扉の向こうの   作:招代

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家の一部リフォームが始まり憂鬱です。
片付けとか色々と面倒臭い……。

まぁそれはさておき、
20話を書き終えていません。
リフォームの準備とかで多少忙しいのもあるのですが、
頭に浮かんだ他の話の案をいくらか書き出してみたりしていたらこんなことに……。
もちろん他のゲームをしていたのもあるのですが……。

数少ない閲覧者様には申し訳なく思いながらも、
後編を投稿。


第11話 学校からの依頼 後編

平成25年7月20日21:54

 俺たちは若干重い足取りで屋上の扉の前にたどり着いた。

「……開けるわよ」

「……ああ」

 そして緊張した面持ちで、溜井がゆっくりとその扉を開く。

 するとそこには――

 

「水浸し、ね」

「……だな」

 一面、とはいかないが所々水浸しになっているのが照らすとよく分かる。

 

 さらによく見ると水が増えたり動いているような……

「……よく分からないが識か吹田さんに連絡するべきじゃないか?」

「え、ええ。連絡するわ」

「そして俺たちは逃げるべきなんじゃないだろうか?」

「……そうね」

 溜井が扉を閉め、

「「……」」

 俺たちは目を合わせて頷きあうと、

「「――!!」」

 脱兎のごとく階段を駆け下りていくのであった。

 

 

平成25年7月20日21:57

「ぜぇ……はぁ……ゲホッ」

 一気に1階まで降りた俺たちは息も絶え絶えで階段の脇にへたり込んでいた。

 いやマジであれはヤバいって……命の危険はないかもしれないけど俺達でどうこうできるものじゃないだろ。

 何だかんだで前回の人体模型の時はユーモア的だったからな。

「あ、ああ、識、君? ……今、おくじょ、うが、水浸し、に、なっ、てたから、見てきてくれる?」

 そんな中、息も切れ切れで用件を伝えた溜井が携帯を切る。

 

「とり、あえず、安全が確認され、るまでここにいて下さいって」

「そ、そう、か……」

「ええ……」

 まぁ……わざわざ近づこうとは思わない。そんな事よりも今は……

 

「「はぁ……」」

 とにかく疲れた……。

 

 

 それから溜井が吹田さんにも報告したりして、ようやく息も整ってきて余裕も戻ってきた。

「今識君から連絡があって、4階と屋上はもう幽霊や妖怪の危険性は無いそうよ」

「そうか……だが一応続きをしに戻るべきだよ、な」

 幽霊妖怪の危険性が無くなっても、まだ確認していない怪談があるわけだし。

「そうね。行きましょう」

「あぁ」

 俺たちは若干の疲れを残しながらも再び4階へと向かうのであった。

 ……だる。

 

 

 その後、すべて回り終えた俺たちは集合場所へと戻るのであった。

 

 

平成25年7月20日21:39

「あー、大変だったねー二人とも」

「怪我とか無かった?」

「……いえ、大丈夫です」

 集合場所に着くと既に全員がそろっていた。

 ……また最後か。

 

「識、報告」

「はい。この学校に妖怪はいませんでした。幽霊も屋上にいたの以外は人魂やオーブだけです。ですので、怪談話のほとんどはただの作り話か偶々その場にいた、もしくはすでにいなくなった幽霊妖怪の仕業だと思います」

 妖怪とかはいないのか……良かった。

「そうか。屋上の霊については」

「屋上にいた幽霊に関してですが、どうやら霊力を水に変換していたみたいです」

 その辺は予想通りだな。

 そして、そうなってくると警備員が目撃したのはその幽霊と言うことになるんだろうか?

 

「それと校舎内の自習室前で発見されたことと、そこだけが濡れていたことに関してですが、どうやらあの幽霊は貯水タンクを中心にした地縛霊だったようです」

「地縛霊って特定の場所から離れられない霊、みたいな霊のことよね」

「そうですね。意識があっても霊力がそれほど高くない幽霊、中でも特に思いの強い幽霊がなりやすいです。と、言いましても、本当に縛られているわけではなく精神的なものですので、時間経過と共に行動範囲が広がっていく傾向にあります」

 行動範囲が限られているなら、あそこで1階まで逃げたのは正解だったわけだ。

 ……でもアレで「霊力がそれほど高くない霊」か。ホント勘弁願いたい。

 

「それらなら今までにそう言った報告が無かったのは、自習室前まで行動範囲が広がったのが最近になってからだったからってこと?」

「そうだと思います。調べてみたところ貯水タンクの丁度真下でした」

 あー……幽霊だから壁があっても関係ないのか。

「そうだったのね……それなら少し離れている理科室の雨漏りは関係ないの?」

「いえ、水は霊力を変換したものでした。ですので4階の天井と屋上の床の間に入った霊力が水に変換されて、それが流れて理科室で雨漏りしていたんだと思います」

「実際天井を開けて見たが水浸しだった。噂のことも考えると、屋上は今までも水浸しになっていた可能性が高い」

「そうなのですか」

 つまり『血の涙』を流していたわけではなかったが、あの噂はある意味本物だったってことか。

 ……ってことは侵入した生徒自体はいるんだな。

 

「そう言えば、部長は今までそのことには気付かなかったのですか?」

 ……確かに、部長なら気付いていてもおかしくなさそうではある。

「校舎の屋上は部室棟の屋上からは見えない。そして霊も妖も力がそれなりにある奴を見ようとすることしかできない」

「そうなのですか」

 どうやら無断で忍び込んだり、立ち入り禁止の屋上に立ち入ったりはしていなかったらしい……無断で鍵は作ったが。

 しかし今はそれよりも……

「……ってか霊感あるんですね」

 あっても不思議ではないけどさ……呆れるというか何というか……

 

「いや無い」

 とか思ったらまさかの否定。

「え、無いんですか?」

「無い」

 いやあんたさっき「見ることができる」と言ったばかりだろ。

「ですが見ることはできるのですよね?」

 当たり前のように、溜井も疑問に思ったらしく問いかける。

「見ようとすることしかできない」

「……何か違うのですか?」

 見ることしかできなくても霊感があるにはあるということではないのだろうか?

