12話が3編分の文章量になったので投稿しようと思いました。
それと今回のは内容が内容なので、
次話も早めに投稿しようと思います。
それでは3話です。
平成25年4月11日6:30
約5時間の睡眠を終えた俺はベットの上で現在、
「ぅー……ぁー……」
予言通り軽めの筋肉痛になっていた。部位は二の腕と腰。
だが、軽めとは言えいつにも増して動くのがメンドイ……でも朝食を食べて学校に行かなくては……
「起きるか……」
俺は起きるために手に力を入れ――
「う゛っ……ぁ゛」
――たせいで腕に筋肉痛のダメージが……しかも上体を起こしたせいで腰にも……とんだ災難だ、全く……。
そうして俺は筋肉痛な腕で朝食を終え、筋肉痛な腕を酷使して歯磨きを終え、筋肉痛な腕で何とか着替え終えた。
もう痛みにも慣れてきてそれほど気にはならなくなったが。それでもいちいち動きを阻害される感じは面倒に感じる。
だが今はとにかく学校に行かなくては……憂鬱になりながらも、その思いだけで俺は少し重めの玄関扉を開けて家を出た。
「……行ってきまーす」
うぅ……この時ばかりは隣の馬鹿や妹が羨ましい。
平成25年4月11日7:34
いつもより少し時間がかかりながらも、やっとの思いで教室に辿り着いた。いつも通り中には誰もいない。
「よし、寝よう」
俺は若干の睡眠不足を解消するため、自分の机に座って眠ることにした。
……少し腰が痛むが仕方がないか。
そのまま微睡に身を任せていると、足音や扉の開閉音、会話や動作で教室内が次第に賑やかになっていく。
どれもこれも俺とは無縁の話だからこのまま眠らせてもらおう。
……そして、体感時間で結構経ったように感じた頃にチャイムが鳴りだした。
起きないとか……だが大分眠気はとれた。ムロの睡眠妨害も無かったし。珍しいこともある物だ。
俺は体を起こし、先生が来るのを待つ。
それまでの間、ふと今までのことを思い返してていた。
俺が体を酷使した次の日はムロが声をかけることはあまりないような気がする。
「……」
俺ももう少し、あいつが頭を酷使した後は気を使ってやるべきだろうか……
「……面倒だな」
でも少しは心掛けてみるのもいいのかもしれない……面倒でない範囲で。
その後、先生が教室に入ってきてSHRが始まった。
平成25年4月11日15:15
ようやく授業も終わりか……部活に行こう。
「これから部活か?」
そう思ったらムロが来た。
「サボるわけにもいかないからな」
「ならまた部活終わったらメールすればいいんだよな」
「そうだな」
「りょーかい、じゃ、また後でなー」
「あー」
さて、俺も部活だ。
……することがあるのかもわからないが。
平成25年4月11日15:25
結局、部室に来ても特にすることは無く、昨日と同じ場所で本を読んでいる。まあ、「調査解決部」なのだから依頼みたいなのが来なければ活動は無いか。
別に面倒でないのは良いが……依頼なんて来るのだろうか? 来ない、何てことは無いとは思うけど……
「……」
でもあの時の「また吹田か」発言と「変人クラブ」と言う通称があるということは、定期的に何かしでかすのかもしれない。
……現に、今も向こうの部屋の扉には「本日不在」の張り紙がある。
つまりは今日はいないってことなんだろうけど……一体何をしているのか。だって昨日は普通に居たんだし。
まぁ、とりあえず今はできる事もないし読書を続けよう。ゲームは今朝の筋肉痛のせいで持ってき忘れたし。
そう思っていると扉の開く音がして船井さんが入ってきて、
「あ、二人ともいるねー。書いてもらいたいものがあるんだけど良い?」
俺と溜井を見るなりそう言ってきた。
「書いてもらいたいものとは何ですか?」
「うん。レンから預かってるものがあるのよー。ほら、この質問用紙」
「部長から、ですか?」」
「今日レンは『春のオカルトミステリーツアー』に行ってていないのよねー」
「そうなのですか」
何だその胡散臭いツアーは……しかも「春」のってことは「夏・秋・冬」もあるのだろうか……。
「それで、書いてもらいたいんだけど良いかな?」
「シャーペンで良いですか?」
「大丈夫よー」
「わかりました」
