ちょっとアプリのイベントとかが忙しくてですね……はい。
……言い訳ですけどね。
それと短編を2つほど書けそうになったので、
それを書き終えたら34話の残りを書いてしまいたい。
できれば年が明ける前までには……と思うのですけれど。
保証ができません。
まぁ兎にも角にもそういうわけで、
ストックを消費して投稿したいと思います。
平成25年12月13日10:59
3時間目の授業中、辺りは私語で溢れかえり、ゲームなどをしている奴もいて授業のていを成していない。傍から見れば学級崩壊である。
しかしそれもそのはず、今日は担当の先生が休養だとかでいない。つまり、教室内に本来なら注意をするべき先生がいない。故にこの有り様……酷いもんだ。
代わりにプリントが用意されていたものの効果は薄く、多くの奴らがすでに終わらせていた。
まぁ、ムロの様にプリントをせずに雑談に勤しんでいるような奴もいるのだがな。
ただし俺はムロとは違い10分ほどで終わらせたのち、何もすることが無く暇を持て余していた。
「ふぁ……」
思わず欠伸が出てしまう。
このまま寝てしまおうか……一応授業中だし、ゲームをするわけにもいかないしなぁ……
「……」
そうだな。寝てしまおう。やる事やったし良いよな……。
俺は自分の腕を枕にし、机に突っ伏すように眠る体勢を整える。
目を瞑れば暗闇が広がり、暫くして意識は眠りへと落ちて行った……。
平成25年12月13日11:04
生暖かい風を感じる。机に突っ伏していたはずなのに、椅子に寄りかかっているような体勢に変わっているような気がした。そして不快な揺れを感じる。
余りの違和感に目を開けるとそこには、
「……は?」
真っ暗闇が広がっていた。前後左右、上も下も全てが黒。そして俺が座っているのはジェットコースターのような感じの乗り物の座席で、シートベルトは無い。
後ろを振り返ると顔色の悪い人間が2人座っているのが分かった。前にも数人。
……俺は教室で寝ていたはずなのにどうしてこんなところにいるのか。
よくよく考えれば明かりも無いのに、真っ暗闇の中でこの乗り物や人間がハッキリと見えるのもおかしな話じゃないだろうか?
「……」
兎にも角にも意味が分からないが、とりあえず危険は感じない。なので少しこの現状について考えてみることにしよう。
考えること少し。
「……うん」
考えれば考えるほど訳が分からないが、こんなにも突拍子も無く訳が分からないとなると答えは1つではないだろうか。
そう、この場所はつまり……
「夢、か」
でなければ説明がつかないことが多すぎる。
可能性としては、先月辺りに聞かされた「異世界」ってこともあるかもしれないが……いや、流石にそれは無いだろう。
何の予兆も変わったこともしていないし、確率はかなり低いと言っていた。そしてなによりも……
「……こんなのが異世界だったら嫌すぎるだろ」
それに限る。
と言う訳で、夢と結論付けた今、どうするかなぁ……これってアレだろ? いわゆる「明晰夢」ってやつだ。夢を夢として自覚できる夢。
滅多にないことだし、せっかくだから何か夢の中でしかできないことを、と言いたいところだけど……面倒だから別にいいや。
「……う」
……あと乗り物酔いが何気にキツイ。正直に言うと明晰夢を楽しんでいる場合ではないのだ。下手したら夢の中で吐くハメになる。
そんなことして現実でも吐いていたらたまったものじゃないし、とりあえず起きるか。
「……」
しかし頬をツネってみても目が覚める気配は無い。
「……」
頭を叩いてみるが景色が変わる様子は無い。
「……」
前の席に頭をぶつけてみるが痛かっただけで何も変わらない。
「……どうしようか」
何をやっても起きる気配がないし、変わる気配も無い。永遠とジェットコースターの様なものは動き続ける。
どうやら自然に目が覚めるのを待つしか無いようだ。
……もう面倒だし寝て待つとするか。
そう心に決め、大人しく目を瞑り眠りにつこうとした。
まぁここで寝たところで眠気がとれるのかは分からないが、何もすることは無いし、酔わないようにするためにもそれがベストだろう。
酔う原因でもある、さっきからずっと吹いている生暖かい風が不愉快だが諦めた。
とにかく今は寝よう。
『次は活け造り~活け造りです』
その時、知らない男の声でそんなアナウンスがどこからか流れてきた。