 

「えっとですね。普通は霊感があれば、最初は力のある霊や妖怪しか見えなくても鍛えればオーブレベルの非常に弱いも見えるようになりますし、触ったり声を聞いたり、霊力を五行に変換したりもできるようになります」

「そうなの?」

「はい。もちろん力の強弱はありますが……ですが、廉都さんは本当に殻の欠けが霊感の無い人と同じなんです。それに、霊感のある人はずっと見えっぱなしですから」

「そう言えばそんなことも言ってたな」

 つまり吹田さんは霊感がないはずなのに霊を見ることができるのか……? その上OnOffが可能。それってどういうことなんだろう……特異体質?

 

「でしたら吹田さんはどうして見ることができるのですか?」

「僅かな欠けから無理やり引きずり出している。だから力のある霊や妖を見ようとすることしかできない。消費も激しい為に数分が限界だ」

 どうやら特異体質ではないらしい……まぁ吹田さんにこれ以上のスペックを追加したらもっと面倒なことになっていそうだし、良かった良かった。

「それは誰にでも、すぐにできることなのですか?」

「欠けが無いと無理だ。毎日やって10年かかる」

「……そうなのですか」

 溜井は少しガッカリしているように見える。こいつ、霊感でも身に着けて霊能探偵にでもなるつもりだったのか……?

 

 まぁ、それは置いておいて。

 10年か……吹田さんが今年見えるようになったとしても7歳くらい。7歳って言うと小学2年あたりだよな? ……そんな小さい時から毎日やるとか、ホント興味に対する行動力と言うか何というかはあるんだな……少なくとも俺には無理だ。

 

 

「でもその幽霊はなんだったんだろうねー」

 と、ここで船井さんがズレかけた話を本題に戻すもっともな疑問を口に出した。

「それもそうですね……地縛霊ですからあそこで死んだということらしいですし」

「はい。それは間違いないと思います。それと幽霊の服はこの学校の女子生徒のものでした」

 そうなると噂の信憑性は高い。下手したら今も……

「もしかして今もその中に死体があったりして」

「え」

 俺が思っていたことと同じことを津出さんに発言されて思わず声が出てしまった。

 ……でも考えられない可能性では――

「いえ、貯水タンクの中を見ましたが死体はありませんでした」

「そ、そうか」

 無くて良かった……。

 

「それに関しては後日調べる。今日は調査結果を提出して解散しろ」

 その言葉にそれぞれが返事をし、リストを提出してその日は解散となった。

 

 

 

 そして週明け、部活での吹田さんの話によると28年前に貯水タンクの中で女子生徒の遺体が発見されるとい事件があったらしい。

 目立った外傷はタンクに落ちた時に出きたであろう頭の傷と、もがいてできたと思われる手の傷だけ。さらに遺書も無く靴も履いており、女生徒が普段から貯水タンクに座っていたという証言から事故として判断された。イジメも証言の中には無かったらしい。

 そしてこの事故の後から屋上は立ち入り禁止になったそうだ。

 

 話を聞く限りでは確かに事故のように思えるが、決定的な証拠はない。

 しかし溜井が、

「事件の臭いがするわね……」

 と言っていたのが少し気になった。

 

 ただ、事件にしろ事故にしろ28年前に事故として処理された出来事だ。

 超能力課が動けば真実が分かるかもしれないが、社会で習った限り超能力犯罪以外は管轄ではないらしい上に、人員は足りていないとニュースかなにかでは聞いている。だからこんな地方の処理された事件を調べるほど暇ではないと思うし、見境なくやってしまえば超能力者ではない警察との摩擦も生まれてしまうのではないだろうか。そう言う意味でも分別はしっかりするべきか……。

 それとも、これは無いだろうけど動いてそう判断されたのかもしれない。

 

 また、妖怪や幽霊ならもしかしたら真相解明できるのもいるのかもしれないが、そこに関しては俺にはよく分からないから考えてもどうしようもない。考えるつもりもないし。

 そして体質でどうにかできることでもない。

 つまりどちらにせよ真相は闇の中。

 

 だから、俺が真相を知ることはこれからもきっとないのだろう。

 

 

 

第11話 学校からの依頼 完。

 




あー……何と言いますか、
色々と頑張らないとなぁ……とか思ったりします。
やる気とか根気とか気合いが今は欲しい。

えっと今回は部活の志望動機です。
ただ室井の場合はバスケ部になりますね。

吹田……興味のある部活がなかったから作った。
船井……吹田が作ったので入った。
津出……同上。
菅……勧誘されたことと、就職前に裏のことを多少でも経験するため。
溜井……探偵業にいちばん近そうだったため。
室井……バスケが好きだから。
識……姉たちがいるから。

です。

次回は、
今度こそ20話を書き終えたら載せたいな……。
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