……まぁ、
それなりに前から構想はしてあったやつですけど。
それはさておき、
最近は虫が活性化してきましたね。
いやでいやで仕方がないです。
もう仕事場にもいるわいるわ……虫よけの設置を検討しています。
実施は未定。
では今のところ虫のいない家の中で安心しながら投稿。
平成25年8月28日7:55
夏休み最終日。
だと言うのに水曜と言うのはケチ臭いと思う。どうせなら区切り良く日曜を最終日にしてくれればいいのに。
だがそれは
そんなことを愚痴愚痴思いながらも約束の5分前、家のチャイムが鳴る。
「お邪魔するわ」
玄関を開けるとそこにはいつも通りの溜井がいた。
……様子のおかしいところは特にない。さすがに一週間も経ってるし大丈夫か。
それにしても5分前で良かった……部活の時みたいに早く来すぎてもらっても困るしな。
「部屋は2階だ」
「そう」
とにかく今は部屋へと連れて行こう。
俺は溜井を連れて階段を上り始めた。
……母や妹の視線は無視させてもらう。面倒だ。
平成25年8月28日7:56
「ムロ君はまだ来ていないのね」
「あいつは時間になれば来る。どうせ隣だし遅れる心配がないからな」
部屋の扉を開けて中に入る。
そういえば妹を除いた女子がこの部屋に入るのは小学校以来か。そしてムロが来るまでの状況とは言え女子と2人きり、と言うのは久しぶりだな……まぁ大丈夫だろ。特別扱いする必要もないだろうし、ともすれば面倒なことにはならない。
「ここがモリツネ君の部屋ね」
「ああ、座布団もあるからその辺に座っとけ」
「そうさせてもらうわ」
部屋についてとりあえず溜井をその辺に座らせ、俺はいつも通りにベットの上に座ると小説を読み始める。
後はムロが来るのを待つだけだな……。
「意外と片付いてるのね」
辺りを見回していた溜井がそんなことを言う。
「散らかしたら逆に面倒だろ」
「それもそうね」
「……」
「……」
特に話すことも無いので沈黙が下りる。
怪我のこととかはメールで報告させられたので気まずさは無いはずだが……溜井は居心地がわるそうだな。
部屋の状態はいつも通りだからムロの部屋とは違い、脱いだものとかがあるわけでもない。掃除はしてるし部屋で運動もしないから臭いも問題ない。温度はクーラーにより勉強をするのに適温になっている。
……うむ、特に異常はないな。
少なくとも俺に問題があるわけではなさそうだ……もしあってもどうにもしないけど。変えるのは面倒だからな。
時間が8時になり家のチャイムが鳴る。それとほぼ同時に玄関が開き、階段を上がり部屋の前まで来る足音が聞こえた。
「来たみたいね」
「あぁ」
言葉通りすぐに扉が開き中にムロが入ってくる。
「よーモリツネ。今回もよろしく頼むー……って、あれ? えーっと溜井さん? だったよな。が、どうしてここに?」
「モリツネ君の代わりにあなたの夏休みの宿題を手伝うことになったのよ」
「え、マジで?」
驚いた顔でこちらに確認をとるムロ。
「マジで」
「マジか。初耳だぜ」
「モリツネ君、何も言ってなかったの?」
「あー……」
……そう言えば何も連絡して無かったな……ま、必要なかっただろうし別にいいかと思ってたしな。
「言ってないな。ムロだし言う意味もないと思ってた」
「確かにそうでしょうけれど、そういう事は予め連絡しておかないと駄目でしょう」
「事実だし」
「地味に俺の扱いヒドくね?」
言ったところでやる事が変わるわけでもないしな……むしろ連絡するという手間がかかって面倒だ。ムロならこの程度本気では気にしないだろうし。
「それよりもとっとと始めたらどうだ」
「……そうね。そう言うわけだから、手伝うわ」
「おう。よろしくー」
そう言って取り出されたのは全く手の付けられていない夏休みの宿題達。高校になって科目が増えたので量は中学より多く見えるが、実際は同じくらいだ。
この光景は例年通りである。俺はこいつに夏休みの宿題を最終日以外にやらせることを小学校3年生で諦めた。面倒になったとも言う。何せ俺の自由な時間と精神力がゴリゴリと削られていくのだから……。
「よっし、まずはコレからだな」
ムロは現文のワークを威勢よく開き、答えを見ながら書き写し始める。
「それで、私は何をすればいいのかしら?」
「ん、ああ。コイツが問題集とかを答えを見て終わらせていくから、写し間違いに気を付けながら丸付けをしてくれ。写し間違いはムロに直させろ」
一応最低限は本人にやらせないと、筆跡でバレてしまうからな……筆跡が本人ならいくらでも言い訳は効くし。
まぁ、溜井は良い顔はしないだろうが。