溜井はノートと問題集をしまってスペースを開ける。
テスト前でもないのに勉強とか……随分と勉強熱心だな。宿題が出たならまだしも、俺では考えられない行動だ。
「それじゃー配るねー」
船井さんが質問用紙を配り終える。
「記入し終えたら私に渡してねー」
「分かりました」
「了解です」
……さて、とりあえず書き終えないとな。あの吹田さんが作ったと思うと嫌な予感もあるが。
Q1 特技
特技か……ありがちだけどすごく困る質問だよな。自信過剰じゃない限り、特技と言える特技を持っている人はそうそういないだろ。
それでも何かしら書かないといけないのだが。
「んー……」
長所に近いかもしれないが「体が柔らかい」と書いておこう。
なるべく動かず周りの物を取るために発達した柔軟力は、体力テストの長座体前屈で10を余裕でとるほどだ。特技ではないかもしれないがこれぐらいしか思いつかないんだから仕方がない。
Q2 好物3つ
好きな食べ物だろうか? あえて挙げるなら「カップ焼きそば、きくらげ、かっぱ巻き」だ。カップ焼きそばはソース味でスープ付きならなお良い。
他にも好きなものはあるが肉とサラダは普通すぎるし大雑把すぎる。こういうのは具体的なもののほうがいいだろ。
Q3 趣味
これもまた困る質問だな……漫画・ゲーム・アニメ・ネット・読書くらいしか思いつかない。
どうすればいい……
「……」
思いつかないし、さっきのを素直に書こう。思いついたらまた書き直せばいいや。
Q4 高校の志望動機
これに関しては「家に近かったから」に限るな。それ以外の言葉はいらないだろう。
Q5 バイトの有無
無いにきまってる。しなくてもいいのにそんな面倒なことをするわけがない。金に困ってるわけでもないしな。
Q6 嫌いなタイプ
……人間としてか? 異性の好みではないよな……なら「責任感のない奴」だ。自分の選んだ事にくらい責任は持ってほしい。まぁ、自分以外にそこまでの責任感は求めないけど……自分は「責任」を気にしすぎな気がするし。
あと責任取って死ぬ奴も嫌いだな。書かないが……責任を取るなら背負って生きるべきだろう。あんなの責任逃れでしかない。
だから死刑もどうかとは思うのだが、無期懲役よりはましか。のうのうと生きられるよりは、な。本当なら苦しめ続けられれば――
「……」
――なんて、考えてもどうしようもないことだし若干危険思考な気がする。こういうのは面倒にしかならないからな。
思考を戻そう。今は質問のほうに集中だ。
Q7 部活の志望動機
志望動機って……気になって行ったら入る流れになった感じなんだが。いや、どうあれ入ったからにはちゃんとするけど。
「どうするか……」
……「気になったから」で良いんだろうか? 後付けの志望動機をかいても意味はないだろうし、これでいっか。
Q8 夢
夢、か。正直思いつかない。将来的な話なら大学に行ってまで勉強はしたくないから、高卒で就職はしたいと思ってるけど。ただそれくらいにしか考えてないしな。
成し遂げたいこともなければ、追いかけたいものもない。「ダラダラ過ごす」とかは良いかもしれないが、いくら面倒くさがりでも死ぬまでそうして過ごすことなんて望んでない。現実的でないし、そんな人生はつまらないんだろうな……。
それはさておき、書く内容をどうするか。とりあえず漠然としたものをまとめて「平穏無事につまらなくない人生を、面倒すぎない程度に過ごす」。
「……」
これで、いいんだろうか? 自分でも書いてて分からなくなってきた。でもこれ以上考えても今は出なそうだし、これでいいや。
Q9 興味のあること
この部活に対して興味があると言えばあるけど、そういうことではない気がする。もっと別なことで興味のあること……
「……無いな」
基本面倒に感じてばかりだから何もない。思いつかない。ゲームとかはなんか違うしな。興味ってかもう趣味だし。ここは「部活動」と書くしかないな。なんか違う気もするが、興味あるのは事実だし。
Q10 特殊能力の有無
「ん?」
思わず見返してしまった。
特殊能力……? 超能力の事だろうか? なら何もないが……が、「特殊能力」というのは引っかかる。霊能力とかそういう胡散臭いものの事だろうか?
