に突き飛ばされたようだ。
ただ、そんな衝撃よりも衝撃的な光景が目の前には広がっていた。
そこにあったのは……
あぁ……やっぱり女子生徒の死体だ。
第00話 扉の向こうの非日常 完。
ここで切る人も切らない人も、
まずは00話を読んでいただきありがとうございます。
この小説は前作と違い、
主人公視点? だけで書いていきます。
あと前作と違って二・三部構成だけでなく一部構成もあります。
前作のは都市伝説をタイトルにするために無理矢理感がありましたしね。
今回はそういったことをしませんので一部構成もあります。
ですので、
前回とは違い一話分を書いてから次話を載せていくことになります。
それにより投稿ペースは遅くなる可能性が高いです。
一週間で投稿できれば良い方だと思っていてください。
そして前作同様に時間表示につきましては、
作者自身が時間軸を分かりやすくするために付けています。
気になる人は気にしないで頂けるとありがたいです。
では次回は部活紹介になります。
投稿時期につきましては10話を書き終えたら載せます。