扉の向こうの   作:招代

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この小説の登場人物の名前を決めていたときは、
名前に迷走していた時期なので変なのが多いです。
なので気にしないで頂けるとありがたいです。

それと、
タグに「オーバーテクノロジー」と前はありましたが、
どっかの青狸やよくあるマッド科学者みたいにぶっとんだモノはありません。
あってもUFOとかサイボーグくらいです。
期待しないでください。

それでは1話前編です。


第01話 調査解決部 前編

平成25年4月10日15:29

 目の前に広がる光景は俺の日常から確実に逸脱していた。

 倒れている女子生徒の下には血だまりができていて、傍らには血の付着したナイフが落ちている。

 今更だが臭いも酷い。吐き気がする……気持ち悪い……。

「駄目……脈も呼吸もない、死んでる……」

「……」

 気持ち悪い……声に出してたら批難されそうだが気持ち悪いものは気持ち悪い。

「早く警察と救急車に……!」

「……」

 女子生徒は携帯を取り出して連絡を取ろうとしている。

 だけど俺は何もできずに脇腹と口を押さえて立ち尽くしていた。

 

 吐きそうだ……。

 

「待て。千利乃(ちりの)、動いていい。警察には興味ない」

 そんな空気をかき消すような男性の声が奥からした。

「はいよー」

 そして何事も無かったかのように動き出す死体。だった人。

「「……は?」」

 動いたし! っというか、さっきこいつ「死んでる」って言ってなかったか? 言ったよな!?

「おい……お前。さっき死んでるって言わなかったか?」

 少しばかり腹が立ってきた。焦った自分がバカみたいで恥ずかしすぎる。

 

 それらを誤魔化すために怒りの矛先を俺を突き飛ばした女子生徒に向けた。

「た、確かに死んでいたのよ! 呼吸も脈もなかったんだから」

「だけど生きているという事はお前の勘違いだったという事だよな?」

「それはー……」

 目を逸らされた。

 だが実際こいつにも分からないのだろう。しかし自分の頭も追いつかない。落ち着こう。この状況を説明できるのは髪の長い死体と声の主だ。

 

 そんなんで俺は向こうから出てきた声の主を見ると、その人は先ほど部活紹介をしていた吹田さん……? だったと、思う?

「呼吸、脈共になかったのは事実。呼吸何て誰でも数分止めれる」

「でも脈は!? 確かに止まってたんです……そんなことができるのですか?」

「できる」

「何か頑張ってみたら脈も止められるようになったんだよねー。あ、これは血糊とマジックナイフね」

「……そんなことが可能なのですね」

 死体だった人がナイフを拾って照れながらそう言うと、俺を突き飛ばした女子は何処か感心した様子だ。

 感心する前に俺に謝るべきではないだろうか?

 

 ……まぁ、そんなことはどうでもいい。今はとにかく優先するべきことがあるはずだ。

「あの……とりあえず換気しません? 悪臭が酷いんですけど……」

「確かにこの匂いは慣れてないとキツイかもねー」

「ってか、平気なんですか……?」

 中は本物と変わらない血の臭いが充満してる。俺にはキツイ。こいつらよく平然としゃべってられるな……。

「私は平気よ」

「慣れてるからねー」

「問題ない」

「そですか」

 三人は本当に平気そうだ。俺がおかしいのか? いゃいゃ俺の方が正しい……よな?

 

「とりあえず、話は換気してからにしましょ。1年の二人は近くの廊下の窓を開けてきて。私たちは中を開けておくから。開けたら奥に来てねー、ドアは開けっぱなしでいいし」

「わかりました」

「……了解です」

「このままでよくないか?」

 吹田さんが隣の死体だった人を見ながらめんどくさそうに、とんでもないことを言う。

「よくないです」

 だからそう切り捨てながらドアを開けるとようやく新鮮な空気が入ってきた。

 

 

平成25年4月10日15:41

 あぁ……廊下はまだ匂いがましだ。少し生き返った気分。

「私はあっちをやるから、あなたはあっちをやってくれない?」

「あいよ」

 俺を突き飛ばした女子が勝手に指示を出す。

 まぁどっちでもいいけど。あー、でも階段面倒だな。

 

 

平成25年4月10日15:37

 階段を下りて踊り場の窓を開ける。

「あー……はぁー……ふぅー……はぁ……ふぅ……」

 外の空気はさらに生き返るな。

 にしてもここが一階でなくてよかったと思う。一階だと外に被害が出そうだ。もしかしてこういうのがあるからこの階に部室が無いのか……?

