扉の向こうの   作:招代

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12話が書き終わっていませんが、
土日にパソコンが使えない状況になるので投稿します。

この小説に終わりついてですが、
今のところ現在の2年達が卒業するあたりで終わらせるつもりです。
つもりなので延びる可能性はー……まぁ正直ないと思いますが、
とりあえずそこ目指してできる範囲で頑張らせていただきます。

では2話目に行きましょう。


第02話 財と技術の片鱗 前編

平成24年4月10日23:35

 時間だ。

「行ってきます」

 小声で一言言ってから俺は家を出る。

 と言っても他の人たちは寝ているので、睡眠妨害は良くない。俺は音がたたない様にドアを閉めて鍵を閉めた。

「……よし、行くか」

 向こうも家から出てきたようだ……どうやら寝過ごさなかったようだ。

 

「ちゃんと来たな」

「流石に俺も目覚ましかければ起きるぜ」

 ……寝てはいたんだな。

 ただ、それでちゃんと起きるならその辺も体育会系なのかもしれない。何かそんなイメージ。

「そうか、じゃー行くか」

「おー」

 

 

平成25年4月10日23:37

 そして出発した俺たち。

 普段は面倒だから出歩かないが夜道も良いな。所々にある外灯がまた良い。そんな風に考えていると隣が欠伸をした。

「眠いかもしれないが歩きながら寝るなよ。信号無視してはねられても知らないぞ」

「怖いこと言うなよ。ってか流石の俺もそんな芸当できないって……まぁ、信号待ちで寝るかもしれないけど」

「そうしたら置いてくし」

 そのまま朝まで眠っていられたのなら面白そうではあるな。

「せめて毛布をかけといてくれよ、いくらなんでも風邪ひくぜ。ひいたことないけど」

「大丈夫だ。馬鹿、とくに体力馬鹿は風邪をひかないというのは全国共通の事実だ」

「だから俺は風邪をひいたことが無かったのかっ!」

 ……まぁ、信じるとは思ったけど早めに撤回するか。

 

「というのは嘘だ」

「嘘かよ!」

「確か馬鹿は風邪をひいたことに気づかないという事だった気がするな」

「へー」

 実際風邪に気づかないほどの馬鹿は見たことないが……風邪を無視する人ならいるとは思うけど。

「はっ、じゃぁもしかして俺は風邪ひいていた可能性があるという事か……?」

「それはない。お前が風邪をひいても学校に来るようなら殴って休ませてるからな」

 風邪をうつされたら面倒だからな。

「おいおい……最初くらいは殴らないでくれよ」

「まぁ、お前は健康的だしそうそう風邪は無いだろ」

「ん、そっか?」

「ああ」

 そんなどうでもいい会話をしながら俺たちは通学路を歩いて行った。

 

 にしてもあれをどう片付けるのか、面倒そうではある。もうすぐ学校につくが帰りたい気分でいっぱいだ。

 ……ただ、やっぱり気になる自分もいて、どこか楽しそうなことへの期待感もあった。

 

 

平成24年4月10日23:53

 携帯を見る。予定通りだ。

「7分前だが俺たちが最後みたいだな」

 グラウンドにはどこから持ってきたのかわからないライトでアップされた砂の城がそびえている。これはこれで昼とは違う迫力がある。

 その周りには自分以外の部員が全員居た。

「あれ、部員はこれだけ?」

「マイナーな部活なんてそんなもんだろ」

「そっか、そうだな」

 すると、こっちに近づいてくる人が一名。あれはー……ぇーっと……んーっと確か溜井だったな。

 

「遅い! 3分遅刻よ!」

「……は?」

 何を言っているんだコイツは? さっき確認したばかりだから3分遅刻何てことはあり得ないのだが。

「『は?』じゃなくて、ほら」

 そう言って、文字盤が光るアナログの腕時計をこちらに向けてくる。

 ……確かに、それを見る限りでは3分遅刻だな。ということはつまりアレか。

「全く……こっちは30分以上待っているのよ?」

「その前に、その時計狂ってんだろ」

「え、そんなはずは――」

「ほら」

 仕方ないので俺の携帯を出して時刻を見せる。

 すると溜井は少し固まった後に液晶と腕時計を交互に見て、自分のポケットから携帯を取り出してその画面を見た。

「あ……」

「狂ってるだろ」

「……そうね」

「……」

「……」

「……ごめんなさい」

「まぁ別にいいけど」

 頭を下げる溜井。

 とは言え故意ではないわけだし、これ以上この問題を引きずっても面倒なだけだ。

 

「と、いうか」

 なので一呼吸おいて。

「何?」

「強制じゃないんだから大変なら来なくても良かったんじゃないか?」

「それはできないわ」

 断言……だと? 何故(なぜ)断言。

 ……いやまぁ、俺も同じ状況なら来ただろうけどさ。

何故(なにゆえ)に断言」

何故(なぜ)ってそれは――」

 それは?