しかし俺には関係ないと判断し、そのまま睡眠を続行。
「……?」
しようとしたのだが、後方から物音を感じた。
とうとう夢に変化が現れのかと思い耳を澄ますと、
「ぁぁぁぁああああああぁああア゛!!」
「うおっ!」
物凄い悲鳴と共に何かをかき混ぜるような……そう、ハンバーグの材料をこねている時のような生々しい音が聞こえてくる。
そして漂ってくる生臭い香り……それは、否が応にもある光景を想像させてくれた。
「うぇ……」
せっかく良くなってきていた乗り物酔いが、臭いと想像で悪化する。それほどまでに強烈な悲鳴と臭いだった。
まずいな……このままここにいたら確実に吐いてしまう。
「……動こう」
最悪の事態になる前にそうしよう。今すぐにでもここから離れて、この臭いを軽減させるのだ。
目を開け口を閉じ、後ろを見ないように前の方へと歩みを進める。
そうすると多少臭いがましになった気がした。
一番前の席に到着し、座る。いつの間にか悲鳴は消えていた。
何故消えたのかを考えないようにし、もう一度酔いを醒ますために寝る準備を始める。
頭の中に残る嫌なイメージを消す為、心を無にしようと努めた。
『次はえぐり出し~えぐり出しです』
努めようとしたのにまた聞こえてくるアナウンス。内容からして嫌な予感しかしない。
「……」
よし、耳を塞ごう。
決心は早かった。またあの悲鳴やらが聞こえてきたらたまったものではない。
全く以て何故、自分の明晰夢でこんな目に合わなくてはいけないのか……理不尽だと思う。もっと明晰夢って言うのは色々と自由にできるんじゃなかったけ? やっぱり体験しないと分からないこともあるんだな……。
そんなことを考えながら、耳を塞ぎ続けた。
……どれくらい塞ぎ続けたか、そろそろ大丈夫だろうと手を耳から外す。
後ろを見ないように辺りを見渡し、何も変わっていないことに内心ガッカリする。
「……はぁ」
一体いつまで続くんだろうか、この夢は。そろそろ覚めてくれてもいいのに……。
『次は挽肉~挽肉です~』
また聞こえてきたアナウンスに耳を塞いで蹲る。
ああもう……何でもいいから覚めてくれ。これ以上進むと俺の席にどんどん近くなって臭いが届くじゃないかっ! そうなったら耳を塞いでも意味が無いだろ。
こうなったらもう覚めるまで無心に念じ続けるしかない! そうと決まれば……
覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ……。
平成25年12月13日11:30
「……は」
チャイムの音に目を覚ます。
寝ぼけ眼で辺りを見回すと、そこは普段通りの教室だった。クラスの奴らが今の授業中と大して変わらない様子で喋ったりしている。
……どうやら夢から覚めたらしい。
「はああぁぁ……」
起きて早々、安心感から大きく息を吐いて机に伏せる。そして新鮮、とは言えないが空気を大きく吸い込んだ。空気は机の木の香りがした。良い香りでは無かったが、とりあえず血生臭い空気でなければ何でもよかった。
「何か疲れてるみたいだけど大丈夫か?」
「ん、あぁ。問題ない」
声に反応し顔を上げると、そこにはムロがいた。
「なら良いけどさ。もしかしてそんなにプリント……ヤバかったのか?」
恐る恐るといった感じで聞いてくるが、お前を基準にしたらほとんどのプリントがヤバいものになる。
という事を、こいつは理解していない。
「まぁ、お前にとってはヤバいかもしれんな」
「……提出だっけ?」
「そうだな」
「うっわマジかー」
「マジだな」
ムロが頭に手を当てて天井を仰ぐ。俺は次の行動を予想し、机の上のものを全て非難させる。
そして予想通りに両手の平を机に叩きつけた。
予め机の上のものは非難させていたので俺に被害は無く、周りの奴らが少し驚いたくらいで済んだ。
「後でうつさせてくれっ!!」
「いつもの事だろうに……まぁいいが」
「あれ、そうだっけ? うーん……まぁいいや。あんがとな」
「はいはい」
こうしてムロの記憶能力が低いことを、もう何度目かも分からないが再確認して、10分の休み時間は平穏に終わった。
……それにしてもリアルな夢だった。今でもハッキリと全てを思いだせる。
光景、臭い、感触、音、温度、思考、想像。