「やっぱり答えを見てやるのね」
「間に合わないからな。それ以前にテスト前じゃないし、自力でやっても見てやっても変わらないから自力でやる意味がない」
「……それもそうね」
あとこれも言わないとか。
「それと、基本的に50分やったら10分の休憩を入れる。で、11時50分に昼休憩40分」
「随分とキッチリしているのね」
「そうしないと効率が悪くなるからな。無駄に時間が浪費されるだけだぞ」
「でしょうね」
感心するかのような声に答える。
あの地獄のような無駄な時間を俺は忘れない……学校の授業時間って考えられてんだなって心から思ったよ。
「あと昼飯はカップ麺で良いよな」
「ええ。大丈夫よ」
「ならいい」
その会話を最後に、俺は周りへの影響も考えてイヤホンをしながら携帯ゲームを始めるのであった。
……音が漏れたらムロが集中できないのは目に見えているからな。
「休憩の時間ね」
「ふー……すげー疲れた」
一回目の休憩になると同時にムロは伸びて後ろに寄りかかる。
「菓子と飲み物を持ってくる。麦茶で良いな」
俺は返事を聞かずに部屋を出た。
チョコ味など甘めの菓子と麦茶、人数分のコップを持って部屋に戻り、それを食べながらの休憩。
「そういやモリツネ」
「ん?」
チョコクッキーを食べていたところに、ムロが首だけをこちらに向ける。
「母さんが出かけた帰りにドーナツ買って来てくれるって言ってたぜ。確か3時くらいだったっけ?」
「俺に聞かれてもな。だがまぁ、分かった」
あの母親に限って時間は大した問題ではないし。
それよりもドーナツか……親がいれば紅茶とか入れてもらうのもありかもしれないが、俺がいれるのは面倒だな。麦茶のままで良いや。
問題は姫依の奴か。何故なら確実にムロの母親は溜井の存在を知らないはずだ。という事はドーナツを買う際に溜井は人数換算されない。姫依の部活は午前だけらしいから午後には帰ってくるし、午後に遊びに行くかは分からない。
……いや、仮に遊びに行っててもドーナツがあったことがばれたら面倒だな。徹底的な証拠隠滅は難しい。それに面倒だ。これは残しておくのが最善か。
ならば一先ずの問題はムロ母が何個買ってくるかという事だ。そもそもあの人は大雑把だから人数分キッチリ買うことも無ければ、人数で割りきれる数を意識して買うことも無いんじゃないだろうか。経験的に考えて。
じゃあ特に悩む必要もないか……そもそもよく考えれば悩んだところでどうにかなる事でもないんだしな。うん、意味のないことを考えてしまった。
無駄に時間を使ってしまったな……
「はぁ……」
「どうかした?」
「いや、なんでもない」
「そう」
溜井は向けた顔を推理小説へと戻す。
あの本はタイトルだけ知っているが……面白いんだろうか。今度調べてみよう。
休憩時間もあっという間に終わり、ムロ達は再び夏休みの宿題へと取り掛かる。
……いつも通りであるならば、溜井の立ち位置に俺がいたわけで。今みたいにゆったりとした夏休み最終日を迎えられるのなんて何年振りだろうか。ホント、ゆったりできるって良いな。
叶うものなら毎年こうでありたかったものだ。今となっては叶わないことではあるが。
その後2回の小休憩を挟み、昼休憩になった。
「うおあー! 飯だあぁぁぁあ!!」
それと同時に脳内疲労の溜まりまくったムロが変なテンションで騒ぎ出したが放っておくとして、昼飯を食べないとな。
俺はムロがめんどくさそうなので、溜井に確認を取る。
「持ってくるのメンドイし、カップ麺は下のリビングで食べればいいよな」
「私は何処でも構わないわ」
「そうか。ならいくか」
「分かったわ」
「飯だあぁぁぁー!」
ホントにうっさいな……とっとと食べさせて黙らせるとしよう。
そうして俺たちは下のリビングへと向かうのであった。
平成25年8月28日11:53
「適当に選ぶといい」
俺はカップ焼きそばを取って、水を入れたヤカンをセットし熱し始める。箸も準備しないとか。
「2つ選んでもいいよな」
「別にいいぞ」
あいつが2つ食べることはいつものことなので軽く流す。
……それよりも4人分沸かすことがあまりないから多めに入れたが足りる、よな? うちは俺と妹以外あまりカップ麺とか食べないし、ムロがいても妹がいない場合が多いから結局3人分なので感覚が分からない。
でもまぁ足りるだろう。足りなければ俺の分の水が少なくなるだけだ。何も問題は無い。
そうこう考えているうちにムロがカップラーメンを2種類選び、溜井がカップうどんを選ぶ。ハイパワーで沸かしている水ももう少しで沸くだろう。