「戻るか」

 あっちも開け終わっただろうし。

 それにしても階段は面倒だ。降りるのも疲れる。エスカレーターにならないかなー……。

 

 

平成25年4月10日15:38

「終わった?」

 戻ってみると案の定戻っていた。

「あぁ」

「じゃ、行きましょ」

 別に言われなくても行くんだが……まぁ、いいや。面倒だし。

 

 

平成25年4月10日15:39

「「失礼します」」

 ……換気のおかげか臭いはましになってるな。床の血もおそらく拭いたのだろう。跡は無い。

 

「あーこっちにきて」

 そして横方向から死体の人の声が聞こえた。

 

 横に棚があって正確な場所は分からないが、分かれ道があるわけも無いので俺は俺を突き飛ばした女子の後ろをついて行くことにする。

 

 

 そして棚で見えなかった部室内が見える位置に来た。

「広い、ですね」

 部室を見渡すと確かに広い。教室よりは確実に広いし奥に扉もある。テレビもあるのか。

 ……でも家庭用ゲームを持ってくるのはどうなんだ? 他にもキッチンやらエアコンやらパソコンやら冷蔵庫もある。

 普通に住めそうだな、ここ。

 

「座れ」

「失礼します」

「……失礼します」

 向かいにはさっきの二人が座っていて、部室内にはその他に二人の先輩がいるようだ。

 

「何か飲む? アルコール以外何でもあるよー」

 何でも……。

「アセロラ」

「コーヒーはありますか?」

「あるよー。ミルクと砂糖は?」

「ブラックでお願いします」

「はいよー。君は?」

 ……変な飲み物を頼みたい衝動が出てきたが、ここは無難に行くべきだろう。

「麦茶で」

「はいよー」

「じゃあ、俺のもついでにお願い。ポーションで」

「はいはい」

 ゲームをしている眼鏡をかけた先輩がしゃべった。こっちの会話は聞いてるみたいだ。でもゲーム中に飲み物は危ないと思うんですが。

 ……ってかポーション?

 

 暫くするとお盆に一式を乗っけた死体だった人が戻ってきた。

 おぉ……ポーションはあの青い瓶だ。

「はい、これグラスねー。注ぐのは自分でやって」

「ありがとうございます」

 まぁ、注ぐくらい自分でできるし。先輩にやってもらうのも気が引ける。

 

 そして死体だった人が配り終えてソファに座ると、吹田さんが手を差し出してきた。

「入部届は」

「持ってきました」

 隣が鞄から入部届を出す。

 その流れで俺も、一応入部する可能性も考えて予め書いてきておいた入部届を出した。

「同じくです」

 

 吹田さんは紙を見てから少ししてテーブルに紙を置くと、隣の女子の方を向く。

溜井(ためい) 天衣(てんい)

「あってます」

 テーブルに置かれた紙を見ると「溜井 天衣」と言う名前が書いてあった。

 珍し名前だな。正直変ともいえる。「天衣」なんて聞いたことない。「天使」ならいそうだが……このご時世だし。

 そして吹田さんはこっちを向いた。

(そで) 森常(もりつね)

袖森(そでもり) (つね)です」

 自分も珍しいだとか変だとか言えないな……だがこの訂正にも慣れた。それぐらい頻繁という事だ。何故だろうか……?

 まあ「モリツネ」はあだ名だからそっちでも構わないんだが「袖」はなんか嫌だ。

 

「そうか、後は任せた。俺は向こう行く」

「はいよー」

 吹田さんは興味無さそうにそう言うと向こうの扉の方に行ってしまった。

 

 あの部屋は何なんだろうか。秘密の部屋? 秘密じゃないか。

「あの……入部させてもらったという事でよろしいのでしょうか?」

 それに関しては俺も同意見だ。何も言わなかったからな。

「受け取ったなら二人とも正式に、この部の部員よー」

「そうなのですか……有難う御座います。これからよろしくお願いします」

 礼儀正しいな。

 でも、よろしくくらいは言わないとか。最低限の礼儀ってやつだし。

「よろしくお願いします」

「こちらこそよろしくー。じゃ、これから説明を始めるんだけど、ちょっと待ってて」

「はい」

 今思ったんだが普通説明を受けてから入るかどうかを決めるんじゃないだろうか。まぁ、出して受理されてしまったものはどうしようもないし気にしないでおこう。

 どういう経緯だろうと入った以上責任は持たなければいけないしな。

 

「シュンー。こっちきてくんない?」

「いいけどもう少し待って。今止められないから」

「早めにねー」

 死体役の人がゲームやってる眼鏡をかけた人に呼び掛ける。

 あのゲームは最近出たばかりのやつだな。でも本体が見たことないんだが……黒くて凸凹で……何だ、あれ。

 

 

 暫くの間TV画面を見ているとセーブポイントに辿り着いてセーブをしたのが見えた。

「ごめん。少し時間かかった」

「いいよ気にしてないからー」

「説明するんだっけ? それじゃ早く始めよっか」

「お願いします」

 

「まずはーそうね。この部活についてはどのくらい知ってる?」

 知っていることか……俺の方を見たし俺から言うべきか? でも俺の知っていることなんてほとんどないんだが。

「説明会で聞いた内容と、あの城を作ったのが吹田さんであろう事ぐらいです」

「じゃ、溜井さんは?」

「私が知っているのは、今袖森君が言ったことと、この部活の部員の名前とある程度の周りの評判。あとは『変人クラブ』と呼ばれていることです」

 