 

 

「――そこに謎があるからよ!!」

 

 

「……」

 ……。

「……」

「……」

 ……。

「……」

「……はい?」

 あ、あぁ……うん。なるほど。そこに山が~と同じ感じか。つまりこいつは登山家? いゃいゃ山じゃなくて謎か。登謎家? 違う違う根本から違う……

 

 ……いゃ、まて。事件とかのことをヤマって言ったような気がする。なら「そこにヤマがあるから」って言うのは「そこに事件があるから」になり、事件があれば謎があるわけだ。そう考えると登山家と言う表現は正しい……? ということはつまり、

「つまりー……何なんだ?」

 考えすぎて余計に分からなくなってきた。

「だから、登校してきたらいきなりあんな大きな砂の城があるなんてミステリー、でしょ?そんな謎、解き明かさずにはいられないじゃない」

「確かに気にはなるな」

 さずにはいられないほどではないが。

「それが探偵の性ってものよ」

「そういうものか」

「そうよ」

「そうか」

 ……自称探偵か。もしかしてこいつも変人だったりするのだろうか……痛い人か。面倒そうだし深く追求はしないでおこう。

 それに今は考えても仕方がないことだ。いつまでもムロを放っておくわけにもいかない……こともないが、ってかムロってどうしたっけ?

 

「それで、その後ろにいる人は?」

 溜井の視線は俺の後ろに向いている。なので俺が振り向くとそこには。

「あ、そこに居たのか」

「……ずっといたっての。忘れるなよ」

「考え事したら忘れちまった。悪いな」

「別にいいけどさ」

「それで、袖森君の友達?」

 そうか連れてきた以上、紹介しないといけないのか。ムロごときを紹介するのも面倒なんだが仕方ない。

 

「ああ。友人のムロだ。力仕事要因として連れてきた」

「ムロ君ね。袖森君と同じ調査解決部の溜井よ。今日はわざわざ手伝いに来てくれて有難う」

「気にしなくていいって。俺はモリツネに言われて楽しそうだから来ただけだし」

 ムロがそう言うと、何か疑問点があったのか首を傾げている。

「モリツネ? 袖森君は『袖森 常』でいいのよね……あだ名?」

 あぁ、そこか。

「あだ名と言うより略称だ。ちなみにこいつは『ムロ』じゃなくて室井(むろい) 群太(ぐんた)』」

「そうなの?」

「あ、でもムロのままで良いぜ。そっちの方が慣れてるし」

「ならそうさせてもらうわ」

 

 そして何か知らんが流れ的に自己紹介を終えて少しすると時間になった。

「時間だ。始める。城の下に鉄板があるから掘り返せ」

「軍手とかシャベルはあるからそれを使ってねー」

 船井さんが手を叩きながら言った。

 正直肉体労働は面倒だが……さて、指示通りに真面目に作業にとりかかるか。

 

 

 黙々と作業を続ける俺たち。少し掘ると下に鉄板が見えてくる。

「というか鉄板ひいてあったんだなー」

「それは俺も気づかなかった」

「何の為だろうな?」

「知らんな」

「まさか運ぶためとかだったりしてな? ってそんなわけないかー。アハハハ」

 さすがにそれは無いと分かっているのか笑っている。しかし俺には「運ぶ」という言葉がどうにも引っかかる。

 

 俺は横にそびえている砂城を見上げた。

 だが運ぶ? これを、か? あり得ない……が、崩すだけならこうする意味もないよな。それにここで作ったなら鉄板を引いておく必要はないだろう。

 ……まさかと思うが……いゃまさか……でも、

「……あながちあり得るかもしれないぞ。でなければ今こうしている意味が分からない」

「えぇ! いくら何でもそれはないだろー」

「いや、否定できない」

 良く考えたら吹田さんのテクノロジーはおかしい。

 そのことを踏まえていくと疑惑が確信に変わっていく。まさか……運ぶのかこれを?

「だとしてもどうやって運ぶんだ?」

「ううむ……まさか、空……?」

「空ぁ!? 飛ばすのか? これを」

 自分で言っといてなんだが飛ばすとかどうなんだろうか。だが吹田さんのテクノロジーを舐めてはいけない気がする……UFOとか来ないよな……来ないよな?