そうして水が沸騰しきり、それをカップ容器に注ぎ指定時間待つ。これだけでカップ麺ができるというのは偉大だと思う。栄養が偏るのでこればかりとはいかないが、非常に楽で素晴らしいものだ。面倒くさがりとニートと引きこもりにはたまらない必需品である。
そんなくだらないことを考えながらも時計を見つつ、俺は時間を待つのであった。
平成25年8月28年12:20
昼食を食べ終わり、再度俺の部屋に集まる俺達。
少し前に妹が帰って来たようだが、どうやら午後は友達の家に遊び行くようだ。現在は下でカップ麺を食べている事だろう。
「そう言えば聞いていなかったけれど、自由課題はどうするつもりなの?」
「あーそういえばどうすんだ? 俺スッカリ忘れてたわ」
自由課題、それは非常に厄介な代物である。
読書感想文や工作、絵や自由研究などなど、いくつかの選択肢の中から2つを選びやらないといけないのである。どれもこれも面倒臭いものばかりで正直に「やる意味あるのか?」と思ってしまうのも仕方のない事である。
俺としてはまさか高校にもそんなものがあるとは思っていなかったが、あってしまったものはしょうがない。学生である以上、やるしかない運命なのである。
……運命とは残酷だ。
「脳筋め……まぁいい。しっかり考えてあるからまずはワークを終わらせろ。半分も終わってないだろ」
「……おう。頑張るぜ」
「考えてあるのならいいのよ。それなら私も丸付けに集中できるから」
「そうか……」
もしかして考えて無かったら代わりに考えてくれたんだろうか? それは惜しいことをしたか……しかし、これは夏休みに入ってすぐに思いついたものだから今更ではある。
そして俺の課題でもあるからムロの分はともかく、俺の分は俺がやらなければいけない。その辺はキッチリしないとな。
昼休憩が終わったその後もムロの夏休みの宿題消化作業は続き……
「これでワークは終わりね」
ワークが終わったのは丁度4時間後だった。言っておくがまだ自由課題が残っている。
「お……終わった、ぜ」
真っ白に燃え尽きてテーブルに突っ伏すムロ。
答え見てやってるくせにここまで死にかけるとは……どこまで脳みそが筋肉でできていやがるんだろうか? 毎年毎年謎に思う。
「丁度良い時間だから休憩にしましょう」
「よっしゃ! ならさっき貰ったドーナツでも食べようぜ」
「そうだな」
横に避けていたドーナツの箱を開ける。
結局、ムロの母は4時頃に来てドーナツを届けてくれた。3時くらいと言う話はムロの記憶違いかムロ母が大雑把なだけか。どっちもあり得るから考える意味がない。
「とりあえず好きなのを取るといい」
ドーナツは6個入りで、イチゴ味のを1つ姫依にやったため残りは5つ。つまり残りを3人で分けるのは面倒臭い。包丁が必要になってしまうからな。
ならば5つの内2つ、母さんと父さんの為にとっておこうかとも考えたが何をとっておけばいいのか分からないので面倒になってやめた。それに俺たちのために買って来てくれたそうだし、親のために残しておく必要はないだろう。
……別に、俺が1つ食べて残りを2つずつをあいつらが食べれば済む話だしな。
「じゃー俺はこれで」
「私はこれにするわ」
「なら俺はこれを貰う」
2人がチョコのかかっているものとベーシックなものを取ったので、俺は残りの3つの中からチョコの半分かかっているものを選ぶ。特に好物と言うのも無いし、これなら他2人が似たようなものを選ばずに済む。
「残りはお前等で分けろ」
「それじゃあ俺はこれを貰おうかな」
俺に言われてさっそくクリームの入ったものを選ぶムロ。
「私はいいわよ。元々私の分は勘定に無かったのでしょう?」
「そもそもこいつの母親はそんなこと考えてないから問題ない。客優先で食べろ」
それに対して溜井は遠慮気味。
……面倒だな。素直に受け取れば良いものを……特にダイエットしているわけでも無いだろうに。ダイエットしているならお菓子の時点で遠慮しているはずだからな。
「……それなら、こうしましょう」
まだ遠慮するような意見が出るのかと思ったらそんなものは出ず、妥協案があるかのような台詞を溜井が喋る。
そして溜井は最後のドーナツを手で半分にした。
「これで良いわよね」
「……そうだな」
特に断る理由も無いので肯定する。
しかし半分にしやすい奴だったからよかったが、しにくい奴だったらどうしていたのだろうか? いゃ、そもそもしやすいやつだから出た案か。
それに俺だって包丁を持ってくるのが面倒でなければ切り分けていたしな。別に驚くことでもない。
俺は分けられたドーナツを食べた。
「あーうまかった。これでもう少し頑張れるぜ」