それらを思い出すだけで気分が悪くなる。あんな気味の悪い悪夢を見たのはもうかなり久しいんじゃないだろうか。それこそ小学校とかの時くらいだろう……単純に見ても忘れてしまっているだけかもしれないがな。
兎にも角にも最悪の目覚めだった。さっさと忘れてしまいたいな。
平成25年12月13日16:30
どことなく鬱な気分を携えたまま4限以降の授業をこなし、かったるい掃除を終えて部室へと行く。
「モリツネ君、具合でも悪いの? 顔色が悪いけれど」
そして、ついて早々に溜井にそんなことを言われた。
……そんなに顔に出ているだろうか? 自分ではわからないが、出ているのかもしれない。
「いや、具合は悪くない。夢見が悪かっただけだ」
「……寝てたの?」
「3限にな」
「そういえば1組は自習だったわね」
何で知ってるんだろうか……いや、どうせいつもの情報網だろう。もしくは騒々しい声が届いていたか。
まぁどっちでもどうでもいいけど。
「ああ、プリントもすぐ終わってやる事も無かったし寝た」
「ならいいけれど……夢見が悪かったって、嫌な夢でも見ていたの?」
「ん……まぁ、そうだな。明晰――いや、明晰悪夢だった」
「明晰悪夢?」
「悪夢を見ていると自覚ができる悪夢だった」
「なるほど……珍しいわね。明晰夢、と言えば自由にできるという話を聞くけれど」
「行動は自由にできたが内容は自由にできなかったな」
「そういうのもあるのね」
「あるみたいだな」
「それで、どういう内容だったの?」
「……他人の夢の話って聞いてもつまらないぞ」
人の夢の話ほどツマラナイものは無いと思う。夢の話を話したがる奴らは何なんだろうな? かなり迷惑である。
「つまらなくても良いのよ。明晰悪夢がどういうものだったのか、少し気になるだけだから」
「まぁ別にいいけど」
……とは言え向こうから聞いて来ているんだし、断る事でもないか。思い出すと気分は悪くなるがしつこくされても面倒だしな。
面倒ではあるが説明してしまおう。
「まず周りは真っ暗だったな。そこに走行中のジェットコースターらしき乗り物が浮かび上がっていて、乗客が何人か乗っていたな。俺もその内の一人」
「奇妙な夢ね」
「だな。そんで暫くしたら『次は活け造り~活け造りです』みたいなアナウンスが流れてきて、急に後ろの客の悲鳴が聞こえたと思ったら血生臭いにおいが漂ってきたな」
「……うん?」
「で、暫くしたら『次はえぐり出し~えぐり出しです』って聞こえてきて、その次は『次は挽肉~挽肉です~』だったな。そこで目が覚めた」
「……」
「……どうかしたか?」
説明し終えると、何やら溜井が難しい顔をしている。
やっぱり夢の話はつまらなかったということだろうか。だから前もって忠告しておいたのにな。
「いえ……どこかで聞いたことのある夢の話のような気がしたのだけれど」
「そうなのか」
「ええ。確かどこかで……」
「猿夢だ」
「ん?」
「あ、それです。確かにそのような名前でした」
今までよく分からないことをしていた吹田さんがこちらを見て言った。それに溜井も同意したことから、どうやらそういう夢の種類らしい。
「なんですか、それ?」
「都市伝説の1つだ」
「つまり『人面犬』だとか『口裂け女』とかみたなもんですか」
「ああ」
そう言って吹田さんは携帯を操作し始めた。
しかし都市伝説だからと馬鹿にできないよなぁ……妖怪とかいるなら「口裂け女」とか「人面犬」がいてもおかしくないしな。何個かは実際にあったとしても不思議ではない。
「確か何年か後にまた同じ夢を見るのよねー。で、3回目を見た人はいないって言う」
「いないんですか」
「つまりは3回目を見たら死んでしまうから、3回目を見た人はいない、ということね」
「そうなのか」
「……」
「……」
「……まぁ、都市伝説だしな。大丈夫だろう」
「……そ、そうね」
「……」
「……」
何とも言えない沈黙が流れる。
「……それで、実際のところ、どうなのでしょうか」
耐えきれなくなったのか、携帯の操作を終えた吹田さんに溜井が問いかける。
正直俺も気になるところだし、聞いてくれたのは有り難かった。
「もう問題ない」
「そっすか……」
内心ホッとする。
「……ですが『もう問題ない』、と言うことは『猿夢』自体はあるのですか?」
「ああ」
「あるんですか」
ホッとした心が再び暗くなりかける。だが「問題ない」らしいし大丈夫だろう……大丈夫だよな?