「ま、まぁ。作業してればいずれ分かることだ」

 深く考えてはいけない気がする。あの人は俺の常識を超えているのだから。

 だから今は作業に集中だ。

 

 

 ……俺たちは作業をおそらく順調に進めていく。

 

 そして範囲はそれほど広いものではなかったので、そこまで時間をかけずに鉄板を掘り返すことができた。

「このくらいでいいんじゃないか?」

 津出さんがシャベルを鉄板脇の土に刺してそう言うと、船井さんは周りを確認してから吹田さんの方を見る。

「そうねーこのくらいで良いかな」

「あぁ。お前等、鉄板の外に出ろ」

 支持通りに俺たちは鉄板の外へと移動した。

 

 移動し終えて、吹田さんが携帯を取り出してなにやらやっている……これは運ぶ可能性大か?

「部長はどこに連絡を取っているのですか?」

「んーすぐに分かると思うよー」

「そうそう。すぐ分かるって」

 溜井の質問に船井さんと津出さんは意味深な笑顔だ。

「ホントにUFOとか来ないよな……」

 ふとあの時の考えを思い出して空を見上げる。

 

「ん?」

 すると溜井が何かに気づいたようだ。視線は遠くの空に向いている。

「ヘリ?」

 その呟きに俺とムロは空を見るが、距離と暗さの問題でまだ俺には見えない。音もしないし。ムロも同じようだ。

 なので何かが見えているらしい溜井に確認を取る。

「本当にヘリなのか?」

「ええ、音は聞こえないけどあの形は間違いなくヘリね。4機来るわ」

 よく見えるな。

 そう思いながら再び空を見ると、何やら近づいてくるのが見える。

「確かにヘリっぽいな」

「でも音が聞こえてこないぜ?」

「サイレンサーの様なものかな。こんな時間に音させたら迷惑だし」

 ムロの疑問に後ろから答えが来た。

 でもサイレンサーってプロペラに効くのか……? 事実効いているんだし、原理は考えても分からないだろうからもう考えないが。

 

 それよりも、こんなことをしておいて近所迷惑を気にするのか。良いことではあるけどなんというか……

「……常識が無いようであるんですね」

「レンは常識なさそうに見えて一般常識とマナーはあるからねー。ちなみに、グラウンドもちゃんと使用許可とってあったのよー?」

「そうだったんですか」

「まぁ、あまりにも非現実な光景だと時々二次元と三次元の区別が分からなくなりそうなときはあるけど」

「それはシュンがゲームのやり過ぎなだけでしょ」

 あぁ、でも分かる気がするな。現実は小説よりも奇なり、って言うくらいだし。

 

「でもこれ飛行許可とか大丈夫なのですか? それに操縦者が少しでもミスしたら危険だと思うのですが……」

 心配そうに溜井が上を見上げている。

 ……確かに。もしそうなったら大惨事じゃないか?

「飛行許可はとってあるってさ」

 よくとれたな。ってか、

「学生がとれるものなんですか?」

 よく分からないがそう簡単に取れるものじゃないと思うんだが。

「んー……よく分かんないけど、友人に頼んだらとれたみたいだよ」

「友人、ですか?」

「俺は会ったことないけどね。廉都は昔からの友人だって言ってたけど」

「私もあったことないのよねー」

「それ……大丈夫なのですか?」

 俺も心配だ。吹田さんの昔からの友人なのに、吹田さんしかあったことないとか。

 ……いや、友人の友人に会ったことないなんてありがちな話か。

 

「ま、今まで問題も無かったし大丈夫じゃないかな」

「……そうですか」

「まあ……そう言うんでしたら」

 今までもこういうことがあったのかとか、色々と怪しいところはあるが……吹田さんの言っていたことを信じるしかないか。

 

「あ、それとあれ無人機だから。自動操縦だよー」

 自動操縦か。たしかにそれなら操縦ミスも無いか。

「なるほど……自動操じゅ――」

 ……ん?

「「「――え?」」」

 納得しかけた俺たちは同時に船井さんを見る。

「あれ、誰も乗ってないんですか?」

「レンはそう言ってたよ?」

「「「……」」」

 その間もヘリは俺たちの上空でそれぞれが一定の距離を保って待機していた。

 




変なところで終わりましたが、
グラウンドから移動もしていないので、
仕方なく文字数などを考えて一番良さそうな此処で区切らせてもらいました。
中途半端ですみません。

それと前書きで書きましたが、
土日にパソコンが使えないので次回の更新は遅くなると思っていてください。

では次回は後編。
更新は13話を書き終えてからです。
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