「そうか。なら――」
俺は予め用意していたとある本を取り出す。
「――これを読め」
「……これは?」
俺の取りだしたものを見て溜井が疑問符を浮かべている。まぁ見ただけじゃ分からんか。
「『猿でも書ける作文・論文・感想文』だ」
「……何故?」
「これがムロ、ひいては俺の自由課題だからだ」
「それじゃー俺はとりあえずこれを読めばいいんだな」
「そういう事だ。読み終わったら声をかけろ」
俺から本を受け取ったムロはさっそく読み始める。
特に深いことは考えずにやってくれるからそう言う所は扱いやすくて気楽だよな。
「つまりアレを読書感想文にするつもり? たしかに本でしょうけれど……いいの?」
「一応本だし問題ないだろ。それにアレを読んだ後に書いた読書感想文を『自由研究“猿でも書ける作文・論文・感想文”は馬鹿でも本当に感想文を書けるようになるのか?』と言う内容の自由研究の結果として使う。これで自由課題が2つ終わるだろ。一石二鳥ってやつだな」
「……それが駄目って言うルールがあるわけでもないし、反則ではないわね。自由研究の内容はどうかとは思うけれど」
釈然としないようだが、咎めるつもりは無いようだ。
ただ、毎年毎年自由研究の内容を考えるこっちの身にもなってほしい。小中学は自由課題は無かったが、自由研究は絶対だったからな。最終日に終わらせられるものを考えるのは大変なのだ。しかも毎年毎年被らないようにしていたからな……その上、小学校高学年なんて読書感想文も絶対だった。思い出すだけで気が滅入る……。
「……はぁ」
「どうかしたの?」
「いや……ちょっと、な。昔の夏休みの惨状を思い出して……」
思わず溜息と愚痴が零れてしまう。
「……苦労しているのね」
「同情するなら――いや、なんでもない」
手伝えと言おうとしたが、今現在フェアな取引により手伝ってもらっているわけだしそれは何か違う気がした。
なら何と言うのが正しいのか……わからないのでそれに対して考えるのはやめた。
「とりあえずお前はムロの読書感想文の文字間違いだけをチェックしてくれ。内容までチェックしたら実験の意味がないからな」
「わかったわ」
やる事がないと分かり、溜井は休憩中に読んでいた本を取り出す。
さて、俺もゲームを再開するかな。
「ふぃー……読み終わったぜ」
何故か本を閉じた後に汗を拭きとる動作をしている。まさかこのクーラーの効いた中、知恵熱で汗をかいたのか……?
「読み終わったならこれに今の本の感想文をかけ」
「お、おう。任せろ」
任せろと言いつつどもった上に、声に多少元気がないように思える。まぁでもやるしかないのは分かってるだろうから、ちゃんとやってくれるだろう。
……内容の出来は置いておいて。
それから休憩を挟みつつ書き続け、漢字への変換と漢字間違いを溜井に指摘されまくりながらも、なんとかムロは読書感想文を書き終えることができた。
内容は……まぁ、いつもよりはマシな気がするけど、さほど変わっていない気もするなぁ……予想通りではあるわけだが。
「……」
「こりゃ暫く再起不能だな」
「そうね」
真っ白になり煙が出そうな勢いで倒れているムロを横目に時計を見ると、現在の時刻は7時40分くらい。8時に始めたから約11時間40分かかった計算になるのか。大体いつも通りだな。
ただ圧倒的に違うのは俺の精神疲労。夏休み最終日を心安らかに過ごせるかどうかはすごく大事なことなのだと、俺は今日再確認することができた。
「もう8時になるわね……私は帰らせてもらうわ」
「ああ、今日は楽できて助かった」
「そういう約束でしょ」
「……そうだな」
流石にこの前みたいになるのが分かってる場合は勘弁だ。でも、またこっちに特の多い取引ができるならしてみても良いかもしれない。もちろん無償でしてくれるならそれが一番なのだが……それは過ぎた願いだろう。
「それじゃあ、また明日学校で」
「そういやそうか。また明日」
部屋の扉を開けて出た溜井を部屋から見送る。玄関まで出ることも考えたがそこまですることも無いかと思い、やめた。またのぼるのは面倒だし。
玄関の閉まる音がする。
「さて……」
ムロを家に帰すために回復させないとな……これが夏休み最後の仕事だ。
第14話 手に入れた時間 完。
やりたいことは色々あるのに、
なんとなくやる気の出ない最近。
暑いし虫いるし眠いし眩しいし、
色々と嫌になります。
それでも休日があると思えば頑張れるのです。
そう……頑張れる気がするのです。
……次回は25話を書き終えたら載せます。
でもまだ内容を決めてないなぁ……。