「やはり妖怪などの類でしょうか?」
「いや、都市伝説」
「妖怪とは違うのですか?」
「言霊により実現した都市伝説だ」
「言霊……確か『言葉に宿る力』でしたでしょうか」
「ああ」
「そうなのですか」
つまりこの世界には言霊がある、と。
言霊という言葉自体は聞いたことあったけど、まさか――いや「まさか」でもないけど――本当に存在するとは……しかも都市伝説を実現させるのか。やっかいな。
……あれ、でもそうなると「猿夢」も実体化したんだよな? そうなると本当に俺は大丈夫なのか? それとも内容通りになるわけではないとかそういうのだろうか?
「あの……俺は大丈夫なんですよね」
「確かに、実現したという事は何年後かにまた見ることもあるのではないですか?」
「幽霊妖怪などと同じように、対応する組織がある。何処とは言えないが」
「あ、そうなんすか」
「つまり、その組織が解決したという事ですね」
「ああ」
「そうですか……」
よかった……有難う、よく分からない組織。いまいち命を失うという実感は沸かないものの、おかげで何年か後の俺の命が助かったみたいだ。
謎の組織に心の中で感謝する。これで俺にとっての本当の明晰悪夢が終わったのだろう。色々と分かったためか、心の中はだいぶスッキリしていた。
……それでも暫くは思い出して気分が悪くなるだろうが、まぁそのうち忘れるだろう。
そしてこの話はこれで終わり、いつも通り何も部活動をしない部活の時間を過ごすのであった。
第24話 明晰悪夢 完。
今回は溜井の設定を。
溜井 天衣(名探偵→めいたんてい→ためいてんい)
・性別……女性。
・誕生日……5月15日。
・血液型……A型。
・利き手……右利き。
・身長……160くらい。
・日々の活動の邪魔にならない程度の長さの黒髪。
・家族構成……母、父。
・所属……1年5組16番。情報委員。調査解決部。
・特技……ピッキング、モンタージュ、忍び足、バランスを取ること。
・好物……あんぱん・エネルギーメイト・キャラメル。
・趣味……探偵活動。
・好きな教科……座学全般。知識を得られることが好き。
・嫌いな教科……音楽。嫌いと言うよりは少し苦手。
・予習復習をしっかりとし、成績は平均90以上。
・もちろん、提出物などはしっかりと出している。
・人より夜目が聞く。
・武道などを習っていたので、素人程度なら余裕で勝てる。今でも練習は欠かさない。
・将来の夢は探偵になること。
空想(小説やドラマや映画、漫画やアニメなど)の探偵にあこがれてはいるものの、現実はしっかりとみているので、夢は普通に現実の名探偵。
探偵の基本として情報収集などを頻繁に行い、市内の地理はおおよそ把握している。
今は知り合った人たちから無報酬で受けたりしているが、基本的には犬猫の捜索や失せ物探しばかり。でも本人はやりがいを感じている。
探偵に必要な物や、それっぽいものは使えるものから使えないものまで常備している。
また、探偵の隠語が使える。しかし他人に理解されないことが分かっているため、人がいるときは普通に話す。1人でいるときはしょっちゅう使っている。
小・中学時代に「探偵っぽい」ということで苦手なコーヒー(ブラック)を無理矢理飲みまくり、好きになった。意地である。
・実は第六感の持ち主。
その効果は「事故か事件(他者による故意)か、自作自演かがなんとなく分かる」というもので、80%くらいで当たる。
マジモンの探偵の勘ともいえる。しかし本人は気づいていないので、ただの探偵の勘としか思っていない。
とは言え、知っていても確定ではないため、それだけを頼りにすることは無いだろう。なので知っていてもさして変わらないともいえる。
こんなところだと思います。
気づいたら書き足します。
では次回は34話を書き終えたら載せます。
出来れば今年が終わる前に載せられたらとは思っているのですが……どうでしょうか。