まあ、そんな自称能力はないので「無し」と書こう。
「ふぅ」
少し時間がかかった気もするが書き終えた。俺はペンをしまう。
にしても、少し変な質問もあったが案外普通だった。正直予想外だ。あの吹田さんの事だからもっと変な質問とかが来るかと思ってたのだが……。
……まぁいい。今は紙を提出しないと。
そう思い椅子から立ち上がると、船井さんに紙を提出する。
「終わりました」
「お疲れー」
俺の分の紙を受け取った船井さんはすでに紙を一枚持っていた。すでに溜井は出していたようだ。
あの自称探偵の回答が気にならないでもないが、わざわざ見せてもらうのも変な話だよな。メンドイし。
思考を切り替え、俺は再び椅子に座り読書の続きを始めるのだった。
そうして昨日と同じ時間になったので俺は帰る準備をする。
「それじゃ、帰ります」
「はいよー、お疲れー」
「お疲れ様」
「おつー」
「……」
船井さんと溜井はこっちを向いて言って、津出さんはこっちは向かずにゲームをしながら、菅さんは何も言わなかったけどこっちを向いて軽く手を上げていた。
俺はそれらの反応を後にして、部室から出た。
平成25年4月11日18:04
「そろそろか……」
後ろを見ると、ムロが走ってくるのが見える。
ホントによく部活後に走れるもんだな。それが分かってるからこうして先に歩いてられるのだが。
……もちろん面倒なのもあるが。
そしてすぐにムロは追いついた。
「よう」
「おう!」
「お疲れさん」
「こんなんじゃ俺は疲れないぜ」
ガッツポーズをしてこっちを見るムロ。
そんなことは知っているが……
「知ってるが何となくな」
「そうか? それで、そっちはどうだったよ? 二日目」
「昨日と違って、いたって平穏だったな」
「そっか」
「そうだな。まあ、毎日あんな事やられたら精神的に疲れそうだ……はぁ」
「『あんな事』って砂の城のことか?」
「あれはどっちかって言うと肉体的に疲れたけどな。それとは別だ」
「て、言うと?」
そう言えば昨日のことは話してなかったか。
「面倒だから簡潔に説明するが、『部室に行ったら殺人現場に遭遇した』」
「はあ……?」
理解されなかった。
いやまぁ、こんな説明では当然か。これじゃただの事件だしな。
「つまり『部室に行ってみたら船井さんが凄い死んだふりをしていた』。あぁ『船井さん』と言うのは、お前が自己紹介しなかった方の女性の先輩だ」
結局こういう説明をすることになるのか。二度手間だな。
「あーいまいち分かんねえけど……何となく分かった」
「それでいい。あまり事細かに説明する気も無いからな。面倒だし」
この程度の説明でこいつが理解できるとは、はなから思ってない。
「でもやっぱり何か変わった人たちだな?」
「……そうだな」
そう言って部活の人間の今のところの印象を整理してみる。
技術力のおかしい部長、死んだふりの上手い副部長、ゲームばかりの副部長、無口の先輩、自称探偵。
「……」
日常系主人公とかにありがちな、個性的な面々に囲まれる普通の人間の気持ちってこんな感じなのだろうか。
自分が主人公だとは言わないが、少なくとも津出さんと菅さん以外よりは変わっていないはずだ。多少の面倒くさがりではあるものの、個性豊かと言うほどでは無い、はず。
「……」
「どうした?」
「あ……いや、少し考え込んでたみたいだ。気にするな」
思わず思考の海に浸ってたら、ムロが不思議そうに声をかけてきた。
「いいけどさ、モリツネってたまにそういう時あるよな」
「お前みたいな運動馬鹿と違って、色々と考えることがあるんだよ」
「おいおい、俺だっていろいろ考えてるぜ? 今日はどんな筋トレをどのくらいしようとか、効率良く練習するにはどうすればいいとか、明日は何キロ走ろうとか、どうすればもっとうまくなるとか、今日は何のトレーニングをどの程度しようとか」
心外だ、と言うように長々と話しているが……。
「長々と話す必要があったのか? と言うか、『トレーニング』と『筋トレ』と『練習』と『何キロ走る』は全部分けないといけなかったのか……?」
「どういうことだ?」
分かってないのかこいつ……いゃ、そうだということは分かってたけど。
「……いゃ別にいい。気にするな」
「? いいけど」
不思議そうな顔されてもな。説明したところでまた同じことしそうだし。
平成25年4月11日18:17
それからも他愛もない話をしつつ俺たちはそれぞれの家の前についた。
「じゃ、また明日な」
「あぁ」
別れの挨拶をして、ほぼ同時に玄関を開ける。
「「ただいまー」」
どうやら今日は風呂掃除をしなくて済みそうだ。
第03話 アンケート 完。
今回の質問用紙の回答は今後の話に関係してくるものもあります。
予定ではくだらないことにですが。
ただ今の書くペースを考えると結構先になってしまいそうです。
本当はもっと早く書ければいいとは思っているのですが……駄目ですね。
それでは次は4話前編。
ようやく部活動ですかね。