 ……なんだそれ。

「『変人クラブ』ってなんだ?」

「通称みたいなものらしいわ。理由としては『変人しかいないから』。聞いた話では今朝のもそうだけれど、それ以外にも日夜怪しい実験をしてるとかしてないとか、ね」

 説明をしてくれたのは有り難いが……なんか不安になる内容だな。

「……よく調べたな」

「先輩方、特に部長はこの辺りでは結構な有名人みたいだったから情報も集まりやすかったのよ」

 そうなのか……この辺に住んでるのに知らなかったな。

 

 でも一応事実確認は必要か。

「それで、本当なんですか?」

「日夜実験はしてないけど、呼ばれてるのはホントみたいねー。と言っても、その通称はレンによるものが大きいのよー……だから変人しかいないわけではないのよ?」

 いや……あんたも十分変人だろ……。

「まぁ、俺たちもあそこまでではなくても少しは変わってるって自覚はあるけどね」

「それはー私も同意見だけど」

「……そですか」

 俺も死体の人が変わっているっていうのには同意だ。だがこの眼鏡の人も変わっているのか。今のところただのゲーム好き眼鏡って感じだが……。

 

「次はー、溜井さんは知ってるみたいだけど部員の紹介はしておかないとねー。さっきここに居たのが部長で2年の吹田(すいた) 廉都(れんと)。で、私が副部長で同じく2年の船井(ふない) 千利乃(ちりの)

「同じく2年で副部長の津出(つで) 俊儀(しゅんぎ)。あっちでイヤホンして本読んでるのが3年の(すげ) 玲音(れおん)さん」

「……」

 菅 玲音と紹介された人がこっちを見て会釈した。

 どうやらあまり口数の多い人では無いみたいだな。

「「……」」

 俺たち二人は無言で会釈を返す。

「次は部室の説明かな。基本的に部室にあるものは自由に使っていいから。あそこの本もパソコンもゲーム機も飲み物も全部」

 自己紹介が終わり津出さんが指を指していく中で、俺にはさっきからどうしても気になっているものがあった。

 

「聞いていいですか」

「何?」

「あのゲーム機は何なんですか?」

 そう、あの見たことの無いゲーム機だ。

「あーあれは、すべてのゲームに対応したゲーム機」

「全て……?」

「そう。据置機も携帯機も携帯電話も全部テレビでできる便利なやつ。コントローラーはそれぞれ必要だけど」

 凄すぎだろ……。

 

 そう思いつつやっぱり気になるのは。

「……そんなもんどこに売ってたんですか」

「いや作ったんだよ」

「……誰が、ですか?」

「廉都が。夏休みの自由研究に」

 自由研究のレベルじゃねぇよ……

「凄すぎですね……」

「本当に部長が一人で作ったのですか?」

「作ったのはレン一人よー。私たちはそれぞれの起動テストをしただけで」

「あれは楽しかった……古いゲームも久しぶりにできたし、やったことないゲームもできたし」

「まーシュンがほとんど起動テストやってたしねー。試作品も含めて結構な回数」

 俺にはわからないが凄い回数やったんだろう。そしてやっぱり津出さんはゲーマーなようだ。

「部長の科学力が凄いって言うのは本当だったのね……」

 なにやら隣の奴が感心するように呟いている。どうやらこのことも調べてあったらしい。

「あれのおかげで家庭用のゲーム機を持ってこなくていいから助かってるよ」

「そですか」

 確かにそれは良い。でも無かったら家庭用のゲーム機をそのまま持ってくるんだろうか、この人は。

 

「あれに限らずこの部室にあるものはほとんどがレンの自作よー」

「へー……」

 この部室にある物って……見える範囲でもいっぱいあるんですけど。

「例えばー……ほら。冷蔵庫・レンジ・冷暖房機・パソコン・本棚とか。おかげで一番設備の良い部室なのよー」

 機械だけじゃなく本棚まで自作なのか。万能だな。

「材料費とかはどうしているのですか?」

「全部レンの実費」

「金持ちなんですね」

「まー、そんな感じかな」

「?」

 少し含みのある言い方だけど気にしなくていいか。

 

「では、電気代はどうしているのですか?」

 確かに電気の使用は多そうだ。

「全部自家発電」

「やっぱり部長が自分で作られたのですか……?」

「もちろん。太陽・熱・風力・水力・音などなど全部廉都が」

「なんでもありなんですね……」

 それなら砂の城もうなずけてしまうな。てかそんな人が何でこんな学校にいるんだ。

「そうだね。まぁ、完全に自給自足だからどこからも誰からも文句は言われてないんだよ。むしろ学校に電気を分けてるくらいだし」

「そうなんですか」

 つまり学校の利益にも貢献しているってことだな。

 

「じゃ、説明を続けるわねー……と言ってもこの部屋は他に説明するようなものもないし、あっちの部屋に行こっかー」

 さっき部長が入ってった部屋だな。

「はい」

「わかりました」

 そして俺たちは吹田さんが入っていった部屋に行くことになった。

 




書き直し箇所が多すぎて大変だ……。
しかも直しても違和感が消えないのだから自分の能力の低さを実感します。

あと自分で書いたはずなのにどの台詞を誰が言っているのかが分からなくなってきます。
これもきっとキャラの性格を掴めていないからか。
口調すら怪しい。
……どうしたものかな。

次回は11話を書き終えたら載せます。
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